ゲンさんのちょっと聞いてんか

NO.6 つぶやきジローさんの営業(拡張)法


第1回 「人を見たらお客様と思え」と「子供好きな屈託のない笑顔」の効果


寄稿者 つぶやきジローさん A新聞拡張員 東京都在住  投稿日時 2009.6. 6 PM 4:29


はじめまして。まずはじめに、このような拡張に、いや、様々なことにもつぶしの効く有意義なサイトを立ち上げて頂いたことに感謝致します。

ゲンさんのお話を隅から隅まで読ませて頂き、「この人の言っていることは本物や」と思うと同時に、こんなに頭の良い文章力もある人が、なぜ「拡張員で収まっているんだろう」「もったいないなぁ」というのが率直な感想でした。

まぁ人にはそれぞれ事情があるので、その辺を詮索する気はもうとうございませんが、とにかく“すごい”と素直に思いました。

私は拡張歴約6ヶ月のAの拡張員です。本職はウェブデザイナーですが、それだけでは家族を養うことができないため、サイドビジネスで週に2〜3日拡張のバイトをしております。月の稼動日数はだいたい10日前後です。

私の現在の拡張の営業方針は、ゲンさんの言われる「人を見たらお客様と思え」方式です。

これは誰に教えられたものでもなく、この仕事をはじめて2〜3日で「訪問100叩きでは時間のムダだなぁ」と感じての自然な成り行きでした。

場所には特にこだわりません。その日の拡張エリアであれば片っ端から通行人に声をかけます。

人通りの少ない地域などでは、人が集まる近所のスーパーやコンビニで網を張ります。その甲斐あってか、現在では1日に平均3枚〜4枚は挙げられるようになりました。

1日の最高獲得枚数は11枚です。もちろん当初は1枚や2枚で終わることもありましたが、入店以来0枚はまだ1度もありません。

私の風貌はゲンさんのような「誰にでも好感をもたれる風貌」ではありません。サーフィンをやっているため冬でも日に焼けていて、見た目はパッと見「胡散臭い」とよく、友人や兄弟からも言われます。

しかし、そんな私にも一つだけ大きな武器がありました。それは「子供好きな屈託のない笑顔」です。自身に小さな子供がいるためか、最近ではその笑顔により自然と磨きがかかったように思います。

自分で言うのもなんですが、子供の幼稚園などでは、けっこう人気のパパになっています。

そこで拡張をしている同志のみなさまの少しでもご参考になればと思い、このたび投稿させて頂きました。

私の拡張の武器は「子供好きな屈託のない笑顔」と、先にも述べましたが、私は子供連れで歩いている、又は自転車などに乗っている「家族」によく声をかけます。

そして声をかける前に、まず親御さんがつれている“子供”に目をやり“微笑みを自然に作って”から親御さんに低姿勢で尚且つ満面の笑顔で声をかけます。身分は先にきちんと明かします。

その時の親御さんの「一瞬の表情」で、その後の言葉を選びます。チラッとでも嫌な顔をされたら、ゲンさんのアドバイスにもあるような「ユーモアとジョーク」でおどけてみせ、相手の警戒心を解くように努めます。

特に警戒している様子もないようなら、子供さんたちの年齢などを考慮しながら、今回の新聞契約によるサービスの話しを先にしてしまします。

サービスの内容は主に、遊園地や行楽地などの無料チケットです。割引券のようなセコイものではありません。遊園地なら通常4千円前後もするフリーパス券(株主優待券)です。

私の団では割引券のようなセコイものしか扱っていないので、私はヤフオクなどで1枚500円ほどで独自に仕入れます。

これを6ヶ月の契約でご家族の人数分(4人なら4枚=時価1万6千円相当)をドーンとあげちゃいます。

うちの団では6ヶ月なら1万円の取りなので、2千円の元手で差し引き8千円の利益になります。販売店によっては店の拡材を使わなければ「千円キャッシュバック」のようなところもあるので、その場合は9千円の利益になります。

契約する側(お客さん)も、6ヶ月の新聞代(約2万2千円)で、1万6千円相当のサービスが受けられると思えば、けっして損な取り引きではないと思ってくれますので、物取りのお客さんでも意外と契約をしてくれます。

それでも煮え切らない場合は、無料拡材のカタログや洗剤、タオル等をプラスします。だいたいはこれでOKです。

そしてここでの重要なポイントですが、親御さんに気に入られることも重要ですが、そのお子さんにも気に入られる努力をすることです。

親にばかり必死になって話かけていては、いっしょにいる子供さんが飽きてダダをこねてしまいます。

時折子供さんにも目を向け、「ここの遊園地のジェットコースターはすごいぞぉ〜」などと声をかけ、「お母さんやお父さんとみんなで行きたいよねぇ〜、楽しいぞぉ〜」と煽ったりもして、子供が「行きたいっ行きたい〜」などと言ったら、ほぼ契約は取れたも同然です。

そこで間髪を入れずに、

「ご存知かと思いますが、(知らなくてもOK)通常はカタログや洗剤などのサービスしかできない決まりになっておりますが、今回はここでお会いになったのも何かのご縁ですので、特別にこちらのフリーパスチケットもご家族の人数分、ド〜ンとサービスさせて頂きます。

子供さんたちがカワイイんで、もう特別ですよお母さん。あっそれと、販売店には内緒にして下さいね。こんなにサービスしたことがバレたら、私のクビがボ〜ンって飛んじゃうかもしれませんので〜ははははっ」

みたいな感じで“もってけドロボー”を装い、満面の笑みで交渉成立です。

1日中、地道にコツコツと1件づつ訪問するのも一つの方法ですが、私はとてもセッカチで忍耐力にかける人間ですので、とてもそのような気の長い重労働は無理でした。

運よく交代読者に当たれば良いですが、私の経験ではY命? の絶対読者が多いように感じられたので、早々と方向転換したしだいです。

また、拡張員の中には毎日の生活のこともさることながら、団での成績をも非常に気にしすぎ、胃潰瘍になられた方もおります。

人によっては、この仕事は心身共に追い詰められ、非常につらい仕事になる場合も多々あります。なので、何事も前向きにポジティブに考えて、楽しくやっていこうではありませんか。その意味でも、非常にこのサイトはお役に立つと私は思います。

特にこのサイトを“よいしょ”しても私には何のメリットもありません。が、しかし、言わせて頂きたい。私はこのゲンさんという人にほとほと感心致しました。常識もあり、かつ頭もよく、また、何のメリットもないのに人様のために忙しい合間を縫い、このようなサイトを運営していらっしゃいます。とても素晴らしい人格者だと私は思います。

このサイトをお読みになった皆さま方が、ゲンさんの経験と見識のある文章の中から何かをつかみ自分の糧とし、今後のより良い人生を歩まれることを願ってやみません。

色々な意味でもつぶしのきく本当にお役に立つサイトです。私からも改めてお礼を言わせて頂きます。本当にありがとうございました。

ゲンさんと皆さま方のますますの発展を心よりお祈り申し上げます。それでは失礼致します。


コメント ゲン


あんたが拡張されておられる東京都は、全国トップクラスの激戦区やというのは間違いない。

その中にあって、あんたのように『1日の最高獲得枚数は11枚です。もちろん当初は1枚や2枚で終わることもありましたが、入店以来0枚はまだ1度もありません』という実績をお持ちの方からの実践体験談は、その地域で拡張されておられる多くの方々の参考と励みになると思う。

特に『入店以来0枚はまだ1度もありません』というのは、ワシにはとても無理なことやったから、それだけでもすごいことや。ワシは何度となく「坊主(契約ゼロ)」の経験があるし、カードが上げられずに行き倒れを覚悟したこともあるくらいやさかいな。

サイトの『新聞勧誘・拡張ショート・ショート・短編集 第3話 命の笑い』 に、そのときの状況がある。多少、物語風に脚色はしとるが、出来事は概ね事実や。

ワシには、とても、あんたのような芸当はできそうにないし、自信もない。本当に頭が下がる。

もっとも、これも常にワシが言うてることけど、ワシ程度の営業力を持った人間は、この業界にはゴマンとおるし、それ以上の人間も無数に存在するはずやから、あんたのような人がおられたとしても驚くには値せんかも知れんがな。

ただ、そういう方からのサイトへの投稿が、今まで少なかったのは事実や。その意味でも、あんたから寄せられた話は貴重やと思う。

そして、その営業方法も、ワシのそれと酷似しとるが、一歩先を行っておられる。実に素晴らしい。他のその地域で拡張をされておられる方々の参考、手本になると思う。

もちろん、今回寄せられた話は今後サイトの内で使わせて貰うつもりや。おいしいネタとしてな。

ただ、二、三、誤解されている部分と、これを読んでおられる方への注意点があると感じたので、僭越ながら話しておきたいと考えて、ここにコメントすることにしたわけや。

本来なら、このコーナーは読者の主張を取り上げるところで、それについてケチをつけたり苦言を呈したりすることは極力、控えるようにはしとるのやが、そのあたりは建設的な意見ということで理解して頂きたい。

『私はこのゲンさんという人にほとほと感心致しました。常識もあり、かつ頭もよく、また、何のメリットもないのに人様のために忙しい合間を縫い、このようなサイトを運営していらっしゃいます。とても素晴らしい人格者だと私は思います』

と、持ち上げてくれるのは嬉しいし、有り難いと思うが、これについては少し誤解されておられる部分があるようや。

このサイトの直接の運営者、管理人は「ハカセ」というワシの友人や。ワシはあくまでも協力者でありオブザーバー、助言者という立場になる。

もっとも、ハカセは共同運営者やと言うてくれとるが、ワシは、聞かれたことに答えるだけで、実際に文章を書くとかHPの作成や運営に携わることはない。

せやから、あんたが『こんなに頭の良い文章力もある人』というのは、ハカセのことやと思う。

ハカセには拘(こだわ)りが深いということもあり、このHPを立ち上げるためだけに、開設する6か月前から実際にワシと一緒に拡張の仕事をした経験もあるさかい、その書く文章にも説得力があるのやと思う。

これは、物書きのプロとしての発想で、実際、ハカセは若い頃から小説家を目指していたということもあって、自然と、そうすることが当たり前になっとるという。

ワシとの議論も、それこそ徹底していた。「根掘り葉掘り」という言葉があるが、まさしくそれや。その熱心さには鬼気迫るものがあった。

そうまでして書かかれたものやからこそ、あんたのように『この人の言っていることは本物や』と多くの人に思って貰えることができるのやと考える。

「文は人なり」とは、その道の人、すべてが言うことやさかいな。

もっとも、それはこちらの内輪の話で、開設当初、ハカセが普段のワシの話し言葉に近い関西弁の文体にしたということもあり、あんたも含めてワシの個人的なサイトと勘違いされる方が、今以て、大勢おられるのは確かや。

ただ、ワシとハカセの関係については、サイトの『はじめに』を読んで貰えれば分かって貰えるのやないかとは思う。そこには、ワシとハカセの関係をはっきり言うとるしな。

それでも、読者の中には、ワシとハカセが同一人物やないかと疑い、そう指摘されるケースが度々ある。

もっとも、そこまで、同一視されるほど違和感がないということなのかも知れんがな。

実際、ワシの話を書いているときのハカセは、それこそワシ自身になりきっとるというさかいな。また、それでないと「ハカセ」自身のことも客観的には書けんと言う。

現実のワシは、あんたが考えておられる『とても素晴らしい人格者』というのとは、大きくかけ離れとると思う。

見た目は、どこにでもいてる頭の毛がさびしい状態になった普通の「おっちゃん」なんやが、HP上の文章では、そうは思えんのかも知れんな。

それには、サイトの「ゲン」は想像上の人物ということがあるからやと思う。100人いれば100人の、1000人いれば1000人の人の想像する「ゲン」がそこにいとるわけや。

それぞれが、それぞれの想像で「ゲン」を作り上げとると言うてもええ。それはそれで、ええとは思う。どういう想像を膨らまそうとその人の自由やさかいな。

ただ、想像というのは惚れ込んでしまうと、その対象を必要以上に素晴らしい存在やと思い込みやすいという危険はあるがな。

もっとも、それでも想像上の「ゲン」と接する方が、現実のワシを知るよりかは、ええやろうとは思うけどな。

そう考えると、ワシとハカセが同一人物やないかという指摘にも、敢えて反論する必要はないということになる。

最近では、ハカセも面倒臭くなったのか「ご自由に想像してください」と言うこともあるとのことや。

実際、5年も続けとると、ハカセ自身、ワシ、つまり「ゲン」と一体化することもあるという。お互いの意志の疎通を越えたものがそこにあると。

言えば、ワシとハカセの混じり合った第三の存在が「ゲン」なのかも知れんと最近になって思うようになった。それはハカセも同じやと言う。

その意味では「ゲン」は一人やとも言える。

せやから、あんたの言葉を一々訂正せんでも良さそうなものやが、一応しといた方がええと思うたまでのことや。

それに、実際の拡張の仕事をしながら、日々これだけの文書量を書くことが可能かどうかというのを考えて貰うたら、『本職はウェブデザイナーです』という書くことの多い、あんたには良く分かるはずやと思う。

あんたの尊敬するという裏には、ワシが拡張の仕事をしながら、このサイトをやっていたという思いもあったのやろうからな。

それも、ワシらが二人やと知って貰ったら納得いくのやないやろうか。

『ゲンさんのお話を隅から隅まで読ませて頂き』ということやが、このサイトを読破するのに、どれくらいの時間を要したのか、参考までに知りたいもんやと思う。

現在、このサイトはページ数にして、およそ1300ページほどもあり、比較的文書量の多い、旧メルマガ『メールマガジン・新聞拡張員ゲンさんの裏話・バックナンバー』で200回、新メルマガ『メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話バックナンバー』で50回に達する。

これは、毎週金曜日に発行していて、ほぼ5年間続いているもので、その1回分の文書量は、平均すると1ページ40字×40行で20ページほどになる。

もっとも、それは読みやすくするために空行を多くしとるから、詰めるとその6割程度にはなるやろうがな。

それでも、300ページの単行本に換算すると、これだけでも約30冊分以上にはなるはずや。

加えて、このサイトのメインでもある『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A』 をすべて単行本で発行するとして、現在発行中の『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』 が、約20冊以上発行できる文書量になる。

その他だけでも、少なくとも10冊分以上の書籍が発行できる文書量がある思う。

単純に計算しても、約60冊分の単行本に相当する文書量すべてを読破するには相当な時間がかかったはずや。ワシらでさえ、そんな無謀なことはせんさかい、一体それに要する時間がどれくらいかかるものなのか興味のあるところや。

正直言うて、ワシらも、どこに何を書いたか、言うたかというのをすべて把握しとるわけやない。というか、何かでその箇所を探すのも結構大変な思いをしとるのが実状やさかいな。

ワシらが言うのもなんやが、本当にそれを実行されておられるとしたら、それだけでもすごいことやと思う。

最後に一つ。

これは、あんたは実行されておられることやとは思うが、あんたが実行しているサービスは、あくまでも「私だけしかしていませんので」と客に説明しとくのを忘れずにと言うとく。

これを見て参考にされる方々には特にな。なるべく、販売店の公式なサービスとは違うということを強調しとくことやと。

客が勘違いして、その地域でA新聞を取ると、すべてでそのサービスがあると思われると、いろいろまずいことが生じるかも知れん。

特に、販売店がこういうサービスをしとるということになると、「景品表示法」に触れる危惧もあるさかい、可能性は低いとは思うが公正取引委員会から、その販売店に調査が入るということもある。

この景品表示法違反に関しては、販売店ぐるみやと摘発されるが、拡張員が個人的に客にする分にはお咎めはないはずや。

この法律は、業者を摘発するためのもので、個人に及ぶものやないさかいな。

もっとも、『ヤフオクなどで1枚500円ほどで独自に仕入れます』ということやから、例え調べが入ったとしても、いくでも言い逃れはできるし、法に触れる可能性も低いやろうが、いらん詮索をされる分、損やと思う。

それにその事実を知れば、販売店はええ顔はせんかも知れんから、くれぐれも内緒にしといた方がええと言うとく。

それさえ分かっていたら「私だけのサービス」というのは、有効な営業法やとワシも思う。

ワシもサイトの『拡張員の1日』やメルマガ『第9回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■営業の雑談に使えるUSJの話』で言うてるように、似たようなことはしとるしな。

今回、このような投稿をして頂き、とても感謝している。また何かええ方法があったらぜひ教えてほしいと思う。


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