メールマガジン 新聞拡張員ゲンさんの裏話

第165回 新聞拡張員ゲンさんの裏話
     

発行日  2007.10. 5


■背負(しょ)い紙……その哀しき実態


これは関東のある地域での話や。

「また、A店か、今日は遊びだな」

「まあ、仕方ないな。それにしても、あの店はショイだらけで、まともな紙(新聞)はないのと違うか」

そのA店に入店するために向かっている車中での、若き拡張員、タクヤとシンジの会話やった。

この会話に出てくる「ショイ」というのは、「背負(しょ)い紙」のことを指す。

新聞業界に関心のある方やと「押し紙」というのを聞いたことはあると思う。また「積み紙」というのを知っている人もおられるかも知れん。

しかし、さすがに「背負(しょ)い紙」という言葉まで知っている人は、業界以外では少ないと思う。

その「背負い紙」について説明する前に、押し紙や積み紙のことにも少し触れとく。

それが、分からんと、この「背負い紙」を理解できんやろうと思うしな。

押し紙というのは、新聞社の販売目標に合わせて、専属の各新聞販売店に、その部数を強制的に買い取らせる行為のことをいう。

業界では悪質な新聞勧誘の実態と同様に、長くタブー視されてきたものや。触れることの許されないアンタッチャブルなものでもあった。

過去、この押し紙の存在に触れたがために、運営を休止に追いやられた販売店関係者のHPがいくつかあったと聞く。

それに対して、新聞社がどの程度、関与したかまでは分からん……ということにしとく。

「押し紙」は、公正取引委員会の新聞特殊指定において、禁止行為の一つにもなっとるものや。特に罰則規定はないが、法律違反には違いない。

その存在が明らかになれば、新聞特殊指定が外され、新聞業界は窮地に立たされることになる。

事実、その窮地が、去年の2006年にあった。

このときは何とか事なきを得たが、この押し紙の存在そのものがなくならん限り、またぞろ浮上する問題やろうと思う。

もちろん、新聞社が公にその押し紙の存在を認めることはないがな。

新聞社の言い分は、あくまでも販売店の自主的な注文により、新聞を卸してるだけということになる。

また、必要以上の注文は控えるよう所属の販売店には文書で通知しとるとも言う。新聞社によれば、その誓約書まで提出させとるということや。

しかし、その押し紙の負担に耐えかねた販売店が新聞社を相手取り裁判を起こしたというケースが、過去にいくつかあった。

俗に言う「押し紙裁判」と呼ばれとるものがそうや。結果は大半が販売店側の敗訴となっとる。

裁判所も初めから新聞社の言い分を認めて「押し紙」はないものとして判決が下されていたと見受けられるから、当然の結果ということになる。

それが今年の2007年6月19日、福岡高等裁判所で、その「押し紙」の存在を認めるような判決が下された。

その判決文の中に、


一般に,新聞社は,新聞販売店に販売する新聞代金と新聞に掲載する広告料を主な収入としているため,その販売部数が収入の増減に直結することから,販売部数にこだわらざるを得ない。

そのようなところから,拡販競争の異常さが取り沙汰され,読者の有無とは無関係に新聞販売店に押し付けられる「押し紙」なるものの存在が公然と取り上げられる有り様である。


という部分があり、裁判所がその「押し紙」の存在を認めたとも受け取れる記述がある。

もっとも、この一時をもって、すべての新聞社に押し紙が存在するという根拠にはならんやろうとは思うがな。

実際に、その押し紙などまったくない販売店も数多く存在するのは確かやさかいな。

また、この裁判は、その経営権を新聞社から取り上げられそうになった販売店が、その身分保全のために起こしたもので、押し紙自体の是非について争われたものやないということもある。

ただ、これにより今まで以上に「押し紙裁判」が増えるという可能性は考えられる。

それでも、この判決があるからと言うて必ずしも原告の販売店側が勝訴するとは限らんやろうがな。

どんな裁判でも、ケース・バイ・ケースでその結果は違うさかいな。

もっとも、今までのように一方的に無視されたような状況と違い、某かの影響があるとは考えられるけどな。

積み紙というのは、この押し紙とは逆で、新聞販売店自らの意志で余分な新聞を買う行為のことをいう。

大型店と思われたいという見栄や改廃(契約解除による強制廃業)逃れ、担当員の受け狙いなど理由も様々やが、こちらの積み紙については新聞社の積極的関与はあまり考えられんのやないかと思う。

この積み紙の存在も、押し紙裁判では販売店側に不利に働いてきたということがある。

新聞社からすれば、これは、販売店の虚偽報告による架空読者の計上ということになる。

つまり、どれが押し紙で、どの部分が積み紙かを判別する難しさというのがあるわけや。

しかも、それを裁判所は文書だけの内容で判断するわけやから、どうしても限界がある。

例え、2、3日でもその担当裁判官が、紙受け(新聞印刷工場から販売店への配送受け取り)時の午前2時頃から、配達終了時の6時ないし7時頃まで、その販売店に張り付いていたら、その残紙量の多さで、ある程度、分かりそうなもんやと思うがな。

まあ、そんなことは民事裁判では、よほどのことでもない限りすることはないやろうから、言うだけ無駄とは承知しとるけどな。

ただ、客観的事実として、工場出荷のままの残紙が多くの新聞販売店から古紙回収業者の手に渡っとるのは確かや。

これは、その気になればデータとして集めることもできる。その数量は、実に新聞発行量の1割強に当たる37万トンにものぼるということや。

日本の新聞古紙回収率が6割前後やから、それで計算すると新聞古紙量の2割弱もの残紙が存在しとるということになる。

これは、どう考えてもやはり異常な多さと言うしかないわな。その異常なことが、この業界では、今までそれと捉えられてなかったわけや。

ワシにしても、押し紙、積み紙の存在を知ってはいても、長い間に培われた仕組みの一つやというくらいにしか思うてなかったさかいな。

一般にもそれほど知られてないのは、そういう報道が一切ないということもあるが、悪質な勧誘とは違い、購読者が直接、被害に遭うことがないからやと思う。

少なくとも、サイトのQ&Aには、その押し紙のために困ったという相談は皆無やさかいな。

押し紙があろうが、なかろうが、それにより新聞代が徴収されるわけでも、安くなるわけでもない。

新聞代は、その新聞社毎に一律と決められとる。今のところ、何があろうがそれが崩されることはない。少なくとも公にはな。

積み紙は別として、押し紙による直接的な被害者は販売店ということになるが、そのための補助金や経営継続の保証もされとるのが普通やから、まったくのマイナスということでもないと思う。

これによる明らかな被害者は、折り込みチラシ業者ということになる。

新聞販売店には、公売部数と実売部数の二つがあるが、たいていは実売部数が表に出ることはない。

実売部数2500部に押し紙、積み紙分の500部がある場合、それを加えた3000部が、その販売店の公売部数ということになる。

折り込みチラシ業者には、その公売部数3000部に対して折り込みチラシを納入するように言う。

つまり、500部は水増し分ということになり、チラシ代金を受け取るわけや。

厳密に言えば、これは詐欺罪ということになる。

もっとも、販売店としては「実売部数はこれだけしかないのですよ」と口が裂けても言えんという事情もあるのやがな。

ただ、これで摘発された販売店も訴えた業者も今までのところない。直接、文句を言うた業者なら知っとるがな。

新聞店に納入する折り込みチラシ1部の平均価格は3円程度や。500部の水増しがあるとしても1500円にしかならん。

折り込みチラシ業者がその事実を知らんという場合もあるが、例え知ったとしてもそれを取り返すために訴えるということは、まずない。

裁判費用の方が高くつき、費用対効果が得られんということもあるが、嫌ならそのチラシを入れるのを止めたら済む話や。

あるいは、その事実をつきつければ、次回からのチラシ代金の値引き交渉も容易にできると思われる。

定期的に納入しとる業者なら、3円のところを2.5円くらいにはするやろうと思う。0円になるかか2.5円かの選択やさかいな。普通は安くても利益になる方を選ぶやろうから、その交渉は成立しやすい。絶対とは保証せんけど。

また、業者によれば、最初からその水増し分を見越して、公売部数の1割〜2割減のチラシしか依頼せん所もあるということや。

結果として、その押し紙に耐えきれず裁判に訴えたというケース以外は、それほど大きな社会問題にはならんということになる。

その押し紙裁判すら、テレビや新聞の話題になりにくかったというのもあり、一般にはあまり知られてないというのが実状やと思う。

もっとも、新聞社憎しの人間は、それを格好の攻撃材料に使うとるようやがな。

しかし、その連中でも、その押し紙、積み紙により、「背負い紙」が存在しとるというのは知らんようや。

それを取り上げとるHPやブログというのが、ほとんどないさかいな。少なくともワシらは知らん。

その情報を得られんということもあるのやろうが、押し紙行為を叩くことで新聞社を攻撃さえできれば、それで良しという風潮があるように思える。

もちろん、押し紙裁判にも、その存在のカケラすら登場することはなかった。

その「背負い紙」の被害者は、押し紙、積み紙をさらに強制的に押しつけられとる一部の販売店の従業員たちやと思う。

世の中の仕組みすべてについて言えることやけど、理不尽なことというのは、常に、より立場の弱い者へ順繰りに押しつけられていくという現実がある。

新聞社から販売店へ。販売店からその従業員へ。そして、従業員の中でも、店長、主任クラスから一般従業員へと、より立場の弱い人間に、その負担がのしかかるという構図になっとるわけや。

今回、テーマに掲げた「背負い紙」というのは、そういった背景の中から生まれたものや。

専業と呼ばれる販売店の従業員にも勧誘のノルマがある。そのノルマが過酷な販売店も多い。

ある販売店では、月最低でも新勧(新規勧誘契約)で10本というのがノルマやということや。それに加えて止め押しという担当地域の継続客の契約更新を100%要求される。

そのノルマがクリアーできたら問題はないが、なかなかそれが難しく、できん者の方が多い。

きつい販売店やと、そのノルマが果たされへんかったら、かなり厳しく叱責されるということや。

その叱責を逃れる目的で「背負い紙」というのをする。また、それを強要する販売店もあるという。

つまり、「背負い紙」とはノルマの不足分の新聞を身銭切って買い取るというのを意味する言葉なわけや。

過去、このメルマガの『第93回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ある新聞販売店での出来事 前編』の中で、それについて触れたことがあった。

これは、実在の販売店で実際に起きた事件を参考に話したものや。ちなみに、この中では「背負い紙」のことを「抱え込み」と表現しとるがな。

その部分を抜粋する。


少ない者でも10部程度、多い人間になると30部、40部というのもざらにいとるという。金額にするとかなりになる。

販売店は確かに押し紙というて、新聞本社から半強制的に部数を押しつけられるということがあると聞くが、販売店は販売店で専業に、こういう形で新聞を買わすような所もあるようや。

もちろん、表面的には、従業員の希望ということになる。あるいは、別名での購読というのもあるという。

中略

この販売店グループの専業は常時50名はいとる。平均20部の抱え込みがあれば、計算上は1000部の新聞を彼らが取っとるということになる。

加えて、成績の悪い出入りの拡張員も、その抱え込みをする人間が結構いとる。その数は把握できんけど相当数あるはずや。

加えて、この店では、アルバイトの人間にも新聞の購読を義務付けとる。全店でアルバイトの総数は500名近くになるから、その数も馬鹿にならん。

一般的に昔から押し紙というと、一方的に販売店のみの負担と思われがちやが、店によれば、こういう状態の所もある。

勘違いされると困るから、大半の販売店では、こういうことはないというのは言うとく。そういうのは、極一部や。


ここでも、断っとるように、そういうことを実際にしとる販売店は少ないが、現実に存在しとるというのもまた確かなことやと言える。

その店では、専業の「背負い紙」による負担額の平均が10万円ほどもあるという話やから半端やない。

ワシが、『押し紙、積み紙をさらに強制的に押しつけられる一部の販売店の従業員たち』が最大の被害者やと言うのは、そういう理由からや。

しかし、話はここで終わらん。

その専業たちにすれば、ノルマが達成できんとさらに「背負い紙」が増大していくわけやから、何とかしようと当然のように考えるわな。

その何とかというのが、営業の技術を磨いて契約件数を増やすという方向に向かうというのならまだ救いはあるが、多くは様々な形で不正行為に走る道を選ぶと聞く。

冒頭での若き拡張員、タクヤとシンジの会話も、そういう販売店の一つ、A店に入店せざるを得んことになったためのボヤキということになる。

「鉄砲(無差別)で叩い(訪問営業)ていたら、重複しとるとかで、ほとんどのカード(契約)がハネられるからな」と、タクヤ。

「ああ、実際には新聞も入ってないし、契約もしてないというのにな」と、シンジも同調する。

専業の作ったてんぷら(架空契約)なのは明白なのやが、それを言うてもどうにもならん。

この業界では、契約を買い取るかどうかの決定権は、その販売店にある。

そのA店では「引き継ぎ」と呼ばれる契約を確定するのは、主にその専業の仕事ということになっとるから好き放題にしとるわけや。

それを所長に言うてみても、店の専業と拡張員のどちらを信用するかとなると、文句なく自店の専業の言い分ということになるやろうから言うだけ無駄や。

もっとも、それには、拡張員に渡す拡張料より、専業への報酬の方が安いということもあるのやがな。

せやから、ここA店では、真面目に上げたカードよりも専業のてんぷらの方が優先されるわけや。

まともに叩いて仕事する気には、とてもやないがなれんという。

しかし、それでもここに入店する拡張員たちが坊主(契約ゼロ)になるということは少ないらしい。

どういうことかと言うと、その専業たちが拡張員に、そのてんぷらカードを売りつけとるからや。

その売値は、3ヶ月カードで11000円ということのようや。ちなみに、このA店での一般拡張員の3ヶ月のカード料も、それと同額の11000円やという。

それやと、行って来いということになりメリットは薄そうやが、拡張員にすれば、そのカードは即入扱いになり、1000円が余分に貰える。

また、販売店と団が交わしとる「まとめ料」なんかも自然にクリアになるから、後日、それも入る。

しかも、そのカードは、一人の拡張員に対して複数枚作られるのが普通で、そこそこの稼ぎにもなるし、それで成績も上がることになるから、結果として、上げ枚数に比例した団からのプレミヤも多く貰えることになる。

多い人間には、1日に35本ものそういうカードが作られたこともあったという。平均して一人あたり10本程度はそういうのがあると聞く。

それらの拡張料が、遊んでて貰えるのやから、「今日は遊びだな」と言うてるほどにはタクヤらもボヤいとるわけでもない。

ただ、彼らもそれなりに拡張員としてのプライドがあるから、素直にそれを喜ぶことができんだけのことや。

そんなことをせずとも、普通に叩かせてくれたらカードを上げられるのにという思いがあるさかいな。

もちろん、こういうことをするには、それなりの理由がある。

専業が、拡張員にカードを11000円で売っとると言うたが、それで利益が出るからしとるのでもない。

3ヶ月分の新聞代は、この全国紙のA店の場合、3925円×3ヶ月=11775円ということになり、ほぼ同額ということになる。

そのカード分の新聞代金は売った専業が、店に支払うことになっとるわけや。

そうしておけば、例えそれがてんぷら(架空契約)やったとしても、配達、集金がなされたものとして帳簿上は正規の契約になるさかいな。

こういう行為を俗に「お絵描き」という。もっとも、この「絵を描く」という表現は、何も新聞業界だけやなく、広く一般にも「画策する」という意味で使われとる言葉ではあるがな。

経営者である所長は、店の専業たちの話から、そのことを知らんということのようやが、それは考えにくいとワシは思う。

この店では、その引き継ぎに関わった専業は、拡張員がカードを多く上げれば、良く管理したということで、そのノルマが免除される仕組みになっとるらしい。

普通そういうのは、あまり聞かんから、店ぐるみでそれをしとると考えた方が自然や。

確かに、専業と拡張員との間のやりとりとしての額は行って来いということになるが、販売店が拡張団に支払う額はそれでは済まん。

少なくとも、その1.5倍以上は支払っとるはずや。拡張員に3ヶ月契約1本につき11000円支払っているとしたら、少なくとも16500円以上ということになる。

それにプラス、3ヶ月分の景品代も表面上は必要や。それが、1日数十本もあれば、かなりの出費になる。

新聞代は確保されとるから問題はない。問題は、その余分に支払う拡張料やが、これも増紙したことにより新聞社から、拡張補助費というのが出る。

この拡張補助費というのは、拡張員を入れて上げた契約分だけに対して支払われるもので、全国一律やなく、その新聞社や地域の状況でかなりその額に開きがあるのが普通や。

つまり、このA店のように拡張料が高めに設定されとる所は、それなりに高い拡張補助費というのが出とると予想されるから、それで何とかつじつまが合うことになる。

ちなみに、営業補助費というのは増紙分全体に対して別個に支払われるということや。もちろん、その額も一律やない。

どんなにのんびりとした経営者でも、それに伴う金の出入りに気づかんはずはないと思う。

拡張補助費や営業補助費を貰うとると言うても、それでプラスに転じるというのは考えにくい。いくらかマイナスになるのが普通や。

もちろん、そのままの状態が続けば、店の経営も怪しくなるが、常に増紙しとるという実績で優良店と認定され、その他の補助費やら特典を新聞社から引き出せるから、全体としてのメリットはかなり高くなる。

加えて、公売部数が増えることで、一般業者も人気のある販売店と錯覚しやすくなり、折り込みチラシの依頼増も見込めるから、その分は確実にプラスになる。

参考までに言うとくが、このA店のような高額な拡張料を支払っとる販売店は少ない。裏を返せば、この高額な拡張料が、そういった不正行為を誘発しとるとも言えるわけや。

ただ、これだけを見る限り、ワシの言うほどの「背負い紙」による被害はないように感じるやろうが、このA店の専業がしとるようなことが、他でもやられとるわけやない。

また、このA店にしたところで、引き継ぎを任せられ、やりたい放題のことができる者というのも限られとる。

それ以外の専業は、重いノルマに喘ぎ、それが達成できんかったら「背負い紙」をせなあかん雰囲気に追い込まられ、実際、そうしとるわけや。

このA店の専業のようなことができず、背負い紙をせなあかん者は、是か非でも契約を上げようとする。

それが、往々にして悪質な勧誘につながることになる。

もちろん、ワシは、それやから仕方ないと言うてるのやないで。

どんな理由があれ、客である一般購読者に迷惑をかけるというのは許されることやないさかいな。

ただ、悲しいかな、そういうことしか考えつかん人間もおるということや。

『理不尽なことというのは、常に、より立場の弱い者へ順繰りに押しつけられていくという現実がある』と言うたけど、その立場の弱い者が、さらに立場の弱い者を狙う場合もある。

気の弱そうな学生さんや若い独身者が、喝勧に遭う確率が高いというのは、そういう背景もあるわけや。

これも、突き詰めれば、部数至上主義が存在する故の弊害ということになるが、そこには、哀しい人間の性(さが)があるのも、また事実やと思う。

部数にこだわる新聞社が減れば、そういう悪質な勧誘も激減するやろうとは思うが、それで、それらがすべてなくなり解決するかというのは何とも言えん。

ただ、哀しき「背負い紙」だけはなくしてやってほしいと切に願うのみや。


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