メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第158回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2011.6.17


■日本復興への提言 その3 リーダーの選択を誤るな 


東日本大震災が起きて、すでに3ヶ月が経過しているというのに、その復興のスピードがあまりにも遅い。遅すぎる。

阪神淡路大震災の復興時のそれとは比較にならないほどや。

確かに被害が阪神淡路大震災よりも広範囲に及んでいるというのは分かるが、それにしても未だに公民館や学校などの一時避難所に4万1143人もの人たちが、行き場もなく過酷な避難生活を強いられているというのは、どう考えても異常な遅さやと言う外はない。

それ以外でも親族や知人宅などが3万2483人、旅館やホテルが2万8014人もの人々が一時的に身を寄せていて、明日どうなるか分からん状態にあるという。

それらすべてを合わせると12万4594人もの身の置き場のない人たちがおられるということになる。

その過酷な避難所生活の中で、ご高齢の方たちが体調を狂わせ亡くなられている、あるいは重篤な状態に陥っておられる方も多いと聞く。

また、先頃はボランティアの炊き出しで食中毒が発生したというニュースがあったが、これから夏に向けて、その状態が長引くと、今後も同じようなことが起きる可能性もある。

純粋に人助けのボランティアとしてやっていることで大きなトラブルを生み、悲劇に見舞われることになるわけや。

こんな哀しいことはない。

それもこれも現政府の対応のまずさ、縦割り行政の弊害といった政治的な混乱が、その原因の大半を占めとるからやと思う。

特に、今月初頭の「内閣不信任案」決議にまつわる騒動は最悪やった。

首相は、野党の提出した「内閣不信任案」が与党の議員の反乱で可決濃厚とみるや、一転して「辞任する」と見せかけ与党議員の大半を煙に巻いて、思い止まらせることに成功した。

首相が早期に辞任すると言うのなら、同じ与党議員として「内閣不信任案」に賛成する必要はないだろうとなったわけや。

しかし、「内閣不信任案」が否決されるや否や、「早期に辞任するとは言っていない」と、いけしゃあしゃあと言い放った。

それにまんまと乗せられた与党議員も与党議員やが、その後、これではあかんと「首相は早期に退陣する」といったニュアンスのことを公然と吹聴しながら、未だに首相を辞めさせる目途すら立てらない与党の執行部もお粗末と言うしかない。

この首相の行動、作戦を戦略的に見事と評価する意見もあるようやが、これでは人から信頼を得ることはできん。

そんなリーダーの下では、どんな指示や命令があっても「笛吹けども踊らず」の状態になりやすい。

それでは、物事が進むわけはない。それが現状やと思う。

まさに、「裸の王様」状態やないかと。

「裸の王様」の場合は、顕示欲の強い王様が詐欺師に騙され、ありもしない服を買わされた挙げ句に国民からバカにされただけの話で済んだが、特にそのことで誰かが傷ついた、困ったというものではなかった。

しかし、それに匹敵する人物が、戦後最大の国難と言われている、この大震災の舵取りをしとるというのでは救われん。

もっとも、当のご本人だけは、そうとは考えとらんようやがな。

そんなリーダーが何を血迷ったか、来週中に小規模な「内閣改造」をして、さらなる延命を画策しとるという。

ふざけるなと言いたい。

国民と仲間の政治家の信を失った人間に一体何ができるちゅうねん。

きついようやが、できる事と言えば、この状況をさらに悪化させることくらいやで、ホンマ。

そんな先のない首相のもとで、内閣改造とやらをやったとしても、果たしてその内閣の大臣になりたいという人間がおるというのやろうか、協力する人間がおると言うのやろうかと思う。

もし、いてたら、その人間こそ、ええ物笑いにしかならんと考えるがな。単に大臣になりたいだけのアホやと。

もっとも、残念ながら、この日本には、そのアホが多すぎるのも確かやけどな。

政治は三流と世界中から、こき下ろされとる所以が、そこにある。

そして、それに対して反論できん、ワシら哀しい国民がおるわけや。

いつの日にか「そんなことはあるかい。日本にもこんな素晴らしい政治家がおるんやで」と世界に向かい胸を張って反論できる日がくるのやろうかと思う。

はっきり言うが、今の首相は完全に「死に体」になった状態や。これ以上の迷惑を国民にかけんといてくれと言いたい。

真に国のため、国民のためを考えるのなら、即刻辞めるべきや。その座に相応しくないものが居座るというだけで不幸を招く。

何で、そうなったのか。

理由は簡単や。ある特定の人物を排除するのに、やっきになりすぎた結果やと思う。

そのある人物とは小沢一郎氏のことや。

首相は恩讐にも似た思いで、徹底した排除に乗り出した。あからさまに、そのグループの人間を冷遇した。

そんなことをすれば、当然のように恨みを買う。

他党というのなら、それでもまだええが、同じ与党内で、そんなことをすれば、どうなるか。

誰にでも予測できそうなもんやと思う。ロクなことにはならんと。

器が小さいと言われれば、それまでの話やが、首相、リーダーという立場であれば、例えどんなに嫌いな人物であっても、それを使いこなすことを一番に考えなあかんのと違うやろうか。

ましてや、小沢一郎氏という人は民主党きっての実力者で、そのグループの勢力もそれなりに強力や。

上手く使えば、それなりに役に立つはずや。

小沢一郎氏は嫌われることが多い反面、信望の厚い人物であることも間違いのない事実やと思う。

それは単に仲間の政治家だけからというのやなく、一般市民からの支持や信望があることでも、それが分かる。

サイトに『ゲンさんのちょっと聞いてんかNO.12 私がM新聞の講読を止めたくなった理由……頑張れ小沢一郎さん』(注1.巻末参考ページ参照)という一般の主婦から寄せられた投稿が、それを物語っとると思う。

その投稿をきっかけに、過去、その小沢一郎氏に関した事案を何度か、このメルマガ誌上で扱ったことがある。

『第100回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その3  新聞業界、それぞれの使命とは』、

『第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について』、

『第118回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■民主党代表選挙報道のあり方について』、

『第120回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■暴かれた「自白調書」のカラクリと検察への信用失墜について』、

『第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非について』(注2.巻末参考ページ参照)というのが、それや。

それらを見られた読者から、「以前のメルマガで、ゲンさんは小沢さんの肩を持つような内容のことを仰ってましたが、今回も小沢さんを応援するのですか?」といった内容の投稿が寄せられることが多かった。

その都度、ワシは「小沢一郎氏のファンでもなければ支援者でもない」、「個人的な思い入れは何もない」と言うてきた。

ただ、事、東京第5検察審査会が小沢一郎氏に対して「起訴相当」と決定したことについては明らかな誤りであり、暴挙であるということが調べていて、はっきりしたさかい、本来、罪に問われるはずのない罪やと、それらのメルマガで断言してきたわけや。

そして、「新聞が世論を誘導したという分かりやすい事例として、この問題が長く語り継がれることになるかも知れん」とまで言い切った。

その思いは今も変わっていない。

結局、強引とも言える手法で「強制起訴」ということになったが、ワシらは、それは大きな間違いで、この件に関して小沢一郎氏は、限りなく「えん罪」に近いと確信しとる。

その証明をすると長くなるので、それがなぜかと疑問に思われるのなら、それらを読んで頂ければ、その理由が分かって頂けると思う。

ワシらは好き嫌いに関係なく、相手が誰であろうと、間違っていると思う事はそう言うし、正しいと考える事はそう伝えとるつもりや。

ワシらは今までそうして、このメルマガを続けてきたし、サイトを運営してきた。

それは、これからも変わることはないと断言する。

話を戻す。

小沢一郎氏に関しては賛否両論があり、数多くの意見がワシらのもとに寄せられてくる。というても、氏を評価する意見の方が圧倒的に多いがな。

それに比べ、菅直人首相に対してのものは何もない。

もっとも、昨年の9月14日に行われた民主党の代表選挙の際、菅直人総理を支持するという人には「ころころ総理大臣を代えるべきではない」という消極的な意見が多く、結局、それが決め手となって勝ったという経緯がある。

その当時、自民党政権時から、ほぼ毎年のように総理大臣が4人も替わっていて国民の多くがうんざりしていた時期でもあった。

また外国に対しても体裁が悪いという論調が支配的やったというのもある。

加えて、その対抗馬やった小沢一郎氏には、その「えん罪」とも言える事案があって、それが足を引っ張っていた。

言い方は悪いかも知れんが、菅直人氏はその実力、人柄を買われて首相になったのではないということになる。

何となく総理大臣は替えない方がええ、小沢一郎氏は悪い人間やから、それよりはマシやろうという空気に流されただけの話やったと。

それ故、小沢一郎氏には不運な結果になった。

通常、選挙の勝者は敗者に対して寛大な対応を示すもんやと思う。

しかも、その相手の勢力が大きければ、それを取り込んで上手くやろうと考える。

しかし、菅直人総理は、それをせず、取り巻きと一緒になって徹底した小沢氏とそのグループの排除に乗り出した。

まるで、戦いに敗れた敵軍の落ち武者狩りをするような真似を、同じ政党の仲間内でしていたことになる。

看板だけ挙党一致と謳っていても、やっているのは真逆のことやと言われても仕方ないやろうと思う。

それで事が上手く運ぶはずがない。

しかも、最後にはその取り巻きに首を取られようとしとるわけや。

その四面楚歌状態を本人も知っとるのか、「自分には誰にも味方がいない」と言うたとの報道がある。

その真偽は別にしても、それで尚、その総理の座に固執しとるというのは、ある意味、哀れですらある。

ただ、その菅直人総理が何もしていないのかというと、そうでもない。

少なくとも、『第153回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その2 原子力発電廃止の流れを止めるな』(注3.巻末参考ページ参照)で言うたように、浜岡原発の全面停止を中部電力に要請したというのは、大きな出来事やったと思う。

結局、中部電力もその要請を呑んで浜岡原発の停止作業に着手している。

そのメルマガの中で、『実際、これを機に、浜岡原発の停止だけやなく、他の原発でも停止を叫ばれるようになり、点検などで休止した原発の再稼働も難しくなるのは、ほぼ確実な情勢にある』と言うたが、現在、実際にそうなりつつある。

福井県の西川一誠知事は関西電力に対して、停止中の原発の再稼働を認める条件として、津波対策だけでなく地震の揺れや原発の老朽化が福島第一原発の事故に与えた影響を明らかにするよう国に求めているという。

新たな安全基準や避難道路の整備指針などを国が明らかにしていない現状では、再稼働は認められないと。

今のところ、国はその要望に応える姿勢を見せていないというから、実質的には再稼働できん状態になっとる。

もっとも、原発の安全神話が崩壊した今、どんなに安全ですよと言うても説得力を持つものを示せるはずもないがな。

加えて、事故が起きたら、それを隠すことしか考えん国や電力会社では、何を言うても信用されるはずなどないわな。

そういうのを「身から出た錆」という。

また、原子力発電所の新規建設を中止する「脱原発」構想を打ち出している大阪府の橋下徹知事も、「もし原発が本当に必要なら、電力消費地の大阪に造るという話にして、(建設の是非を)府民に問いかけるしかない」と述べ、電力消費地の都市部がリスクを引き受けるべきだとの考えを示したという報道もあった。(注4.巻末参考ページ参照)

これは、もっともな話で、今までその電力を使う地域に原発がなかったということの方が、おかしなことやったと思う。

原発をなくして電力の確保をどうするのかと、未だに声高に言う者がいとるようやが、それなら、「あんたの住んでいる地域に原発を作ってもええか」となった場合、「それでもええで」と言う人間が何人いとるかということや。

今の状況では原発の誘致を認める人は限りなく少数やろうと考える。

原発を再稼働するのにも難しい状況で、新に原発の誘致などできるはずがない。

はっきり言うが、日本のみならず世界中が「原発廃止」の流れになっとる今、原発に未来なんかはないで。

多くの電力会社の経営陣は未だに原発の稼働をしようと目論んどるようやが、無理なものは無理とあきらめて、さっさと本格的に次世代の電力システムの構築に力を注いだ方が賢いと思うがな。

原発一基で100年は食えると言われていてた頃の幻想は、すでに過去の遺物と化したと知るべきや。

いくら利権に群がろうとしても、ないものは食いたくても食えんのやさかいな。

しかし、そんな簡単な理屈が分からん者、いや分かりたくない人間がいとるのも事実や。

首相自身に、その気があったとは思えんが、結果として、浜松原発の停止要請から、一気に脱原発の雰囲気が国全体に加速したのは確かや。

自然エネルギーへの転換を示唆したという事実も大きい。

実際にも、社会全体が、その自然エネルギーへの転換に目を向けとるさかいな。

このままでいけば、その負の部分は忘れられて、「原発を止めた首相」、「自然エネルギーへの転換を図った首相」として後世に、その名を残すことになるかも知れん。

現在、未確認ながら、電力会社に肩入れする経済界や利権を有する省庁、政治家たちが、その原発再開に向けて暗躍しとるという情報がある。

そのために現首相を交代させるべく動いとると。

もし、そんなことが本当にあるとしたら、後任の首相選びには、ワシら国民も厳しい目を向ける必要があると思う。

リーダーの選択だけは絶対に誤ってほしくないさかいな。

原発を何が何でも推進する人間が首相になった日には目も当てられんさかいな。

まあ、そうなれば、そうなったで、その人間と徹底して闘うつもりはあるがな。

ただ、いずれにしても現体制が変わらんことには、日本の復興が進まんことだけは確かやという気がする。



参考ページ

注1.ゲンさんのちょっと聞いてんか NO.12 私がM新聞の講読を止めたくなった理由……頑張れ小沢一郎さん

注2.第100回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その3  新聞業界、それぞれの使命とは

第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について

第118回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■民主党代表選挙報道のあり方について

第120回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■暴かれた「自白調書」のカラクリと検察への信用失墜について

第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非について

注3.第153回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その2 原子力発電廃止の流れを止めるな

注4.原発、本当に必要なら消費地の大阪に…橋下知事


ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28
販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


ホームへ

メールマガジン『ゲンさんの新聞業界裏話』登録フォーム及びバックナンバー目次へ