メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第127回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2010.11.12


■2010年からの新聞営業講座……その8 雑談ネタの集め方


営業する上において雑談は重要なウェートを占めると、このメルマガ誌上やサイトで何度も言うてきた。

しかし、その雑談の重要性を理解されておられるという人でも、どこで、そのネタを入手し、どのタイミングで使えばええのかということになると、よく分からんと言われる方が多い。

そこで、今回は、それについて話すことにする。

但し、雑談ネタの入手先や情報源などはいくらでもあるし、その使い方についても、相手や状況次第で、そのパターンは無数に存在するさかい、そのすべてを語るというのは、とても無理な話や。

また、そのすべてを熟知しとると言えるほど自惚れてもおらん。

せやから、これから話すのは、あくまでもワシの知り得た範囲のものやと承知しておいてほしい。

それでは始める。


ゲンさんの雑談入手先、およびその活用法について


1.新聞

まあ、仕事柄、これは絶対に外せんわな。

もっとも、一口に新聞と言うても、新聞の記事には、政治、経済、事件、事故、スポーツ、芸能、地方の出来事、コラム、小説、ベタ記事など、いろいろある。

使い方次第では、そのどれもが雑談のネタにできるものばかりや。

政治のように一見堅苦しいものでも、今なら尖閣諸島での中国との確執とか、日本政府の対応、またYouTube(ユーチューブ)にその動画が流失した問題になると、一般の人でも興味をそそられる人も多いはずや。

現在、それを実行したという人物が名乗り出たことで、その事の是非に対して賛否両論が渦巻いている。

今、最もタイムリーな雑談ネタやないかと思う。

また、このメルマガで何度も取り上げている、小沢氏の検察審査会による「強制起訴」の問題(注1.巻末参考ページ参照)なども、人によれば食いついてくる話題やと思う。

また、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)というのも大きな問題やと思う。

これは、平成の黒船と称されるように、関税に対して鎖国的な政策を取り続けてきた日本に対して、それを撤廃、つまり開国するか、撤廃せず鎖国を続けるかの二者択一を迫られているというものや。

しかも、それについての選択が日本の未来を左右するとも言われている。

これからは一般の間でも、この問題について激しい議論が交わされるのやないかと思う。

また、そうでなかったら、それこそ日本に救いはない。雑談ネタには是非とも加えたいものや。

つまり、一般の人に取っつきにくいと思われとる政治問題であっても、その時々で雑談のネタに使えるものがあるということや。

経済問題にしても、昨今の急激な円高傾向については生活に即影響する問題でもあるから、それなりに一般の関心も高い。

事件、事故はいつの時代でもネタとしては十分や。スポーツ、芸能などについても同じ事が言える。

地方の出来事なども身近な情報を客に知らせるという意味では効果的なものやと思う。

各新聞のコラムや小説といったものも使い方次第では面白い雑談のネタになる。

「○○新聞には、こんな面白い小説やコラムがありますよ」と、そのまま勧誘トークにも使えるしな。

ベタ記事に至っては雑談ネタ、そのものやと思う。

ベタ記事というのは、紙面の最下位にケイ線で仕切られ、広告の上あたりにある下段の小さな記事を指す。

ベタというのは、ありきたりという意味の隠語で、特殊性やスクープ性が少ないということを意味しとる。

というても、どうでもええというものでもない。結構、これに力を入れとる新聞社も多く読者の人気も高い。

ワシが雑談のネタに使うのは、もっぱらこのベタ記事が多いさかいな。

新聞紙面の広告も使い方によればネタになる。もちろん、新聞の折り込みチラシも有効な雑談ネタに使える。

新聞には、そういった感じで雑談に使えるネタがぎっしり詰まっとる。雑談の宝庫と言うてもええ。

その新聞を売るのがワシらの仕事やさかい、それを利用せん手はないわな。

ただ、そうは言うても、その新聞の記事すべてに目を通して覚えるとなると大変な労力を要する。

通常、一般紙の情報量は、朝刊の場合、単純計算で400字詰め原稿用紙に換算して約500枚程度ある。300ページほどのB6版の書籍一冊分に匹敵する。

当然やけど、これを全部読み切ろうと思うたらかなりの時間がかかる。

しかし、新聞には読み方というものがある。

新聞記事には、すべてに見出しがついとる。朝刊で、およそ200前後ある。

一つの見出しは10字程度以内とされとるから、すべての見出しを読んだとしても原稿用紙5、6枚分程度になる計算やから10分〜15分ほどで済む。

それで、雑談に使えそうやと思える記事をチェックしといて、後からそれを念入りに読むようにする。

新聞記事は、重要な内容から先に書くという決まりがある。

最初の数行(リード)で事実関係と結論があり、後はそれを補足する内容が続く。こういう書き方を逆ピラミッド型と言う。

つまり、記事のすべてを読まんでも最初の数行を読めば、たいていの内容を把握できるようになっとるわけや。

なぜ、こんなことをするのかというと、限られた紙面の編集をするためには、その記事の内容の増減をしやすくしとかなあかんということがあるからや。

他の記事が増えれば、短くする必要があるし、少なければ適当に補足して紙面を埋めるためにな。


2.テレビ

日本人でテレビを見ないという人は極端に少ないと思う。たいていの人は見とるはずや。

当然のことに、その放送内容も立派な雑談のネタになり得る。

もっとも、新聞と同じように若い人のテレビ離れが進行しとるというのも事実やから、すべての人がテレビを見ていると判断するのは早計かも知れんがな。

20代以下の人で「テレビをまったく見ない」人が、約2割程度あったとNHKの「国民生活時間調査」結果がある。

若者の5人に1人はテレビを見てないということになる。

まあ、それにはインターネットやテレビゲームをするためという理由もかなりあるようやから、広義の意味で言えば「テレビ」に接している、見ていると言えんでもないがな。

日本人のテレビ視聴時間は平均して4時間以上あるという。その大半が、午後7時以降11時に集中しとると。

俗にゴールデンタイムと呼ばれとる時間帯が、そうや。

当然やが、雑談のネタに使うのなら、ニュース番組は当然として、その時間帯の人気番組に絞る方が得策やと言える。

具体的には、その地域での視聴率の高い番組を見て、それをネタに使うということやな。

ただ、それについては問題もある。

夕方から夜の10時までという時間帯は、ワシら拡張員にとっては仕事をしとる、あるいは帰りの移動中やから、見たくても見ることができんという事情がある。

その場合はどうするか。

目的は、あくまでも雑談のためのネタ探しやから、必ずしもその番組を絶対見ておかなあかんということでもない。

見たフリができて話が合わせられれば、それでええ。

今はネットで、その番組のWEBサイトにアクセスすれば、あらまし程度は分かるようになっとる。

雑談というのは、その話を客に振れればええさかい、何も詳しく説明する必要はない。

相手がそれに乗れば、後はなるべく調子を合わせておけば済む場合が多いさかいな。必ずしもテレビを見る必要はないということや。

そうは言うても、雑談のネタにする番組については一度くらいは見といた方がええやろうとは思うがな。

どんなものかくらい分かってないと、肝心の雑談として会話するにも噛み合わんやろうしな。

具体的には、ビデオで予約録画しておくか、再放送などをチェックして見る時間を調整することやな。

人気番組の再放送は昼間にやっているケースが多いから、時間の空いたときにでもテレビ付きの携帯で見ておけばええ。

また、番組だけに拘る必要もなく、CMなどの面白いものでも、そのネタに使える。

ソフトバンクのCMなどが、その最たるもので、そういうのをネタにすると話が弾む場合が多い。

余談やが、そのソフトバンクのCMに登場する「カイ君」を普通の柴犬と考えとる人がいとるようやけど、実際は北海道犬、一般にはアイヌ犬と呼ばれとる犬種やということや。

戦前では文部省によって天然記念物に指定されとったというくらいやさかい、貴重な犬種ということになる。全国で2千頭を切る希少犬種やと。

ただ、そのCMの影響で、アイヌ犬の人気が出たという話はあまり聞かず、ペットショップあたりの需要は少ないらしいがな。

ちなみに、それほどの希少犬種でありながら、子犬の販売価格は3万円〜5万円程度と比較的安いとのことや。

ペット好きな人には、その手の話もネタになる。

余談ついでに「カイ君」ネタをもう一つ。

「カイ君」は、NHKの朝の連続テレビ小説「天花」や、TBSのドラマ「里見八犬伝」、映画「ウルトラマンコスモス」にも出演した演技派の売れっ子タレント犬やということや。

それにしても、新聞のCMに、そういったインパクトのあるものが何でないのかと思う。

ワシから見ると、新聞のCMは理想を追いかけるだけで、センスと面白味に欠けるものばかりや。

正直、あまり雑談のネタとしては使えん。

ソフトバンクのCMほどのレベルの高い面白いものを作れとは言わんが、せめて話題にできる程度のものは作ってほしいと思う。

無理なんやろうか。

例えば、「カイ君」のような犬がアルバイト犬として新聞配達をしているといったようなCMを作り、それが話題になって人気が出れば、ワシらの勧誘も楽になると思うのやけどな。


3.ラジオ

このラジオというのは現在では、すっかりマイナーな存在になったが、そうバカにしたもんでもない。

ニュースなども、これで十分知ることができるし、ラジオでしか知ることのできん話題というのも結構多い。

その典型的なのが歌番組で、テレビに比べ圧倒的に放送量が多い。ヒット曲はラジオから出ると言うても過言やないさかいな。

また、有名タレントによる番組も多く、そこでは結構、赤裸々な話をしているケースがある。

ラジオというのは、当たり前やが話さんことには成り立たんものや。

事前に、その原稿を用意して喋るのならともかく、たいていのラジオ番組は、粗方の進行だけ伝えて、後は出演者のその場のアドリブによるトーク任せというのが多いという。

普段、人との対面では話せないような事でもマイクを前にすると気が緩むのか、つい、爆弾発言や禁句、本音の類が口をついて出てしまうケースがある。

それも、ライブ放送中に。

そういうのが好きな人にとっては格好の雑談ネタになるということや。

また、ラジオには利点が幾つかある。

電波が届く範囲、放送時間内であれば、いつでもどこでも聞くことができる。

しかも、テレビに比べコンパクトやから、簡単に持ち運べる。

それに、たいていの車にはラジオくらいはついとるから、仕事などの移動中に聞くということが可能や。

ワシがラジオを聞くのは、そういうときやさかいな。

もっとも、今はテレビも携帯電話で見ることができるさかい、その利点だけを強調することはできんかも知れんがな。

ラジオは災害時の情報収集手段としては欠くことのできんものや。

地震や台風、洪水などの災害時、その場を逃げるのがやっとという状態のときに、テレビやパソコンなどの大型のハードを持ち出すことは難しい。

また、その災害で壊れたり使えなくなったりということは珍しいことやない。

さらに、災害には停電はつきもので、そうなればテレビやパソコンなどといった物は用を為さんということにもなる。

こんなとき便利なのが、電池式の小型ラジオや。これなら、その心掛けさえあれば、いつでも手元に置いて持ち出せる。

ラジオはテレビとは違い、送信システムが比較的簡単にできているという放送局側の事情も大きい。

ラジオ放送が途切れるということは、まずないというさかいな。

例え地震などで放送局が機能停止、壊滅状態になったとしても、手提げの小型送信機が1台あれば放送が可能やという。

実際、この特性を活かして、多くの災害発生現場で臨時のラジオ局が開設されることがあるということや。

それも、局員がたった一人でも残っていれば、それができると。


4.書店

ワシは本屋によく行く。目的の本を探すという場合もあるが、たいていは暇つぶしと、雑談のネタ探しのためや。

当たり前やが、本屋にはいろいろな種類の本が売られている。使い方次第では、そのすべてが雑談のネタとして使える。

ワシの場合、真っ先に行くのは週刊誌などが売られている雑誌コーナーや。

もっとも、ここはどの本屋でも一番人気が高く人も多いがな。立ち読みする人間も漫画コーナーに次いで多い。

週刊誌というと、程度の低い与太話ばかりという印象を持たれる人が多いようやが、必ずしもそうとばかりは言えん。

その週刊誌に掲載されたことで大きな騒ぎや重大事件に発展したというケースは、それこそ枚挙に暇がないほど多いさかいな。

また、程度の低いゴシップ話と思われるような記事でも、雑談のネタとして使えるものはいくらでもあるから、ワシにとっては有り難い情報源や。

特に、ワシらの勧誘相手として最も多い主婦層にウケるネタが豊富に詰まっとるさかいな。

週刊誌というのは、掲載した記事次第で売り上げが左右されるから、そのネタの選別や取り上げ方については、生半可な決め方はしていない。

大袈裟に言えば社運を賭けてということになる。

当然のようにセンセーショナルなタイトルが踊り、記事の内容や表現などは針小棒大の限りが尽くされる。

そこまで言うか、書くか、というのが多い。

週刊誌の記事に面白いのが多いのは、そうしたことがあるからや。それを利用せん手はない。

雑学本も、当然やが雑談のネタとしては、うってつけや。漫画本も悪くはない。ベストセラーは、せめて作者と題名、あらすじくらいは知っておきたい。

さらに本屋での利点は、偶然にその本を見つけられるというところにある。

極端な話、本屋に入って、その背表紙に書かれている題名を眺めて回るだけでも雑談ネタが拾える場合があるくらいやさかいな。

本の題名は、著者が任意につけていると思われがちやが、よほどの大作家以外は、たいていの場合、出版社の編集者が決める。

あるいは、その出版社の編集会議とやらで決められるケースが多いという。

本の題名次第で売り上げが大きく左右される。少なくとも出版社はそう信じとる。

せやから、その思い入れは半端やない。つまり、背表紙に書かれた題名そのものが情報であり、ネタやとも言えるわけや。

もちろん、それで目についた本は、その場で読むなり、ネタの資料として買うなりすればええ。

雑談のネタとして使えるのは何も新刊本ばかりとは限らん。古本でもええわけや。

例え古い情報でも使い方によれば、いくらでもネタとして使えるさかいな。

地域により違いはあるかも知れんが、古本屋くらいは、どこにでもあると思う。

古本屋やと総体的に本が安く買える。そのメリットは、ワシにとっては有り難い。


5.図書館

本を買う金のない場合とか、のんびり休憩したい、サボりたいというときは図書館に行く。

大きな図書館やと大型の書店以上に本の量が豊富やから、偶然の僥倖を期待するのなら、こちらの方が上やと思う。

それに、たいていの図書館ではコピーサービスというのをしとるから、気に入った本のその箇所だけをコピーしてストックすることで、雑談ネタを集めようと思えばいくらでもできる。

また、ここには本だけやなく、新聞や雑誌なども新旧いろいろ揃うとるさかい、調べるという点においても申し分のない環境がある。


6.インターネット

現在、情報収集するための方法としては、インターネットで調べるというのが最も最適やとは思うが、事、雑談のネタ集めということにかけては、上記の5つに比べて劣ると判断したので、そのランクを落とした。

その主な理由が、偶然に知ることができにくいという点にある。

インターネットは、目的の情報を調べるのなら最強のアイテムやと思うが、それらにはすべて自発的な行為が要求される。

つまり、自分が知りたい、調べたいと考えん限り、その情報にたどり着くことができんということや。

雑談は雑談を交わす人間の数だけ存在する。

それに対応するには、何事も広範囲に知ってた方がええ。それには、新聞紙面や書店、図書館などのように、自分が知りたいと考えてない情報でも勝手に入ってくるという環境が望ましいわけや。

ただ、インターネットでも例外はある。

例えば、ヤフー・トピックスのように大手ポータルサイトで紹介しているニュースには新聞などとは違い、結構独自性の強いものが多い。

政治、経済、犯罪、芸能、スポーツなど何でもアリで、どの分野が突出しとるというわけでもない。

その取り上げ方は、ある意味、週刊誌のそれに似とるかも知れん。それぞれのポータルサイトの担当者の判断で一般ウケしそうなものが選ばれとるようやしな。

もっとも、それらの記事は大半が引用やけどな。

ただ、それには新聞や雑誌などで小さく扱われるような記事でも重大事件と同等に扱われトップで紹介されることが多いように思う。

それが雑談ネタとして使える場合があるから結構重宝はするがな。

また、WEBサイト、ブログ、ツイッター、掲示板などからも、そのネタが拾えるケースもある。

但し、それらは膨大な量があるから、どこでその雑談のネタを仕入れたらええのかとなると、その選別は難しいと思う。

それも、インターネットを下位にランクした理由や。

単に意味もなくネットサーフィンをするというのなら、それはそれで本屋や図書館に行くのと同じで偶然の僥倖に期待することが、できるかも知れんがな。


7.メールマガジン

このメルマガも、そうやが、発行して書くためにはそれなりの調査や裏付けを取るというのが普通やから、それを読むだけで、ある程度の情報を入手することができる。

もっとも、それらの信用度ということに関しては、それぞれが判断するしかないがな。

ただ一つ言えることは、購読するメルマガの選択さえ間違わなんだら、それなりの情報は得られるということや。

ワシは、ハカセと知り合うまで、メルマガの存在自体を知らんかったが、今では、その情報とネタのおかげで格段にトークの幅が拡がったと自覚しとる。

ワシは携帯電話に送られてくるメルマガを常時10ほど読んどるが、これが結構役に立つ。また、そういうものしか選んで読むようにしとるからやけどな。

まあ、役に立つか立たんかは、人それぞれやから、その選別は各自でして貰うしかない。


8.映画

ワシは映画が好きや。せやから、それを雑談ネタに使うことも多い。趣味と実益を兼ねてな。

当メルマガでも過去に、『第13回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの勧誘実践Part 1 雑談から』、『第116回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■殺人をしない、ひとごろしの話』、

『第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前編』、『第47回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画『社葬』による新聞への負のイメージについて 前編』、『第48回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画『社葬』による新聞への負のイメージについて 後編』(注2.巻末参考ページ参照)などで、映画について取り上げたことがある。

それぞれの映画の紹介やそれに関連した舞台裏の話も面白かったと多くの読者からメールが寄せられた。

それで、それらの映画を観られたという方もおられると聞く。

映画産業も昔に比べて斜陽産業やと言われて久しいが、それでも、まだまだ、ファンは多い。

また、近年はレンタルビデオ店が隆盛ということもあり、映画館に行くよりも自宅でビデオやDVDを借りて観るという人も相当数おられる。

もっとも、ワシは未だに映画館派やけどな。

ワシの場合、半分はサボりで、後の半分は、その映画が雑談のネタに使えたらええなという助平心もあって観に行くようなところがある。

ワシは映画を観る場合、主役クラス以外の無役(エキストラ)の動きや背景、小物に注目する癖がある。

これは結構、面白い見方で、そのエキストラの中には意味のない動きをしとる者が少なくない。

また、時代考証などあまりせずに小物を配置しとるのも良く見かける。

それを見つけて喜ぶ。早い話がアラ探しや。これに関しては、あまり勧められた見方やないがな。

そんな見方ばかりしとると、ワシのように性格がねじ曲がってしまうさかい、これを見ておられる読者の方は止めといた方がええと言うとく。

それに、普通はそういう風に映画を観ていても面白くないしな。

もっとも、それで営業トークに使えるネタが見つけられることもあるから、そのつもりで観る分には構わんとは思うがな。

例えば映画の設定が、1985年の8月やったとする。

そこに、その1985年の8月当時にはなかった車が映画の中では走っているケースがある。

また、同じ1985年製であっても、その秋に発売されたモデル車種なんかのケースもある。

これなんかは、ちょっとしたうっかりミスやから、普通は取り立ててどうというほどのことはない。

そんなことを指摘するのは重箱の隅をつつくようなもんやさかいな。

ただ、そういうのを見つけて、面白おかしく客に雑談で話して聞かせると、相手によれば、どこにもない情報を入手したと喜ぶ場合がある。

そういう話に食いつく相手なら、ワシの経験上、かなりの高確率で落とせる。

そういう雑談をするために、いつの間にか、そんな癖が身についてしもうたんやろうなと思う。

因果な性分やと思わんでもないが、身に染みついた習性やから仕方ない。


9.メール

日々、メルマガやサイトに送られてくるメールもワシにとっては有り難い情報源になる。

ハカセという男は律儀な人間で、たいていのメールは転送して見せてくれる。共有しとると言うてもええ。

それで、一般の方の新聞に対する見方とか気持ち、あるいは不平不満などが手に取るように分かる。

また、同業の拡張団、新聞販売店などに従事されとる方々からの貴重な情報も多い。

サイトに無料で法律顧問をして頂いている今村英治先生や元新聞記者のBEGINさんなどの専門家の方からアドバイスも非常に役立っている。

また、一般の方にも懇意にして頂いている方たちからも、いろいろな情報や意見が届けられる。

本当に有り難いことやと思う。

あるいは、サイトのQ&Aに寄せられる相談事に乗るのでも、ええ加減なことは言えんから、それなりに調べて裏を取る必要もあるさかい、勉強せなあかんことも多い。

それで知り得た知識も相当ある。

おそらく、業界広しといえども、ワシらほど、この業界に関して様々なことを知り得る立場の人間はおらんのやないかと思う。

それほど、その情報量は半端やない。

それらのすべてをメルマガやサイトで語っているとは言えんが、それでも、それらの情報の一端は読者に知らせることができとるはずやと考えとる。

そして、こんなことを言うと、ひんしゅくを買うかも知れんが、メルマガやサイトで書けんようなことは、「ある噂話」として、雑談のネタに使わせて貰うことがある。

もちろん、関係者の個人情報や企業名などは伏せてな。

ワシはハカセ以外には誰にも、その正体は知られてないから、その噂話の出所が知られる心配はないという気楽さもあって、そうすることがあるわけやがな。

まあ、この手はワシ以外には使えんから、ここで披露しても読者の役には立たんやろうが、ワシの雑談収集法の一つということで理解してほしいと思う。


10.客との会話

客との会話の中で、雑談のネタに使えそうな話というのは結構多い。

ワシにとっては、これを上位にしたかったところやが、その信用度という点において疑問符がつく場合が多いから、あまり積極的には勧められんということで、この位置での紹介とした。

昔は、これは面白いと思えば躊躇なく、それを他の人間にも話してたもんやが、今はこのメルマガやサイトをやってる関係で、さすがに、それはやりにくい。

人の話の裏を取るというても簡単なことやない場合が多いから、その真偽を確かめて人に話すというのも大変や。

まあ、これについては、誰かがそれによって傷つくことがない、迷惑がかからんという範囲で適当にするようにはしとるがな。

ただ、人はそれぞれ別々の人生を歩んできとるさかい、様々な経験談を聞くことも多い。

中には勉強になったり、考えさせられたりすることも多々あるさかい、捨て難い話も結構ある。

それらの取捨選択さえ誤らんかったら、それなりに役に立つ情報、ネタになるとは思う。


11.旅行

そういう機会があれば、その話もネタとして使える場合がある。

メルマガにも、『第181回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■やっさんの東南アジア旅行漫遊記 前編』、『第182回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■やっさんの東南アジア旅行漫遊記 後編』、

『第9回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■営業の雑談に使えるUSJの話』(注3.巻末参考ページ参照)というのが、あるさかい、その使い方の参考になると思う。

旅行というのは誰にとっても、それほど頻繁に行くわけやないから、それなりに思い入れも多い。

一般的には客がどこかに旅行したという話を、し始めたら、その話を熱心に聞くという姿勢だけでええ。

その話を引き出すために、「私はこの前USJに行って来まして」とか「私の知り合いが東南アジアに旅行に行きまして」と話すことは有効やと思う。

その話に反応して、「実は私も……」と、客が話し始めたら成功ということになる。


大体、こんなところが、ワシの雑談の主な入手先、使い道ということやが、分かって貰えたかな。

ただ、使う状況、相手は様々やから間違えんようにせなあかんがな。

雑談をする狙いは、その相手がその話に乗ってきて、心やすくなり気持ちをほぐすことにあるさかい、いくら仕入れたネタやからと言うて一方的にしても効果はない。

そのためには「相手を見てすることや」としか言えんが、それだけでは漠然としすぎて難しいわな。

それをすべて説明するには多すぎて大変やから、サイトの『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張ターゲット編』、

『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張トーク編』(注4.巻末参考ページ参照)というのが参考になると思うので、良ければ見ておいてほしいと思う。

もっとも、最初はそのすべてを覚えるのやなく、自分にできると思えるものを選んで、少しずつ、そのレパートリーを増やすことや。

それが結果として一番効果的な方法やと思う。



参考ページ

注1.第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について

第120回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■暴かれた「自白調書」のカラクリと検察への信用失墜について

第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非について

注2.第13回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの勧誘実践Part 1 雑談から

第116回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■殺人をしない、ひとごろしの話

第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前編

第32回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 後編

第47回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画『社葬』による新聞への負のイメージについて 前編

第48回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画『社葬』による新聞への負のイメージについて 後編

注3.第181回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■やっさんの東南アジア旅行漫遊記 前編

第182回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■やっさんの東南アジア旅行漫遊記 後編

第9回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■営業の雑談に使えるUSJの話

注4.ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張ターゲット編

ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張トーク編


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