ゲンさんのちょっと聞いてんか

NO.2 新聞拡張員にだって明日の光は必ず見えます


投稿者 yoshi さん 現新聞販売店店長  投稿日時 2008.5.20 PM 0:17


自分は現在29歳なのですが、19歳の頃に拡張の業界に入り、最初は団の人間に食い物にされてひどい扱いをうけました。

その団に入る際、お金に困ってたこともあり10万都合つけてくれるとのことだったのでお借りしたわけですが、なぜか借用書には15万て書いてあって…

「なんでなんですか?」って聞いたら、「これは研修費用だ!」って言われました。

普通研修費用って研修した側がもらえるものでしょうが…;;

でも当時まだ何も知らなかったガキだった俺は、それ鵜呑みにしてしまい団長に5万むしりとられました。

その後も似たようなことは何度かあり、仲間が仲間を食い物にするという最悪の連鎖はこの業界にはつきものなんだって思うようになりました。

なんだかんだで3、4年もするとそういうことにも慣れてきたので、相手が自分を食おうとしてるってのは、すぐに判断できるようになりました。

言葉巧みに騙そうとします;;

俺をどっかのカード料が高くて良い団に紹介してやる(明らかに紹介料目当て)とか、今度俺が支部立ち上げて(某広域団にいた頃の話)お前を幹部にしてやるから、本部から金を引っ張るのに名前貸してくれとか…

何しろ本当に汚い奴らが多いです;;

でもゲンさんがおっしゃる通り、当然そんな人間ばっかりでもなく、俺にとって苦しい環境を共に過ごしてきたかけがえのない仲間も何人か作ることができました。

きっと普通に毎月安定して給料のもらえる会社の同僚だったら、ここまで深い絆にはならないんだろうなって思います。

同じ釜の飯を食ってる人間にしか理解してもらえないだろう、苦しくて辛い時期がたくさんあったから。

自分は29歳にして身寄りがいません。

団にはどんどん借金が増えていきます…張員始めて3年以上経った頃には100万を超えていました。

仲間の中には、借金を身内に肩代わりしてもらって、拡張から足を洗った奴なんかもいました。

でも俺にはそれができないから…例え騙されてできた借金でも、借金は借金です。

拡張に入る前からの友人には、「お前最近金ない金ないって付き合い悪いぞ!」とか言われます。

知らない人からしてみれば、働いてるのにそんなに金がないわけないって思われるのが当然で…

自分は拡張は弱い方ではないと思ってます。

毎月コンスタントに50枚以上はあげてましたんで。まあ強くもないですけど…^^;

それでも全然借金は減りません。

毎月の明細には団費だの買った覚えのないようなチケット代などが引かれてたりします;;

頭である団長までもが信用できない世界です。

でも拡張3年目の頃に、信用できる知り合いからの紹介で東京都内の某団に移ったのですが、そこからは人生がいくらか良くなってきました。

そこの団長は昔、現在でも全国的に展開してる有名な某広域団で支部長をしていた方で、業界では結構名前が売れてる方です。

なんで売れてるかと言うと、当時そこの広域団で常に枚数トップの支部をやっていたそうで、その割りにみんなをムチばっかりで叩いてたかと言うとそうでもないらしいです。

アメの使い方がうまいんでしょうね^^

面倒見も良い方で、その方が団を立ち上げるって言うから当時その支部に所属してた方々がみんなこぞって○○さんの団に入りたい入りたいって移籍してきたがる方が後を絶たないとか。

そんな人気のある団に3年目の俺がなんなく入れたんです^^

立ち上げ当初は自分も含めてたったの5人でした。

団長はむやみやたらに団員は入れない。信用できる奴しか入れない。とおっしゃってて、だからみんな気さくで良い方々が多かったです。

3年目にしてやっと心が安らげる環境に来たなぁって感じました。

俺はこの団長のために頑張ろうって気持ちが湧いてきました。

そこに入ってから2年して、団員の数も本部20人の各支部10人くらいずつと、確実に勢力を伸ばしていきました。

団長の名前が売れてたこともあり、店側も快く受け入れてくれる所が多かったです。

自分も本部の班長に任命され、手当てもつけて頂き、生活は前の団にいた頃とは一変しました。

それでも5年目の当時、借金はまだ80万くらいあったかな…

5年目にして当時まだ24歳だったので、俺もいつまでもこの業界にはいたくないって気持ちが強くなってきました。

人間そう言う気持ちが強くなれば強くなるほどダメなもので、だんだんとあげる枚数が減っていきました…

そんな折、団長から言われました。

「お前はまだ若いんだから、こんなとこで人生終わらせる必要なんてねえんだぞ」と…

団長は「借金は月々返してくれれば良いから、俺の知り合いの店で専業でもやってみろ!」と言ってくれました。

そして俺は拡張員から足を洗いました。

都内某所のY紙を扱ってる店に入ることになりました。

数年、体をあまり動かす仕事なんてしてなかったので、正直、配達員の仕事は、かなり辛かったです。

それでも三ヶ月もすれば、体力も強くなり、なんなく配れるようになりました。

俺は拡張員あがりだと言うことで、営業主任みたいなのに任命されました。

店員のやる営業なんて楽勝だよ! なんて最初は思ってましたが、縛りや先お越しってのがこんなにもしんどいもんだとは思いませんでした。

所長からは「お前は拡張員のはしくれだったんだろ? だったら周りの奴より、上を目指せよ!」って言われました。

縛りや先お越しも人一倍やりました。新勧、お越しもガンガン上げました。

今、その店で5年目を迎えます。

頑張ったかいもあり、店に貢献したということで店長に任命して頂きました。

今では給料も拡張員をやっていた頃とは段違いです。

当然、団長にお借りした借金は完済しました。その団は今では自分の店に入店してもらってます^^

正直、そこの団の受け入れの時だけは、プレミアとか余計つけてあげたりしてます^^;

それは所長も見てみぬ振りをしてくれてるみたいです^^

最初、俺は周りの人間に恵まれず、なんて不幸なんだろうって何度も思ってました。

でも今では、あの団長と知り合えたこと、そして今の所長と知り合えたこと、かけがえのない仲間ができたこと、そして結婚できたこと…

などを思うと、

『あぁ〜、あんな業界でも俺はあの業界に入ったからこそ、精神的にも肉体的にも強くなれたんだ!!』

って思えます。

そして、団長や所長に感謝しています。

ゲンさんのHPを見て、なんだか心が熱くなり、こんな長ったらしくメールを書いてしまいました。

でも俺はこの業界で色んなことを学べたし、色んな人間を見て、色んな体験をして、拡張員をやってたことを誇りに思ってます。

業界を知らない周りの人間には蔑んだり、白い目で見られるかもしれない。

「お前拡張員なんかやってたの?」

みたいに言われることもあります。

それでも俺は全く後悔なんてしてません。

だから、どうか今現在やってる方も、マイナス思考にならないで頑張ってもらいたいです。

ドブネズミみたいにドブ板の隙間から、光が少しのぞく程度の仕事かもしれない…

でもきっと青空をめいいっぱい拝める日が来るから…


ここまで読んで頂きありがとうございました。


コメント ハカセ


理屈抜きに感動しました。多くの拡張の仕事に携わっておられる方々にとっても、大変、勇気の湧くお話だったのではないでしょうか。

この方の素晴らしいのは、単にご自分の体験談を話されるというだけではなく、それを話すことで、他の方々にその勇気を与え、元気づけようとされているところです。

どんな環境であれ腐らずに頑張れば、いつかは必ずいいことがあるというメッセージが強く伝わってくる本当にいいお話だったように思います。



追稿 私もそうでした
 
投稿者 カズさん  投稿日時 2008.5.21 PM 11:20
 
 
私も以前、業界にいました。同じように、ある団長の紹介で店に入りました。
 
その後も団長とお付き合いが続いたので拡張員さんの生活はよく分かります。
 
現在、そこの団員はほとんど生活保護世帯以下の生活です。それから高齢化がすすんでいます。また亡くなった方も増えています。
 
彼らといろんな話をしたのが懐かしいです。仕事のアドバイスや政治・経済などの知識が豊富な人もいて楽しかったです。話は本当にうまいですね〜。
 
バブル当時はハワイに彼女と旅行に行った団員の話も、今は遠い過去の話です。以前は会社の旅行もあったんですよ。
 
前向きに行動してれば運はあると思いますね。

この業界には、未来に希望を持ち一時的だけという人、人生再出発の人、覚悟を決めて精進する人、いろんな思いの人がいます。
 
運だけでなく、yoshi さんの仕事の取り組みが周りの目にとまったんですね。そして私もお世話になった人への感謝の気持ちは終生もちたいです。
 
私も店長になり出身の団には(団員にあの店長は甘いとか言われましたが)彼らの暮らしを知っていたので、出来る限りの事はしました。

時代が変わり、専業の恵まれた環境で、彼らを下に見る人間もいました。もちろん営業のライバル視ならまだいいのですが・・。
 
yoshi さんのように拡さんの生活を知っている人が店長というのは、豪雨の中の傘です。傘をできる限り差して下さい。
 
彼らもうまく専拡・専業として生き延びてほしいです。
 

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