メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第21回 ゲンさんの新聞業界裏話     

発行日  2008.10.31


■新聞業界用語 その1 契約関連編


どの世界でもそうやが、業界用語というのは、その世界の人間には当たり前でも、外部の人間にとっては難解なもの、分かりにくいものが多い。

新聞業界でもそれは同じや。

サイトを開設して4年以上になるが、その業界用語について今まで特に言及したことはなかった。

その時々で説明をしとるからええやろというのがあったんやが、ここらで一度、集大成の意味も込めてそれに取り組むことにした。

少々、遅きに逸したかも知れんがな。

ただ、簡単に取り組むと言うても、膨大な情報量になるので、このメルマガ誌上で掲載するには範囲を決めて数回に分けな仕方ないと思う。

その第一回目として、今回はサイトのQ&Aの相談にも多い、新聞購読契約に関連したものを紹介することにする。

これを見れば、新聞購読契約についての一通りのことが分かるように配慮したつもりや。

トラブルの防止に役立つのやないかと思う。


新聞業界用語 契約関連編(掲載順不同)


【上げる】アゲル

契約が成立したときに使う言い方。

業界内では「揚げる」と言うケースの方が多いが、このメルマガ、サイトでは「上げる」という表記に統一している。

文法的には、契約は「上げる」ものであって、「揚げる」という言い方は天ぷらなどの料理の揚げ物に対して使うとされているからというのが、その理由や。

このメルマガやサイトの読者は圧倒的に一般の人が多いということで、そういう文法上の表記に配慮している。

もっとも、新聞にすら「契約を揚げる」と記されることもあるくらいやから、業界用語としてなら「揚げる」の方が正しいという見方もある。

それもあり時折、「契約を上げる」と表記しているため、業界の一部の方からワシらのことを素人と勘違いする人もおられるようやがな。

ここでは、どちらを使われても間違いやないとしたい。

ごく一部には「挙げる」という言い方もあると聞く。これも、業界内である言い方やから、業界用語の範疇としては是とする。


【カード】

契約書のこと。単に契約を意味する場合にもそう言う場合がある。

通常、新聞の購読契約書というのはハガキ大くらいのものが最も多く、一般的な他の契約書と比較すると小さい。

ただ、小さくても契約者自身の自筆での署名、捺印が為されたもの、あるいは契約者がそれと認めた契約書は、正規の契約として法的にも有効なものや。

「カード」という言い方の由来は、その大きさからきていると考えられている。

「契約」というと一般の人に対して事が大きく感じられやすいが、この「カード」という言い方やと若干、それが和らぐからやという説もある。

3枚綴りの複写で、一番上が「お客様控え」、二番目が「販売店用」、三番目が「営業会社用(拡張団)」ということになっているものが多い。

あるいは、主に販売店の従業員だけが持つ「お客様控え」と「販売店用」の2枚綴りのものもある。

カードには大別して「購読契約書」、「購読申込書」の2種類がある。いずれも契約書として有効なものや。

契約書であるから、ここに記載されたことが優先されることになる。

口約束はなるべくせず、契約書の余白欄や「特約事項」欄に契約条件などの記入しておいて貰うことが、後日のトラブルを最小に防ぐ最良の方法でもある。


【本】ホン

契約の数。数え方の単位。「今月は、カードを50本上げた」などと使う。


【新勧】シンカン

新規に勧誘した契約のこと。主に拡張員に義務づけられとるのがこれや。

新聞販売店の従業員にもこれのノルマはあるが、拡張員と比べると極端に少ない。一般的には月10本程度とされているケースが多いと聞く。

新聞販売店の従業員の勧誘営業として多いのは、この後に説明する「止め押し」ということになる。


【止め押し】トメオシ

継続契約のこと。「留め押し」と表記されることもある。

主に販売店従業員の仕事とされている営業。たいていは、以前の契約どおりの条件による更新依頼ということになる。

ほとんどの販売店では拡張員にこの仕事をさせるケースは少ないが、一部、客からの希望や販売店の判断次第で、拡張員にさせることもある。

その場合は、学生アルバイトやメイツと呼ばれる外部組織の専門の営業員にやらせることが多い。


【縛り】シバリ

「止め押し」と同じく契約延長の際にするため混同される場合もあるが、通常、短期契約を1年以上の契約に切り替えた場合に使われることが多い。

文字どおり、客をそれだけ長く縛ったということになる。

その分、止め押し以上の報酬額や手当もつく。

これも通常は、販売店の従業員にさせる仕事やが、拡張員に依頼する販売店もあるようや。


【お越し】オコシ

以前、その販売店と購読契約を結んだことのある客から再度、契約を貰うこと。

これは、たいていの販売店で拡張員による契約を認めているが、一部では新勧のみしか契約を認めない所もある。


【先お越し】サキオコシ

以前の購読客が、現在、他紙を購読しているため、その終了後、もしくは、その購読者の希望や都合により、数ヶ月、数年先での先付け契約を結ぶこと。


【即入】ソクニュウ

契約直後からの購読、もしくは翌月1日からの契約のこと。

一般的に、この即入契約に対して拡張員には、通常の拡張料とは別に500円〜1000円程度の報奨金が出るケースが多い。


【先付け】サキヅケ

数ヶ月後〜数年後の日付での契約のこと。

法律的には何年先までの契約しかできんという規定はないから、双方が、その期間の合意をすれば、それが契約として生きる。

しかし、あまり先が長いと、いろいろトラブルを起こしやすいようやがな。

たいていの販売店では、拡張員の契約に対しては1年〜3年以内の期限を決めて、先付け契約を認めている場合が多い。

また、その住居や客質によってもその制限がある所が多い。

例えば、賃貸の集合住宅で独身客なら1年先で契約期間も1年以内、一戸建ての客なら数年先で契約期間も長く認めるケースが多い。


【S】エス

無料購読サービス期間のこと。

3Sと言えば、1年で3ヶ月無料購読サービスという意味になる。


【爆】バク

本来、販売店として認められない不良契約のことで、「爆弾カード」、「爆カード」とも言われている。主に関東方面で使われている言い方や。

一般的には、その販売店での規定外のサービス品提供をして取る契約をそう呼ぶ。

全国的には、単に「不良カード」と呼ばれることが多い。

もっとも、ニュアンス的には、全国レベルで「不良カード」とされているケースを大きく逸脱したものという意味合いが強いがな。

極端なものになると、新聞代に相当する現金や金券などを渡し、サービス品まで付けるケースもあるという。

そういった報告や相談がサイトに数多く届いてもいる。

その場合「販売店には内緒にしてくれ」と契約者に頼み込む営業員が多い。

営業員は、これが発覚すると軽くてその販売店への出入り禁止、悪くすると解雇され業界追放処分ということもあると聞く。

参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&ANO.81  爆カード廃止の取り組みについて
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-81.html


【後爆】アトバク

約束が守られない契約のこと。

特に「こちらで販売店に毎月新聞代を払うておく」、「約束のサービス品は後で持ってくる」と言うケースにこういうのが多い。

この場合、たいていは「販売店に内緒にしてくれ」ということで、契約者自身がそれに従い、販売店からの確認の電話に対して口裏を合わせていることが多い。

そのためか、サイトに寄せられるこの手の相談の8割近くが泣き寝入りするケースが目立つ。

もっとも、そのケース次第では救済の道もないことはないから、あきらめずに相談してくれればええがな。


【手裏剣】シュリケン

現金でカードを買う行為。

特拡などでノルマの達成が難しい場合、現金を置いてくるように指導したのが、その始まりやという。

あるリーダーが銀行のキャッシュカードから、それ用の現金を引き出し、配下の拡張員にその現金を配る仕草が、手裏剣を投げているのに似ているということで名付けられたというものや。
 
九州の一部で流行っていたという。


【監査】カンサ

主に拡張員の取ってきた契約を調べること。

方法としては、電話確認というのが一番多い。

ただ、調べるとはいっても表面的には「本日はご契約頂き、まことにありがとうございます」と、契約の礼を言うためにしているという体裁を採っているがな。

その際「契約期間、サービスなどの条件面」などの確認をするわけや。

この確認は結構重要なことで、契約者がこのとき言ったことはかなり重みがある。

このとき、例え勧誘員に唆(そそのか)されたにせよ、実際と違うことを言うてると後でかなり不利になる。

多くは電話確認やが、中には、実際に契約者に面接に行って確かめるという販売店もある。


【てんぷらカード】

架空契約のこと。

由来は、

1.てんぷら料理自体が諸説いろいろあって分かりにくいもので、そこから、架空契約のように分かりにくいものを「てんぷら」と呼ぶようになった。

2.てんぷらの衣に隠れたものは外見からは判別しにくくても、それを食うたら誰にでもそれと分かる。

架空契約もそれと一緒で、その場は分かりにくくても、いずれはそれと必ず知れるからという説。

3.契約を上げるのは難しいが、てんぷらは油に入れれば簡単に揚がるからという説。

など諸説いろいろある。

この「てんぷらカード」には幾つかのパターンがある。

1.空き家に架空の名前で契約書を作る。

2.実在の人間と住所を使ってその本人に無断で契約書を作る。

3.近日中に引っ越すという客に、引っ越し後の日付でサインするように唆(そそのか)す。

などがそうや。

これをすることで、勧誘員は販売店から、その営業報酬を騙し盗ることになる。

これらの行為は、いずれも刑法第159条に私文書偽造等、刑法第246条に詐欺罪に相当する。

もちろん業界としては禁止行為になっている。

発覚すれば、良くて罰金、販売店への出入り禁止、ヘタをすると解雇、警察に通報ということまである。

2.のケースで名前を勝手に使われた契約は当たり前やが無効となる。

ただ、3.のケースは、場合によれば勧誘員に唆(そそのか)された契約者も共同正犯、詐欺幇助に問われる恐れがある。


参考ページ
拡張の手口 手口その6 外道技 2てんぷら(架空契約)
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage7-6-2.html

第178回 新聞拡張員ゲンさんの裏話  ■どうして架空契約のことを「てんぷら」と言うの?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-178.html


【置き勧】オキカン

販売店の規定以上のサービスや品物で契約を取ること。あるいは、断られているのにも関わらずワザと多くの金券や品物を置いたまま帰る行為を指す。

後者は、そうすることで客の翻意を狙うというものや。その効果のほどはそれなりにあるということで、なかなかなくなることのない手口でもある。

これは多くの販売店で禁止されとる「爆」と同列の行為やが、過分にそのサービスや品物を貰った客がそれで責められることはない。

但し、これは契約者に対しての不法行為とは違うから、契約解除の理由にはできん。

もっとも、サービスを貰いすぎたからということで「解約や」と言い出す客もおらんやろうがな。

もちろん法律的にも客側には何ら違法性はない。

ただ、それが発覚すると、新聞販売店は景品表示法に問われ、新聞社は新聞特殊指定違反になり再販制度の崩壊につながると考えるから、よけいその撲滅にやっきになっているわけや。

置き勧で客になった人間は、その止め押しの際、正規のサービスを提示しても、それで承諾するケースは少ないから、結局、長続きすることもなく販売店としてもメリットのない購読客ということになる。

しかも、それが他の客に知れると販売店の経営そのものが揺らぐ可能性があるから容認もできんわけや。


参考ページ
拡張の手口 手口その6 外道技 3置き勧
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage7-6-3.html


【喝勧】カツカン

喝上げ勧誘の略。文字どおり脅して契約を取ること。

これも業界では御法度とされとる行為や。ケースによれば、刑法第222条の脅迫罪が成立することもある。

もちろん、それが発覚すれば、契約解除の大きな理由となる。


参考ページ
拡張の手口 手口その6 外道技 1喝勧
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage7-6-1.html


【ひっかけ】

客を騙して契約を取ること。

身分や正体を偽って勧誘することが多い。

他紙の拡張員を名乗る、宅配便、古紙回収業者、近所の人間を騙るというものや。中には、町内会長と偽ったケースもある。

これは、普通に「新聞屋です」と言うたんではなかなか玄関口にすら出て貰われんということで編み出された苦肉の策や。

もちろん、褒められた行為やないけど、今までこれについての法律的な規制がなかったため放置されてきたのが現状やと思う。

しかし、今年の6月11日、特定商取引法と割賦販売法の改正法案が国会で可決されたことにより、それが今後、通用せんようになる。

この法律の第3条ノ2第1項で、「勧誘の意志の確認」というのが設けられたのがそれや。

販売事業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手側に対し、勧誘を受ける意志があることを確認するよう努めなければならない。

と、規定された。

つまり、「これから、新聞の勧誘をさせて頂きますけど、よろしいでしょうか」と確認してからでないと勧誘したらあかんということになるわけや。

但し、これは努力規定ということになっていて、これに違反したとしても、特に罰則規定が設けられてはいないということで、まだ甘く考えている者がいとるようやが、これを続けとると結局、勧誘員が泣きを見ることになる。

この法律はまだ実際には施行されとらんが、新聞業界、特に「新聞インフォメーションセンター(旧、新聞近代化センター)」では、それに沿った対応を始めとるさかいな。

早い話が、客から、その「ひっかけ」行為による勧誘をされた場合、契約解除に応じるような指導に切り替えとるわけや。


参考ページ
第3回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『特定商取引に関する法律』の改正案成立について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-3.html


【崩れ】クズレ

様々な理由により契約が取り消されること。

原則的に、勧誘員の不法行為や販売店の指示違反による契約の崩れは、その勧誘員の責任で、販売店側のフォロー不足による契約の崩れは販売店の責任となる。

前者は、拡張報酬返還の上、ケースによればペナルティを受ける場合がある。

後者は、勧誘員にお咎めはない。

ただ、なぜか後者のケースは著しく少ないというのがワシの印象や。多くは勧誘員の責任として処理されとるようや。


【予約】ヨヤク

新聞購読契約においては口約束の場合のみ「予約」となるが、契約書にサインすれば、その時点から「本契約」となる。

その場合、勧誘員が例え「予約なのでいつでも解約できる」と言ったとしても、契約書にそのことが明記されていない限り、法的には正規の契約書と認められることが多い。

もっとも、面倒を覚悟なら争えるが、それよりもサインせなあかん「予約」などないと覚えておいた方がいらんトラブルを回避でき無難やと思う。


【クーリング・オフ】

「特定商取引に関する法律」の第9条に、「訪問販売における契約の申込みの撤回等」というのがあるが、それを一般に「クーリング・オフ」と呼んでいる。

広く世間一般に知られ、法律用語やと勘違いされとる方が多いようやが違う。

それよりも、訪問販売業界の業界用語としてのニュアンスの方が強い。

そのため、新聞業界でも頻繁に使われるもので、法律と言えばこれくらいしか知らんという者もおるくらい有名なものや。

「クーリング・オフ」というのは、一定の期間内やったら、理由の有無を問わず、またその理由を知らせることもなく消費者側から一方的に契約の解除が出来るという法律や。

新聞契約の場合、契約書を受け取った日から8日間がその一定期間内ということになる。

これは、文書での通知やないとその効力がないと法律で決められている。

具体的には内容証明郵便や配達証明付きハガキ、簡易書留ハガキで出すというのが一般的や。中には、電子内容証明郵便で出すというケースもある。


参考ページ
ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage16-08.html


【自己事由】ジコジユウ

自分本位な都合のこと。

契約者が交わした契約を解約する際、クーリング・オフの期間がすぎていて、新聞販売店側の落ち度のないケースの理由として、これが多い。

生活が苦しくなった。やはり以前の新聞の方が良かった。他の新聞との契約が重複していたなどがそれに当たる。

一般的に、こういうケースで解約を希望する場合は、その販売店との話し合いによる合意解除しかないとされている。

多くは、それに相当するペナルティとしての解約違約金を支払ってというのが多いが、それもその販売店次第で必要な所と必要でない所があるから、ケース・バイ・ケースということになる。

これも、Q&Aへの相談件数の多いものや。

一旦交わして成立した契約は、どんなものでも簡単には契約解除できんということを知ってほしいと思う。


【原状回復義務】ゲンジョウカイフクギム

契約を解除した場合、すべてのケースに摘要される法律で、民法第545条にその規定がある。

契約が解除されたら、お互いそれ以前の状態に戻す必要があるというものや。

具体的に新聞購読契約の場合で言えば、解約の際、契約時に貰ったサービス品などの返還をするというのがそれに当たる。


【転出解除】テンシュツ カイジョ

引っ越しによる契約解除のこと。

その契約した新聞販売店の営業範囲外への引っ越しの場合、実質的に新聞をそこから配達できんということで債務不履行になるため、自動的に契約解除になる。

これは、新聞購読契約が、その新聞販売店と契約者間のみに有効な契約のため、そうなる。

良く、新聞社と契約したと勘違いされる人もおられるが、新聞社は、基本的には個人との契約には一切タッチせんという姿勢やから、それはない。

販売店によれば、裏面に引っ越し時には、引っ越し先での購読を義務づけとるかのような文面があるが、契約者がそれを拒否すれば何の問題もなく契約解除できる。

但し、引っ越し先によれば、そうした方が契約者に有利な場合がある。引っ越し先で新聞を購読するのなら継続する方が得になるケースは多いようやさかいな。

いずれにしても、それは契約者の判断次第でええわけや。

解約する場合は、原状回復義務に照らし契約時に貰ったサービス品を返還する必要がある。

もっとも、その購読期間に合わせて、その販売店とその返還の度合いを話し合うことも必要やとは思うがな。


【独居死亡】ドッキョ シボウ

独居契約者の死亡による契約解除のこと。

当たり前やが、新聞は生きてな読めんものやさかい単身契約者が死亡したら自動的に契約解除になる。

この場合のみ例外的に原状回復義務でのサービス品の返還は無理となるケースが圧倒的に多い。

ごく希に、その遺族に請求する販売店もあるようやが、現実問題として回収はほぼ無理なようや。

これから独身の高齢者が増える傾向にあるから、新聞販売店はリスクとして、それを考えとかなあかんと思う。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&ANO.172 他界した父のしていた購読契約の
解除について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-172.html


【自動延長】ジドウ エンチョウ

自動継続契約のことで、契約期間が終了しても継続契約書もなしに新聞が投函される場合がある。

契約書によれば、特に客側からの意向がなければ契約の延長を謳ったものがあるが、それは、その契約者が容認、またはクレームがない場合のみ有効なもので、契約者が異を唱えれば、翌日以降、いつでも契約解除ができる。

自動継続契約には一切の拘束力はない。もちろん、法律で保護されることもない。

自動延長やからということで、それまでと同じ契約が続行されるとバカなことを言う販売店もおるようやが、そういうことは絶対にない。

そもそも契約書のない契約に縛られるのなら、ワシら拡張員なんか必要やないわな。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.147 購読自動延長に関する質問です
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-147.html


【民4】ミンヨン

民法第4条のこと。

未成年者の契約の制限に関したもので、未成年者と契約するには、原則として法定代理人(親権者)の同意が必要で、同意のない行為は、取り消すことができるというのがある。

但し、例外として、未成年の既婚者や本人が未成年やないと告知しとる場合は、この限りではないとなっている。 

というものや。

新聞契約の場合、独身の若者、大学や専門校の一、二回生はそれに該当するケースがあるから、それを理由に取り消しやと言われたら、法律の決まりがある以上、あきらめるしかない。

ただ、それを主張するのなら、その親御さんにそう言うて貰うようにとは、Q&Aでもアドバイスしとるがな。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.183 未成年の契約解除の仕組みを教
えて下さい
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-183.html


【夫婦連帯責任】フウフ レンタイ セキニン

民法第761条の、夫婦による「日常の家事に関する債務の連帯責任」のこと。

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責に任ずる。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。 

というものや。

新聞購読契約での判例はないが、当サイトの法律顧問をして頂いている今村英治先生も「私見ながら、新聞購読は日常家事債務に該当すると思います」と言うておられるので、ワシらもそれを支持している。

つまり、例え夫の名義で妻がした契約、あるいは妻自身の名義でした契約であっても、夫婦が共同でその契約を履行する責任があるというものや。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.221 民法761条の夫婦相互の代理
権について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-221.html


新聞の契約関連としたら、だいたいこんなもんやな。

これくらい分かっていれば、滅多なことではトラブルには遭遇せんとは思う。

もっとも、トラブルと一口に言うても、いろんなケースがあるから実際に困ったと感じたらQ&Aに相談してくれたらええがな。

また、折りを見て、このシリーズを続けていきたいと思う。

ただ、完結するには相当かかりそうな感じやけどな。


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