メールマガジン 新聞拡張員ゲンさんの裏話
第85回 新聞拡張員ゲンさんの裏話
発行日 2006.3.24
■新聞特殊指定について
現在、公正取引委員会が、新聞特殊指定の見直しを検討しとるということで、新聞業界は大変な騒ぎになっとる。
新聞業界にとって、この特殊指定が見直しされると、新聞そのものの存在が危うくなり、衰退するとの懸念を強く持っとるということのようや。
新聞特殊指定では、新聞社や販売所が地域や相手によって定価を変えたり値引きしたりすることを禁じとる。
過剰な競争がふさわしくない商品やサービスについて、独占禁止法に基づき公正取引委員会が告示したもので、その特殊指定の一つに新聞は1955年に指定された。
新聞は、この特殊指定と独占禁止法の再販制度によって維持されてきたという側面がある。
製造業者が小売業者との間で定価販売をする契約は、独占禁止法で原則、禁じ
られとるが、新聞はその適用除外とされとる。これが、再販制度(再販売価格
維持制度)や。
再販制度は、販売店が定価販売を守らんかった場合、新聞社がその販売店との業務委託契約の解除が可能というだけで、値引き販売自体を禁じたもんやない。
特殊指定は、その販売店の直接の値引きを禁止しとるから、実質的に再販制度をより強固なものにしとると言うてもええ。
裏を返せば、この特殊指定が外されると、再販制度そのものが危うくなる。そう新聞各社は懸念しとるわけや。
そして、公正取引委員会は、昨年の2005年11月、特殊指定について、時代に適合しているかどうかということで廃止を含めた見直しをすると表明した。
これまで、この問題は何度となく取り上げられたが、その都度、見直しされることはなかった。
しかし、ここに来て、どうやら、公正取引委員会は本気で、その見直しをしようとしているらしいと判断したからこそ、冒頭で言うた通り、新聞業界は大変な騒ぎになっとるということや。
それは、新聞各社が、このことをかなりの紙面を割いて報じとることでも分かる。また、それを阻止せんと決起集会も頻繁に行われとるようやからな。
今回、このことの是非を、一般購読者、末端の新聞販売店、拡張営業関係者などに、このメルマガ、及びHPを愛読して頂いている多くの読者の方々に考えてほしいという思いから、ここで取り上げることにした。
そして、それを、ワシらの理念通り、一方からの見方だけやなく、様々な方向からこの問題を捉え考えてみたいと思う。
まず、この新聞特殊指定の見直しを検討しとるという公正取引委員会の立場から考えることにする。
それには、独占禁止法について、少し触れとく必要がある。
尚、この法律は、今年の平成18年1月4日から改正独占禁止法として施行されとるから、ここでは以降、それとして話を進める。
改正独占禁止法
第一条
この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。
これが、趣旨ということになる。ポイントは『私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止』『公正且つ自由な競争を促進』ということに尽きる。
適用除外
第二十三条
この法律の規定は、公正取引委員会の指定する商品であつて、その品質が一様であることを容易に識別することができるものを生産し、又は販売する事業者が、当該商品の販売の相手方たる事業者とその商品の再販売価格(その相手方たる事業者又はその相手方たる事業者の販売する当該商品を買い受けて販売する事業者がその商品を販売する価格をいう。以下同じ。)を決定し、これを維持するためにする正当な行為については、これを適用しない。
この適用除外が新聞販売に該当しとるから、改正独占禁止法には違反してないということになる。
これが、現在の再販制度となり、宅配制度を守る根幹となっとる。そして、特殊指定には、その補強、担保の役割があることになる。
新聞業における特定の不公平な取引方法(特殊指定)について、1999年7月21日、公正取引委員会で告示されたものがある。以下がその主な内容や。
1.日刊新聞の発行業者は、直接、間接を問わず、地域、相手により異なる定価や定価を割り引いて販売すること。但し、学校教材、大量一括購読、その他、正当で合理的な理由の場合この限りではない。
2.新聞の個別配達をする販売業者(新聞販売店)が、直接、間接を問わず、地域、相手により異なる定価や定価を割り引いて販売すること。
3.発行業者が販売業者に対し、正当かつ合理的な理由がないのに、次の各号に該当する行為をすることで、販売業者に不利益を与えること。
一、販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること。販売業者からの減紙の申し出に応じない場合も含む。
二、販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給すること。
以上の禁止項目に該当しとると判断されたら、特殊指定を外されるということになる。
公正取引委員会には、実質上、新聞の特殊指定の条項は守られてないのやないかという懸念が強い。
つまり、特殊指定で規定されとる幾つかの禁止事項がすでに、有名無実となって破られとるのやないかということや。
例えば、2.の販売店が値引き販売することについて、そういう所がすでにあるというのは周知の事実やないのかというのがある。
確かに、一部ではそういう所があるのは否定できんとは思う。現在、ワシが入店しとる販売店にはそういうのはないがな。
しかし、過去に、ワシが経験した極端な例では、新聞代が1500円にしとるという販売店もあった。その当時、それに対抗して拡張するのに難儀したことを覚えとる。
また、新聞の購読契約では、1年契約で3ヶ月サービスというケースは良うあることやが、これを公正取引委員会では「無代紙」と呼んで、値引きとして扱うとる。
公正取引委員会としては、この値引きする行為自体を問題にはせん。むしろ、改正独占禁止法の趣旨から言えば歓迎したいくらいやろと思う。
ただ、特殊指定ということからすれば、それがあれば実態に即しとらんし、違
反行為やから外せという意見も出てくるわけや。
『1年契約で3ヶ月サービスというケースは良うあることや』とは言うたが、新聞社はこのことを認めとらん。
実際、それをしとる販売店も新聞社には内緒という所が多いようや。
その事実を知れば新聞社はええ顔をせん。価格維持の通達はやはり厳しいからな。無代紙にしても、新聞社が推奨することはまずない。原則禁止が建前や。
ただ、金券、物品の景品供与については、景品表示法の適用があるが、この無代紙に関しては規制がないということがある。これだけやと、景品表示法違反に問われることはないわけや。
そのため、このサービスを多用しとる販売店も確かにある。また、これには、残紙が多いからというのもあるのやがな。廃棄するくらいなら、サービスに使えということのようや。
厳密に言うと、これプラス洗剤1箱でも物品を渡せば景品表示法違反となる。また、この無代紙を選ぶか景品にするかの選択を客に迫っても違反になる。ちょっと、ややこしいがな。
個々の販売店が勝手に隠れて値引きしとるような場合は、新聞社には分からんということになる。
それが、公になって公正取引委員会あたりに知られることにでもなれば、契約解除もありうることやし、そうする可能性も十分考えられる。
せやから、新聞社サイドからすれば、2.のケース『相手により異なる定価や定価を割り引いて販売すること』というのは表向き、ないことになっとるわけや。
ただ、現実には、それが存在するのは、この業界関係者なら誰でも知っとることやと思う。当サイトのQ&Aの相談にも、それと分かるものが幾つかあるしな。
そして、その証拠やそれをしとる根拠となるものを、公正取引委員会は掴んで資料として集めとるということもある。
毎年、公正取引委員会が全国で公募しとる消費者モニターというのがあるんやが、そこから、その実態が知らされてくる。
当メルマガやHPへも、公正取引委員会の消費者モニターをされておられるという方から、情報を寄せて頂くことがある。
それによると、以前は消費者モニターというのは、全国に1000人おったとのことやが、平成18年度の募集は900人やという。
この消費者モニターというのは、ほぼボランティアやが、その報告率は非常に高いものがある。毎回回答率が9割を下ることはないそうや。
当然、新聞勧誘についての報告例も多い。その中には、不良拡張員や販売店員による不正な勧誘例も多く存在する。
さらに、無代紙や景品提供の実態については、ほぼ完璧に近い資料を持っとるものと思われる。
3.のケースは、押し紙封じと思われる。押し紙もこの特殊指定の違反行為になる。
押し紙とは3.に明示されとるように『一、販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること。販売業者からの減紙の申し出に応じない場合も含む。
二、販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給すること』そのものやからな。
押し紙というのは、具体的に分かりやすく言えば、新聞社が実販売部1000部の販売店に1200部を強制的に買い取らせるというような行為のことを言う。
この押し紙については、昔から言われとったことで、新聞社から押し付けられた販売店が、その負担に堪えかねて、裁判所に訴え出たというケースもある。
しかし、その最高裁の判決は、そういう押し紙の存在はなく、販売店側の敗訴となっとる。裁判官も最初からその事実はなかったと認定して判決を下しとるわけや。
ただ、その押し紙という行為はどうであれ、たいていの販売店で相当数の残紙が発生しとるのは事実や。ただ、これは、その販売店毎で割合はかなり違う。
少ない所で5%程度、多い所では30〜40%に及ぶことさえあると聞く。それらの残紙は、建前として予備紙ということになるのやが、それが、本当に適切な量なのかは疑問符がつくところやと思う。
因みに予備紙というのは、配達準備中および配達時に破れや汚れがあった場合や雨などに濡れた場合、あるいは誤配などで再配達をするための新聞をいう。
また、配売店に新聞を直接買いに来る顧客用というのもある。新聞の自販機に入れるものも予備紙の内に入る。
この押し紙問題については、ワシも詳しく実態を把握しとるわけでもないし、法律上は存在せんということやから、今は、このことについてはこの辺にしとく。いずれ、話すときがくるかも知れんけどな。
もっとも、ワシがどうこう言うまでもなく、公正取引委員会ではすべて把握済みやと思う。そんな甘い組織でもないしな。
それらのことで、公正取引委員会にとって新聞の特殊指定は、最早、意味のないものという考えで見直そうとなっとるのやないかな。
次は、新聞社サイドからこの問題を捉えてみたいと思う。
2006年3月15日。新聞協会が特殊指定の堅持を求め、特別決議をしたというのがあるから、その一部を抜粋する。
新聞は、憲法21条によって保障された報道の自由を担い、国民の「知る権利」に寄与するものである。こうした使命は、自由で多様な新聞がつくられるだけでなく、公正な競争を通じ、住む場所を問わず、また災害など困難な状況下でも、同一紙同一価格で戸別配達により提供されることによって実現される。
新聞販売店による定価割引の禁止を定めた特殊指定は再販制度と一体であり、その見直しは再販制度を骨抜きにする。販売店の価格競争は配達区域を混乱させ、戸別配達網を崩壊に向かわせる。その結果、多様な新聞を選択できるという読者・国民の機会均等を失わせることにつながる。
昨年7月施行の文字・活字文化振興法は、すべての国民が等しく文字・活字文化の恵沢を享受できる環境の整備を国に義務付けている。公正取引委員会による特殊指定の見直しは、こうした時代の要請にも逆行している。
われわれ新聞人は、公正な競争に一層力を入れ、特殊指定の維持に向け活動を強化していく。
新聞に対して、新聞協会と公正取引委員会とでは、根本的な捉え方の違いがあると思う。
公正取引委員会のそれは、企業としての営利目的の出版物としての認識があると考えられる。
せやからこそ、適用除外に疑問を呈し、特殊指定の価格維持の実態に拘りを示すわけや。
これに対して、新聞協会は、新聞について『憲法21条によって保障された報道の自由を担い、国民の「知る権利」に寄与するもの』という認識や。
そこには、単なる出版物としての営利を超えたものがあるとの主張がある。
極端なことを言えば、新聞がなくなる、あるいは衰退すれば、報道の自由も危うくなり、国民の知る権利も怪しくなるということや。
これに関しては頷ける点も多い。
インターネットの急速な発達によって、いずれ新聞は、それに取って代わられるというのが大方の見方やが、それには、問題があまりにも多過ぎると思う。
それは、情報の正確さという点や。確かに、インターネットの情報量は多い。しかし、そのすべてが信じるに値するものかというのには、はなはだ疑問がある。
発信者側は確かな情報ということやろが、それを受け取る方は、その裏付けを知る術がないわけや。結局、それを信じるかどうかは、個人次第ということになる。
ワシも、そのインターネットを始めてそれほど経験が長いわけやないけど、それでも、これはあきらかに嘘臭い情報やと思うものが多いのは実感としてある。
また、大してそのことを調べも確かめもせず、どこかで聞きかじったことを平気で情報として流しとるケースも目に付く。
もちろん、中には有意義やと思える情報も多いが、日々数千、数万と発生すると言われとるHP、ブログには、怪しいものが多いのも否めん事実や。
どれが、信用するに足る情報かというのを選び探し出すだけでも、相当な労力を使う。
その点、新聞の情報は正確さということでは群を抜いとる。大半からそう認知もされとる。少なくとも、それについて異論を挟む人間は少ないはずや。
新聞紙面には、確かな情報しか載せんし、そのための裏付け調査というのも徹底してする。また、それができる情報機関でもある。
もっとも、極希に誤報もあるが、インターネット上のそれと比べれば、ないに等しい程度のものやと思う。
万が一、その新聞が衰退すれば、その情報収集力と裏付け調査能力も怪しくなる。結果、正確な情報の拠り所を多くの人間が失うということも考えられる。
そして、その新聞の衰退が、今回の特殊指定見直しで起きるかも知れんということや。少なくとも、新聞社はその懸念を強くしとる。
そのことは、単に新聞の衰退だけに限らず、テレビなどの放送メディアにも少なからず影響を与える。
テレビ各局と新聞社との関係が深いということだけやなく、放送する情報自体もその新聞各社から提供されとるものが多いからや。
また、インターネットにも、それは影響を及ぼすと考えられる。インターネットを見る人で、新聞は購読してへんという人も、新聞社のニュースサイトは見ると思う。
その情報量も当然ながら、縮小されるやろし、正確性にも欠けてくる。インターネット上においても信頼に足る情報が少なくなると考えてええと思う。
その意味でも新聞の情報というのは、やはり貴重や。今のところ、新聞情報に匹敵する確かな情報というのは、ないのと違うかなと思う。
さらに、新聞社の中には、潰れる所も考えられる。現状ですら、一杯一杯という新聞社は多い。特に地方紙でそういう傾向が顕著やと聞く。
それが、新聞の特殊指定の見直しでなくなれば、これまでとは比べものにならんほどの価格競争が起き、経済的に体力のない新聞社や販売店は倒産、廃業を余儀なくされる可能性は十分、考えられるということや。
新聞販売店はどうか。
新聞の特殊指定が外され、自由な価格の販売が可能ということになれば、やはり、新聞社同様、死活問題やと捉える所は多いやろと思う。
この状況でも生き残れるとしたら、体力、要するに金のある所か、合配店のように、もともと新聞社とは対等以上に付き合ってきた販売店くらいやろと思う。
一部の地方紙が体力的に弱っとるということもあり、ある地方では、この新聞の合配化が進んどる所もあると聞く。
合配店なら、そこで、すべての新聞を売るわけやから、極端な値引きや安売りをする必要はなくなるわけや。
しかし、それも安泰とはいかんやろと思う。
新聞の特殊指定が見直され廃止されれば、再販制度を骨抜きにすること繋がる。そうなれば、新聞社の販売店への影響力が落ち、結果、宅配制度そのものも崩壊する可能性すら考えられる。
販売店も、今までのように1社の新聞だけではやっていけんと考えたら、合配店に移行する所が増えるやろと思う。
そうなれば、配達エリア、営業エリアというのが崩壊するのは確実や。
例えば、隣合わせた地域同士が合配店という場合、A紙の配達エリアはこれ、Y紙の営業エリアはそれ、またその他の新聞はこの範囲という具合に、それぞれが細かく取り決められるわけがない。
やはり、ここでも熾烈な価格競争は考えられる。加えて、他業種の参入ということまであるかも知れん。
新聞社も、販売店の廃業が続けば、販売網確保のために他業種に頼らざるを得んようになるというのは、十分、考えられることや。
駅売り、コンビニ売りの需要も増えるやろが、何より色気を示すのは、宅配業者やないかと思う。
但し、いくら宅配業者とは言え、新聞配達のノウハウは別物やから、一朝一夕にそれをするのは難しいはずや。
しかし、それも当面は、販売店廃業に伴い発生すると考えられる多くの旧配達員の確保に動くことで凌ぐのやないやろか。
宅配業者には強みもある。それは、客に対して低姿勢やということや。
お客様という気持ちが、現状の販売店よりも強いと思われる。宅配は客へのサービスというこを従業員には徹底して指導しとるからな。
すべての販売店というわけやないが、宅配制度に守られ、営業エリアが保証されとるという強みから、現状では、客にぞんざいな姿勢を見せる所も少なくないようや。
客がその購読紙を希望する限り、そこでしか宅配はできんわけやからな。
そういう宅配業者に対抗して生き残れるのは、日頃から、客受けのええ販売店くらいのものやろと思う。
人間は、誰でも現状が長く続くと考えがちやが、いつ何が起こるか分からんというのが現実や。
たいていは、それが起こってから慌てるもんやが、それでは遅い。日頃の行いが大切やというのは、そういうときに分かることやからな。
それは、ワシら拡張員にも言える。
今回の影響がどうなるか未知数ということで言えば、ワシらが一番微妙な立場やと思う。
実は、この問題をいち早く察知された拡張員の方から、寄せられたメールがあるので、それを紹介する。
こんにちは。今日は、公正取引委員会が、新聞の戸別配達制度を支える独禁法の特殊指定制度について、公正取引委員会が見直しを進めている件についての相談です。
これについては、数年前から動きがあることは知っていましたが、最近、専門誌をみると、現実味が加速された感じがします。
本当に、特殊指定制度がかわり、再販制度がなくなれば新聞購読価格も自由になるだろうし、経営体力のない販売店はガタガタと潰れるでしょうし、エリアもなくなり配達コストのかかるへき地、山間部の配達が切り捨てられるか、購読料が高くなるでしょう。
もし、そうなったら販売店が、カードを買わない、拡張料を支払う余裕がなくなり私の職業自体が無くなるのではないか?もしくは、非常に複雑な条件で拡張をするようになるのではないかと危惧しております。
本来なら、これはHPのQ&Aで取り上げとるところなのやが、このメールを頂いたときには、すでに今回のメルマガで、それについて話すことにしとったから、相談者の方には、その旨を伝えた。
やはり、ワシらの関心事は、拡張の仕事が存続するのやろかということに尽きる。
ワシとしては、どういうシステムに変わろうと、新聞があり、必要とされる限りは続くとは思う。
ワシらが、現場から離れれば、新聞の衰退はさらに深刻化するはずやからな。売り込む者がおらな新聞は、そう簡単に売れるもんやないというのが、ワシの考えや。
ただ、既存の販売店が廃業に追い込まれるのが多いようやと、当然のことながら、その需要は減るやろな。
生き残るとしたら、販売店と同じで、営業力があり評判のええ拡張員だけやろと思う。
ただ、この人も言うておられる通り、その場合でも、複雑な条件での営業になると考えられる。まあ、どういう条件であろうと続ける限りは順応するしかないんやがな。
正直言うて、ワシらの立場としては、今回の特殊指定の見直しというのは歓迎することやないというのは確かや。
そして、実際、そうなってからでないと対策も練りにくいというのもあると思う。
ワシらは、システムの上で仕事しとる身で、そのシステムを作るとか動かせる立場にはないからな。
最後に購読者の立場ではどうかというのを考えてみる。
新聞の自由価格競争ということになった場合、一般的には安くなることが多いから、その意味で言えば、歓迎されることやと思う。
ただ、この新聞特殊指定の見直しが決定して外されたら、真っ先にその混乱に巻き込まれるのは、一般読者ということは間違いないなさそうや。
様々なトラブルが予想される。価格にしても、新規の客だけが安くなり、契約済みの客には該当されんとか、隣の家と新聞の値段が違うというようなことも日常的に起こるやろと考えられる。
さらに、今回のことで、新聞社の指導力が弱まれば、販売店がそれぞれ個別のシステムを作るやろから、それ次第でもかなり混乱すると思われる。
新聞を必要やない無読層は歓迎するやろが、新聞の購読を続けるつもりの読者は、その状況次第で難しい選択をせなあかんようになるやろな。
■アンケート募集
今回、この新聞特殊指定の是非を読者の方々に問いたいと思う。
幸いというか、このメルマガ、HPの読者には、一般購読者、無読主義者、拡張関係者、販売店関係者と様々な立場の人がおられる。
その人たちから得られる意見は貴重やと思う。おそらく、他では、こういうアンケートは無理やと思われるからな。
その意味でも、読者の方々には、是非ご協力頂きたいと願う。
アンケート内容
1.公正取引委員会の新聞特殊指定の見直しについて
(支持する・どちらでもない・支持しない)
2.新聞協会の主張について
(理解できる・どちらでもない・理解できない)
3.現在の新聞宅配制度について
(このままで良い・どちらでもいい・変えるべきだ)
4.この件に関してのご意見。
アンケート送付先 Mail
hakase@siren.ocn.ne.jp
アンケート募集期間 2006.3.24〜2006.4.2
尚、この結果は、次々回の第87回の当メルマガ誌上で発表したいと思う。