メールマガジン 新聞拡張員ゲンさんの裏話

第157回 新聞拡張員ゲンさんの裏話
    

発行日 2007.8.10


■出版本について Part 3 本日発売開始


「本当に、いよいよやな」

「ええ、やっとです」

本日、2007年8月10日が、サイトの出版本『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』の発売日や。

6月15日発行の当メルマガ『第149回 ■出版本について Part1 長かった道程(みちのり)』で、出版本の紹介をしてから2ヶ月弱になる。

その出版本の予約を開始したのが、6月29日からで、昨日、8月9日までの1ヶ月余り続けた。

その間、本当に多くの方々から予約を頂いた。ハカセ共々感謝したいと思う。

これやったら、このメルマガだけやなく、サイトでも予約の募集をすれば良かったと考えんでもないが、正直言うて、ワシらは、出版されるまでは極力隠密行動を取りたかったというのがあった。

大手の出版社からの出版ということなら、それほど神経質になる必要はなかったやろうが、自費出版ということになると少し事情が違うてくる。

新聞協会および新聞各社は、インターネット上の新聞に対する批判記事は黙殺するという姿勢に終始しとるようや。

インターネット上の過激な論調で名誉毀損に該当するものは相当数あると思うが、そういうのがあっても、新聞紙上で弾劾しとる記事は見かけんからな。

おそらく、個別のアプローチなんかも何もないはずや。もちろん、訴訟沙汰があったとも聞かん。

少なくとも、当メルマガやサイトには、開設して3年を経過しとるが、今までそういうのは一切ないからな。

ワシらにはその気はさらさらないが、見方によれば批判しとると受け取る人もおる。

ただ、このメルマガ、サイトの趣旨として、特定の新聞社を誹謗中傷するもんやないと謳うて、実際にそうしとる。

事実をありのままに語るのと誹謗中傷するのとは違うからな。

それに、ワシ自身、その新聞業界でめしを食うてるわけやから、新聞が悪いとあからさまに落としめるようなことも言えんしな。

それでも、悪いことは悪いと言いたいとは思うとる。特に、ワシの専門分野でもある勧誘に関してはな。

新聞社関係の方々も、最近では、過去のことと前置きした上で、勧誘の実態ついてネットや講演会などで話す人も現れはじめた。

また、その手の暴露本のようなものも最近は増えた。

しかし、全体としては、まだまだ勧誘についてはタブー視されとるのが現状や。

それがある以上は、いくら販売の正常化を新聞社が標榜し推進しようとしても、一般の心には届かんやろうと思う。

タブーやアンタッチャブルがある限り、進歩や浄化を望むのは難しい。

悪いものは悪いと自ら認めた上でないと、反省なんかあり得んわけやから、いくら「今から正しくしましょうね」と言うてみても、むなしい戯言(ざれごと)にしか聞こえんわな。

ワシら拡張員が、この先も生き残るには、世間からそれが正しい仕事やと認知される必要がある。

少なくとも後ろ指、指されるようなことをしてたらあかん。

それには、喝勧、てんぷら、置き勧、騙しなどのいわゆる勧誘不法行為をなくすのが、最低条件やと思う。

断っておくが、それをなくしたから良しと言うもんやないで。そんなものはなくて当たり前のことやさかいな。

しかし、哀しいかな、その最低条件すら守られとらんのが現状なわけや。

目先の一本のカード(契約)ほしさのために、そういう事態を招いてきた。

もっとも、そうせな食っていけん拡張員がいとるというシステムにも問題はあるのやがな。

しかし、例えそうであれ、客を困らせるようなやり方が是認されることはない。

貧すれば盗みもやむを得ずには絶対ならんさかいな。

しかも、そうすることで、結局は、難しい仕事をよけい難しくして、自らの首を絞めとるだけのことにしかならんわけや。

その悪循環を何とかせなあかん。

ワシらは、この3年間、その思いでやってきた。

新聞社から、それについての意見を求められたら、いくらでも助言はするつもりやが、残念ながらそれもない。

他のインターネットのサイト、ブログと同じく無視されとるわけや。

それでも、ある販売担当員の方から「えらいサイトができたな。せやけど、そのとおりやから文句も言えんわな」という声も漏れ聞こえてきとるがな。

また、ある新聞社の上層部の方も見ておられるという話も聞く。

その意味では、アプローチがないだけで、完全に無視されとるわけでもないのかも知れんけどな。

新聞社が、インターネットの論調にまったく興味がないのかと言えば、あながちそうとばかりは言えんと思う。

販売店がHPの開設をする場合は、新聞社の許可を必要とする所が多い。

ある新聞販売店の従業員個人が新聞社に批判的なコメントを掲載していたHPが発覚して閉鎖に追いやられたという話を聞いたことがある。

その新聞社では、HPの開設は申告制にして、許可すれば、その運営費として月1万円ほどの補助金が出るという話や。

但し、許可を受けて開設するHPでは、当然やが、その新聞社の批判めいた言動をするわけにはいかん。

そんなことをすれば、新聞社の覚えが悪いというだけやなく、即、閉鎖に追い込まれるというのは容易に想像がつく。

そのためかどうかは分からんが、全国に約2万店舗もの新聞販売店があるにも関わらず、HPを開設しとる所は、ネットを調べた限り300店にも満たなんださかいな。

この数字は他業界と比べても異常に少ないと言うしかない。

それも、インターネットとは縁遠い業界やというのなら別やが、新聞販売店はそれとは違う。

当サイトに協力、あるいは情報をメールで送って頂いた新聞販売店および関係者の方々は、この3年間で500名以上もおられる。

しかも、それは現役の方だけで、元関係者を含めれば700名前後にもなる。その資料だけでも膨大な量をサイトで保有しとる。

余談やが、おかげでメルマガやサイトのネタが切れることはまずない。むしろ、どんどん溜まっていっとるというのが現状や。

ワシらの感触としては、販売店を経営、あるいは勤めとることでストレスを感じとる人は相当数おられると認識しとる。

ワシらへの情報提供は、そのストレスや不満のはけ口やないのかと思う。中には、単に愚痴を言いたいだけの人もおられるがな。

つまり、ワシの言いたいことは、今や、新聞販売店でパソコンを使いインターネットをするのは当たり前の環境やということや。

一つの販売店には必ず数人はパソコンを扱える人間がおって普通や。当然、ネットに関わることも多いはずや。

HPを開設するというても、今はそれほど難しい知識や技術を必要とするもんやない。ブログならもっと簡単にできるしな。

それにも関わらず少ないというのは、ヒモ付きのHPやブログでは、やってられんということやろうと思う。

そのためか、どうかは定かやないが、身元を隠して地下に潜った関係者のHPやブログも結構多いさかいな。

これらについては、その実態、実数を把握できんほどある。

新聞社にどういう意図があるのかは良う分からんが、少なくとも販売店関係者にとっては、公にHPを開設するというのは監視されとるという気になるようや。

実際に、ひも付きのHPやブログを開設したがらん関係者から、そういう話を良く聞くからな。

新聞社のそれは、出版業界にもおよぶと、ある出版業界関係者からの忠告があった。

大手の出版社からの出版ということなら、それほど神経質になる必要はないやろうが、自費出版ということになると難しいという。

新聞社が圧力をかけるとるかどうかというのは話すわけにはいかんが、新聞社の顔色を伺う出版社が存在するのは確かなようやと、その関係者は言う。

実際、タブーとされとる新聞勧誘の実態が本になったというのは、過去にもなかったことやから、出版社を選ぶには、そのあたりに十分気をつけろと。

この出版に関しての話は、このメルマガ誌上だけでしかせんかったが、読者の方の中には、少し奇異な感じを持たれた方もおられたのやないかと思う。

それは、出版社名を明かしてなかったということや。

ワシらの考えすぎやとは思うのやが、どうしても出版関係者の忠告が気になったからそうしたわけや。こういうのを杞憂と言うのかも知れんがな。

それでも、万が一、出版できんということにでもなったら泣くに泣けんさかいそうしたんやが、読者の方には何も知らせず申し訳なかったと思うとる。

それも、現在はすべて完成した後やから何の心配もなくなったがな。

出版社は『みずほ出版』。名古屋にある自費出版専門の出版社や。

以前、メルマガに自費出版を考えているので、良心的な業者を紹介してほしいという相談を貰ったことがあったが、その意味では、良心的な部類の出版社やとハカセが言うてた。

ただ、ええ本を作ろうと思えば、何度も打ち合わせをする必要があるから、いくら良心的やと言うても遠方では通うだけでも難しいわな。

やはり、近場の出版社の方が何かと便利やと思う。

その意味では、東海限定の情報かも知れんがな。

ハカセが苦労したのは、本を作るということより、むしろ、その販売に関してや。

当たり前やが、本を作っても、売らんことには意味がない。

そして、売るためには宣伝せなあかん。せやないと売れるものも売れへんさかいな。

自費出版は売れんと言われとる最大のネックがそれや。

どんな有名な作家の作品、有名人の本であっても宣伝せんことには売れることはない。売れてもタカが知れたる。

もっとも、大手の出版社のように全国の書店に並べられる流通経路を持っていれば、本を手にすることである程度は売れるやろうがな。

しかし、個人でそれをするのはまず無理や。

ハカセは最初から、その書店の流通は頭になかったという。

もちろん、その本やったら置いてやるという書店でも現れれば、喜んでお願いするけどな。

一応そのために必要なISBN(国際標準図書番号)も取得しとるさかいな。

個人が金もそれほどかけずに宣伝するのに一番適したものが、このインターネットやと思う。

現在、ある大手のインターネットショッピングサイトと交渉中やが、当初、考えてたよりも手間と時間がかかりすぎとる。費用もな。

本来なら、もっと早く販売体制を作りたかったのやが、結果的に8月10日の発売日にそれが間に合わなんだ。

せやから、当面は、サイトに書籍販売コーナーを設置して売ることにした。

それも、予約状況を見る限り、サイトで販売を開始すると、ワシらの手では負えんと思うので、受注と発送は外部に任せることにした。

もちろん、何かあれば、すべてワシらが責任を取るから大丈夫やけどな。

販売形式は、予約のときと同じく、代金引換郵便のみや。

これが、今のところ、一番トラブルがなさそうやさかいな。

クレジットカードや銀行振り込み、コンビニ払いがご希望の方は、もう少し待ってほしいと思う。

最後に、特別に本書の「はじめに」の部分を紹介する。ただ、縦書きを横書きにしたから、若干、読みにくいかも知れんがな。


はじめに

 悪質な新聞の勧誘に悩まされている方が多いという話は良く耳にします。しかし、それについて語られた、あるいはその対処法が示された書籍というものは、過去ほとんど出版されていませんでした。
 
 それには、この悪質な新聞勧誘の実態を取り扱うこと自体、タブー視されてきたということが最大の要因だと言えます。
 
 新聞社およびテレビやその他のマスコミ関係者が、かたくなにそれを守ってきたという歴史があります。 

 ただ、私も、新聞業界全体が、そういう悪質な勧誘に対して否定的な見解を持っているというのは良く知っています。その自浄につとめ、撲滅に力を注いでいるのも事実です。
 
 しかし、哀しいかな、それが一般には伝わっていません。また、伝える努力もしていないと思われます。少なくとも、一般読者にまでは、それが届いていないのは確かなことですから。
 
 新聞購読者を獲得する営業のことを「拡張」と言います。その専門営業会社を「拡張団」、そこで実際に営業している者を「拡張員」と長く呼ばれてきました。
 
 それが、ここ三年ほどの間にその「拡張員」という言葉は、放送禁止用語に指定され、新聞、テレビなどのマスコミでは一切、使われなくなってしまいました。
 
 現在は、「拡張員」のことを「新聞セールス・スタッフ」と呼ぶよう業界関係者には、新聞各社から通達されています。ちなみに、その営業会社である拡張団は「新聞セールス・チーム」と言います。
 
 この「拡張員」という言葉は、昭和二十年代から、およそ六十年近くも業界で言い習わされてきたものです。実際、世間一般では「新聞セールス・スタッフ」という呼び名より「拡張員」の方が、まだまだ一般的なので、本書では「拡張
員」と表記することにしています。
 
 その言い換えを業界関係者に通達することで一般にも認知させようというのは、この「拡張員」と呼ばれる営業員の勧誘に問題があると新聞社自身が感じたからに外ならないと思われます。
 
 それには、「臭いモノには蓋」式の日本社会全体に覆われている悪しき風習が、新聞業界にも蔓延しているためでしょう。良くも悪くも隠蔽しているという構図がそこにあるわけです。
 
 今まではそれで通用してきたかも知れませんが、これだけインターネットが普及した現代において、それを隠し通すことは、とても無理なことだと言わざるを得ません。
 
 ネット上には、そういう悪質な勧誘が引き起こすトラブルを暴露することで、新聞業界に対するバッシッング記事が氾濫しています。業界関係者以外で、新聞擁護派のサイトを探す方が、はるかに困難と言えるほどです。
 
 新聞業界の影響力のためか、テレビをはじめとする、ほとんどのマスコミで、そのことが報じられることは、今のところまだありません。
 
 それは、出版業界についても言えることだと思います。
 
 どこの本屋に行っても、新聞の勧誘について突っ込んだ内容のものも、その手のタイトルのものもありません。少なくとも、私には見つけることはできませんでした。
 
 新聞社自体を批判した内容の本なら、いくつか見当たりました。しかし、その中でも、新聞勧誘に触れたものは皆無とは言いませんが、少ないのは事実です。
 
 もちろん、それには、その詳しい実態を知っているという筆者がいなかったということもあったでしょう。しかし、それだけではなかったのではないかと思えるふしもあります。何か圧力のようなものがあったのではないかと。考え過ぎかもしれませんが。
 
 真に新聞関係者の方が、過去の勧誘について反省されるのなら、その良い所、悪い所のすべてをさらけ出すべきだと思います。隠蔽体質からは、何ら新しいものは生まれないのではないでしょうか。
 
 本書は、ホームページ『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』の『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A』コーナーに寄せられた実際の相談内容の中から、代表的なもの選出して、新たに編集し直したものです。加えて、相談者の都合でポームページ上に不掲載とした内容のものも含まれています。ですから、ホームページの読者の方にも、楽しんでもらえるものになったと確信しています。
 
 主な回答者は、私の友人で、現役の「拡張員」を十三年間続けている通称「ゲン」さんという人です。彼は、過去に他の営業で、苦情処理係りの経験もあり、その回答には説得力があると、ホームページ上では、それなりに評価されています。
 
「泥棒に入られたくなければ泥棒に聞け」ということがあります。何でもそうですが、その道のプロに聞くのが一番確かなことだと思います。
 
 尚、本書での法律的な解釈は、ホームページに無料で顧問をしていただいている『今村英治FP労務行政事務所』の今村英治氏のご助言を参考にさせてもらっています。
 
 本書を手にされることにより、一人でも多くの方に新聞勧誘のしくみを理解していただき、トラブル防止に役立てていただけるよう願っています。また、販売関係者の方からの質問も数多く収録してありますので、販売店の経営、拡張の営業
に関しても得られるものが多いのではないかと自負しています。
 
 最後に、お断りしておきますが、本書は新聞勧誘の実態を暴くという趣旨のものではありません。ですので、実名での批判は避けさせていただいています。
 
 それでは、ホーページ同様、全編関西弁で語られているゲンさんの軽妙で面白く、含蓄の深い世界をお楽しみください。


               二00七年 八月             白塚 博士


と、まあこんな感じや。これで、興味が湧くようやったら買うてやって。


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