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その5 新聞販売店による拡禁(拡張禁止)の主な理由


第107回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員泣かせの人々 Part 5 拡禁の男 より



1.金払いの悪い人間。


たいていの販売店は、その事情さえ分かれば、1,2ヶ月程度は気持ちよく待つ。せやから、普通の人のそれは、金払いが悪いとまでは評価することはあまりない。

しかし、横着な人間というのがおる。「今度払う」「今、持ち合わせがない」と行く度に言うが、なかなか払おうとせん。それならと、集金人も次回の約束を取り付けるが、それも簡単に破る。

それが幾度となく度重なると、販売店も嫌気が差す。客になって貰わんでもええと考え、新たな契約をその人間と交わすことを拒むようになる。

その意思表示、通達をワシら拡張員にする。その客の契約は取って来るなということや。拡禁になる人間で一番多いのが、これや。


2.特定の集合住宅。

これは、滞在期間の短いウイクリーマンションや期間工という短期間労働者が数多く住むアパート、マンション全体を拡禁扱いにするということがある。

理由は、購読途中で行方不明になることが多いからや。俗に「飛ぶ」というやつやな。

例えば、期間工の場合、たいていは6ヶ月、1年契約で仕事をするもんやが、途中で辞める人間も結構おる。

辞めれば、その住居は、ほとんどの場合、企業側が用意しとるものやから、即刻退去せなあかん。その多くが、販売店には何も言わず転居するという。

一般のアパート、マンションでも、販売店によれば拡禁扱いにすることもある。

これは、そこに金払いの悪い連中が集中しとる場合と、そこの従業員でも比較的簡単に勧誘できると販売店が考えとるケースとがある。

せやから、拡禁というのは、何も問題がある場合だけとは限らんわけや。


3.トラブルが予想される人間、及び団体。


分かりやすい例で言えば、ヤクザの組事務所なんかやな。これを嫌がる販売店もある。

一般の人の中には、ヤクザとつながっとる新聞販売店も多いと考える人もおるようやが、現実には、そういうのは少ない。一般と同じく敬遠したいのが人情や。

しかし、こういうのは、ワシらに、わざわざ拡禁と宣言せんでも、それと知って行く奴もおらんけどな。

ただ、ワシらには契約を取って来るなとは言えても、そこの事務所から「新聞を入れてくれ」と頼まれたら、断る販売店はないようやがな。

参考までに、こういう所は、不払いというケースは少ない。金払いはええ方や。集金に行く人間は嫌かも知れんがな。

宗教団体というのも嫌がる販売店がある。

これは、ワシが出入りしとったある販売店の所長から聞いた話やが、新聞を入れてただけで、そこと何らかのつながりがあるのやないかと疑われて困ったことがあったという。

宗教団体で、新聞や機関誌を発行しとる所があるから、見返りにそれを取ってくれと言われると、断りにくいというこもあり、そうする。

問題のない宗教団体なら、それでもええが、たまたま新聞やテレビに取り上げられ騒がれたことがあった。もちろん、ええ方の騒がれ方やない。

その機関誌が店内にあるのを、ある客が見てそれを吹聴したらしい。その噂は、あっと言う間に広まり、それを打ち消し、沈静化させるのにかなり苦労したという。

また、地域で異端視されとる宗教団体も、販売店としては嫌がる傾向にあるようや。


4.外国人。


東海ではブラジル人というのが比較的多い地域や。そのブラジル人との契約を嫌がる販売店がある。

但し、これは過去に、ろくでもない拡張員が騙しのような形で、その契約を取ってトラブルを多発させたというのが大きな理由としてあるんやがな。

ブラジルの公用語はポルトガル語や。そのポルトガル語で「「エスクレーヴァオ セウ ノメ、ポール ファヴォール」と言うて、契約を取ってた拡張員がかなりいてた。

日本語に訳せば「あなたの名前を書いてください。お願いします」という意味の言葉になる。

これを言うて、日本語も満足に話せず、新聞も読むこともできんブラジル人に契約書にサインさせとったわけや。

完全に騙しや。もっとも、ビール券や洗剤を押しつけてやから、その場は何とかごまかせとったようやがな。

当然やけど、こういうことをして契約を取ったら揉める。そのブラジル人にしたら、わけも分からんまま新聞が配達されることになる。

まだ、日本に来て間もないか、言葉が分からず、事情の分からんブラジル人は、それに金のかかるものやとは知らん。

例え、それを知っていたとしても、文句を言うて行く所を知っとる人間は少ないから、そのままにする。

揉めるのは、その集金に来たときや。

言葉が分からんブラジル人やというても、片言の日本語が分かる人間は多いから、金を払うてくれというくらいは分かる。

しかし、いくら言葉が分かっても、それで納得する人間はおらん。

販売店も、この外国人との揉め事は困る。

ただでさえ、ポルトガル語というのは、日本人には馴染みも薄い言語の上に、相手は怒っとるから、早口でまくし立てられる。正にお手上げ状態になる。

金を請求するどころやないから、あきらめるしかなくなる。そんなことが度重なって、そのブラジル人を含む外国人が、拡張禁止になっとるということや。

但し、これはワシらに対して禁止しとることで、その外国人が、直接、その販売店に申し込みに行けば、断ることはないようやけどな。


5.特定地域の住民。


主に同和地区と呼ばれとる地域の住民を拡禁の対象にしとる販売店がある。

もちろん、こんなことを広言しとる所はない。そんなことが分かったら、差別問題となって大変やからな。

ただ、ワシらには、その住所を示して、そこを拡禁扱いにしとる。せやから、例え口に出さずとも住所でそれと知れることになる。

但し、これは、ワシらにそう指示するだけで、そこには新聞を配達せんということやない。実際に配達はしとるからな。

その理由を聞いたことがある。すると「昔からの客は問題ないが、新たな契約をするそこの住民には問題が多すぎる」という答えが返ってきた。

販売店にすれば、ヤクザと匹敵するくらい面倒なんやという。

「それなら何で、個人名で拡禁にせんのや」と問うてみたが、そこの所長は言葉を濁してただけやったな。


6.過去にトラブルを起こして揉めたことのある客。


客と揉めるのは、何も金払いが悪いということだけやない。些細なことがきっかけで揉めることも珍しくない。

販売店が悪いこともあれば、客に問題がある場合もある。もちろん、どっちもどっちということも多い。

中でも深刻なのが近所から出る騒音へのクレームや。

文句を言う方は「夜中にうるさいやないか。静かにしろ」となるし、それを聞く方は「こっちは仕事しとんねん。少しくらいは我慢したれや」と売り言葉に買い言葉となるケースが多い。

また、別の理由で、販売店の中には、近所との契約を嫌がる所も結構ある。特に勧誘に対してトラブルがあるとその近所付き合いは最悪になる畏れがある。

ある販売店の近所で拡張していた拡張員が、断られた腹いせに、その家の窓ガラスを割って逃げたということがあった。

当然、その家の住人は、販売店に文句を言う。結局、その当人に謝罪させ、その窓ガラスの修理代金を支払うことで話はついた。

しかし、その住人は、何か事ある毎に、そのときのことを引き合い出すという。そういうことが、度重なると、どうしても近所付き合いができにくくなる。


7.特殊な店舗。


これは、住居とは別になっている店舗が対象や。たこ焼き屋などの小さな出店形式にそういうのが多い。

店舗というのは、何の前触れもなくいきなり閉店ということがある。潰れるというケースや。それを嫌がる。

こういう場合は、その店主の住居で契約を貰うよう指示しとる販売店もある。これなら、万が一のときも集金に行けるというわけや。


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