ゲンさんのお役立ち情報
その2 ロスでの新聞事情
掲載日 2005.5.15 更新日 2008.3.16
アメリカのロスアンゼルスにおられるという読者からサイトにメールが送られて来た。インターネットが世界につながっとるというのは理屈では知っとるが、まさか、そんな所でこのサイトを見てくれとるお人がおられるとは……。
早速、ハカセが商売根性?いや、知的好奇心から情報収集を兼ねてこの人にメールで、ある依頼をしとった。とにかく、ハカセはマメやからな。
ハカセ
ロスアンゼルスにおられるとのこと、羨ましいです。これは、お時間があればということで、結構なのですが、ロスアンゼルスの新聞事情というのはどうなのでしょうか。教えて戴ければ助かります。
宅配は、アメリカ映画などでは、少年が自転車に乗って新聞を庭や玄関先に投げ入れるシーンをよく見ますので、あるだろうというのは分かりますが、日本のような拡張員に該当する営業員のような方はおられるのでしょうか。
投稿者 Tさん 投稿日時 2005.5.14 AM 1:49
お尋ねのメールにありましたロスでの新聞状況ですが、私の知っている範囲で書いてみたいと思います。日本と違い多様な習慣や民族の国なので、私の知っていることが、すべてではなく、間違いも含まれているかも知れません。その旨ご了承ください。
まず、日本人の場合。
朝日、読売、日経など、読もうと思えば読めます。確か月50ドルほどしたと思います。配達方法などによって違っていたと思うので、詳細は、後日調べておきます。
あまりにも高いので、私は取っておりません。もちろん、記事は日本のものです。
ロス発行の日本人用の有料新聞もあります。羅府新報と言うものです。
日系のスーパーなどで、1部40セントほどで販売されております。企業などには配達しているようですが、個人の家には配達していないようです。
A紙、Y紙の勧誘員は見たことがあります。個別訪問ではなく、日系のスーパーの前に立って、勧誘しています。販促品は新聞です。その日の新聞を1部、無料で配っています。
日本の新聞は懐かしいし、情報に飢えている面があるので、私も時々もらいに行っていました。テレビ欄をまじまじと見て、自分がいたときと番組がどう変わっているかを一番よく見ていたような気が、、、。
契約するとAERAなどの雑誌や日本の漫画がもらえるようです。
契約したことがないので、どのくらいもらえるかは不明です。
こちらの日本語放送で見たのですが、S新聞は月2000円ほどで、新聞を丸ごと電子配達しておりました。「した」と過去形にしたのは、サービスが終了しているからです。
あとは無料の新聞ですが、ほとんどが芸能ニュースなど私にはあまり興味のないものです。事件などは載っていません。
一般的なアメリカ人の場合。
基本的にアメリカ人は合理的な人が多いので、テレビで無料で分かることをわざわざお金を払ってまで読もうとはしないようです。新聞を取っている人は、単に新聞が好きだからだと思います。
日本のように、みんなが取っているからとか、時代に乗り遅れないようにとか、そういう考えがあまりないように思います。
そのため、政治にしろ、経済にしろ、自分が楽しくなるようなことを書いている新聞を取っていると思います。この点は、日本のスポーツ新聞のようです。
共和党支持の新聞や民主党支持の新聞などがあるそうです。
勧誘員は見たことがありません。日本よりも嗜好性が強いため、みんながみんな購読するとは限らないからかもしれません。
アメリカの家庭には洗濯機がない家が多いので、コインランドリーがたくさんあります。そこには無料の新聞があるので、時間つぶしによく読まれております。半分ぐらいは広告ですが。
路上にも自動販売機の形で新聞が売られていたり、無料の新聞がおいてあったりします。
無料の新聞は、記事を読むと言うよりも、アパートを探し、求人探し、中古車探し、近所で起こった犯罪、など身近な情報を得るために読むことが多いようです。
私も、アパートは無料の新聞で見つけました。
何か新しいことが分かれば、またメールします。
コメント ゲン
ワシはロスと言えば、映画やテレビの映像でしか知らん。そういうロスの雰囲気も好きやし格好ええなとは思う。
それに、ロスと言えばシュワちゃんが知事をしとるカルフォルニア州にあるやろ。例の「アイル ビー バック」や。ハリウッド版「カクチョーイン」が出来るとしたら、主役はシュワちゃんやな。洗剤持って。
個人的には、ブルース・ウィルスも捨て難いがな。
「そんなもん、できるかぁ、アホ」。ごもっとも。
アホな話は抜きにして、ロスはええ所やとは思うけど、ワシはハカセほど羨ましいとは思わん。
理由は簡単や。飛行機に乗らな行かれへんからや。あれは、あかん。ワシは命を賭けてまでその飛行機に乗る気はない。
余談やが、ワシは昔、台湾で仕事を数ヶ月間したことがある。拡張の仕事やないで。建築関係の仕事でや。その時、日本との往復で3度ほどその飛行機に乗ったことがある。
その3度目に、乱気流に巻き込まれて死ぬかという思いをした。同乗しとった者に言わせると良うあることやと言う。
「冗談やない」それが、飛行機に乗った最後や。もう20年も前の話や。それ以来、飛行機には生涯乗らんと決めた。
それにしても、日本の勧誘員はロスにもおるという。さすがと言うか何と言うか……。
この人の話を聞いているうちに、ワシは今年の元旦に見た初夢を思い出した。それは、メルマガNO.22 悪夢の初夢 を読んで貰うたら分かる。
この中で「その夢の中で、なぜかワシは道行く人間に一部ずつ新聞を売ってた」というくだりがある。
この人の言う勧誘員の状況とは違うが、ワシに、それを思い出させるのには十分やった。何となくその姿に哀愁を感じるのはワシだけやろか。
ハカセは、これを期にアメリカの新聞事情を調べるとか言うとったから、分かればそれもここに載せる。
もちろん、この人が寄せられる続編もや。生きた取材の情報やからな。おっと、過度に期待しとるという意味と違うからな。このTさんに言うとくけど、あくまでも、仕事を中心にしてや。暇があればということでええんやから。
それと、この際やから、読者の方で、日本以外の新聞事情をご存知の方がおられたら教えて貰えんやろかと思う。
言うてたら、早速、読者から情報が寄せられたので紹介する。本当に有り難いことや。
投稿者 でっちさん 投稿日時 2005.5.16 AM 10:46
ご無沙汰しております。
ホームページに外国の新聞事情について書かれていたので、私も10年程前に5年ほどアメリカのネバダ州に住んでおりましたので、その時の経験をお知らせします。ネバダといってもほとんどカリフォルニア文化圏でしたが。
日本と違いアメリカで新聞配達といえば小学生や中学生の仕事です。小さな自転車に三十部程度の新聞を抱えて、家の庭先に投げ入れる姿は微笑ましくもありました。
宅配営業員も日本の強面と違い、中高生で「うちはいらない」の一言で帰ってくれます。あまり宅配に執着していないのが分かります。
アメリカで新聞は郵便局などの公共の場所や大通りには必ず自動販売機があり、コインを入れて自分で扉を開け購入するか、コンビニなどで購入するのが普通です。
自動販売機が笑える代物なのですが、一部の代金で何部でも持っていけちゃうのです。アメリカで自動販売機と言える代物が外に置かれているのは恐らく新聞ぐらいでしょう。飲み物の自動販売機ですら建物の中にあります、これはー盗難防止が一番の理由です。
友人に「日本では自動販売機が夜でも至る所にあるんだって」と聞かれ「うんそうだよ」と答えたら「なんで誰も盗まないんだ」と言われました。
これがアメリカ人の感覚なのでしょう。にもかかわらず、新聞の自動販売機は路上に放置され、新聞は取り放題という奇天烈な状況になっています。確かに新聞は一部あれば良いものですから、何部も盗んでも転売できないから価値がないのでしょうが。
このように、宅配新聞にこだわらないアメリカの新聞は毎日がお正月に配られる新聞のように分厚く、政治、経済、スポーツと別刷りになっています。当然広告の量も半端ではありませんが、記事も全て署名入り記事で読みごたえがあります。
といった感じです。今は多少変化はあると思いますが、当時はこんな感じでした。
よろしかったらご参考にしてください。
では、また。
コメント ゲン
そうか。映画に出てくる少年が自転車に乗って庭に新聞を投げ入れとるのは、普通の姿なんやな。もっとも、それが、ごっついおっさんでは絵にならんやろけどな。
それに、勧誘もその少年たちということのようやから、この人の言われる通り、売り込みにはそれほど力を入れとらんということのようや。
それにしても、自動販売機のくだりは面白いな。日本でも、飲料水なんかの自動販売機荒らしというのはおらんこともないけど、業者が困るほどやない程度やしな。
ハカセも調べて分かったことがあるというから、それもここで言うとく。
アメリカの宅配率は都市部で80〜85パーセントの間やという。周辺部やと、宅配率は50パーセント前後くらいやということや。
因みに日本の宅配率は都市部、地方に関係なく93パーセント前後やという。むろん、世界一や。
アメリカの新聞販売所は委託販売がほとんどやと言う。委託販売制度というのは、売れた新聞の代金だけ払うたらええというシステムや。日本の販売店にしたら夢のような話やな。
日本の場合は専売制で宅配制度は手厚く保護されとるが、その分、残紙は買い取らなあかん。それが、結構、馬鹿にならん。それを苦にしとる販売店も多いと聞く。
実は、制度というのかどうかは知らんが、日本にも一部にそういう新聞の委託販売というのがある。コンビニ、駅売り、私鉄、JRの駅売りなんかがそうや。これが、全体の6パーセント強ある。
ワシはコンビニに勧誘の営業をすることもあるから分かる。卸値の内訳は言えんが、売れた分の支払いでええというやつや。
残紙は、配達のときに配達分と引き替えに引き上げるようにしてたようや。但し、スポーツ新聞は買い取りが多かったと思う。もっとも、すべてがそうやとは限らんけどな。ケース・バイ・ケースということもある。
アメリカの新聞の販売収益と広告収益の比率は、15:85で、圧倒的に広告収入が多い。因みにこれも日本の比率でいうと45:55ということになる。
日本の日刊紙の朝夕刊の総発行部数は、約7300万部で世界一や。次がアメリカの5600万部。せやけど、人口は、アメリカは日本の約2倍やから、日本がどれだけ多いか分かるやろ。
以下、中国4200万部、インド2600万部、ドイツ2500万部、ロシア2300万部となり、新聞の発祥の地のイギリスは、1800万部の発行部数しかないということや。
せやから、どうやというわけやない。新聞がこれだけ多いということが本当にええかどうかというのはワシには分からんからな。ただ、ワシらはそれでめしを食うとるから、悪いとは言えんわな。
しかし、ハカセがせっかく調べたことにケチをつけるわけやないが、こういう数字的なことが分かっても、ああ、そうかで終わる。所詮、どこかに資料として載っとることやからな。
ワシは、それよりも、読者からの生きた情報を寄せて貰う方が値打ちがあると思う。それに、このサイトに人気があるとすれば、その理由は、他のどこにもないような生きた情報が多いからやと思うとるからな。
投稿者 T さん 投稿日時 2005.8 9 PM 3:28
ロスでの新聞のことですが、http://www.ocsworld.com/koudoku/others.asp ここで、値段などが詳しく分かります。
恐ろしく高いです。それでも、海外で読み慣れた日本語の新聞が読めるというのはとてもありがたいです(わたしは購読していませんが、、、)。
ロスにいる日本人のほとんどは、インターネットで日本の情報を得ているのではないでしょうか?
やはり無料というのはありがたいです。それに加え、貨幣価値が違うと言うこともあると思います。こちらで20ドルを超える買い物は、ちょっと考えてしまいます。
アメリカ版新聞拡張員を見ました
投稿者 Tさん 投稿日時 2006.5. 6 AM 1:36
先日、近所のオフィス用品店で初めて、アメリカ版新聞拡張員を見ました。
オフィス用品店の店内で、「30ドル分のギフト券はいりませんか?どうですか、お兄さん。」みたいなことを言われました
。
何だろうなと思い、話に耳を傾けると、「デイリー@@(新聞)を取ってくれたら、このギフト券をやろう。今、どの子新聞を取っている?」と聞かれました。
「取っていないです」と答えると「取っていないのか?」と少し大げさ目のリアクションをされました。「英語が母国語じゃないから」と答えると「そうか」という感じですぐに引き下がりました。
初めての体験でしたし、初めて見かけました。それ以後、そのような拡張員は見ていませんが、アメリカにも新聞の営業マンはいるんだなあと思いました。
コメント ゲン
これは、なかなか興味深い情報やと思う。当然やが、こういう拡張員がおるということは、他にも相当数、いとるはずやしな。交渉の仕方なんか、日本でもいてそうな感じや。
「英語が母国語じゃないから」と答えると「そうか」という感じですぐに引き下がりました。というところなんか、拡張員そのものという感じやな。その、ぶっきらぼうさがええ。
ただ、以前にも寄せて頂いた情報の中で、日系のスーパーで勧誘していたというのがあったが、今回も、オフィス用品店ということで、アメリカでは、この店舗勧誘というのが主流なのかな。
これなんかは、客の集まる所でそれをするというのは、合理的なアメリカ人らしいという気はする。日本でそれをする拡張員はさすがにおらんからな。
アメリカの新聞業界は、じり貧状態ということを耳にするから、何とか現状打破をしようということなのかも知れんな。ただ、拡張の交渉テクニックは日本の方が数段上やろうと思う。
但し、アメリカでは喝勧や置き勧なんかは通用しそうにないがな。下手にそれで迫れば、逆に拳銃でも突きつけられかねんからな。命がけの拡張になる。
そのうち、ハリウッド映画でこの拡張員を扱った映画でもできんものかなと思う。日本の拡張員が、アメリカの拡張員を指導するというのも面白いと思うがな。アホな話やけど。
その後
投稿者 T さん 投稿日時 2008.3.15 AM 9:40
ご無沙汰しております。
2−3年ほど前になるかと思うのですが、ロサンゼルスにもA新聞などの勧誘員がいるということをお伝えしたかと思うのですが、最近ではほとんど見なくなりました。
個人的な考えですが、景気後退や現地採用を増やした影響などで金持ち日本人駐在員がロスから減ってきたということと以前取り上げておられたインターネットの普及が原因と考えられます。
前者の方の例としては、日産自動車のアメリカ本社はロスにあったのですが、テネシー州に移っていきました。テネシーは低所得者が多いので、必然的に賃金も安いという事情があるようです。
後者の方の例としては、日本人がたくさん住んでいるロサンゼルスでも日本人はわずか5万人。おそらくその半分は学生(私的な推測です)。
日本ではないので、日本人学生は自由にアルバイトすることはできません(もっとも不法労働している人はたくさんいると思います)。
経済的にゆとりのある日本人は、駐在員を含むごく一部に過ぎません。そのため、インターネットによる配信はやはり便利かつ経済的ということになるのではないでしょうか。
もっとも、日系スーパーなどで新聞を購入することは可能です。1部3ドル50セントだったと記憶しております。地元の日本語有料紙なら1ドルぐらいで買えたと思います。無料の新聞は、スポーツばかり充実しており、有料の新聞(A新聞、Y新聞など)とは比べ物にならないと思います。
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