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その4 新聞販売店から不当解雇された際の対策


第94回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ある新聞販売店での出来事 後編  より


1.不当解雇を突っ込む。

経営者が労働者を解雇するためには、客観的に合理的な理由がなかったらあかん。その理由が社会通念上相当として是認できない場合、その解雇は解雇権の濫用として無効になるというのがある。

その理由を示さず、直接協議することを避けた上、一方的に解雇を伝え、その手続きを怠った場合などが、それに当たる。

こういう状況であれば、請求できることがいくつかある。また、しておいた方がええと思われるものを列挙しとく。

@解雇通告書(即日解雇)の交付を要求する。

A労働基準法第20条に基づく解雇予告手当の支払いを要求する。因みに平均賃金の30日分程度となる。

B離職票の交付手続き、社会保険の喪失手続きの要求をする。

C有給休暇の買い取りを要求する。

D不当解雇の受け入れとして、平均賃金の6ヵ月分以上の支払い要求をする。これに関しては、決まり事やないから交渉ということになる。

決裂すれば、法廷闘争ということになる。但し、要求とすれば、法外なものやないと考えられる。

E公的な退職手続きを怠ることによる生活保障および給与保障として平均賃金の3ヵ月分以上の支払いを要求する。これも、Dと同じで交渉事になる。

F転居するための諸費用を全額要求する。

不当解雇を経営者がしてきた場合は、上記の要求を堂々とできる。但し、それで、どの程度、支払うて貰えるかは、相手とその状況、交渉次第やと思うがな。

要求をするのなら、弁護士に頼むというのもええが、それやと、弁護費用が嵩(かさ)むさかい、費用対効果が期待できんと思う。何より、こういう比較的低額の労働争議は依頼そのものを嫌がられる場合が多いという。

労働争議でも、過労死なんかで数千万円から億単位の請求ができ、勝てる可能性が高いという案件なら別やろうけどな。

上記の請求内容やと、行政書士に内容証明書を出して貰うだけでも効果がある場合が多い。弁護士と比べれば格安やし、相談する価値はあると思う。

但し、法廷闘争となれば、弁護士に頼む方がベターやろうけどな。


2.使用者責任を問う。

不当解雇の原因が他の従業員とのトラブルで、それにより何らかの被害を受けた場合、あっさり販売店がその使用者責任を認めれば問題ないが、ケース次第では難しい。

販売店が認めるということは、使用者責任としての損害賠償に応じるということやからな。

加害者本人への請求なら、十分可能性はある。但し、その返済能力がなければ、それを期待しても無駄や。ない袖は振れん。それで済まされる。

肩代わりというのも、販売店が拒否したらどうにもならん。通常は、その慰謝料は加害者が支払うべきものとなる公算が大きいさかいな。

ただ、裁判を起こすことにより、販売店がどう対処するかで状勢が違うてくるということはあるかも知れん。

その裁判で、そのことが公になったら困ると販売店が思えば、調停で有利な交渉になるということも十分考えられるさかいな。

しかし、それは希望的観測という側面もあるから、実際に裁判の場で、はっきりさせん限り何とも言えんやろうけどな。


3.警察署に被害届けを出す。

不当解雇の原因が他の従業員とのトラブルで犯罪性の高い事案の場合、警察へ事件性のアピールや告訴、もしくは被害届けを出しておく。

民事で損害賠償訴訟を起こすにしても、形式だけでもそうしとく方がええ。

ちなみに、被害届そのものは、公訴時効が成立するまではいつでも出せる。

告訴期限は、昔は事件発生後6ヶ月ということやったが、刑事訴訟法改正により2000年6月8日より撤廃されとるから、これも公訴時効が成立するまではいつでもできる。

ただ、警察署には、被害届けを出す時期が何らかの事情で遅れた場合、その言い訳を考えておいた方がええと思う。必ず、突っ込まれる。

@事件から時間が経ったけど、加害者からの謝罪が一切ない。

Aケアするといった新聞販売店も、結局何もしないで解雇するという、事件当時には考えられなかった暴挙に出たという事情がある。

ただ、この場合、あまり解雇ということを強調するのは得策やないと思う。こういうケースでは「そんな個人的な恨み事を警察に持ち込むなよ」と言われることがあるからな。

せやから、「話が違ってきて誠意がないから信用できん」という風に持っていく方が無難や。

B事件当時は恐怖のあまり自分を見失っていて、冷静に判断できんかったと言う。

と、大体、こんな感じやな。

但し、地域により新聞販売店と警察のつながりが深く、動かんということも可能性としたら、十分考えられる。何とも言えんがな。

ただ、その場合は、地検に「被害者支援室」というのがあるから、そこに相談するのも方法や。状況と担当者次第では力になってくれることがあるという。評判はええみたいやけどな。

さすがに、そこまでは、どんな販売店も手を回しとらんと思うしな。


4.新聞社にリークする。

新聞社にリークするのなら、販売局がええやろうと思う。直接の販売店の管理部門やさかいな。但し、どこまでその新聞社が動くかなというのは未知数やがな。


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