ゲンさんのちょっと聞いてんか
NO.21 これからの新聞販売システムについて
投稿者 Sさん 投稿日時 2014. 7.31 AM 6:42
日本全体の新聞販売は、ピーク時の20年前から比べると1400万部程度減少している。しかも未だに年々減少し続け底が見えない状態だ。発行本社や業界団体の集まりでも危機は叫ぶが一向に新しい手だてが見つからずに精神力だけの“頑張ろう!”コールだけが空しく響く。
発行本社は表には出さないが、すでに先は見通している。資金力が有る内に不動産投資に力を注ぎ安定した家賃収入をベースに生き残る事を目論でいる。
本業の新聞は、デジタルコンテンツとして生き残り配信料で如何に稼ぐかを画策している。今はまだ有料デジタル版での収入、Web広告収入、テレビやNETへの配信料収入すべてを足しても紙新聞の収入全体にははるかに及ばない。
しかし、それが逆転する日は遠からず必ずやって来ると確信している。今や紙新聞の販売継続はそこへ着地するまでの“ショックアブソーバー”に成っていると言っても過言ではない。
片や販売店はどうか?“紙”が無くなったら折込も無くなるので生きるすべが全く無くなるのは論を待たない。
全国紙でも低位の発行本社は販売店に“新業際”と言う触れ込みで、牛乳の販売や本の宅配等を併業するように進めている。治らない癌の痛みに一時的なモルヒネを自分で打つようなもので、本業を捨てろと言っているのと同じだ。
視点を変えてNET時代の今後も宅配制度を維持して生き残って行く業界は何か? と考えると、郵便局と宅配便だろう。Eメールで瞬時に文章は送れるし電子サインで済むものでも有印の重要文書やパンフレットなどは減る気配はない。
宅配便は現物なのでネットで配信は当然出来ない。むしろEコマースの発達により一層配達個数は伸びる一方で、大規模な配送センターを次々と建設している。メール便の様な紙の文章までも扱いが増えている。
再び新聞業界に視点を戻すと、危機は叫んでも依然として何十年も前から変わらない同じシステムで動いているのが不思議でならない。系統別の販売店が主力で店の中では一人の専業が配達・集金・読者管理の三業務をこなしている。
そしてそれぞれにアルバイト・パート・プロセールスでつぎはぎを繕っている。何時まで経っても不着、集金ミス、セールス苦情は無くならない。
コンテンツの配信方法という物理的、システム的問題で減紙になっているというのに“気合”で乗り切ろうとしている。根本から目を離して何時までも解決策を打たない、傍から見れば滑稽な姿にしか見えないが寧ろ見るものも居ない程忘れ去られ、置いて行かれようとしている存在に成っている。
それでは、解決策の無いまま沈んで行き死を待つだけの底無し沼の業界かと言うと、そうでは無い。何十年とやっている良き時代のノスタルジーに浸っていないで、新しい紙媒体の流通システム作りに着手すべき時だと提案したい。
形から言うと、「販売」と「配達」の完全分離をすべきだと考えている。集金業務などは契約時に100%口座引き落としやクレジット払いにすれば良い。
手集金を未だにやっているのは、訪問をきっかけに縛りをやろうとしているからだけだ。顔を見せた方が人間関係が出来て縛り易いと勘違いしている。営業のセンスも客扱いの言葉さえ出来ない人間にやらせている。
配達・集金・営業の能力の違った三業務をスーパーマンの様にこなせる人間など、今の時代悪いが新聞屋には勤めない。
系統別の販売会社が一定の地域を持ち、配達は専門会社が系統を問わず配ればよい。極端に言えば宅配会社に外注しても良い。専業が配達するよりも不着は無くなるだろう。
各系統で争うのは営業だけだ。何のことは無い、新聞業界以外ではそれが普通で当たり前にやっている事だ。オリコミも営業会社で受け付け配送会社に委託するだけだ。
三業務どころか、折込業務までの四業務が一店で入り混じって進行しているからミスが有ったりして効率も悪い。今まではそれで儲かっていたから、それが忘れられずにしがみ付いている。
まったく簡単な事だが、一店一店“お山の大将”で事はそう簡単には進まず、新聞社も販売店は無くなっても発行本社だけは生き残ろうとしているのでややこしい事には手を付けない。
下手に手を付けても反発を食うだけだ。販売局は二年もすれば異動に成るので事は起こしたくないのが賢いサラリーマンだからだ。
どうやったらできるかを考えると、現状では販売店主導でやる以外ないと思う。まず手始めに県単位くらいで各販売店が出資して配送会社を設立しそこへ業務委託する。
ごく初期の段階では、いずれは合併を視野に入れながら市単位くらいの狭いエリアで共同配達会社を作って行くのが現実的だろう。営業会社は各系統別に配送会社と並行して作って行けばよい。
現在の店の業務にあたる縛りチームと団にあたる新刊・起こしチームとに分けて、現読サービスなどの部門も作ればよい。
少なくなると思うが不着や留守止め受付等、店にかかる電話はフリーダイヤルでコールセンターを作ればかなり広い範囲一か所で済む。手配はNETで配送会社に送ればいい事だ。
未だにどんな店でも各々不着当番なるものが、従業員が出勤してくるまでいるのが現状だ。そんな経費をかけていても儲かってしょうがない時代から続けているので、それが仕事のやり方だと思っている。
一人の専業が配達できる区域はこうだからと、新聞取って当たり前の時代の配ることだけを考えていた時代のシステムに早く決別して新しいシステムに移行しなければこの業界の明日は無い。
毎日の業務に追われ考える事がストップしているこの業界を救ってくれるものはいない。
自らが気付き実行に踏み出さない限り事は運ばないのだ。
白塚博士の有料メルマガ長編小説選集
月額 210円 登録当月無料 毎週土曜日発行 初回発行日 2012.12. 1
ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』好評販売中