メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第144回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2011.3.11
■悪徳業者の甘い罠 その5 情報商材詐欺にご用心
読者から、こんなメールが送られてきた。
ゲンさん、ハカセさん、はじめまして。
毎週金曜日発行のメルマガを毎回とてもおもしろく読ませてもらっています。主婦のHと申します。
お聞きしたいことがありましたのでメールしました。
今日(3月6日)のヤフーニュースに、
『急増する「詐欺師アフィリエイター」にご用心!不況心理につけ込む“稼げる情報商材”の正体』
という見出しがありました。
以前、私自身、高額な情報商材を買って失敗した苦い経験がありますので、そのニュースにとても興味を惹きました。
それを読んでいるとき、何ヶ月か前のメルマガ『第131回』(注1.巻末参考ページ参照)で紹介されていた本のことを思い出しました。
その作者のブログとメルマガを見ましたが、アフィリエイトに関する情報商材の紹介がたくさんありました。
私は、ゲンさんのすてきな語り口に惹かれ、メルマガで紹介されていた本や映画のビデオ、DVD(注2.巻末参考ページ参照)などを買って、大変おもしろく読んだり観たりしました。
そのすべては期待を裏切らないものでした。
しかし、『第131回』で紹介されていた本だけは、アフィリエイトの情報商材を買って失敗した苦い経験がありますので、どうしても読む気になれませんでした。
ゲンさんとハカセさんは、その本を絶賛されていましたが、そのヤフーニュースによると、『情報商材の95%以上は利益の上がらない「詐欺まがい」なもの』
という記述がありました。
その本の作者がどうかというのは調べたわけでもありませんから、私にはわかりませんが、メルマガで絶賛されていると、その本を買って作者のブログやメルマガも信用し、結果的に私のようにだまされる人が現れるのではないでしょうか?
ゲンさんとハカセさんの人柄がいいだけに、利用されているように思えてならなかったので、失礼とは思いながらメールさせてもらいました。
このことについて、どう思われますか?
勝手なことばかり言いましたが、これからも楽しいメルマガを期待していますので、お二人ともお身体に気をつけてがんばってください。
というものや。
実は、これに先立ち、メルマガの発行当初から懇意にして頂いている、ある読者の方から、
メルマガで「これがいいですよ」とハカセさんやゲンさんが言えば、それが実際に売れる現象に発展するほどに、世間ではなっているような気がするのです。
・・・いや、「気がする」のではなくて、きっとそうに違いありません。
それほどに、サイトやメルマガの信用力や影響力が増しているような気がするんです。
しかも、現時点の読者だけに限らず、未来において、アーカイブを読みにきた
訪問者にまで影響を与えるはずです。
たとえば、先日の「第131回 ■ハカセの決断……書籍『インターネットに就職しよう!』に触発されて」の巻では、読者に対して、「もし購入する場合は、くれぐれも自己責任で」とおっしゃってみえたことで防御策を採られたことは存じております。
しかし、いったん買ってしまったものは、まず返品はできません。
「じゃあ、いい本があると思っても、いっこうに紹介できないじゃないか?」
と、おっしゃられるかもしれません。
しかし、もし私がその立場だったら、読んだ後に、まずは自分でそれを実践してみて、その結果が判明してから、その体験記を交えて紹介するんじゃないかと思うんです。
それならば、ハカセさんご自身の体験が綴られた物語として楽しめますが、あのメルマガの内容では、第三者の本の読後の感想文(レビュー)にしかならないような気がしたんです。
つまり、ちょっと紹介するには早すぎたと。
世の著名人が、あらゆる問題を想定して、世間の一般人に対して、配慮ある振る舞いをしているのと同じような慎重さを、ハカセさんやゲンさんにも持って頂きたいと切に願っています。
と苦言を呈されたことがあった。
これに対してハカセは、「少々迂闊(うかつ)でした」と素直に反省しとった。
確かにこの方が『まずは自分でそれを実践してみて、その結果が判明してから、その体験記を交えて紹介する』と言われておられることが筋で正論やと思う。
そうすべきやったと。
ただ言い訳になるかも知れんが、その本は清月社という出版社から、「ぜひメルマガ誌上で紹介してほしい」という依頼があり、以前からの付き合いもあって読むことにしたものやという。
「読んで良ければ紹介させて頂く」と断った上で。
読んでいるうちに、ハカセにはその当時から、電子書籍を出版するという計画があり、それに役に立つと考えた。
ハカセも、その本がブログやツイッター、メルマガといった媒体を使いアフィリエイトを利用して利益を得るための情報本やということは、すぐに分かったという。
しかし、ハカセには、もともとアフィリエイトをして稼ぐという考えには懐疑的な人間やった。
そんな気持ちがあれば、とっくの昔にサイトでそうしていたはずやしな。
まあ、それには、今はさほどでもないのかも知れんが、その当時のアフィリエイトにはアダルト関連の怪しげなものばかりが多かったということもあるがな。
いくら売る側に利益があっても、人に薦められるほど有意義なものがなかったと。
そんなハカセが、その本に惹かれたのは、そのアフィリエイトに向かう情熱と手法が、電子書籍の発行と販売に応用できるのやないかという点やった。
さらに、ハカセは『インターネットに就職しよう!』というタイトルそのものに、そんな考え方もあるのかというカルチャーショックを覚えたというのも大きかったと話す。
これこそ、今の自分に最も適した考え方やないのかと。
また、「簡単には稼げない」というマイナス面に言及していることに少なからず好感を持ったと言う。
普通、こういった情報本は、いかにして成功したかという点ばかりを強調するものが多いが、この本の作者、守屋信一郎氏は、まずそのマイナス面をさらけ出すことから始めていた。
自身の体験に伴う、ふがいなさも赤裸々に語りながら。
結局、氏は試行錯誤の末に、アフィリエイトによる情報商材の存在を知り、それで利益を得る方法を知ったという。
氏は同時に「中には、詐欺的な情報を売って稼いでいる人たちもたくさんいましたし、現在でもその種の人たちは存在します」と迂闊に信じ込む危険についても警告していた。
「情報が溢れかえっている中で、みなさんも何を信じれば良いのか分からなくなっているはずです」と。
こういう記述があると説得力を増す。
ハカセも、その内容自体は信じられると判断したという。少なくとも、その作者に嘘はないやろうと。
加えて、日頃から懇意にしている清月社が、いかがわしい本を出版するはずがないという信頼感もあったと。
そして何より、その本の記述には学ぶべき点が多いと。
ただ、どんなに良さそうな内容のものであっても、すべての人に受け入れられることはないというのは承知していたから、興味のある人、自己責任の負える人だけが読まれればええと。
どんな本でも、その読み手により、その値打ちが違うのやと。
それらの思いが重なって、あのメルマガで、その書籍を紹介することにしたわけや。
今も、その紹介した本自体には何の問題もないと、ハカセ同様、ワシも信じとる。
ただ、今回の読者からのメールで、その読み方を誤れば危険を生じる可能性があると知ったのも確かや。
『主婦のH』さんから教えて貰ったヤフー・ニュースにあるような危険があると。
ここで、そのヤフー・ニュースを見ておられない方のために、その内容を知らせておく。
急増する「詐欺師アフィリエイター」にご用心!不況心理につけ込む“稼げる情報商材”の正体
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110306-00000000-diamond-bus_all より引用。
「情報商材」をアフィリエイトするというインターネット上のビジネスが存在する。
情報商材をご存じない方のために簡単に説明すると――、情報商材とは、ネットを介して販売されている、その多くは何のことはない「情報(ノウハウ)」のことである。
日本人には「情報などおカネを出して購入するものではない」という考えが根強いが、それが価値のある、あるいは稼げるノウハウとなれば話は変わってくる。
昨年だけでも、実に100種類以上の“稼ぎ系”情報商材が販売されていることに筆者は驚きを隠せない。
そればかりか、情報商材は電子書籍と違って1点の価格が5万円前後と高額なものが多く、なかには月々の費用が必要なものもある。
その上、業界通に言わせると、“稼ぎ系”情報商材の95%以上は利益の上がらない「詐欺まがい」なものだという。
全国の消費生活センターに寄せられた情報商材に関する相談件数は、2006年度は37件、07年度は157件、08年度は389件と急増し、さらに09年度は718件と、歯止めがかからない状況だという。
これでもまだ氷山の一角にすぎないだろう。
企業が副業を認めてしまうほど経済状況が悪化したなかで、「1日15分程度の誰にでもできる作業で」「たったこれだけで月収100万円!」「月収 100万円とは言いませんが、50万円くらいなら簡単に稼げます」といったセールスページのうたい文句を目にすれば、情報商材に免疫のない読み手なら興味が湧いてくるのは当然だ。
情報商材は、「情報(ノウハウ)」という性質上、セールスページに内容の全てを書いてしまうわけにはいかない。詐欺師たちはそこに付け込むのである。
人間、「世の中そんなに甘くない」と思っていても、自分に利益をもたらすかもしれない話となると、どこかで信じたくなるもの。
しかも、「こんなにも高額の情報なのだから、ホンモノなのではないだろうか」と考えてしまう。
経済的に辛いときであれば、なおさら見る目が鈍り、「詐欺かもしれない」とは思いつつも「もしかしたら……」と、期待して購入したくなるのが人情というものではないだろうか。
そんな読み手の背中を押す役割を担っているのが、「詐欺師アフィリエイター」と呼ばれているブログやメルマガ運営者だ。
彼らは、アフィリエイト収入を得たいがために、取り上げる情報商材が詐欺情報であろうとなかろうと、書かれている通りに実践すれば成果を得られるがごとく商材を褒め称える。
さらに、詐欺師アフィリエイターのブログやメルマガのリンクを経由して購入すれば、「その成果をより確実なもの(大きいもの)にできる方法を書いたレポートを特典として付ける」とうたっていることも多い。
そして、詐欺師アフィリエイターは、その情報商材が売れる度に販売価格の30〜50%を手にしている。
こうしたアフィリエイターの存在が、情報商材の販売実績を高めている大きな要因になっている。
情報を読み、騙されたと気付くと、なかには販売会社や販売者に対して返金要求を申し出る購入者もいる。
当然、それほど簡単に返金要求に応じてもらえることはないが、購入者本人はもちろん、国民生活センターや後述するようなブロガーたちの努力で返金されたという例はある。
一方で、詐欺師アフィリエイター(そのほとんどはハンドルネームや偽名で身元不明)へクレームが向かうことは少ない。たとえメールを送ったとしても、無視されるだけだ。
そんなこんなで、情報商材の販売窓口会社(ASP)や販売者が責任を取らされたことはあっても、購入者をその気にさせた詐欺師アフィリエイターには販売者責任を問えないため、裁かれたり勧告を受けたりしたことは全くない。
しかし、いくら販売者責任がないからといって、実際には稼げないと知りながら(あるいは中身を知らずして)詐欺同然の情報商材を絶賛して売り逃げる詐欺師アフィリエイターが、このまま許され続けていいのだろうか?
ブロガーのなかには、詐欺師アフィリエイターを敢然と糾弾している人たちがいる。
その1人である鷹司氏は、「暮らしとお財布にやさしい、心とおカネの余裕を生む情報活用」というブログを通じて、詐欺師販売者や詐欺師アフィリエイターに騙された購入者をサポートすべく、「返金訴訟(少額訴訟)支援」の窓口を務めている。
また、返金を受けるまでの過程をつぶさに綴った「詐欺商材に負けるな☆」や、詐欺レビューサイトは許さん…詐欺レビューサイト一覧」といったブログも存在する。
「詐欺情報商材は買わない買わせない、買ってしまったら代金を取り戻す」が、詐欺師アフィリエイター撲滅と、第二、第三の被害者を出さないための近道であり、今はまだその道しかないことも確かなのである。
というものや。
ワシらのメルマガで紹介した書籍、『インターネットに就職しよう!』を、読者の誰かが買ったとする。
その人は当然のように作者のブログやメルマガを見るものと思われる。そこで紹介されている情報商材を買われる可能性が考えられる。
ワシらも、その本の作者、守屋信一郎氏までは信用できそうやとは言えても、そこから先は正直、分からん。
また、そういった情報商材に嵌ると、氏が『中には、詐欺的な情報を売って稼いでいる人たちもたくさんいましたし、現在でもその種の人たちは存在します』と言っておられるものに触れることになるかも知れん。
あるいは、ヤフー・ニュースにある『“稼ぎ系”情報商材の95%以上は利益の上がらない「詐欺まがい」なもの』に騙されるおそれも考えられる。
それで大損をする人が現れることも。
良品と目される情報商材に行き着く可能性が5%程度しかないというのでは、その道に詳しい者以外には、その危険を見分けるのは至難のワザやと思う。
それは、ワシらが一冊の本を紹介したということから始まるドミノ現象ということになるわけや。
そこまで考えなあかんのかと言われたら、こういった不特定多数の方々が見るメルマガで紹介する限りは、そこまで配慮せなあかんと答えるしかない。
しかも、今回の『第131回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ハカセの決断……書籍『インターネットに就職しよう!』に触発されて』で紹介したものが、今年の1月13日、清月社のレビューコンテストで大賞を受賞(注3.巻末参考ページ参照)するという予期せんことが起こったさかい、よけいや。
ワシらは、単にメルマガの題材としてそれを紹介したにすぎず、清月社さんには「紹介しましたよ」と指定の報告様式で知らせただけやったんやがな。
それが結果としてレビューコンテストに応募した形になった。
その選者である青月社審査員の方からのコメントに『ここまでレビューらしくないレビューはそうそうお目にかかれません』とあるように、そんな大賞に選出されるとは露ほども考えてなかった。
ハカセも物書きやから、本のレビューがどんなものかくらいは知り尽くしとるしな。
もちろん、その大賞を受賞したことが迷惑というわけやない。
度肝を抜かれました。
ここまでレビューらしくないレビューはそうそうお目にかかれません。
本のレビューとは言いがたい、あくまで自分中心のよもやま話……と思いきや、本書の要点を実に巧みに文脈に組み入れています。
少々冗長な部分もありますが、とにかく読み手を惹きつける文体のインパクトと内容の面白さ、そして本書の読み込み度は、群を抜くものがありました。
とにかくまず「本書をよく読んで理解してくれている」という一言につきます。
長く書評してくれているから良い、ということではなく、本書が作者の人生に、どんな形で役に立ったのかが、詳しく書かれており、もはやレビューをエッセイの粋までに昇華させているなあ、と感心いたしました。
『審査員一同全会一致で大賞とさせていただきました』と、文章の善し悪しを判断することにかけては、プロ中のプロである編集者の方々に評価して頂いたことには素直に喜びたいとハカセも言うてた。
その反面、これにより、メルマガの読者以外でも、多くの人たちがそれを読まれたはずで、その方々も、ワシらの危惧する危険に遭うかも知れんと考えると、どうにもやり切れん気持ちにはなるがな。
もっとも、その責任をワシらに問う、あるいは押しつけるような人はおられんやろうが、もし、そういう人が現れたらと考えるだけで、たまらん気持ちになるのは確かや。
その罪滅ぼしというわけでもないが、ここで情報商材による詐欺を少しでも回避できる方法について話したいと思う。
初心者のための情報商材詐欺回避への心得
1.高額な情報商材は買わない。
当たり前と言えば当たり前かも知れんが、「危険な目に遭わないためには危険に近づかない」という危険回避の考え方と同じで、情報商材で騙されたくなければそんなものは買わんことや。
特に高額な情報商材を買うのは、騙されたと知ったときの落胆と怒りが大きいさかい、自分がそうなる可能性が高いと考えるのやったら止めといた方がええ。
そういうのは実質的な損もやが、それ以上に精神的ダメージが大きい。精神的ダメージは身体にも良うない。病気のもとや。
どうしても、それが気になって一度は買ってみたいというのなら、例え騙されたとしても笑って許せるくらいの額のものにしとくことや。
2.買う前にネットで調べる。
その情報商材が詐欺的なものでないか、評判はどうなのかについては、ネットで比較的簡単に分かる。
「情報商材名+詐欺」のキーワードでヤフーやグーグルなどの大手ポータルサイトで検索すれば、それとしてヒットする確率が高い。
高額な情報商材に騙された人間は当然のことながら頭にきとるから、その思いの丈を自身のブログや掲示板で曝露することが多い。
それらを参考にする。
もっとも、それらの多くは私怨が絡んでのことやから、そんな恨み辛みや泣き言にまで付き合う必要はないがな。
そのヒット件数で大体のことは分かるはずや。それで判断したらええ。
3.上手い話、甘い話はまず疑ってかかる。
世の中、上手い話や甘い話はない。ましてや情報商材の勧誘ページにありがちな「誰でも奇跡のように稼げるノウハウ」など存在するわけがない。
それはある意味、絶対の真理やと思う。
美味しそうな話ならある。それにたいていは騙されるわけや。そういった大袈裟な形容が踊るようなものはNGの可能性が高いと考えて、ほぼ間違いない。
良う考えたら分かるが、美味しそうな話や甘い言葉を並べてまで、その高額な商材を買わせる目的は一つしかない。
それは、売る側の人間に利益を得られるからや。それで儲けられると思うからそうする。
しかし、そういうのに限って「あなたのために」というフレーズを多用して、あたかもそれがボランティア精神でやっているかのように吹聴する。
本当にボランティア精神があるなら、高く売りさばく必要などないと思う。
高額な商材という時点で、まずは疑ってみることや。高額であればあるほど詐欺の可能性が高いと。
ところが、こういったことに免疫のない人は、「それだけ高額なのだから、さぞかし特別なノウハウが詰まっている得難い情報」と錯覚してしまうわけや。
詐欺師はその心理を狙う。
人は信用しすぎる、欲しくなりすぎると何も見えなくなるが、疑いの目で見れば、そのアラも結構見えてくるもんなんやけどな。
金を出して買うのなら、まず「疑いの目で見る」のが基本やというくらいの考えを持つことやと。
4.情報商材にはパターン化された文章が多い。
情報商材での勧誘文章には類似のパターン化されたものが多い。
それもそのはずで、たいていは自分で考えることなく、そういった文章の書き方、「セールス・レター作法」と呼ばれとるものが情報商材として売られていて、それをそのまま応用しとるだけというのが多いという。
ホンマに、そこまでなっとるかと、開いた口が塞がらんほどや。
ちなみに、その情報商材の元になった英語版の本が日本で5万円もの高値で売られていたとのことや。
それを参考に誰かが書いたセールス・レターが世に出回り、伝言ゲームのようにその勧誘ページで使われ続けとるということや。
ただ、その元になるものは、アメリカで評判になったある有名な広告文の書き手による手法ということやから、初心者がそれを見て引き込まれるのも無理はないがな。
言葉巧みに書くというレベルをはるかに超えとるさかいな。
つまり、言葉巧みに書いていれば、いるほどその手のものやという可能性があるということや。
まあ、それが通用するのは初心者かそれに近い者だけで、ちょっと文章に精通しとる者が読めば、自分の言葉で書かれたものやないというくらいは分かるさかい、すぐにお里が知れることになるだけやけどな。
5.返金保障がある。
情報商材販売では返金保障のないケースが多い。
「セールスページだけでは情報の中身が分かり辛い」、「高額すぎる」といったものでありながら、買ってしまってから「クソ情報」と判明しても、返金なし、それまでというのでは救いがない。
一般の商品販売の現場で、消費者にとってこれほど圧倒的に不利益な状況というのはあり得んと思う。
「だったらそんなもの買うな」の一言で終いやが、それやと身も蓋もないから、ここではせめて、同じ買うのなら、返金保障がついた情報商材を買うようにした方がええと言うとく。
返金保障がついている情報商材ほどマトモな商品である確率が高いと言われている。
当たり前やけど返金保障をつけた、しょうもないクソ情報を売ったら、それこそ返金請求の山で、にっちもさっちもいかず、どこやらの「おせち料理販売」みたいなことになりかねんさかいな。
必然的に自信のある情報商材販売者ほど、返金保障をつけるケースが多いわけや。
裏を返せば、返金保障のない商材ほど購入者を満足させる自信がないことの証しになると思う。
ただ、その返金保障にも問題のある場合があるから気をつける必要はあるがな。
返金保障を謳っている情報商材でも、いろいろと難癖つけてなかなか返金に応じようとせん販売者もおるという。
返金保障を謳っている場合は、たいていセールス・レターに返金条件とやらが記載してあるから、それを注意して読むことや。
それに納得できんことがあったら、迷わずそれにあるはずの連絡メールにその旨を問い合わせてみる。
その対応次第である程度の判断はできると思う。
ただ、それでも完璧に詐欺を排除できるとは限らんがな。
『返金保障! あなたがこの情報商材を3ヶ月試して利益が出なかったら返金します!』
一見、これはマトモな文章に見える。
しかし、これが大きなトラブルを生むキッカケになった。
「この情報商材を買って3ヶ月試したが利益が出なかったら返金してほしい」と、セールス・レターにあったとおり、その販売者に請求した人間がいた。
「ぜんぜん稼げなかったのですか」と、その販売者。
「ええ、その商材どおりのことを3ヶ月実践し、毎日1時間、合計100時間頑張っても100円にしかなりませんでした」と、購買者。
「利益が100円出ているじゃないですか。それでは返金保障は適応されません」と、耳を疑う返事が返ってきたという。
これは嘘のような本当の話で、実際に国民生活センターに持ち込まれた苦情にそれがあるという。
これは、ちょとした騙しのテクニック、言葉のロジックで、『利益が出なかったら』という部分に具体的な金額がなかったために、そう言い逃れたわけや。
確かに、100円と言えど儲けが出れば「利益が出た」と言える。
あまりに人を食った、舐めた話やが、この手の人間が、こういった情報商材の販売に手を染めとるのは確かや。
これは最初からその気はまったくなく、「返金保障と書いておきさえすれば売れるから、そうしとるだけ」という魂胆なのは、ミエミエや。
せやから、こんな言葉のロジックに騙されるのやなく、「3ヶ月試して○○円以上稼げなかったら返金する」というくらいのことを書ている、あるいはメールでそう返信する相手以外は信用せんことやな。
「そこまで疑ってかからなあかんのか」と問われれば、「そうや」と答えるしかない。
要するに、見知らぬ人間から、見も知らぬ物を買うからには、それくらいの用心が必要やということや。
しかも、こういった商材というのは、ほとんどが個人販売で、大手企業が販売しとるわけやないから、騙されたと知ってもその損害を取り戻すことは限りなく難しいさかい、尚更やと思う。
疑って、疑って、それでも信用できる、あるいは騙されても悔いのない商材だけを買うことやと、さらに念を押して言うとく。
ちなみに、間違いのない情報商材が5%しかないと言われているその数少ない優良販売者のすべてで、具体的な返金条件を明記しているということや。
6.特定商取引法に関する記述があるか。
情報商材の販売勧誘ページには必ず「特定商取引法に関する法律」についての記述、または、そのリンク先を明記して、販売者の氏名や住所、電話番号の記載が法律で義務付けられている。
この記載がない販売勧誘ページは違法で、詐欺の可能性が大やから注意せなあかん。
中でも、電話番号が固定電話ではなく、携帯電話の場合はさらに要注意や。確率的に売り逃げされる可能性が高いとのことや。
加えて、携帯電話の番号を平気で記載する人間は、信用重視などあまり考えてないと判断しといた方がええ。
もちろん、固定電話であっても電話代行業者を使うてる場合もあるから安心はできんがな。
そこまで心配するのなら、NTTの電話番号案内で確かめるか、ハローページでその人物の記載とその電話蛮行確かめることや。その上で、その電話番号に電話する。
完璧やないにしても、それにより、かなりの確率で優良販売者か詐欺販売者かが分かると思う。
7.危機感をひたすら煽る。
「販売停止まであと○日」、「残りあと○で終わり」といって、カウントダウン形式で買わせようとしている情報商材も危険な場合が多い。
これも、ちょっと考えれば、すぐに分かることや。
一般的に情報商材ていうのはPDFファイルで売られているものが多いから、品切れになることなどまずない。
また、期間を決めて販売すること自体がおかしな話や。もし、そうなら、それは期間限定の情報商材ということになる。
そんなものを高額で購入する値打ちがあるのかということや。
ただ、人の心理を衝いたやり方なのは間違いないがな。
スーパーマーケットのタイムセールと同じで、そのときに買うと、人は何となく得した気分になる。
しかも、そのカウントダウン・タイマー期間を激安にすると、買う側が焦った気持ちになりやすい。
「普段は5万円もする商材が、この期間だけ半額の2万5千円です」てなことが書かれていると思わず飛びつく。
その心理を利用した販売方法なわけや。こういうのに騙される人が多い。
まだ、他にもあるとは思うが、この程度のことが分かっていれば、騙される確率は極端に低くなるはずや。
こういった情報商材にありがちなのが、それをアフィリエイトで二次的に売るといったケースや。
先のヤフーニュースにあった『急増する「詐欺師アフィリエイター」にご用心!不況心理につけ込む“稼げる情報商材”の正体』中で、
そんな読み手の背中を押す役割を担っているのが、「詐欺師アフィリエイター」と呼ばれているブログやメルマガ運営者だ。
彼らは、アフィリエイト収入を得たいがために、取り上げる情報商材が詐欺情報であろうとなかろうと、書かれている通りに実践すれば成果を得られるがごとく商材を褒め称える。
さらに、詐欺師アフィリエイターのブログやメルマガのリンクを経由して購入すれば、「その成果をより確実なもの(大きいもの)にできる方法を書いたレポートを特典として付ける」とうたっていることも多い。
そして、詐欺師アフィリエイターは、その情報商材が売れる度に販売価格の30〜50%を手にしている。
こうしたアフィリエイターの存在が、情報商材の販売実績を高めている大きな要因になっている。
と、アフィリエイターたちを糾弾しとるが、実はその彼らも情報商材販売者から見れば単なるお客にしかすぎんわけなんやけどな。
当のアフィリエイターたちは、「情報商材を売る手伝いをしている」という意識やろうが、情報商材販売者は、そうは考えん。
「情報商材を買ってくれて、ついでに売ってくれる奇特な人たち」という認識でしかないという。
事実、アフィリエイターの中には「商材コレクター」と呼ばれる人たちが相当数いとるということや。
分かりやすく言えば「ミイラ取りがミイラになった」というところかな。
アフィリエイトで稼ぐことが当初の目的やったのが、いつの間にか、その情報商材のセールス・レターに触れていくうちに共感するようになり、嵌り込んだ挙げ句、ついにはその商材を集めることが目的のすべてになり、「商材コレクター」となっていく。
そうなる裏には、人間の果てしない欲望も関係しとると思う。
何かを行って、その結果として利益を得るのやなく、利益を得る、金を得ることだけが目的のすべてになる。
それが嵩じて、被害者でありながら、加害者としての側面を持つようになった。
それのどこが悪いと言われれば、アフィリエイターになること自体が現在の法律に違反しとるわけやないから、「何も悪くない」、「好きにすればええ」としか答えようはないがな。
ワシらにできることは、その危険があると、何も知らない人たちに知らせることくらいや。
すでに嵌り込んでいる人たちは気の毒やが、ワシらではどうしようもない。
何を言うても聞く耳など持たんやろうからな。
しかし、ワシらが、いくらそうしても人の欲望がなくならん限り、安易に儲けられそうなと思えるだけのいかがわしい情報商材が廃れることはないやろうとは思う。
いや、情報商材に限らず、詐欺のネタになるものは、すべからくそうやと言える。
人の欲を掻き立てる詐欺がなくなることは絶対にないさかいな。
目先の欲や利益に走れば詐欺に遭う確率は高くなるが、僅かの確率であっても実際に利益を得られる場合があるのも確かなようや。
詰まるところ、それを是とするか、否とするかは、それぞれが判断するしかないと思う。
参考ページ
注1.第131回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ハカセの決断……書籍『インターネットに就職しよう!』に触発されて
注2.第116回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■殺人をしない、ひとごろしの話
第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前編
第32回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 後編
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第57回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『ヤンキー、弁護士になる』から学ぶ、真の強さとは
第96回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ボクは新聞配達員になるのが夢なんだ……ヘンリーくんの挑戦
注3.清月社のレビューコンテストで大賞を受賞
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