メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第134回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2010.12.31


■2010年の10大事案……ゲンさんとハカセの年末言いたい放題


「もう今年も終わりか……」

「終わりですね……」

毎年、同じことを言うてるような気がする。それだけ歳を食ったということやろうなと思う。

「でも、せっかくだから、ここで2010年を振り返ってみませんか?」と、ハカセ。

何が、「せっかく」なのかは良う分からんが、「そうやな」とワシは適当に答えた。

「それも悪くないな」と。

今年もいろいろな事件や出来事があった。

読者から、時折、それらの事件についてコメントを求められることがある。

今回の話は、そのまとめみたいなものやと位置づけて貰えればええ。

それでは、これから主な事件や出来事を取り上げて2010年を振り返ることにしたいと思う。

ただ、すべての事件や出来事についてコメントするのは、とても無理やさかい、独断と偏見でワシらが勝手に選んだ「10大事案」と銘打って話すことにする。

もっとも、世間で言うところの重大ニュースをすべて網羅しとるわけやなく、常のメルマガのように深く掘り下げてもいないから、突っ込んだ内容にもなってないということも承知して貰いたいがな。

それでも、あまり知られていない事実も含まれとるので、中には「へぇー」と驚いて頂けるものもあるのやないかとは思う。

それでは発生順に始めさせて頂く。


事案 その1 米環境保護団体「シー・シェパード」による南極海での日本の調査捕鯨船に対する妨害活動


1月6日、南極海で日本の調査捕鯨船に対する妨害活動を展開している米環境保護団体「シー・シェパード」の未来型の超高速抗議船「アディ・ギル」号が日本の捕鯨船団の1隻と衝突し、真っ二つになって沈没したという事件が起きた。

当初、シー・シェパード側は、声明で、「(日本の)第2昭南丸が突然エンジンを起動させ、故意にアディ・ギル号に激突してきた。

船首の8フィート(約2.4メートル)が完全にちぎれた」と主張し、その責任を追及していた。

その後、アディ・ギル号の船長ピーター・ベスーンが第2昭南丸に乗り込んできたところを逮捕され、日本の審判によって傷害罪などで執行猶予付きの有罪判決を受けることになった。

以下、「抗議船沈没は自作自演」、シー・シェパード元船長が暴露
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2764296/6297046 より引用


 ピーター・ベスーン船長は、地元ニュージーランドのラジオ番組に出演し、衝突後にSS(シー・シェパード)のポール・ワトソン代表から、アディ・ギル号を沈没させるよう指示があったと語った。

 ベスーン氏によると、アディ・ギル号は「間違いなく救出可能な状態で、エンジン室から後方は無傷で頑丈だった」が、ワトソン代表が「人々の同情を集め、テレビ映りをよくする目的で」沈没させるよう命じたという。

 ベスーン氏はワトソン代表のこうした対応について「道徳的に破産している」と批判。「市民の寄付金と寛容さによって維持されている組織は、誠実である義務がある」と述べ、現在はSSとの関係を絶ったことを明かした。

 一方、ワトソン代表はベスーン氏の発言を否定。SSから除名されたことをベスーン氏は苦々しく思っていたとして、「沈没させろなどとは誰も命じていない。彼はアディ・ギル号の船長で、アディ・ギル号に関する判断の全ては彼が下したものだ」と反論した。

 SSはことし、5か月間にわたって日本で拘置されていたベスーン氏の裁判に先だってベスーン氏を除名し、距離を取っていたが、その後、除名は減刑を得るための策略だったことを明らかにしていた。


というのが、その顛末や。

このシー・シェパードの行為は、世界中から非難を受けとるさかい、今更ワシらが、どうこう言うまでもないが、狂信することの恐ろしさ、不可解さを痛感した事件やったと思う。

鯨を守りたいというのは勝手やが、国際ルールに則って操業しとる船を妨害することが正義やと勘違いしたらあかんわな。

こういうことを繰り返しとったら、益々狂信者のレッテルを貼られ、世界中から非難されるだけで誰もそれが正しい行いとは考えんようになる。

そうなれば、結局は守りたい鯨を守れんことになるだけなんやが、そこまで考えることができんのやろうかと思う。

愚かな行為としか言いようがない。

この件に関して日本側は毅然と対処したと思う。


事案 その2 公立高校の授業料無償化問題


3月31日、高校無償化法案が成立。

これにより、来年の2011年、公立高校の授業料が無償化になると決まった。

「これは、私にとっては大きなことですよ」と、ハカセ。

来年、ハカセの次男、コウ君が高校に進学する。

このコウ君は、サイトやメルマガに何度も登場しとるから、古くからの読者の方はよくご存知やと思う。

最初に出会ったときは、まだ小学2年生で女の子と見間違うような可愛いらしい小さな子やった。

その頃は、ワシと二人でよくポケモンケームで遊んでたもんやが、それが今では精悍さを備えたサッカー少年に成長し、もうすぐ高校生やという。

ワシらが、時の流れの早さを実感するのも無理はないわな。

「公立高校の授業料がタダになるのは有り難いのですが、そのおかげで、その公立高校の受験希望者が大幅に伸びて、どこともかなりの競争率になっていますので、大変ですよ」と、ハカセ。

実際、公立高校の授業料無償化の影響で、中学校の進路指導にも少なからず影響が出ているという。

今までは、その生徒の成績で「行ける高校」を選択させる、もしくはそうアドバイスする傾向にあり、父兄や本人も、教師がそう言うのなら仕方ないと黙って従ってきたという側面があった。

ところが、この長引く不況の最中、やはり授業料が無償というのは魅力的やさかい、少々、「お宅のお子さんでは、この公立高校を受験しても難しいですよ」と言うくらいで引き下がる父兄が少なくなっとるということや。

「ダメ元でもいいからチャレンジさせて下さい」と。

そう言われれば、教師も「それはできません」とは言えず、自由にさせるしかない。

そのため、公立高校では軒並み競争倍率が上がり激化しとるというわけや。

去年までは定員に満たなかった公立高校もかなりあったようやが、来年に関しては、ほぼ100%の確率で定員に達すると予想されている。

当然、私立高校はその煽りを受けることになる。

実際、それまでかなりあった私立高校の専願率が過去最低を記録しとるという。

ただ、公立高校の競争倍率激化により、滑り止めとして私立高校の受験をするケースは逆に増えとるとのことやけどな。

コウ君も念のため私立高校の受験を受けておくという。

私立高校も一往、公立高校の全日制と同等額の年間約12万円を助成するということにはなっているが、それでも「タダ」やない。

安くなったと喜ぶより、やはり「タダ」かそうでないかという違いの方が大きい。

新聞勧誘でも、「タダ」という言葉に惑わされ、それほど必要とも考えてなかった新聞を購読する人も結構多いさかいな。

それだけ「タダ」という言葉に秘められた甘い誘惑には抗し難いものがあるのやろうと思う。

この制度により、よほど人気の高い名門の私立高校でもない限り、その経営自体が危うくなると懸念する向きが多いという。

ただでさえ少子化で生徒数が減少傾向にあるのに、そんな法律ができたおかげで生徒を集めるのが、より困難になってしまうと。

このままでは、試験という体裁だけは一往するが、試験で受験生を落とすことなど最早できんようになったと嘆く私立高校関係者もいると聞く。

もっとも、そうやからと言うて、どの私立高校でもフリーパスで入学できると勘違いされても困るがな。

それにしても、今の時代、高校への進学率は、全日制、定時制、通信制のすべてを合わせると98%ほどもあるということやさかい、高校の授業料無償化をするくらいなら、いっそのこと、高校を義務教育化した方がええと思うのやがな。

まあ、その議論を始めると長くなるので、それについてはいずれじっくりと、このメルマガ誌上で話すつもりにはしとる。


事案 その3 殺人など凶悪犯罪の公訴時効廃止


4月27日、殺人など凶悪犯罪の公訴時効の廃止や延長を盛り込んだ改正刑事訴訟法が衆院本会議で、与党と自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。

これは当然やわな。人を殺しておいて、ある一定の期間逃げ遂(おお)せたら罪に問われんようになるというのは、どう考えてもおかしいわな。

時折、殺人の時効が成立したということで名乗り出る人間をテレビの報道番組で見かけることがあるが、それで良しとする神経を疑う。

法律的に罰することはできんのかも知れんが、少なくともワシはそういう人間は人として認めるわけにはいかん。見ていて反吐が出る。

例え、そこにどれほど汲むべき事情があろうとも捕まることを恐れて逃げた時点で人間失格やと思う。


事案 その4 検察審査会による「起訴相当」議決問題


4月27日、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引問題で、東京第五検察審査会は政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑を東京地検特捜部が不起訴(嫌疑不十分)としたことについて、「起訴相当」とする議決をしたと公表した。

結局、10月4日、東京第五検察審査会は小沢氏を「起訴すべきだ」とする2回目の議決があり、強制起訴されることになったと発表されたというものや。
これについては、当メルマガで、計5回(注1.巻末参考ページ参照)に渡り言及してきた。

ワシらが、この事をしつこいくらい言及しとるのは「間違っていることは間違っている」と言いたいからで、それ以外に理由はない。

この問題は、一言で言えば「えん罪」以外の何ものでもないと、はっきり断言できる。

ワシらは数々の証拠と状況を挙げ、それを論証してきた。

そもそもこの問題は、小沢一郎氏への西松建設による違法献金があったという検察の誤った「見立て」から端を発していることや。

東京地検特捜部は、1年以上もかけてテレビ報道などで大々的に報じられたように小沢氏に関係するありとあらゆる所を強制捜査をして、膨大な証拠資料とやらを押収し、総力を挙げて血眼になって捜査した。

それにも関わらず、結果として罪に問える証拠が何も見つからず、その事件そのものを「不起訴」としてあきらめるしかなかった。

本当に巨悪が潜んでいるのなら、過去のロッキード事件やリクルート事件のように、例え時の総理大臣ですら逮捕したという実績からすれば、その捜査時はまだ野党の代表にすぎんかった小沢氏の罪を見逃すことなど絶対にあり得んはずやと思う。

その威信を賭けた捜査にも関わらず、結果はシロと出て検察当局にとっては大失態に終わった。

それを素直に認めようとはせず、その体裁を保つためだけに「政治資金規正法違反(虚偽記載)」という無理矢理な罪名で起訴に持ち込もうとしたわけが、これもさすがに無理があると判断して断念した。

それを何の証拠もなく、正当な起訴理由すら示せていない事案にも関わらず、「市民団体」を名乗るたった一人の告発者が「起訴相当」として訴え出た。

それをさしたる詮議をすることもなく取り上げたのが、この問題やと思う。

たった一人でも訴えることのできるというシステム上の不備があったにしても、これでは、とてもやないが法治国家とは言えんのやないかという気になる。

もっとも、裁判になれば、ほぼ100%の確率で無罪になるのは目に見えとるさかい、それで法治国家としての面目と体裁は保たれるとは思うがな。

ちなみに、検察による小沢氏への不起訴決定の不服申し立てをしたという市民団体は、その名前すら新聞紙面では明かされていない。

どの報道記事でも単に「市民団体」と記されているだけや。そんな市民団体がどこにある?

その団体の希望か、新聞社の意図的なものか何かは知らんが、いずれにしても、その名前すら明かせんような市民団体とやらは、ワシには胡散臭い集団としか映らんがな。

ワシらが調べたところ、その異議申し立てをした人物の真の狙いは『外国人参政権阻止』にあったと、その当人自身がブログで告白していたことが分かった。

異議申し立ては単にその手段にすぎんかったと。

それに、マスコミ始め、東京第5検察審査会が踊らされ乗せられて同調したということになる。

もっと言えば、小沢氏に敵対する与野党の政治家が、それを政争の具に使っているというのが、正しい見方やろうと思う。

小沢氏を追い込むという目的のためだけに。

普通は、そういう事実を知れば誰でもおかしいと感じるのやないかと思うが、なぜか報道では一切それに触れようとすらしていない。

ワシらが本当に問題にしたいのは、そこで、なぜ、事、小沢氏の問題になると、ここまで新聞やメディアが真実を隠してまで叩くのかという点にある。

それでは片手落ちやないかという以前に、報道メディアとしての姿勢が問われ、信用を大きく失墜することになると考えるのやけどな。

ちなみに、この件を称して「政治とカネの問題」と言われることが多いが、このネーミング一つで相当な威力を発揮しとるのは確かやと思う。

何も知らん人が、小沢氏には「政治とカネの問題」があると言われれば、誰でも氏の評判の悪さから「何かやっとんのやろうな」、「さもありなん」と考えるさかいな。

ワシらは何度も言うてるが、別に小沢氏に肩入れしとるわけやない。

叩けばホコリの一つや二つは出てきそうな人やとも考えとる。所詮は古いタイプの政治家やとも。

叩くのなら、罪になるかどうかも分からん小さな罪やなく、誰が見ても本当に巨悪と思える不正をあぶり出すべきやろうと思う。

しかし、事、この問題に関する限りは100%無実で、濡れ衣であるとすべての証拠がそれを指し示しとる。

それに目を背けて責め立てる方が明らかにおかしいと、ワシらは考えとるだけの話や。

現在、それを国会で説明しろと総理大臣まで迫っとる。あまりのバカさ加減に言葉もない。

そんな最初から聞く耳も持たんような連中の前で、いくら本人が潔白やと主張しても、「そんなもの信じられん」と言うのは分かり切った話や。

出て来さえすれば悪者扱いにできると考えとるだけやさかいな。

それでも本人は「国会に出ても構わん」と表明はしとるがな。そうすることで騒ぎ立てる連中の矛が収まるのならと。

ワシらのような素人ですら、ちょっと調べれば、これは完全に「えん罪やな」と思えるような事が何で、一国の総理ともあろう人間に分からんのやろうかと思う。

加えて、声を揃えて小沢氏を悪し様に攻撃すれば、世論がなびくと考えとる国会議員が多いというのも理解できんことや。

小沢氏の2004年の政治資金収支報告書の記載違反について、新聞やテレビの報道では世論が「クロ」と判断しとるということやが、ワシらにはとてもそうとは考えられんのやけどな。

メルマガで初めて、その問題について話したのは5月やったが、その後、7ヶ月経った現在に至っても、ワシらに対してどこからも、それに対して反論や批判的なコメントは寄せられてこない。

それどころかワシらに同調される意見の方が圧倒的に多い。

それは、ワシらのメルマガの存在を知らん人間が多いからやという意見もあるかも知れんが、それだけでは説明できんと思う。

この問題に興味のある人が、それなりのキーワードで検索すれば、たいていの検索サイトで、ワシらのメルマガの記事が上位でヒットするはずやさかいな。

例えば、ストレートに『検察審査会の「起訴相当」決定の是非』というキーワドをヤフーで検索すると、6万5千件ヒットする内、第一位、二位にランクされとるから、メルマガの読者以外の人も見ておられる確率が相当に高いと思われる。

ちなみに、以前はそれほどでもなかったが、現在その上位に表示されとるものは、たいていワシらと同じように、小沢氏の強制起訴に関して懐疑的な意見のサイト、ブログばかりが並んでいる。

これが何を意味するのか。

それは世論が変わりつつある。真実に気づきつつあるということやないのかと思う。

この問題は、今後も尾を引きそうなので、またいずれ触れることもあると考えるさかい、そのときがきたらまたそうする。


事案 その5 大相撲野球賭博問題


5月には大相撲の野球賭博事件というのがあった。

5月20日、夏場所が開催されている最中に発売された週刊新潮(5月27日号)で、大関琴光喜が暴力団を胴元とするプロ野球を対象とした野球賭博に関与していたと報じられたのが、その発端やった。

結果、大関琴光喜の解雇をはじめ、多くの関係者が処分されることになった。

また、NHKでも放送中止という前代未聞の出来事もあった。

勝負事に金を賭けて摘発されると、賭博罪として50万円以下の罰金、又は科料。常習性がある場合は常習賭博罪となり、3年以下の懲役が科せられるとある。

ただ、すべてが杓子定規に、その罪で罰せられるということでもない。ケース・バイ・ケースや。

どこまでがその対象になるのか、その境界線になるのかという確かな線引きはなく、曖昧になっている。

一般的に賭け金が1万円程度までなら比較的見逃されることが多く、10万円を越えると賭博罪として立件される可能性が高くなるという話やが、それはその警察署の裁量次第でも、それぞれ違うとのことや。

賭け事、博打に関しては、法律上したらあかん事なのは分かるが、ワシには、それほど目くじらを立てて騒ぎ立てるほどの事でもないと感じるのやがな。

ワシら一般人でも普通に賭け事くらいすることも多いと思う。

相撲取りと言えど、そこは人間ということで大目に見てもええのやないかと個人的には考えるけどな。

少なくとも、現役の大関を解雇するほどのことやないと。

「すみません。もうしません」で済ましてもええのやないかと思うが、甘いのやろうか。

ただ、今回のケースは、その金が暴力団などの反社会的組織に流れとる可能性があるというから、その点だけは、あってはならんことやとは思うがな。


事案 その6 サッカーW杯南ア大会で日本が16強入り


6月11日、サッカーW杯南ア大会が開幕した。

日本が予選リーグを突破し16強入りをしたというのは、正直、興奮した。まさしく快挙や。

これで日本のサッカー熱が高まりを見せると期待してたのやが、不況による経営難のためか全体的にJリーグが低調気味とのことで、シーズン・オフに入ると選手の解雇や減棒といったニュースを目にすることが多く、ちょっと残念な気になった。

せっかくのサッカー熱に冷や水をぶっかけた格好になっとるのやないかと。

スポーツは子供に夢を与えるようにならんと本当に強くならんと思う。野球のように。

本田選手や香川選手、長友選手のように海外の有力クラブチームで世界的に活躍する日本人プレーヤーが増えたことは誇らしいし、歓迎できることやが、肝心の日本国内がそれやと寂しいわな。


事案 その7 記録的な猛暑


7月、8月は記録的な猛暑やった。

気象庁は、この夏の猛暑を30年に1度の異常気象と認定したという。

全体的に平均気温が2度〜3度高く、全国の154地点中77地点で史上最高を記録したとのことや。

各地で38度、39度になっていると連日のように報道されていた。

実際、気温30度の日が涼しく感じられたほどやさかい、それだけでも尋常やなかったと言える。

それにしても、ワシらの仕事にとって猛暑が、これほど大きな敵やったのかということを知った1年でもあったな。

砂漠で一滴の水を探して息絶え絶えに行方も分からず彷徨う旅人に似ていると。

砂漠の旅人なら、その窮地を察して助けようとする人も現れるかも知れんが、ワシら拡張員ではそれも望めん。

例え死に瀕していても冷ややかな視線が向けられるのがオチや。

猛暑で、なかなか契約が上げられんと、そう僻(ひが)みたくもなる。

これが巷間言われている地球温暖化が原因やとしたら、これからも幾度となく、こんな夏に襲われるのかと思うだけで、ぞっとする。

年寄りには堪えるで、ホンマ。


事案 その8 尖閣諸島沖での海上保安庁の巡視船と中国漁船の接触事故問題


9月8日、沖縄県の尖閣諸島沖で海上保安庁第11管区海上保安本部所属の巡視船と中国の底引き網漁船が接触した事故で、同保安本部は漁船の中国人の船長を公務執行妨害容疑で逮捕した。

9月24日、那覇地検は、同保安部が公務執行妨害の疑いで逮捕した中国人船長を処分保留のまま釈放すると発表。

11月5日、9月8日に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオと見られる映像が、インターネットの動画サイト「ユーチューブ」に投稿され、誰でも閲覧できる状態になっていることが分かった。

結局、神戸海上保安部の43歳の海上保安官が映像の流出に関与していたことが分かり、停職処分となって、直後この海上保安官は自ら辞職している。

この問題について、「国民の知る権利に応えてよくやった」という意見と、「組織の人間、公務員として守秘義務は守るべき」という見解とで日本の世論が二分される論争にまで発展した。

ワシらは、冷静に見て、中国政府と日本政府の対応、中国人漁船船長、および映像を流出した海上保安官、それぞれに問題があり、批判されても仕方ないと思う。

敢えて、その悪いと思われる順でいけば、

流失ビデオでも明らかなように、海上保安庁の巡視船に体当たりをした中国漁船が一番悪い。

次に、それをよく調べもせず、すぐに日本側が一方的に悪いと発表した中国政府。

さらには、その証拠ビデオがありながら、それを公表せず、その中国に気を遣ったことによる及び腰外交に終始した日本政府。

そして、最後には、自らの正義感のみで突っ走った神戸海上保安部の43歳の海上保安官。

ということになろうかと思う。

中国漁船の船長、中国政府の根底にあるのは戦前からの日本に対する根強い敵愾心、復讐心やと考える。

第二次世界大戦前から、日本は中国に侵略戦争を仕掛けて領土を奪取し、中国国民に対して言語を絶する仕打ちをしていたのは歴史的事実で、その事を恨みに思われても仕方ないと思う。

ワシは、拡張しとるときに戦争体験者から、その話をよく聞かされたことがあるから、それがよく分かる。

たいていの人は、現在、そのことを強く後悔されとる。反面、命令で仕方なかったとも言われとるがな。

戦争は人間を狂わす。とは言え、その狂った日本人が非人道的な行いをした過去は、何があっても消すことはできんのも、また事実や。

少なくとも、中国人の多くがそう考えとる以上はな。それがために日本バッシングが止むことはない。

ところが、日本人にとって、それは過去の出来事で、日本も負けてそれなりの犠牲と代償を支払っているのやから、それで済ましてもええやないかという空気が大勢を占めとる。

そのギャップがある。

例えが適切かどうかは分からんが、子供の頃にいじめにあった人間が大人になっても、そのいじめた人間に対して、しつこく恨んでいるという構図に似ていると思う。

いじめた側は、「もう昔のことやないか」、あるいは「あのとき謝ったやないか」という気になるが、いじめられた側は、いつまで経ってもそれを忘れることができんわけや。

それに似た事やと。

それに加えて、政治の手法として自国の政府に不満が向くのを避けるために、他国の責任を大とするというのもある。

それら諸々の事情が重なりあって、中国では日本に対して何らかの打撃、攻撃を加えれば英雄視される風潮が強いように見受けられる。

実際、中国の報道やネット上の書き込みを見る限り、そうなっとるさかいな。

海上保安庁の巡視船に体当たりをした中国漁船の船長の気持ちには、それがあったのやないかと考えれば、その無法な行為も分からんでもない。

そうすることで英雄になれると勘違いしたと。

中国政府は、それを擁護する側に回った。

中国政府もバカやないから、その自国民の行動の善悪については承知していたはずやが、いろいろな思惑が働き、その行為を利用したということなのやろうと思う。

日本政府と言えば、その中国の顔色を見すぎるあまり、その対応が後手後手に回ってしまった。

事件そのものについては日本政府に責任はないが、その対応の拙さにより多くの国民を失望させたのは確かや。

海上保安官が映像を「ユーチューブ」で流出させたのは、そんな日本政府を見かねて、あるいは危険な水域で活動している海上保安庁の同志の気持ちを代弁したいということがあったのやろうと推測する。

しかし、例えそうであったとしても影でコソコソやったというのは頂けん。

自らの存在を隠して曝露したという点にかけては弁明のしようがないと思う。

はっきり言うが、その行為自体は愉快犯の考える事と同じやさかいな。

もっとも、それなりの責任をすでに負っているわけやから、それ以上、責めるつもりもないがな。


事案 その9 ウィキリークス機密文書流出事件


11月28日、ウィキリークスがアメリカの秘密外交文書約25万点を公開開始するという事件が起きた。

文書の内訳は、機密扱いされていない文書が13万件以上、秘密文書が約10万件、高レベルの極秘文書が約1万5千件となっていて、ウィキリークスはそれらを含めるすべての公電を今後数カ月かけて公開することを計画しているという。

アメリカ以外にも世界各国の秘密公文書も数多く公開される予定とのことで世界中の政府が戦々兢々としとる。

東京発の公電も5697点含まれていると言われているから、日本政府も対岸の火事やない。

ウィキリークスとは、匿名により政府、企業、宗教などに関する機密情報を公開するウェブサイトの一つとされているものや。

投稿者は絶対に特定されないとされていて、情報提供者にとっては安心なサイトとして認知されとるという。

そのため、機密情報を含めた膨大な情報が世界中から集まってくるのやと。

ウィキリークスは、現在、中国政府の反対者や台湾、欧米、オーストラリア、南アフリカのジャーナリスト、数学者、ベンチャー企業の技術者などによって運営されていると言われている。

その創始者ジュリアン・アサンジ氏が、12月7日、イギリス警察当局により、スウェーデンでの性犯罪容疑で国際指名手配されていたため逮捕されたというニュースがあった。

この性犯罪容疑の女性暴行事件というのは、どうやら限りなくでっち上げに近いもので「えん罪」の線が強いという話や。

これは明らかにウィキリークスへの脅しであり、牽制、弾圧やと。

その後、ジュリアン・アサンジ氏は12月17日に釈放された。

それにしても世界各国にとって、これほど危険なサイトはないさかい、その取締り、弾圧はこれからも続くものと思われる。

つまり、裏を返せば、それだけ持っている情報の信憑性が高いということを意味しているわけや。

これについては、公表することのマイナス面を強調する報道が多いが、事実を多くの人が知ることで世の中が良くなる方向に向かうこともあるわけやさかい、必ずしも悪いとばかりも言い切れんのやないかと思う。

特に、戦争などは秘密裏に画策され、それがある日、突然実行に移される。

それで失われる命は、たいていの場合、何の罪もない一般市民や。

それをウィキリークスのような告発サイトが事前に報じることで、あるいは報じられる可能性があることで、それが未然に防がれるとしたら、それはそれでええことやないかという気がする。

もちろん権力者や政府にとっては、とんでもない話やとは思うがな。政治にならんと。

ただ、現在のように世界中がネット社会になっているような状況では、いくらウィキリークスを取り締まったところで、無駄やと思う。

例え、それで潰れたにしても類似したサイトはいくらでも現れるさかいな。

それは、どんな組織にでも、その組織を快く思っていない不満分子というのが必ず存在するからや。その人間が曝露に走る。

今まで、そういった行為を自重するケースが多かったのは、自身のその行為が発覚するのを恐れるためで、それが確実に守られるとなれば話は別や。

何でもバラしてしまえと考える者も現れる。

これを防ぐにはネットを規制するしかないが、それやと世界中が非難している中国政府の行為と同じ結果になる。

言論統制。それしか、この件に対する効果的な方策がないのも確かや。

しかし、例えそうしたとしても、第132回のメルマガで紹介した『アンダー(地下)・メルマガ』という方法もあるから、完全にそういった類の情報を規制、統制することなど不可能に近いと思う。

完全に統制するつもりなら、ネット自体をなくすしか方法はないやろうが、それはどう考えても、ここまでネットが人類の生活に密着してしもうとる限り、とても無理やわな。

ワシらのサイトは今や、多方面で知られているということもあるのか、見ず知らずの人から、実に様々な情報が日々メールで送られてくる。

その中には、日本ではまだ報道されていないウィキリークスの極秘情報というのもある。

何の意図で送られてくるのかは定かやないが、それを公開してほしいということなら、ワシらのサイトでは無理やと言うしかない。

ワシらは他者を名指しで非難、批判はせんという主義に徹しとるさかいな。

それに、あまりのひどさ、えぐさに、ワシらでさえ絶句するほどの情報もあったから、そんなものを読者に知らせる気にはとてもなれんというのもある。

せっかくの正月前の楽しい気分を壊しかねん。

たいていの話なら、少しアレンジを加えて面白おかしく伝えようかという気にもなるが、その気さえ起きんものも多い。

何でも秘密にするというのは、どうかとは思うが、知らんでもええことを知らされるというのも、勘弁してほしいという気になるもんやと改めて知った。

いくら世の中、綺麗事だけで成り立ってはいないと承知してはいても、それはないと。

まあ、ここでいくら言うても無駄やとは思うが、その当事者が困っているという切実な悩みによる相談のための情報以外なら、ワシらにではなく、他へ知らせて貰いたいと言うておく。

ワシらでは役に立てんさかいな。

もっとも、このメルマガ誌上で、その事自体に触れずとも、それに関するような出来事があった際、「こういうことがあったという」、「そんな話も聞く」という具合にボカしてネタにするケースがあるかも知れんがな。

そういう場合なら、有り難く使わせて頂く。


事案 その10 話題の書籍『KAGEROU』の読後感想について


12月15日、俳優・水嶋ヒロが、本名の齋藤智裕名義で書いたデビュー小説『KAGEROU』(ポプラ社)が発刊された。

水嶋ヒロと言えば、ハカセの子供のシン君やコウ君が好きだった「仮面ライダーカブト」の主役をしていたということもあり、その当時、一緒によく見ていたもんや。

なかなか魅力的な役者やなと、その頃から気に入ってもいた。

その後、人気も出て一流の役者としての地位を不動のものにした感がある。

その役者を辞めてまで小説家になりたいというのには、正直、驚いた。

いかにも勿体ないと。

しかも、その役者としての名前を出さず、あまり知られていない本名で、『第5回ポプラ社小説大賞』に応募して見事大賞を射止めたという。

一部には、その正体を知っていて受賞させたのやないか、出来レースやないかという見方がある。

それには、その選考委員が同社の13名の社員だけで構成されているという点が穿った見方をされる大きな要因やろうと思う。

普通、新人賞などの文学賞でその出版社の社員が選考するのは二次選考くらいまでで、最終選考は名のある作家で構成されているケースが多い。

もちろん、出版社の社員というのは編集者でもあるから、作品を見る目は確かや。

それにケチをつけるつもりはないが、齋藤智裕氏が水嶋ヒロと知っていれば話は別や。

それに賞を取らせて売り出せば確実に売れる。出版社なら普通にそう考えるはずやさかいな。

水嶋ヒロが所属事務所を辞めたのも何かと問題があったからやと噂されとるから、無名の応募者「齋藤智裕」の作品を受賞させたところ、それがたまたま水嶋ヒロやったとした方が、出版社としても軋轢を回避できると計算した。

そう考える者にとっては、今回のことは怪しい限りの話ということになる。

「それでしたら、その作品を読めば分かると思いますよ」とハカセは言う。

ハカセ曰く、その作品にすべてが現れると。

実際、ハカセは書店で予約して購入し、読んだという。

それには「命の問題」をテーマにしていると本人がテレビで語っていたのを見て興味を抱いたからやと。

ハカセ自身、常に「命の問題」と直面しとるという思いがあるさかいな。

また、時を同じくして、ある読者から、その読書感想をメルマガ誌上で話してほしいという依頼があったことも大きい。

それにはメルマガ誌上では、過去、幾つかの書籍を紹介していて、その内容の濃さを評価して貰っているからやと思う。

それだけ信頼されているということになる。

つい最近のことやが、ある読者から、それを裏付けるかのようなメールを寄せられた。

その部分だけを引用する。


言い忘れたことがあります。

●それは、ハカセさん(ゲンさん)のご発言の影響力です。

メルマガで「これがいいですよ」とハカセさんが言えば、それが実際に売れる現象に発展するほどに、世間ではなっているような気がするのです。

・・・いや、「気がする」のではなくて、きっとそうに違いありません。

それほどに、サイトの信用力や影響力が増しているような気がするんです。

しかも、現時点の読者だけに限らず、未来において、アーカイブを読みにきた訪問者にまで影響を与えるはずです。


この方は、メルマガ誌上で書籍を紹介する際の苦言として、それを言うておられる。

ハカセも、これにより改めて、このメルマガ誌上で話すことの重要性を再認識したと言うてた。

そうは言うても、それを止めるという事とは違う。読者から、そういった依頼があれば無下に断るわけにもいかんさかいな。

しかし、それは物書きとしてのハカセが、その値打ちアリと判断した作品に限られるがな。

ハカセも当初は、その『KAGEROU』の感想をメルマガ誌上で話すつもりで読み始めたという。

結果は、「残念ながら、メルマガ誌上で話すのは控えさせて頂きます」ということやった。

その評価が難しいというのと、ハカセ自身あまり共感を覚えなかったということが、その主な理由やという。

その本の感想と内容をメルマガ誌上で話しても、ハカセ自身に訴えるべきものが何もないと。

それなら面白くなかったのかというと、そういうことでもないようや。

面白さの程度で言うと、ワシの好きな『世にも奇妙な物語』のエピソードの一つと同等のものがあったと、ハカセは言う。

あまり細部に触れるのも、批判と受けらかねんさかい控えるが、一点だけ敢えて言えば、主人公の人物設定に難があったということや。

主人公を40歳の自殺未遂者に設定したのは、その年代が一番自殺者が多いという理由からやとは思うが、いかんせん、著者自身がまだ26歳ということで、その年齢の葛藤を具体的に表現しきれてない点が大きいという。

その小説を読む限り、俳優らしく視覚的な物語の推移、つまりテレビドラマか映画のシナリオ感覚で書き進めているというのがよく分かる。

エンターティメントとしての方向性も見える。

そうであるなら、主人公を著者に近い年齢に設定して、自身の思いと重ねた方が、もっとええ作品に仕上がったのやないかという。

ただ、どんな小説であっても賛否両論というのはつきものやさかい、ハカセとは違う感想を持たれる方も当然おられると思う。

どんな大作家の作品であっても万人に愛され支持されることなどあり得んさかいな。

そんなところを目指さんでも、ある一定数の読者の心を掴むことができれば、作家としては、それで十分やと思う。

その点で言えば、処女作としては、その話題性も手伝い大成功したのは間違いないと言える。

かなりの読者の心は掴んだはずやと。

先頃、初登場した前週に続き2011年1月3日付オリコンの「本」ランキング部門で首位をキープしたという発表があった。

デビュー小説が同部門2週連続首位を獲得するのは、2008年4月からの同ランキング開始以来初めてのことやという。

総発行部数が100万部を超えたと12月28日に出版社から発表され、累積実売数は約55万部に達したとのことや。

すでにいくつかの製作会社から映画化オファーも届いているといい、年明け後もしばらく「KAGEROUフィーバー」は続きそうやという。

まさしく鮮烈な作家デビューということになる。

ただ、その真価が問われるのは、その話題性が失われる第2作目以降になると思う。


以上で、ワシらの独断と偏見に満ちた10大事案を終わるが、その他にもいろんなことが起きた年やったと思う。

1月12日にはハイチでマグニチュード(M)7.0の大地震が発生し、死者が20万人にも達するという悲惨で痛ましい事故が起きた。

2月27日には今度は南米チリ中部で、マグニチュード(M)8.8の巨大地震が発生。こちらの被害者は700人やという。

その地震の影響で日本の気象庁は17年ぶりに大津波警報を発令し、翌28日には最大1.2メートルの津波が日本列島太平洋側に押し寄せ、ちょっとした騒ぎに発展した。

4月16日にはアイスランド南部で大規模な火山の噴火があり、最大25カ国で空港が閉鎖され、ヨーロッパ全域で大混乱が生じた。

5月には宮崎牛の口蹄疫の感染問題が発生している。

7月11日には参院選が行われ民主党が大敗を喫し、与党の過半数割れという事態になった。

8月22日、チリ北部の銅鉱山で、崩落事故のため地下坑内で孤立した作業員の生存が17日ぶりに確認され、10月13日にその33人全員が生還するという感動的な出来事もあった。

9月21日、郵便不正事件のえん罪を作ったとされる大阪特捜部の主任検事を最高検が証拠隠滅容疑で逮捕したという事件もあった。

これにより、検察の信用と威信は地に堕ちた。

10月23日にはシアトルマリナーズのイチロー選手が10年連続200安打を達成するという快挙を成し遂げた。

その同じ10月23日、北朝鮮南西部の黄海南道に駐屯する北朝鮮軍が、韓国の大延坪島(テヨンピョンド)やその周辺海域を断続的に砲撃した。

それにより韓国兵2名と民間人2名の死亡が伝えられた。

11月25日には、11代目市川海老蔵が暴行されるという事件が発生した。

結果、その犯人は逮捕され、相手方のグループと示談が成立するという、騒いだワリには肩すかしを喰らったような結末になったということもあった。

こうして振り返ると本当にいろいろあったもんやと思う。

しかし、それでも1年が早いという思いには変わりはないがな。

それでは、来年こそは、それぞれにいい年でありますようにとの願いを込めて、今年最後のメルマガを終わらせて頂く。



参考ページ

注1.第100回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その3  新聞業界、それぞれの使命とは

第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について

第118回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■民主党代表選挙報道のあり方について

第120回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■暴かれた「自白調書」のカラクリと検察への信用失墜について

第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非について


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