ゲンさんのちょっと聞いてんか
NO.1 大阪府職員の声を聞いてください
投稿者 トミーさん 大阪府職員 投稿日時 2008.4.25 PM 11:49
初めまして、こんにちは。
半年くらい前にHPを見つけて以来、足繁く通わせてもらっています。
軽く自己紹介しておきます。私は大阪に住むトミー。今話題の大阪府の正職員しています。
我が家(実家)では新聞を取ってない&新聞勧誘に困ったこともないので、ただの一読者で居るつもりだったのですが、前々回のメルマガの最後の一文に触発されてメールさせてもらいます。
ゲンさんやハカセさんの考え方はとても勉強になります。HPも全ページ読破させてもらいました。
特に【どんな業種、業界にも、ええ者もおれば、あくどい者もおるというのが人間の世界】という点はいつも頷いています。
ある職業・地域・人種などのイメージで個々の性質を決め付けるのは危険と私も思います。
公務員をやっていると、税金を無駄遣いしてるとか、給料がいいとか、仕事が楽とか、残業がないとか、5時定時だとかイロイロ言われますが、確かにそういう所属部署もあります。
でも全部じゃないんです。
この4月で丸2年勤めましたが、給料はやっと手取り16万(決して少ないとは言いませんがバイト時代の方が稼いでいました)です。
お酒臭い人だとか、取りあえず文句だけ言いたい人など、お帰りいただきたいと思う来庁者も多く、それなりに大変です。
定時は17時45分で、役所にしたら長い方だと思います。
民間で働いた経験はないので、民間と比べることはできないけど公務員=すべてにおいて恵まれた職業という目で見られるのは辛いです。
【公務員の良い点】
福利厚生はしっかりしてるし、残業代も申請すればもらえる。ボーナスももちろんあるし、何より失業することがない。
【公務員の辛い点】
所属によって忙しさのレベルが違う(同期は入庁して半年間ずっと終電にも乗れない忙しさだったけど、私は幸いにも数えるくらいしか残業つけたことはない)。
給料は安定してるが、頑張っても頑張らなくても同じ(モチベーション維持が大変)。
首切られることがないから何でこんなのが・・・という職員もいて、でかい顔してる。
国の偉い人が決めたことを一人一人に説明して頭下げたり怒鳴られたりするのは現場の職員(私も公務員である前に府民の一人だといいたい)。
挙げだすとキリがありませんが、確かに昔はおいしい思いされた方も多いみたいです。
出所不明のお金とかあったみたいだし。。。でも今はそんなことできませんし、できるとしても限られた上の人だけです。
さて、我が社の社長(橋下徹大阪府知事)は、今テレビでも新聞でも名前が出ない日はありません。
少し前に朝礼にも行ってきましたが、生の声を聞いてさすがと言うか、やっぱりと言うか頭の良い人だと思いました。(とっさの発言は問題が多いですが。。。)
朝礼の内容はメディアで流れていますが、意見交換会は非公開でした。
大阪を変えてくれるんじゃないかという期待が、若手職員としても一府民としても有権者として選んだ一人としても大きくなる内容でした。(仕事量が増えて大変なのは自分ですがね^^;)
全職員宛のメールもよく送ってきますし、府民に対するアピールもですが職員に対するフォローもある良い知事だと思います。
ただ準備運動なしで全力疾走している感じが否めないので途中でスタミナ切れするのだけが心配です。
とりとめもなく書き出しているのでなんともまとまりの無い文章ですが、取りあえず言いたいことはお二人を応援しています、ということと、現場の平公務員として情報提供できることがあれば喜んでお手伝いさせてもらいます、ということです。
コメント ゲン
ワシも大阪で生まれ育った人間として、現在の大阪を憂う気持ちは人一倍強いつもりや。そういう意味でも、大阪府庁内の出来事というのは興味があるし関心もある。
財政赤字の膨らんだ大阪府庁への風当たりは相当なものがあるのやないかとは予想していた。
そこで職員として仕事しておられるトミーさんのご苦労の一端を聞かせて頂いたことは、大変有意義やったと思う。
『国の偉い人が決めたことを一人一人に説明して頭下げたり怒鳴られたりするのは現場の職員』
これなんかは、実際に経験した人しか言えんことやと思う。実に重い響きがある。
苦情や鬱憤(うっぷん)をぶちまけるために訪れる一般府民と称する人間は、そういう職員さんのことなど分かろうとはせず、すべて同じ穴のムジナやと考えて暴言を吐く。「オレは税金を払うてる府民様やで」という姿勢丸出しでな。
それでも、黙って聞いて頭を下げ怒鳴られるのをただ耐えなあかんというのは大変やと思う。
そこで逆ギレでもしようものなら、どんなやり玉に上げられるか知れたもんやないさかいな。
公僕という言葉ある。広く公衆に奉仕する者という意味で、公務員のことを指すが、その意味をはき違えとる人がおる。
確かに、公務員の給料は税金から出とる。税金を支払うのは国民や。それがあり、国民の方がえらいと錯覚する者がおるわけや。国民が雇い主やと言う者までおる。
しかし、仕事をすれば、その対価として報酬を受け取るのは当たり前のことや。公務員といえどもそれに例外はない。
国民が雇い主やとしたら、その公務員との間には労使関係が生じることになる。労使関係自体には上下の隔たりはない。対等な立場で労働契約が結ばれる。
雇い主は、労働者に仕事上の落ち度があれば叱責することができる。しかし、それと同時に、日々の労働に対して雇い主は労働者に「ご苦労様」という労いの気持ちを持つ必要がある。
実際、一般の企業のほぼすべての経営者が、その気持ちを持って労働者に接しとると思う。
ところが、そういう文句を言う府民と称する人間には、そういう思いや配慮はない。あれば、そんなことは言わんはずやさかいな。
底の浅い人間と言うてしまえばそれまでやけど、相手を思いやる心が欠けてしまうと、そうなりやすいわけや。
いくら腹の立つことや文句の言いたいことがあったにしても、それを、直接、一般の職員に向けるべきやない。と言うてやりたいが、勘違いしとる人間には、おそらく何を言うても通じんから無駄やろうがな。
ただ、今の大阪府庁は大きなチャンスに恵まれとるとのは確かやと思う。
橋下徹大阪府知事の誕生がそれや。
あんたが期待されておられるということもよく伝わってくる。
ワシには、橋下徹大阪府知事のことは、テレビ画面を通してでしか知る術はないが、その情熱というか熱意が本物やというのは分かる。
ワシが、その人物を本物かどうかを考える基準として、その行為に金や欲が絡んでいるかどうかというのがある。
橋下徹氏が大阪府知事に立候補したというのは、名誉欲があったのは事実やと思うが、それによって、彼自身にとっては大幅な収入減になったのは確かやと思う。
一説には、テレビタレント、弁護士業務などで数億円の収入があったと言われとる。実際、その納税額からも、それは推測される。
しかし、大阪府知事になったことで、その収入が激減するのは確かや。また、それくらいは立候補する当初から分かっていたやろうし、覚悟もしていたはずや。
もっとも、葛藤はあったやろうがな。
氏が立候補前に「大阪知事選に立候補することは2万%でも、何パーセントでもあり得ない」と言うてた背景には、若干、その未練もあったのやないかと邪知するさかいな。
これが、財産も十分残したという老人なら、稼ぎよりも名誉、名声を選ぶということはあるやろうと思う。
しかし、橋下徹氏は、まだ38歳と若い。稼いでいたと言うても、テレビに露出して人気が出るようになってから、それほど経ってない。せいぜい、ここ4、5年や。
言えば、稼ぎ出した矢先ということになる。それを投げ出したわけや。
しかも、現在の大阪府は誰が見ても困窮を極めた最悪な状況にある。よほどの信念と覚悟がなかったら決断はできんかったはずや。
あるテレビ番組で、保守党候補に誰もなり手がおらず、このままでは大阪がだめになるという気持ちで、つい男気のスイッチが入ったという話をしていたのを聞いたが、案外、それが本音やなかったのかと思う。
単に人気取りやメリットを優先する男なら、間違いなくタレント業に専念してたはずや。
その一事だけをとってみても知事に立候補したのは欲得づくやなかったと評価できる。
それと、これは個人的な見方になるが、氏は弁護士としては珍しく飛び込み営業で顧客を多く開拓していった過去があるというのも、評価したい理由の一つに挙げる。
この飛び込み営業の厳しさというのは、やった者しか分からんが、生半可なことでできるものやない。特に弁護士というプライドの高い人間にはな。
世間での評価はまちまちやが、裏のない本物の人間やというのだけは間違いないと思える。
但し、個々の言動に問題が多いのも事実やから、それが命取りになる可能性も十分考えられるがな。
マスメディアというものは、ニュースバリューという点に重きをおいて報道するということが多い。そのことが、ええことかどうかというより、関心が持たれるかどうかに力点が置かれるわけや。
今回、あんたから寄せて頂いた『全職員宛のメールもよく送ってきますし、府民に対するアピールもですが職員に対するフォローもある良い知事だと思います』という事実は、おそらくマスコミでは流すことはないやろうと思う。
そんなええ話よりも、失言の方が受けると考えとるから、どうしてもそういうのを中心に探して報道するようになる。
おそらく、本人は、その程度のことはよく分かっとると思う。ただ、分かっていても、一言多いという性質はなかなか直らんもんやけどな。
あんたが、橋下知事に期待するのなら、ただ頼るだけではあかんで。できるだけ、支えんことには、氏が持ちこたえられんようになると危惧するさかいな。
孤軍奮闘と言えば聞こえはええが、それでは先がない。
客観的に見て氏は敵を作りやすい性質なようや。当たり前やが、敵に向かうには味方が必要になる。
選挙で選ばれたのやから、大阪府民の多くが味方やないかという考え方もあるやろうが、その力は、直接役立つものやないと考える。また、残酷なようやが、民意というものは風の向きにより簡単に変わるもんや。
一番の敵は、身内とも言える大阪府庁内におるのやないかと思える。氏が「改革」を訴えれば訴えるほど、それを苦々しく思う人間が、その中におるのやないかな。
あんたが『首切られることがないから何でこんなのが・・・という職員もいて、でかい顔してる』というような連中がそうやと思うで。
今まで、ぬるま湯に浸かってた者は、熱湯や冷水は嫌がる。極力、環境の変化は避けたい。そうすることが自身の生活を守ることやと信じとる。
そういう人間からすると、氏は排除したい存在やと思う。
ただ、そうやからと言うて、具体的に親衛隊のようなものを結成せんでもええ。他にも支える方法はいくらでもあるさかいな。
『全職員宛のメールもよく送ってきます』ということなら、返信もできるわけやろ。
それなら、支持できることなら、そうとはっきり伝えるだけでも、それを受け取る方は大きな勇気と力を得たと感じやすいものなんや。
また、意見したいことがある場合でも、苦言を全面に出すのやなく、「私は知事の仰ることは、基本的には賛成ですが、この件については……とした方がよろしいのではないでしょうか」という具合に、味方としての助言やという風に持っていくわけや。
そういうことのできる仲間を増やせれば、結果として大きな力になると思う。
もし、そういうつもりがあるのなら、考えてほしい。ただ、言うとくが、くれぐれも無理はせんようにな。
『現場の平公務員として情報提供できることがあれば喜んでお手伝いさせてもらいます』ということやが、これからも、有意義やと思える情報は取り上げさせて貰いたいので、よろしくお願いしたいと思う。
追記 社長のことで補足というかもう一言言わせてください
投稿者 トミーさん 大阪府職員 投稿日時 2008.4.26 PM 11:57
マスコミで流れる発言は、おそらくあらかじめ考えられているものだと思います。
意見交換会で職員から『一番矢面に立つのは現場の職員なのだから、公務員叩き(給料を減らすとか)ばかりでなく職員のやる気を出すような言葉もほしい』という発言がありました。
それに対しての社長の言葉は『マスコミで職員も頑張ってると言うと、結局身内がかわいいのかということになる。だから僕は本庁職員だけでなく出先機関の職員に直接僕の声を伝えたくて各地をまわって朝礼をしている』というものでした。
先のメールで頭の良い人だと思うという内容を書きましたが、この発言で画面越しの「彼」の見方が変わったのは事実です。
時間が無い中、職員と直接顔を合わせる時間を作るをいうのは経営者(正確には違いますが)として良いことだと思います。(意見交換会は予定時間の倍以上になりお付の人のほうが時計をチラチラ気にしている状況でした^^;)
今、本庁は殺気立っています。
私は出先機関の職員なので予想の範囲ですが、反社長の人は相当数居ると思います。うちの上司でさえ、社長からのメールは読まず消している状況です。
孤軍奮闘にならないかという危惧は私にもあります。
就任して早々のころのメールで意見やアイディアがあれば自分(社長)宛に送って欲しいと言う内容のメールに返信メールしましたが応援していますと、任期満了してくださいという内容を送った気がします。
意見したいことがある場合でも、苦言を全面に出すのやなく、「私は知事の仰ることは、基本的には賛成ですが、この件については……とした方がよろしいのではないでしょうか」という具合に、味方としての助言やという風に持っていくわけや。
これは私も普段意識していることで、ちょっと話はそれますが学生時代英語の授業でディベートというものがあったのですが(5:5くらいの人数でテーマに対して賛成派と反対派にわかれて論議するというもの)そこで、相手の意見に反論する時の言い方が「You say that.But I think〜 」(君はさっきそう言ったけど僕は〜思うんだ)という言い方をしていました。
何に対してもこの言い方は相手の意見の尊重しつつ自分の意見を伝えられる言い回しだと思います。
私は仕事は自分の力量の範囲で頑張るつもりです。
異動の経験も無く今の職場しか知りませんし、本庁がどうなっていてもできることは少ないと思います。
なので、今の知事を応援するのなら、そのことで多少あるだろう窓口での府民の厳しい言葉には丁寧に対応することで支えようと思います。
それが出先機関の私ができることで、本庁の職員にはできないことだと思います。
最後に、HPで私の拙いメールを取り上げていただきありがとうございます。HPを見た方が少しでも公務員を見る目が変わってくれればと思います。
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