メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第147回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2011.4. 1
■原発事故による風評被害と震災に関したデマ情報流布の対策について
現在、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の甚大な被害に加え、風評被害というのが大きな社会問題になっている。
このままでは東北、関東の農産物、海産物は壊滅的な打撃を被る恐れがある。
政府による一部の農産物の出荷停止措置に端を発し、結果、その他の農産物や海産物まで売れなくなったという。
それも、現時点でその土地で作った、採れたものばかりやなく、震災前に収穫したものや、その他の地域、外国から仕入れた、輸入したものまで含まれとるというから、事はより深刻や。
○○県産、○○県の業者、生産者名があるだけで売れんというバカげた事態になっとると。
その風評被害は収束するどころか、現時点でも拡大しつつある。
その原因は、想定外の津波被害がもたらしたとされる福島第一原発事故による放射能汚染にある。
風評被害とは、「ある事件や事故、および環境汚染、災害が大々的に報道されることによって、本来『安全』とされる食品、商品、土地を人々が危険視し、消費や観光をやめることによって引き起こされる経済的被害」と定義づけられている。
『放射能汚染』というのは目に見えるものやないだけに、一度その恐怖に囚われると際限なくそれが増幅されていく。
恐怖が恐怖を呼び、新たな恐怖を生む。
なぜか。
それは「安全か危険かの判断がつかない」ということに尽きるからやと思う。
テレビや新聞で、
福島第一原発事故、スリーマイル超えレベル6相当に
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240465.html より引用
東京電力福島第一原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、国際評価尺度で大事故にあたる「レベル6」に相当することがわかった。すでに米スリーマイル島原発事故(レベル5)を上回る規模になった。
局地的には、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に匹敵する土壌汚染も見つかっている。放出は今も続き、周辺の土地が長期間使えなくなる恐れがある。
原子力安全委員会は、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで放射能の広がりを計算するため、各地での放射線測定値をもとに、同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。
事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、3万〜11万テラベクレル(テラは1兆倍)になる。
国際原子力事象評価尺度(INES)は、1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」を数万テラベクレル以上の放出と定義する。実際の放出量は約180万テラベクレルだったとされる。
今回は少なくともそれに次ぐ「レベル6」(数千〜数万テラベクレル)に相当する。
経済産業省原子力安全・保安院は18日、福島第一原発の1〜3号機の暫定評価を「レベル5」と発表したが、今後放出量の見積もりが進めば、再検討される可能性が高い。
土壌の汚染は、局地的には、チェルノブイリ事故と同レベルの場所がある。
原発から北西に約40キロ離れた福島県飯舘村では20日、土壌1キログラムあたり16万3千ベクレルのセシウム137が出た。県内で最も高いレベルだ。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)によると、1平方メートルあたりに換算して326万ベクレルになるという。
チェルノブイリ事故では、1平方メートルあたり55万ベクレル以上のセシウムが検出された地域は強制移住の対象となった。チェルノブイリで強制移住の対象となった地域の約6倍の汚染度になる計算だ。
今中さんは「飯舘村は避難が必要な汚染レベル。チェルノブイリの放射能放出は事故から10日ほどでおさまったが、福島第一原発では放射能が出続けており、汚染度の高い地域はチェルノブイリ級と言っていいだろう」と指摘した。
金沢大の山本政儀教授(環境放射能学)によると、1メートル四方深さ5センチで、土壌の密度を1.5程度と仮定すると、飯舘村の1平方メートルあたりのセシウム濃度は約1200万ベクレルに上る。チェルノブイリの約20倍。
「直ちに避難するレベルではないが、セシウムは半減期が30年と長い。その場に長年住み続けることを考えると、土壌の入れ替えも必要ではないか」と話した。
という報道がある一方、
放射能の影響をどうとらえたらよいのか?
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110321t73060.htm より引用
◎被ばく量、普段と同じ/報道・発表、科学的に正確
東北大加齢医学研究所 川島隆太教授
連日の新聞やテレビの報道にあるように、東京電力福島第1原発の事故は深刻な状況にあります。皆さま大変不安なことと思います。
<「絶対」と言えず>
こうした中、信じられないことですが、放射能の被ばくを恐れて、診療を放棄し逃げだす医師まで出ていると聞きました。
東北大医学系研究科の教授として、放射線防御に関する医師への教育が足りなかったと猛省するとともに、同じ医師として、そのような人がいることが悲しくて悔しくて仕方ありません。
現在の放射能に関する報道は科学的には極めて正しいものです。東北大でも放射能の測定をいくつもの研究室で行っていますが、政府の発表にうそ偽りはありません。
こうした報道を見聞きしていて皆さんが一番不安に思うのは、専門家が決して「絶対に」安全であるとは言ってくれないことだと思います。
絶対ではないのだから、危険なのではないかと感じるのは当たり前です。専門家は科学者の良心から、絶対とは口が裂けても言うことができません。
少し難しい言葉ですが、放射線の影響には確率的影響というものがあり、放射線を一度でも浴びると何らかの影響が出ると考えなくてはいけないと科学者は考えます。
だから、うそをつきたくない科学者の口からは「恐らく」安全という言葉しか出てこないのです。
<1年間続かない>
私たちは、普通に暮らしているだけでも、年に2〜3ミリシーベルトという単位の放射線を自然界から被ばくしています。
私たちの体の中にも、放射線を出し続けているイオンまであります。シーベルトとは難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、単に放射能の影響力を表す単位と思ってくれれば良いです。
現在、福島原発事故に伴う放射能は、宮城県の場合、1時間に0.2〜0.3マイクロシーベルトの所が多いです。
1000マイクロシーベルトが1ミリシーベルトですのであり得ないことですが、このままの状態が丸1年間続いたとして、被ばくする量は、0.3×24時間×365日=2628マイクロシーベルト、つまり2.6ミリシーベルトです。
何と、普段自然に浴びている放射線量と同じなのです。現在の状態が丸一年続くほど、日本の科学力と技術力は低くありません。
外国人たちが大勢、日本からの脱出を試みていますが、飛行機で米国や欧州に逃げ帰ると空気の薄い高高度の場所を飛行するため、地上にいるときよりも大量の放射線(宇宙線)を浴びます。
その強さは80マイクロシーベルト。10日間、現在の放射能を浴び続けるのと一緒です。しかも現在心配されている放射能はほとんどが服や靴に付いています。自宅に帰り、服や靴を脱ぐと、24時間被ばくし続けることは難しいのです。
この程度の放射能を気にする人は、飛行機に乗るとかえって大量に被ばくするので、船で逃げだすことを科学者として推奨します。
<喫煙の方が有害>
先ほど「確率的影響」という話をしました。実際に放射能をどれだけ浴びると、どのような障害が起こるのかは、今回のような低濃度の放射線の場合は、影響が目に見えないので、明らかに影響が出る高い濃度の放射線を浴びた時の状況から類推しており、「確率的」という言葉を使います。
ですので、正確にどの程度の悪影響があるかを正確に計算することは誰にもできませんが、同じ確率論で言えば、現在のレベルの放射能を1カ月間浴び続けるよりも、たばこを一箱吸う方が皆さんの寿命を縮めます。
個人的な話をすると、茨城や福島でホウレンソウ、牛乳から放射能が検出されたと報道されています。
ここ仙台では生鮮食品がとても入手しにくく、捨てるのであればぜひわけていただきたいです。
私は50歳をすぎましたが、これらのホウレンソウをばくばく食べ、牛乳をごくごく飲んでも、私の寿命に影響がないことを知っていますので。
という類似のコメントをする専門家も多い。
これらの報道は、放射能汚染に対する危険について、真っ向から違う考え方を示したものや。
一方は、この上もなく危険やと言い、他方では大した事態ではないと説く。
どちらも事実に基づく、報道、見解やとは思うが、それを知らされるワシら素人には現在、何が安全で、何が危険か、どうすればええのかといった確かな情報が得られないという状況にある。
何を信じて、どう判断すればええのかが分からんかったら、風評に惑わされるのも無理からぬ話やと思う。
それがさらなる被害を呼ぶ。
加えて、政府や東京電力の二転、三転するあいまいで辻褄の合わんと思われる発表、報道ばかりが多く、よけいその混乱に拍車をかけとる。
つい先日、東京電力の会長が情報提供の遅れが相次いでいることについて「情報を隠すということは全くないが、ミスが生じたりタイミングが遅れたりしているのは申し訳ない」と言い訳しとったが、それがいかにも白々しく聞こえたのはワシらだけではないと思う。
さらに、一部では心ない者たちによる根も葉もない噂やデマ、ガセ情報が携帯メール、ツイッター、ブログなどを中心にネットで流れ不安を煽っているという。
その主なものや。
1.製油所火災で有害物質の雨が降る。
火災が起きたタンクはLPガス(液化石油ガス)、一般にはプロパンガスと呼ばれとるもので、それが爆発、燃焼により発生する二酸化炭素もガソリンなんかと比べると微量で、例え大気中にそれが混ざったとしても人体に及ぼす影響など考えられんという。
LPガス(液化石油ガス)は、天然ガスとともに、クリーンエネルギーの代表に位置づけられとるものや。
その「有害物質」とやらが何なのかも明記せず、分からず、ただその不安だけを煽っとる。
LPガス自体は無色、無臭で、ガス漏れした場合、感知しやすくするため、わざわざメルカプタン等を添加して着臭している。
そのため、よく「タマネギの腐ったような臭い」と表現されることが多く、それに何らかの有害物質が含まれているはずやと勝手に憶測した人間が、そういうデマを流したのやとは思うがな。
2.『放射線被害を防ぐには、ヨウ素を含んだものを口にすればいい。市販のうがい薬にはヨウ素が含まれている』
この情報は、ハカセのところにも届いたというが、その出所は調べても分からず仕舞いやったという。
確かに医師が処方する「安定ヨウ素剤」には一定の効果があるというのは認められとるが、市販のうがい薬に含まれとるヨウ素剤程度では効果がないどころか、大量に飲むと身体に有害な成分が多く含まれとると、放射線医学総合研究所が警告しとる。
放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。
市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。これらを内服薬である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。
理由は以下のとおりです。
・うがい薬などの市販品は内服薬ではありません。これにはヨウ素以外の成分が多く含まれ、体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれます。
・たとえ飲んだとしても、ヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるのを抑制する効果がありません。
わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、これらも効果がありません。
・含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
・コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収までの時間がかかります。
以上のことから、消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は、『安定ヨウ素剤』の代わりに飲んではいけません。また海藻等を食べても十分な効果はありません。
と。
まあ、わかめなどの海藻類に関して言えば「十分な効果はない」というだけのことで、先の「うがい薬を飲めば効果がある」という危険で無責任なものよりかはマシやがな。
3.『関西電力の友人から節電のお願いです。少しでも節電して被災地を支援しましょう』というのが、携帯メールやツイッターで流れた。
これ自体は悪意のあるものやないから責めるつもりはないが、事実と違う情報は、やはり流すべきやないと思う。
これについて関西電力では、
このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。
○当社はお客さまへの安定供給を維持した上で、11日夕方から、電力各社協力しながら融通可能な範囲で最大限の電気の融通を行っております。
○なお、今のところお客さまに特別に節電をお願いするような状況にはなく、当社名で震災に関連してお客さまにチェーンメールを送ることはございませんので、ご注意ください。
[注]東日本と西日本では、電気の周波数が違います。従って、関西電力の電気を東日本に送るには、周波数を変換しないといけません。この周波数変換施設の容量は上限が決まっております。
と、そのメールにあるような「お願い」をする状況ではないと否定している。
東日本と西日本での電気周波数の違いは、糸魚川静岡構造線(糸静線)という、新潟県の糸魚川市から静岡県の安倍川(静岡市)に至る大断層線を境に、それより東が50Hz、西が60Hzと区別されたために生じたものや。
一国の中で電気周波数が違うというのは日本くらいしかない。たいていは、どちらか一方になっている。
関東では、東京電燈が1893年に50Hz仕様のドイツ・AEG製発電機を導入し、浅草火力発電所を稼動させ、一方、関西では、1888年に設立された大阪電燈が東京電燈と対立して60Hz仕様のアメリカ・GE製発電機を採用したということが、電気周波数の違いになったという。
バカげた対立から生じた東日本と西日本での電気周波数の違いを是正しよういう動きが戦後あったというが、その復興のスピードが凄まじく、結局、それに手をつけられないまま現在に至っている。
電気周波数が違うと、そのままでは電気として使えない。
現在、深刻な電力不足になっとる関東へ関西から送電するためには、電気周波数変換所(変電所)で60Hzから50Hzに周波数の変換をせなあかんが、変換できる電力は現状の施設では100万kW〜120万kWが限界とされとる。
はっきり言うて、これでは「焼け石に水」程度の効果しかない。
つまり、60Hzの周波数地域の関西でいくら節電しても、その分がそのまま今すぐ関東に送られ役に立つわけではないということや。
現在、中部から西では、あらゆる商業施設で節電をしとるが、それは半分、東北、関東地方の痛みを共有するという狙いのためやと思う。
また、関東方面に本社のある企業の場合、気持ち的にもそうならざるを得んということもある。
それらの状況から推測して、節電することが関東、東北の被災地の人々のためになり役立つはずやと考えた結果の「節電のススメ」なのやろうがな。
節電をすること自体はええことや。大いにするべきやと考える。痛みを共有するというのも悪くはない。
ただ、実効の上がらん行為、間違った情報を、さもその専門家である関西電力の関係者が切望しとるかのように装ってまでメールやツイッター、ブログで呼びかけるのはどうかと思う。
今後、電気周波数変換所(変電所)の数と能力が増え、西日本地域での節電分を東日本方面に送れるようになれば別やが、現状ではそうなるまでには、かなりの日数を要するはずや。
また、原子力以外の発電施設も必要になるやろうから、その建設にも相当の時間がかかるやろうと思われる。
関東、東北方面で安定した電力が得られるようになるまで、関東方面に集中していた工場や施設を西に移す、太陽光発電などの住宅を増やす、今以上に徹底した商業施設や家庭での節電をすることくらいしか、この状況を乗り切るのは難しいと思う。
4.SOSや救助要請のニセ・アナウンスの多発。
震災直後、『○○地域の避難所では、まったく食料が無く餓死者が出ています。いますぐ救援を!』、『津波で流されて孤立している。いますぐヘリで助けて欲しい』といったニセメールやツィッターの情報が数多くネット上を駆け巡ったという。
『餓死者が出ている』というのは、友人からの情報として拡散されたものやが、避難所にいた人から、それを否定するコメントが出たことで、そのウソが発覚したケースがあるという。
デマとは言えないものもあるとのことやが、例え本当やったとしてもメールやツィッターで拡散させたところで、その人たちが助かる確率は少ないと思う。
本当にSOSや緊急を要する場合は、最寄りの警察署や消防の救急、または地域の災害対策本部に救助の連絡をするのが先や。
実際に助けに行くのは、その人たちで、彼らに直接その情報が届かな意味がない。
必死の救助作業をしておられる最中の人たちが、のんびりとメールやツィッターをしている余裕など、とてもないやろうから、とてもそんな情報に触れるとは思えんしな。
メールやツィッターのできる環境があれば、その情報を知った心ある人なら、まずそれを先に考えるはずや。
メールやツィッターでSOSや緊急を要する内容の情報が流れたというだけで怪しいのやないかとワシなら考える。
多くは愉快犯の仕業やとは思うが、そういうことをすればすれほど本当に助けの必要な人が間に合わず助からんということも十分考えられるさかいな。
特殊なケース、例えば警察署や消防の救急、または地域の災害対策本部にいくら救助の連絡をしても通じないということでもない限り、震災の非常時にメールやツィッターでSOSや緊急を要する内容の情報を流したところで、あまり意味がないと思うのやがな。
5.ちょっと調べれば、すぐ分かるデマ情報の流布。
この他にも、「外国人犯罪者の出没流言」、「日本が地震兵器でテロ攻撃された」、「首都圏の水を飲むな」、「防衛省・自衛隊が救援物資を募集」、「東大入学予定者が被災で合格取り消し」といった、僅かでも調べたら、すぐに分かりそうなことまで、チェーメール化、あるいはツィッター上に流れたという。
ここまでくると救いがない。
何でこんなバカげたものまで情報として流れるのかと思う。
ついでやから、デマやウソ情報を見破るための方法、心得について言うておく。
メールやネット上でのデマやウソ情報を見破るための方法とその心得
1.「転送してほしい」といった内容のものがあった時点で、デマやニセ情報の可能性が高いと考えとった方が無難や。
少なくとも疑ってかかり、調べるくらいのことはした方がええ。
その文章全体、もしくは一部をキーワードとして、ヤフーやグーグルあたりで検索すれば、たいていの真偽はそれで簡単に分かるはずや。
これは大昔からある「不幸の手紙」のようなもので、その内容が真実やったという事例をワシは知らん。
ほとんどは愉快犯によるデマやった。
2.「友人から聞いた」「関係者にこっそり教えてもらった」「この事実を他の人に知らせるように頼まれた」なども怪しい情報が多い。
その発信者が、よほど信頼のおける人物であっても、それを受けるまでにしといた方がええ。
どうしても、他へ知らせたいのなら、知らせる者の責任で、よく調べてからすることや。
こういった流言卑語が出回るのは、それを広める人間が「他から聞いた話」という責任のない立場で話すからやさかいな。
そして、この手の流言卑語を流すような者は、所詮はその程度の人間やったと考えて、それ以降の付き合いも良う考えてからにした方がええと言うとく。
3.個人宛のメールで募金や義援金を募るのは、まず詐欺やと疑ってかかった方がええ。
当たり前やが、こういう災害の発生した場合は、たいていの人が何らかの募金や義援金に協力したいと考えるのが普通や。
そういったものは、こういう災害時には誰かが音頭を取らんでも自然に集まるもんや。
それを、わざわざ個人相手にメールを送り付けてそれを促す、強要するというのは何らかの裏があるからやと考えて、まず間違いないと思う。
多くは、それを詐欺として騙し取るためやと。
それしか、それをする理由と意味がないさかいな。
4.踊らせられないという強い気持ちを持つ。
はっきり言うて、デマ情報と知って流す輩は、その相手をバカにしとるからや。こいつなら、上手く誘えば他に流すやろうという計算のもとにな。
つまり、チェーンメールやツィッター上で広まったという事実だけが、それを発信した人間の目的のすべてなわけや。
そんなものに踊らされたらあかん。
と、まあ当たり前と言えば当たり前のことばかりやが、どんな情報が送られてきても鵜呑みにせんという姿勢は絶対に必要やと思う。
繰り返しになるが、デマ情報を流す人間が悪いのは当然やが、それを真に受けてロクに調べもせず他にメールとかツイッターやブログで話す、流すというのも罪な行為やと自覚することや。
そうすることにより、誰かが迷惑、被害を被るだけやなく、自らが「程度の低い人間です」と吹聴しとるようなもんやさかいな。
新聞やテレビ報道ではそういったことはまずない。
その情報の真偽は、その道の専門家などに確かめた上でないと報道はせんさかいな。あるいは公式な機関の発表に基づいたものしか報道しない。
その点が、個人がネットで流す情報との大きな違いやろうと思う。
それぞれが流す情報に責任を持てるようになってデマ情報がなくならん限り、いつまで経ってもネットが新聞やテレビ報道の上をいくのは不可能やと考える。
少なくとも、新聞やテレビを批判するのなら、自らの襟も正して、そうするよう努力するべきやろうと思う。
もちろん、ネット上にも信頼のおける情報が多いというのはワシらもよく知っとるが、比較論ということになると、まだまだ新聞やテレビ報道には及ばんというのが現実やと考える。
これからも、原発事故の成り行き、収束が不透明な状況で長期化する様相にあるさかい、そういったデマ、ニセ情報もこれまで以上に出回る可能性が高い。
少なくとも、このメルマガの読者の方々には、その片棒を担ぐような真似だけはしてほしくないもんやと思う。
書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』好評販売中