メールマガジン 新聞拡張員ゲンさんの裏話

        
第9回 新聞拡張員ゲンさんの裏話

発行日 2004.10.15


目次  ■新聞世論調査について
    
     ■ネットリサーチMy Voiceについて     


■新聞世論調査について


今日、10月15日から10月21日までは新聞週間になっと る。せやけど、一般の人間にとって馴染みの少ないイベントの一つやと思う。

何とか週間というのは多い。そんな中で皆が一番関心ありそうなのは「交通安全週間」くらいと違うかな。その時期、あちこちで取り締まりをやっとるから、気ぃつけな我が身に直結するさかいな。

ワシら拡張員は一応、新聞関係者やが、新聞週間やと言うても、あんまり関心ある者は少ないわな。それは客についても同じで、その時期、特別なサービスがあるわけでもないし、それと知っている人も少ない。そういう奇特な人がいたとしても関心を示すことはほとんどない。

ここに、ある大手新聞が行ったという、新聞についての今年の面接方式による全国世論調査結果というのがある。

1.インターネットなどが普及した多メディア時代でも「新聞は必要」かの質問に「必要だ」「どちらかと言えば」という回答が合わせて92パーセントあった。

2.「その理由は」の質問に「好きな時に好きな場所で読める」69%がトップだった。

3.「新聞報道を信頼出来るか」の質問には「信頼できる」という人は88%で、テレビ報道(67%)より21ポイント多かった。

4.「新聞が興味本位に走らず品位を保っているか」の質問では「そう思う」 が76%にのぼり、テレビ(35%)を大きく上回った。

5.「インターネットでニュースを見るか」と、聞いたところ、「見る」は 23%だった。こうした人のうちでも89%が、新聞はこれからも「必要」 と答えている。

新聞社とすれば、誇らしげな調査結果やったろうと思う。また、そういう公表の仕方や。せやけど、ここに「拡張員は必要か」の質問を加えたら どんな答えになったんやろなと思う。

ワシ個人としたら、この発表は割り引いて見なあかんやろと思う。

面接方式というのは、新聞社関係の人間が直接質問するわけや。 その質問者相手に「新聞は必要ない」「信頼出来ない」「品位がない」などと面と向かって答える者がどれだけいとるのはと思う。

かなり根性のいることやと思う。特に、何事も穏便に済ませ、迎合しやすい日本人にはな。

別に、この調査結果にケチをつけとるわけやない。

これは、新聞社にとっては、新聞週間に因んでの宣伝アピール的な要素を含んどるんやからな。

新聞社は新聞を売らなあかんという背景を考えれば、それに即した回答をほしがる。都合の悪い回答はいらん。都合のええ回答を引き出すように誘導するのも企業戦略のうちやと言えば言えんでもない。

しかし、何でもそうやが、こういうことは、戦略的にええと考えても、墓穴を掘る要素を孕(はら)んでいるということも知っとかなあかん。

例えば、『3.新聞報道を信頼出来るかの質問には「信頼できる」という人は88%』とし、信頼性が高いと言いたいのかも知れんが、裏を返せば残りの12%は新聞を信頼してない、信頼性が低いということになる。

ほぼ9対1の比率やが、これが多いのか少ないのかということになる。

ワシが思うに新聞というメディアは100%の信頼と正確さが必要なものやと思う。 新聞に嘘や間違いは絶対に許されんことや。10人中1人が、疑うようなものではあかんのと違うやろか。

むしろ、この数字は新聞の汚点とするべきやと思う。 それが、件の新聞社はそれを誇らしげに公表し『テレビ報道(67%)よ り21ポイント多かった』から良しの印象を強くこの調査結果を見る者に与えとる。

テレビは嘘が多いけど、新聞はそれより、マシやからええと言うことか。 こういうのを、語るに落ちるちゅうんや。全国紙のほとんどの系列会社に、そのテレビ局がある。

身内の批判とも受け取れられかねん発表が良うできるなと思う。

そういう見方で他の項目の調査結果を見ると腹が立つ。ケチをつけるつも りやないと断ったが、これを重大なことやと、新聞社の人間に分かって欲 しいから敢えて言わせて貰う。

せやないと、ワシら拡張員は浮かばれん。ワシらは、世間から嫌われても嫌われてもその新聞を売ってるんやで。

もちろん、ワシらの方にも問題の多いことは良う承知しとる。それでも、 ワシらは、売り込む新聞には誇りを持っとるし、持ちたいと思う。 そのためには、例えワシらは汚れとったとしても、新聞だけは非の打ち所のない完璧な物であって欲しいんや。

ワシらの最後の拠り所は、売り込むもんは決して紛(まが)い物とは違うと言えることやからな。

それが、9割の人間に信頼されとるから良しと言うんは、あまにも情けないと思う。少々のことは大目に見てくれと言うとるのと一緒やからな。

ワシがそのことをいくら声を大にして、叫んでも今までは、新聞社の上層部まで届くことはなかったし、可能性すらなかった。 しかし、インターネットはその可能性を教えてくれた。

誰とは言えんが、 その新聞関係者のある人から、ワシ宛てに激励のメールが届いたとハカセが教えてくれた。

何でも一方通行やったらどうしようもあらへんが、僅かでも理解を示してくれる人がおれば、どんなことでも道は切り開かれるもんや。

このメール1本で、新聞社の中にも、同じ血の通った良心のある人が存在するということが分かったからな。世の中、捨てたもんやない。

最後に一言。

新聞は完璧なものであって欲しいが、ワシら拡張員については、よほどの事やなかったら少々は大目に見たってな。ただ、仕事に精を出し過ぎとるだけやと。


■ネットリサーチMy Voiceについて


今朝、相互メルマガをして頂いている<雑科屋さん>さんから『新聞の 読み方』と題したメルマガが届いた。 その中に、ネットリサーチMy Voiceでのアンケートが紹介されていた。

これは、ネットでアンケートを募集したもので、「朝刊を読む頻度」 「夕刊を読む頻度」「普段読んでいる新聞」「目を通す新聞面」などの結果が集計されとる。

この結果と件の新聞社の世論調査と見比べて見ると、何かが分かるような気がする。この際、どちらが信用度が高いかなどと言う野暮なことは言わん。

感じ方は人それぞれやからな。 このメルマガには、ワシがサイトでも普段言うてないようなウンチクも あるから興味のある人は一度見ても損はせんと思うよ。

http://melten.com/osusume/?m=16467&u=18754 ここでは、有り難いことに当HPのことも取り上げてくれてる。


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