ゲンさんのお役立ち情報

その1 労災についての情報

掲載日 2005.5.13  更新日 2005.6. 5


当HPの法律顧問をして頂いている今村英治先生から、労災についての情報が寄せられたので掲載する。


さて労災についてのQ&A NO.71 新聞販売店は労災に入ってない?がございましたが、私は本職が社会保険労務士ですから蛇足ながら補足です。

労災保険は強制適用です。従業員から保険料は一切徴収されず100%事業主が支払うものです。バイトも含め全従業員適用です。それどころか不法就労の外国人も労災法上は保護されます。

新聞店は適用除外業種ではないですから、法人だろうが個人だろうがいい逃れはできません。そして、事業主が保険料を払っていようがいまいが、また未加入であっても労働者は当然の権利として労災を申請できます。治療費は自己負担ゼロ。全額保険で出ます。

休んだ場合の休業補償は、貴HPにあるとおり4日以降から法律上では60%、また他の制度から20%支給され実質80%保障です。

亡くなった場合には遺族に対して、障害を負った場合は程度に応じて年金が支給されます。厚生年金との併用は可ですが一部労災保険が減額されます。

保険がおりない最初の3日間の休業補償は、労働基準法により事業主が支払うよう義務付けられています。

労災保険は雇用保険とセットになっており、このセットを労働保険と称します。旧労働省の管轄の保険です。

一方、健康保険は厚生年金とセットになっており、このセットを狭義の社会保険と称します。
これは旧厚生省の管轄になります。

世間一般的には労働保険と社会保険をひっくるめて広義の社会保険と言っています。

今では上記役所は一体化されてしまいましたが、未だに縦割り行政は残っています。したがってアンケートにありましたように社会保険が未加入だから労災がおりないということはありません。必ずおります。

それから、労災を使うと保険料が上がるというのは、一定の要件に該当すると利用できるメリット制のことですが、新聞販売店でこれに該当するお店はまずないでしょう。労災事故があったからと言っても必ずしも保険料がアップするわけではないです。

ただし、未加入時に事故が発生し、事後加入すると、ペナルティーとして事業主は労災にかかった費用の40%を負担しなければなりません。

休業中に事業主が給料を払ってしまうと、本来もらうべき休業補償の額にも影響します。そこで給料という形ではなく、労災でまかないきれない部分を労災の上乗せ保険として民間の保険に加入している事業主も少なくないです。

高い社会保険料(健保・年金)と比べて新聞販売店の労働保険料率は労災5/1000 雇用19.5/1000(労8/1000, 使11.5/1000)合計24.5/1000にすぎません。 会社負担は16.5。

100万円給料を出しても事業主は16,500円の負担で済むわけですから民間の保険より著しくお得な保険です。

社会保険には未加入でも労働保険には加入しているという会社があるのも事実です。社保と労保では保険料の額そのものの差が大きい(労保は社保に比べてとても安い)という事情もさることながら、ペナルティーの有無も大きく影響していましょう。

労働基準監督署という役所は労働法上における警察権を行使できます。労災隠しには非常に厳しく下手したら懲役くらう可能性もあります。

また労働保険の未加入については今後非常に厳しい取締りが予想されます。

ゲンさん、ハカセのご両名におかれましては新聞業界全般において、こうした国の制度を広く浸透せせ、不幸にして労災事故にあってしまい社会的弱者になってしまった場合でも救済措置があるんだという認識をお仲間たちにも持っていただけるよう機会がありましたら教えてあげて下さいませ。

販売店スタッフ、拡張員のみなさんの社会的地位の向上も、ひいては新聞販売トラブルの減少にも寄与するのではないかと・・・

それでは・・・

「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」HP法務顧問
行政書士・社会保険労務士  今村英治


拡張員の場合はどうなのかを、ハカセに頼んで今村英治先生に聞いて貰った。拡張員は新聞販売店の従業員とはその就業形態が違うからな。


この度は大変有意義な情報を寄せて頂いて感謝しています。 この労災に関してですが、拡張員の場合について教えて頂けないでしょうか。

拡張員の中には、表向き、労働者というか社員ということになっていないケースがあります。個人事業者という立場で、会社である団と業務契約を取り交わしています。

そういう拡張団では、団と拡張員との間で『業務契約書』というのを交わしています。 つまり、業務委託という形をとっているのです。

各新聞社には拡張員登録制度というものがありまして、それは、この『業務契約書』を新聞社に提出して、その認可を受けているものです。

ですから、新聞社、拡張団サイドからみれば、そのような拡張員は請負業者だというわけです。本来の請負業者は、契約によりその成果だけを出せば何をしていようと自由なはずなのですが、実質は、管理され時間の拘束もあり、他の仕事をする自由もありません。

こういう拡張員の場合、他の労働者と同じように労災の適用を受けることが出来るのでしょうか。


今村先生からは、すぐに回答が寄せられた。


拡張員の労災の件です。

請負ならば適用をうけません。

メールを頂き、あらためてほんとうに驚きました。そうだったんですか〜。

法の盲点をうまくついてるというか、なんというべきか、拡張員の方々は本当に社会的弱者ということが分かります。労働者としていないことで労働基準法も労災法も適用を受けませんよね。

労災には特別加入という制度があります。

個人タクシーや赤帽の運転手さん、職人さん、大工の親方等々個人事業主ですが、現場で働く人たちですから、労災保険に入れてあげようという制度です。もちろん拡張員さんも法的に加入できるでしょう。

特別加入するためには、私たち社会保険労務士や地元の商工会などを通じて労働保険事務組合の組合員になる必要があります。組合を通じて労災に特別加入するわけです。

国に対して直接手続して特別加入することはできないのです。

労働保険事務組合は保険料の滞納が許されません。ですから組合員を入れるにあたり、どの事務組合もしっかりと保険料が払えるかどうかかなり慎重になっています。組合員が払わないと組合が自腹を切ることになりかねないからです。

拡張員さんが労災に入れるかどうかは、まさにこの点に尽きます。個人的に懇意である社労士さんか商工会に顔が利くとかがない限り・・・。

フリーエージェント制のような拡張員さんですから受け入れてくれる事務組合はそうそうないと思います。

お答えしておきながら ため息が出てしまいますが、拡張員さんの地位向上のためには業界内部で協力して共済組合とか労災のための事務組合をつくってしまうとかしないといけません。

また大手新聞社が体質を改善し正式な社員としてでないと営業活動ができないというシステムに変えていくべきでしょうね。

拡張員さんに限ったことではないですが、フリーで働く人の中には国民年金はおろか国民健康保険の保険証すら持っていない人もいますよね。

身体が資本の仕事であればこそ社会保障の恩恵を受けるべきなのに・・。老齢基礎年金の受給すらないようでは老後の生活が憂慮されます。

現状のシステムがすぐに変わるとは思えませんので一人一人の拡張員さんがしっかり経済力をつけ、国保の手続きをちゃんと行った上で、国民年金基金にも加入し労災保険についても 分割ではなくて、年度保険料を一括で払うことを条件に労働保険事務組合にも入れてもらって労災も自分でしっかりかける。

こういう形で生活防衛のためのリスクヘッジをするしかなさそうです。


コメント ゲン


やはりな。ワシは拡張員やから、請負業者やと言うことは当然やけど承知してた。と言うかワシはそういう仕事の方がええと思うて拡張員を選んだ。

今更、純然たる会社勤めというのは嫌やったからな。営業の仕事なら、ある程度の自由は利く。拡張員も時間の拘束や仕事の制約も確かにあるが、仕事さえ出来れば、それもそれほど、うるさく言われることもない。

この拡張員に限らず、営業のフルコミッション制の仕事には請負というのは結構ある。せやから、そういう人間も含めて労災に入るのは難しいということやな。

ただ、一部の固定給制が導入されて社会保険の加入が義務付けられとる拡張員は労災の適用が受けられる。

「大手新聞社が体質を改善し正式な社員としてでないと営業活動ができないというシステムに変えていくべきでしょうね」と今村先生が言われているように、実際にそういう組織がすでにあり、一部の固定給制が導入されとるというのは大抵はそういう所や。

しかし、それも、まだまだほんの一部にしかすぎんがな。しかも、すべてがそうなることがええのかどうかはワシには分からん。そういう所もいろいろ問題もあるようやしな。

「拡張員さんに限ったことではないですが、フリーで働く人の中には国民年金はおろか国民健康保険の保険証すら持っていない人もいますよね」と、今村先生も危惧されとるが、それは確かにあるな。国保に入っとる者も入っとらん者もいとる。その割合ははっきりせんがな。

ワシら古参の拡張員は病気やケガは自分持ちという観念が強いから、大抵は国保くらいは持っとる。税金も一応は申告しとる。何ぼ払うてるかは言えんけどな。

建前としては、拡張員は税金は払うとかんとあかんということを団と交わす「業務契約書」に謳うとる。払うてないのが分かると馘首ということのようや。実際にそういう人間は知らんがな。

年金は、会社勤めが長かった分、貰える程度には払い込みもしとる。と言うても、昨今の年金制度を見てたら、そんなものは、あまりあてにせん方がええやろと思う。

別に任意の傷病保険も入っとる。今村先生の言われるリスク−ヘッジ(危険措置)のワシなりの考え方や。内緒やけど生命保険も息子のために契約しとる。

親らしいことは何もしてやれんかったから、ワシが死んだ時くらいは「お前のことはいつでも気にかけとったんやで」という証を残しときたかった。息子がどう思うかは分からんがな。

新人というか入団したての人間は、国民年金はおろか国民健康保険の保険証すら持っとらんことがある。そういうのは、単に金がないということか、腰掛けのつもりで仕事をしとるかのどちらかや。

単に金のないというのが理由なら、稼げば国保くらいは加入する人間はいとる。やはり、医者にかかれんというのはきついからな。

腰掛けのつもりの人間は定住する意志がないから、持ってない者はまず入らん。そういう人間は大抵すぐ辞める。拡張員の定着率が悪いと言われる一因やな。

労災にも入れればそれに越したことはないが、先生の話やと難しそうやな。これは、個人レベルでは無理やろという気がする。

団が率先して動けば、あるいはとは思う。労働保険事務組合から信用を得るということでも、団はちゃんとした会社組織も多いし、新聞社と業務契約を交わしとるくらいやから新聞社の信用も厚い所は多いさかいな。

団が動くかどうかは分からんけど、その傘下の拡張員が働きかける値打ちはあると思う。そうすることで、自分の身を守ることにもなるさかいな。

働きかける策として、かかる費用は個人負担すると言えばええ。個人で加入するにしても、その保険料は払わなあかんのやからな。

ただ、個人やと拡張員というだけでその人間によほどの信用か、支援してくれる人でもおらん限りは難しい。理不尽やけど、それが世間や。

今村先生の「拡張員さんの地位向上のためには業界内部で協力して共済組合とか労災のための事務組合をつくってしまうとかしないといけません」というのは、理想的やけど更に難しいことやと思う。

ワシの知る限り、拡張員同士の団結力を期待するのはどうかなという気がする。無理とは言わんが限りなく難しい。

拡張団、拡張員のシステムが出来て数十年になる。そういう組合みたいなもんが出来るんやったらとっくに存在しとるはずや。

拡張員に限らず営業員というのは、助け合うというのは表面的なことは別にしてあまりない。特に拡張員の営業は狭いバンクの中でする。お互いが競争相手やから利害に反するというやつや。もちろん、人にもよるけどな。

それよりも、団結力を期待出来るのは、団長と団員の関係の方が可能性としては高いと思う。ヤクザの親分子分に通じる意気に感じて仕事をするということがあるからや。

この団長のためなら、あるいは団員のためなら何とかしようという絆は、この業界には結構、強いもんがあるさかいな。

せやから、拡張員が労災に入れる可能性とすれば、団に働きかけるほうが確率的には高いやろと思う。

今回、この情報を寄せて頂いた今村先生には本当に感謝したいと思う。ワシもそうやが、これを見て労災保険や国保、リスク−ヘッジの考え方が重要やと思うた人は多いのと違うかな。少なくとも考えるきっかけにはなると思う。

読者の方でこの問題に関して、意見があれば、どしどしメールしてほしい。意見をここに掲載したいと思う。


今村英治先生のブログ『若葉マークは無敵の印!駆け出し事務所日記』に当HPの紹介と労災問題に関する追加情報があったのでお知らせする。


若葉マークは無敵の印!駆け出し事務所日記』 2005/5/21  11:53


労働基準監督署ならびにハローワークにおける労働保険の年度更新(確定申告)の受付業務は5月20日に終了しました。

「あ〜ら 大変・・・ うちの会社 まだ何にもやっていなかったよ。 どーしよー」
と言うように期限内に納付申告されなかった方も 大急ぎでお手続下さい。

納期限内に保険料を納入されませんと、役所から電話があったり、督促状が届く場合があります。

督促状に「○日までに納入して下さい。」と書いてあります。その期日までに納入されれば 延滞金というペナルティーは課せられません。

督促状の期日までに納入しないと、その日からではなく本来の納期限から年率14.6%で計算された延滞金が課せられますのでご注意下さい。


このブログは現在『労働者の権利』ということで、新聞販売店で仕事中に事故を起こした配達員のケガを巡っての労災について触れておられる。

他にも、新聞販売店のことについて扱った話を、小説という形で面白く掲載されとるので、一見の価値はあると思う。ワシもハカセも毎日見とる。お勧めのブログや。


また、新たな情報が入った。Q&A NO.109 での内容やが、有意義なんで、ここにも転載することにした。

この Q&A NO.109 での回答を得るために、ハカセが今村英治先生に聞いたことで、教えて頂いた内容や。

まず、ハカセの今村先生宛のメールから見て欲しい。


ハカセです。
いつもお世話になっています

今回、労災保険の件、労働時間に関して、読者からの質問があったのですが、教えて頂けないでしょうか。相談者は新聞販売店従業員の方です。


質問内容

新聞の集金中、犬に噛まれてケガをしました。労災が降りないと所長が言うのですが、その理由は、集金中だからと言います。

私は、販売店で労働契約書を書いた時に労働時間は、7.5時間くらいだったんですよね。しかし、現実は、集金、営業等で一日15時間くらい拘束されている訳なんです。

所長の言うには、集金業務と営業業務は労働時間の内に入らないということです。

だから、その時間に起きたことは販売店に責任がないとのことです。

集金中の時間、営業の時間というのは、一体、業務の中でどういう位置づけになるのでしょうか?

普通にに考えれば、その時間は、残業扱いというか、そういう風になるのでは?と思ったもので・・・。もちろん、残業代などは出ません。


という相談です。

当方の見解としましては、犬に噛まれてケガというのは、その状況にもよるでしょうが、飼い主に責任があるのではないかと思います。

労災というより、交通事故などと同じ事故災害になるのではないでしょうか。だから、損害賠償はその飼い主にするべきではないでしょうか。

但し、これが、野犬などの飼い主が特定されない場合は、私どもも分かりません。この場合は、労災が適用されてしかるべきではないかとは思いますが。

労働時間の件ですが、一般に販売店の業務は、午前2時頃から午前6時30分頃までの朝刊配達時と午後1時から午後4時頃までの夕刊配達時で、この相談者の言う7.5時間くらいというのは、その時間帯のことです。

その他に集金業務というのは月に10日ほど、その業務外の時間で行うことになります。

この場合、この相談者の言う通り、大半の販売店では集金手当といって、回収率により報償金を出しているので、労働時間による時給扱いにはしていません。

勧誘などの営業もそうで、1契約に付きいくらという補償金を出しているので、集金の際と同じ扱いです。

販売店サイドの言い分を言うと、それを、業務時間と認め、残業としての時給扱いにすると仕事してなくてもしたと言えばいくらでも残業時間の水増しが出来、店の経営は成り立たなくなるというのがあります。

下手をすると、新聞代の集金以上に、その残業代がかかることが予想されます。集金も一度で済めばいいのですが、客が都合が悪かったり持ち合わせがないということもあり、留守ということも考えられます。

そうすれば、必然的に何度も行くことになり、結果的に時間がかかるということです。

中には、夜遅くでないと会えない客もいてるでしょうし、そのための待ち時間まで残業の部類になるのかということも起きてきます。

従業員サイドはそう思うし、経営者側はとんでもないことだと考えるわけです。

営業に至っては、営業するだけで残業代が必要なのかということになります。成果がゼロでも、それを払うのはどうかというのがあります。

中には、不真面目な従業員もいて、残業代目当てに、仕事もせずしたというのは十分考えられることですからね。

ただ、反面、多くの販売所は、従業員に対して過酷とも言えるノルマを課しているということがあります。従業員側にしてみれば、強制的にそうさせられているという思いです。集金も同じです。

余談ですが、その過酷とも言えるノルマが、先日の勧誘事件を起こすことになる一因でもあるわけです。

ですから、こういう相談が出て来ると思うのです。法律的なアドバイスということになると、こういう問題は、私たちでは難しいと言わざるを得ません。

今村さんのお力をお借りしたいと思いますので、よろしくお願い致します。


これに対しての今村先生の返答や。


こんにちは。

犬の飼い主が誰であるかは関係ありません。労災が適用された場合、飼い主が特定され責任があるとしても一旦労災保険が給付され、国がその飼い主に求償すると思います。野良犬ならそれができないというだけです。

集金は業務外という理屈は、私には納得しかねます。100%歩合制だから労働じゃない・・・ここまでの理屈は分かります。

では労働じゃないんだから断る自由もなきゃおかしいです。私は労働である配達はしますが、請負の集金はしません。そんな自由が認められるとは到底思いません。

集金は業務に付随するどころか、業務そのものです。従業員の承諾なしにそれをやっているとしたら36協定違反や、残業代の未払いなども含め経営者サイドの責任は重いです。

労災を適用するか否かは最終的には国が決定することです。一つ一つのケースを慎重に取り扱うわけです。私はこのケースは適用される可能性が高いと思います。

労災じゃないよ。だめだよ。と言われても審査請求できます。それでもだめなら再審査請求できます。それでもまだダメなら処分取り消しの訴えを裁判所にします。ただ今回は、適用されるんじゃないかと私は思うんです。

そもそもその販売店は労災に入っていない可能性もありますね。労災にちゃんと入っていれば労働基準監督署にとっては、配達と集金の業務上の取り扱いの違いなどどうでもいいですから労災として認定してくれると思います。

未加入がバレると困るから 店側がおりないよなどと適当なことを言っているんだと思います。

労災に入っていたとしても 事故があると監督署は警察権を行使して不正がないかどうかを調査しますから、やばいことにもなりかねません。

拡張が請負なのは100歩譲ってまだ納得できます。「オレはこれだけ稼げばいいから もうやらないよ」って主張ができるでしょ。

集金はどうですか? 集金の命令を拒めますか? 事実上強要されるでしょ?それは労働に他なりません。

集金を業務外にしているのは、業界全体が労働基準法に抵触している恐れありと私は判断します。

労災発生を皆無にすることはできません。心ある経営者は従業員が仕事で怪我をした場合、惜しみなく厚い保護をするはずですから労災適用だって喜んで協力するはずです。

社労士と顧問契約してたら、プロを使ってなんとか労災を認めさせようともしてくれるはずです。労災を使われてヤバいということは、まともな事業主にはありえないことです。

役所が出てくる事で本当にヤバいか、大丈夫なのにヤバいと勘違いしていることで販売員の権利が侵害されるならそれは大変残念なことですね。

私の見解では100%労災事故です。そして90%以上の確率で労災適用されるはずです。

犬に噛まれた怪我の重大性と販売店が当局の調査の対象になるリスク。販売店と従業員の良好な関係の維持。トータルに考えて対処されればよろしいかと思います。

労災隠しは重罪です。今回のようにグレーゾーンで事故が起きた場合でもこうした事故が起こったことを監督署に報告すべきです。労災かどうかは当事者が判断することじゃありません。国が決めることです。

「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」HP法務顧問
行政書士・社会保険労務士  今村英治


追記

今村先生よりこの件に関して、追加情報を頂いた。


ハカセさんにメールした後に こんな記事をネットで見つけました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050603-00000004-yom-soci

最高裁の判決で裁判長は次のように言っております。
「研修医には教育的側面があるが、病院のため患者の医療行為に従事することも避けられず、労働者に当たる」

これを次のように類推できないでしょうか?
「販売店の店員の集金実務は請負契約との見方もあるが、販売店のため読者の購読料を徴収することも避けられず、集金業務は労働者としての業務である。」

労働者としての業務か否かは「販売店のため」「避けられず」というところにありそうです。

あくまでも私見です。


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