メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第210回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2012.6.15


■日本復興への提言 その7 電力組織を変えない限り真の復興などあり得ない


メルマガで幾度となく原発問題に絡む電力会社の姿勢、対応について(注1.巻末参考ページ参照)取り上げてきたが、その度毎に怒りが込み上げてきて仕方がない。

今回は、ついにその思いが頂点に達した。

最早、ふざけるなというレベルの問題ではない。既存の電力会社をいくら責めても自浄努力を促しても、理屈で諭しても無駄やと知った。

そんなことで、どうにかなるような組織でもなければ連中でもない。

今や既存の電力会社は日本にとって癌細胞そのものと化していると確信するに至った。

このまま既存の電力会社を放置したら確実に日本は滅びの道を歩むことになると。

癌に冒された場合、最も手っ取り早い処置は癌細胞を摘出することや。たいていは、そのための摘出手術をする。

それと同じで、既存の電力会社を排除する以外に日本という国が助かる方法はないと思う。

少なくとも電力会社の独占性をなくす必要がある。

そのことを痛感したのは、


http://www.asahi.com/national/update/0530/NGY201205290040.html より引用

「裏切った民主議員に報いを」 東電労組トップが不満
関連トピックス原子力発電所中部電力東京電力.


 「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」。東京電力労働組合のA中央執行委員長は29日、愛知県犬山市であった中部電力労働組合の大会に来賓として出席し、そうあいさつした。

 「脱原発」をかかげる民主党政権のエネルギー政策などに、支持団体トップが不満を示した発言。中部電労組の出席組合員約360人からは、どよめきが上がった。

 A氏は東電の福島第一原発の事故について「(東電に)不法行為はない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思ってやってきた」と述べた。

 事故後の政権の対応を踏まえ、「支援してくれるだろうと思って投票した方々が、必ずしも期待にこたえていない」とも語った。

 A氏は取材に「(民主党候補者に)推薦を出すかどうかを厳密に判断していく。原発だけでなく、雇用や産業の政策も総合的に判断する」と話した。

 東電や中部電の労組の上部組織である電力総連は、民主党の国会議員の大半を、選挙時に推薦したという。


という記事を見たからや。

これが電力会社の本音に間違いない。この場合は「東電労組」と言うべきかも知れんが。まあ、やっている事からすれば労使一体と見てええやろうと思う。

もっとも、労使一体とは言うても、経営側、労組のそれぞれ決定権のあるトップクラスの意向やというのは補足しとく。

電力会社の社員すべてが悪いと言うてるわけやないと。

電力会社のトップにとって「脱原発」を掲げることは裏切りになるのやという。

こんなふざけた事を声高に公の場で言い切る電力会社の連中は、はっきり言うて異常や。

その異常さに自身で気づいていないところが怖いが。まあ、せやからこそ、そんな言葉が吐けるのやろうがな。

福島第一原発であれほどの事故があり、地域一帯が壊滅的な被害に遭い、これからもその被害が増大していく懸念が高く危険なものを止めよう、見直そうというのは誰が考えても当然のことや。

今まで賛成していた者でも反対、異論を唱えるようになったとしても何ら不思議ではない。

むしろ、あれだけの事故を起こして、その危険が十分すぎるくらい分かったわけやから、そういう気持ちにならん方がおかしい。

それを堂々と「裏切った」と言える神経を疑う。

本来なら、その事故を起こした責任を自ら真摯に反省し、原発以外の道を誰に言われるでもなく積極的に見直していかなあかんはずやと考えるが、連中にはその意識は微塵もないようや。

あらゆる危険、あらゆるリスクに目を背け、耳を閉じ、原発推進に邁進するよう声高に叫ぶことしかしない。

もっとも、癌細胞は宿主である人間を死に至らしめる悪性の腫瘍細胞であるという自覚はないから、それと同じ連中もそうなのやろうがな。

将来、宿主である人間が死ぬことを懸念するより、癌細胞たちにとっては今を生き抜くことの方が大事なわけや。

そこに根本的なズレが生じたとしても仕方ない。そういう輩は悪いが消えて貰うしかない。

ワシらは、そんな連中が推薦する候補者こそ、冷静に見極めノーと言いたいと思う。

もっとも、現時点で奴さんたちの推薦が欲しい、それを看板にしたいという候補者がいるのかどうかさえ怪しいがな。

そんな連中の推薦を受けて当選すると考えるほど疎かな候補者は少ないと思う。

それでも未だに原発を推進することに拘る民主党や自民党の国会議員も多いということやから、その票をアテにする者もいとるのやろうがな。

また、「原子力ムラ」の力を侮ることもできん。

癌細胞は厄介なものと相場が決まっとるさかいな。生半可な処置で治るものではない。

しかも、その癌細胞たちは国民の生活、命の基盤とも言える電気を自由に扱える立場にあるわけから、事はより深刻や。

その気になれば、いつでも電力不足を故意に演出できるわけやさかいな。

東電労組を裏切った民主党議員とは、具体的に誰を指すのか。

真っ先に名が上がっとるのが、菅直人元総理やという。

菅直人元総理については、過去『第158回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その3 リーダーの選択を誤るな』(注2.巻末参考ページ参照)の中で酷評したが、それにはワシらの想像を超えた「原子力ムラ」の圧力が存在したと、その後になって知った。

野田総理をはじめとするグループの民主党与党議員、関係省庁の官僚、電力会社、経済界、そして新聞やテレビの大手マスコミなどからの強大な圧力がかかっていたと。

そこまで考えず菅直人元総理を酷評したことについては少なからず反省しとる。

しかし、それでも当時、代表選を争っていた小沢一郎氏が総理大臣になっていたら、今日のような事態にはなってなかったやろうと確信してたから、そういう事情があったと知っていたとしても同情はしてなかったやろうと思う。

所詮、圧力に屈して自説、意志を曲げたのは弱かったからやと言うしかないさかいな。

他の者に対して、そこまでは言わんが、総理大臣という国のトップにいる人間がそれではあかんわな。

もっとも、小沢氏に総理大臣になって貰っては困る「原子力ムラ」の連中は、さしてその実力を評価していないにもかかわらず、単に小沢氏の対抗馬というだけで菅直人氏に荷担したわけや。

その時点で菅直人氏は「原子力ムラ」の操り人形と化してしもうてたから、その圧力を甘んじて受けなあかん立場に置かれたという点では、ワシらが酷評していたことはあながち間違いではなかったとは思う。

例え仕方なくであっても、やった行為の責任は取らなあかん。厳しい言い方かも知れんがな。

そのメルマガのタイトルどおり『リーダーの選択を誤るな』と言うたように、結果として選択を大きく誤ったことになったわけでもあるしな。

とはいえ、過去の「タラレバ」を、ここで言うてみても詮ないことではあるが。

ただ、その酷評をした菅直人元総理については、『第153回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その2 原子力発電廃止の流れを止めるな』(注1.巻末参考ページ参照)で、浜岡原発の全面停止を中部電力に要請したことについては、大いに評価したことがある。

このことにより「原発不要論」、「脱原発」への世論がさらに高まったのは事実やさかいな。

それにより、定期検査停止後の原発再稼働へのハードルが高まったのも事実や。

そして、今となって「原発不要論」、「脱原発」が菅直人元総理の真意やったと知った。

菅直人元総理は、その思いがあって原発事故処理に当たった首相時代の反省から「原発不要論」、「脱原発」への方向づけをするために、4月12日に設立された 議員連盟「脱原発ロードマップを考える会」の顧問をしているという。
今は民主党内での「脱原発」の急先鋒でもあると。

この「脱原発ロードマップを考える会」では、原発稼働を2025年までにゼロにする素案を5月22日に示し、民主党は脱原発を総選挙の争点にすべきだと主張している。

ワシもその考えには賛成や。

東電労組は菅直人元総理と会に参加した30名程度の民主党議員も裏切ったと見なしているという。

加えて、東電労組は「夏のボーナスが全額カット」されたことや「冬のボーナス147億円分を盛り込んだ家庭向け電気料金の値上げ」について冷ややかな対応をした民主党議員へも、同様に「裏切り」と認識しているという報道もある。

当然やが、こんな東電労組を支持する国民は、ほとんどおらんはずや。

まだある。


http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120606/biz12060616450017-n1.htm より引用

東電、東京都の株主提案を拒否


 東京電力は6日、27日に開催する株主総会の開催通知を株主あてに発送した。このなかで、東京都が提出した「顧客サービスを第一とする経営理念を掲げる」など4項目の定款変更の提案について、いずれも反対する考えを明らかにした。

 都は東電の発行済み株式の2・66%を保有する筆頭株主。今回の総会では、電気の小売り料金などの算出過程を開示して経営の透明性を確保することや、設備投資で東電の特別な仕様ではなく国際標準に基づき競争原理を導入してコスト削減に努めることなどを、定款に盛り込むよう求めた。

 これに対し、東電は通知書で、「定款は会社の事業目的などを具体的に規定するもので、経営理念を規定することはなじまない」などとして、いずれも取締役会として受け入れない意向を明確にしている。


東電は今回の事故で実質的な破産状態となり、国から公的資金、つまり国民の税金で生き長らえさせて貰っているにもかかわらず、『顧客サービスを第一とする経営理念を掲げる』ことを拒否するて何やねん、それ。

良うも、そんな言葉がぬけぬけと吐けたもんやと思う。そこまで国民をバカにして甘く見とるのかという気になる。

しかも、東電の事故の後始末やそれにかかる経費の負担を国民にさせるために「電気料金の値上げ」まで堂々と申請しとるわけや。

東電に言わせると、それが「権利」になるということらしい。

それも「総括原価方式」とやらで、あらゆる経費、資産を合計した上に利益をプラスした電気代の設定ができるのやと。

これは、電気事業法にその規定があるためで、法律を改正せん限り、この方式を崩すことはできん。

この総括原価方式こそが電気料金の値上げを容易にしてきた元凶であり、原発推進の原動力になっとるわけや。

ならば、その法律を改正すれば済む。こんな簡単なことは誰にでも分かる。

しかし、現民主党や自民党に政治を任せていたんでは永遠にその法律は改正されん。

なぜなら、そんな簡単なことが分かり切っているのに、両党の議員の誰からも電気事業法の法律改正について声を挙げる政治家がおらんという事実があるからや。

おそらく、それに触れるのは政治の世界でのタブーなのやろうと思う。

タブーやからこそ、それに触れる、また触れそうな者に対して「報復する」てなことが平気で言えるわけや。

どこかで見た光景が、そこにもあるということやな。

この電気事業法の総括原価方式についての詳しい記述が『今さら聞けない「東電問題」の基本 ゴーマン東電「電気料金」の仕組み』(注3.巻末参考ページ参照)というページにあるので、それを見られたらワシの言う意味が分かって頂けるものと思う。

いかに酷い法律であるかということが。

さらに、東電以外では関電でも、


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000083-jij-bus_all より引用

関電、脱原発提案に反対=株主総会の招集通知に明記


 関西電力は7日、筆頭株主の大阪市が提案した「脱原発」など28件の株主提案全てに反対する意見を明記した株主総会の招集通知を発送した。

 関電株の約9.4%を保有する大阪市は「可及的速やかな全原発廃止」のほか、発電部門と送電部門の分離、天下りの受け入れ禁止、取締役の半減など10件を提案。

 また、第4位株主で約3%を保有する神戸市も株主の京都市と共同で「原発に依存しない電力供給体制の早期構築」を提案していた。

 脱原発提案に対し、関電は「安全確保を大前提に原発を今後も重要な電源として活用していく必要がある」と主張するなど、株主提案全てに反対する取締役会の意見を明記した。 


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000115-san-bus_all より引用

大阪市など株主13提案 関電、全面拒否を表明


 関西電力は7日、27日に大阪市内で開催する株主総会の招集通知を株主あてに発送した。この中で、筆頭株主の大阪市が提出した脱原発を求める提案など、株主である大阪、神戸、京都の3市の計13提案について、いずれも取締役会として反対する考えを明らかにした。

 議案書などによると、大阪市が提出したとみられる「可及的速やかにすべての原子力発電所を廃止する」との定款変更案に対し、関電は日本のエネルギー自給率が4%と低いことや、火力発電の燃料が高騰していることなどを理由に「原子力発電を重要な電源として活用していく必要がある」と主張した。

 また、3市が共同提案した経営や事業、役員報酬に関する情報開示や、神戸市と京都市が提案した「原発に依存しない電力供給体制の早期構築」など、事業形態の変更を明記する定款変更について「規定を設ける必要がない」と拒否した。


という具合に「脱原発」など聞く耳持たんという姿勢をあからさまに表わしとる。

しかも、それが当然とまで考えとる。

民間企業やと言うからには顧客第一が当たり前やが、関電にはそんなつもりがさらさらないというのが、これでよく分かった。

国民の命、財産より、どんな良識より、どんな理屈よりも優先するのが、自分たちの利益やと。

既存の電力会社が癌細胞やと言う所以が、そこにある。

そして、その癌細胞たちは日本を間違いなく破滅へと誘っていると言っても過言やないと思う。

その第一歩が、今日にでも決定しそうな雰囲気の大飯原発3号機、4号機の再稼働や。

安全対策が未完全な上、原発施設の直下に断層があると指摘される危険を無視してまで無理矢理再稼働しようとしとる。

野田総理は100%、そのつもりや。まあ、電力会社や「原子力ムラ」の傀儡政権やさかい、今更それを言うても止めようがないがな。

唯一の望みは福井県議会に一任されとるという西川一誠知事の判断ということやが、氏に期待するのは酷かも知れん。

今のところ賛成の表明はしとらんが、大方の見方は容認するものと見られている。

再稼働の反対を表明すれば一躍、国民の多くからは英雄視されるやろうが、周りの状況がそれを許しそうにないさかい期待するのは難しいやろうと思う。

強引な再稼働やが、逆に言えば、このことが電力会社や「原子力ムラ」の主張、論理の破綻を招く可能性がある。

自らを窮地に陥れることになると。

どういうことか。

野田総理は大飯原発再稼働の理由を会見で、


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120608-OYT1T00964.htm より引用

大飯再稼動を表明、「夏限定」は否定…首相会見


 野田首相は8日、首相官邸で記者会見し、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)について、国民生活を守るため、早期の再稼働が必要だと判断したと表明した。

 そのうえで、中長期的に原発を重要な電源と位置付ける考えを示した。大飯原発の地元・福井県は再稼働に同意する見通しで、政府は来週中にも同原発の再稼働を最終決定する方針だ。

 首相は大飯原発について、「再起動すべきというのが私の判断だ」と述べ、福井県や同県おおい町に対して再稼働への理解を改めて求めた。

 また「夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」と語り、橋下徹大阪市長らが求めた今夏に限定した再稼働を否定した。

 再稼働がない場合の影響について、電力価格の高騰で産業が空洞化し、雇用の場が失われる可能性や、突発的な停電により病院などで生命の危険にさらされる人が出ることを挙げた。


と言うてる。

野田総理の主張を要約すれば、「大飯原発を再稼働すれば問題はなくなる」と言うてることになる。

これは裏を返せば、原発2基だけ動かせば日本の電力供給には問題がないと言うてるのと同じことになるわけや。

つまり、大飯原発を再稼働して実際に電力不足にならなければ、他の原発を再稼働する必要性も根拠もなくなることを意味している。

そして、実際にも何の問題もなく夏を越すものと思われる。

もともと原発がなくても夏場に電力不足になるケースはほとんどないということは、当メルマガ『第202回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その5 脱原発しか日本の生き残る道はない』(注1.巻末参考ページ参照)で数字を示して検証済みや。

電力不足が起きるとしたら、電力会社が無策を貫く、あるいは意図的に電力不足を演出、操作した場合くらいなものやと。

電力会社の中に第三者期間がないわけやから、いくら電力が足りていたとしても「発電能力不足」を理由にされて送電を断たれたら、どうにもならんわな。

そして、これまでの電力会社の動きを見ていたら、その程度のことは平気でやりかねん組織やというのがよく分かる。

はっきり言うて、それくらい今の電力会社への信用度はゼロなわけや。顧客のことなどまったく考えてへんのやさかい信用しろと言う方が無理や。

原発を稼働するためなら、迷わず何でもするはずや。それがバレることがあるとすれば、電力会社の中から心ある社員のリークがあった場合くらいなものやろうと思う。

今の時代、どれだけ内部を締め付けようが必ず、そういう人間が現れる。指先一つで、その情報を匿名のメールでどこにでも簡単に送信できるのやさかいな。

最早、隠し事など存在せん社会になつとるのやが、それでも隠し事をしたがる連中は多い。

それに関連して、電力会社がどれだけ信用ならんかという典型的な出来事が報じられた。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012061302000100.html より引用

電源喪失会議資料 電力側、メモ黒塗り要求


 原発での長時間の全交流電源喪失を「考慮する必要はない」とした国の指針を追認した原子力安全委員会の作業部会の資料が伏せられていた問題で、東京電力と関西電力が安全委から開示について意見を求められた際、安全委側の書き込みを黒塗りにするよう求めていたことが分かった。安全委は要求を突っぱね、書き込みを残したまま公開した。

 作業部会は一九九一〜九三年に開かれたが、本紙の情報公開請求がきっかけで昨年六月に発見されるまで、報告書や資料の所在が不明だった。

 安全委はその後、作業部会の会議資料は昨秋までに全部公開したと説明していたが、福島第一原発事故の国会事故調査委員会からの指摘を受け、一部が非公表になっていたことが判明。

 十二日夜、公開漏れの経緯や東電、関電の担当者とやりとりしたメールをホームページに掲載した。

 それによると、安全委は昨年七月、作業部会に協力者として参加した東電と関電に会議資料を送り、企業の知的財産に当たるなど非開示とすべき情報がないか確認を求めた。

 これに対し、東電の原子力設備管理部の担当者は昨年七月末のメールで「様々なメモ書きがあり、(略)そのまま開示されると支障のある表現も見受けられます」と指摘。

「メモ部分は消しゴム?にて消して頂いた上で、元々の資料に復元した形で開示という方向でご検討頂くのが適当」と求めていた。

 関電も八月中旬、原子力事業本部マネジャーが「手書きで種々記載されている事項については、正式な書類としてWG(作業部会)に提出された資料の情報ではないものが含まれる」と主張し、すべて黒塗りにするよう要求していた。

 手書き部分には、作業部会でのやりとりや報告書の内容が変わっていった様子が分かる記述があった。

 安全委は「われわれに文責がある。情報公開法に照らし隠す必要がない」(都筑秀明・管理環境課長)と要求を拒み、個人情報などを除いてそのまま公開した。

 資料には、安全委事務局が、短時間の電源喪失を考えるだけでよいとする理由を電力会社側に「作文」するよう求めたものも含まれていた。

 作文指示に対する東電からの回答には「これでOK」との書き込みがあった。

 東電の広報担当者は「詳しい事情が分かるものがいない。事実関係を調べて回答する」としている。


あきれて開いた口が塞がらん。

ホンマ黒塗りの好きな連中やで。良う見た光景や。国民の目から隠せば何でも通用すると考えとる。

こんな連中を信用しろという方が無理やで。

ワシが癌細細胞やから摘出する以外に方法はないという所以や。体質を変えるには一度、その組織を解体するしかない。

信用を失うということは自らをそういう立場に追い込んどるわけやが、どうも連中は、未だにその愚を犯しとることに気がついてすらおらんようや。

大飯原発の再稼働を強行しようとしとることにも、それが言える。

大飯原発2基を再稼働して夏を無難に越した場合、他の原発を動かす必要性というのが理屈上なくなる。

その場合、どうするのやろうかと思う。

まあ、それでも無理矢理な理由をつけて他の原発も再稼働しようとするやろうがな。

奴さんたちにとっては理屈などなく、ただ遮二無二、原発を永久的に動かし続けたいだけのことやさかいな。

どんな正論をぶつけようが、実証してみせようが、そんなものはカエルの面にションベンなわけや。まったく意に介さない。

もっとも、そうなれば現民主党政権は完全に信用をなくして終わるやろうがな。

ただ、そうなることは国民の側にも大きなリスクを背負うことになる。

大飯原発2基だけの稼働だとしても、いつ直下型の地震や津波に襲われるか分からん状態のまま、「脱原発推進政権」が成るまで、原発の停止を待たなあかんことになるわけや。

それまでの間に事故があれば日本は終わる。

大飯原発の場合、福島第一原発以上の被害が予想されている。

まず琵琶湖が完全に汚染され、近畿一円への水の供給が断たれる。しかも、その事故が起きれば経済に及ぼす影響は計り知れんものになる。

原発推進派は、地震は起きない、事故はあり得ないという仮定でしか物事を考えようとしない。連中にとって仮定の話は、起き得ないことなわけや。

しかし、事故は必ず起きる。これはどんなものにでも例外がないと断言してもええ。人間のかかわることで事故のないものなど一切存在しないと。

それでも「脱原発推進政権」ができる望みがあれば、まだマシやが、民主党に代わって自民党政権になった場合も、脱原発どころか、このまま原発推進に向かうやろうから救いがなくなる。

現在、大飯原発の再稼働問題と平行して、消費税増税問題が山場になっていて、野田総理はそれらが上手くいかなかった場合、「解散総選挙」を匂わせている。

もっとも、今日の早朝、修正協議が大筋で合意したというニュースが飛び込んできた。

速報なので詳しい状況は良う分からんが、その修正協議がそれぞれの党で容認されるかどうかは、まだ予断を許さんやろうと思う。

万が一、今選挙に突入したら、「脱原発」勢力がどの程度見込まれるのかという問題がある。

橋下徹氏率いる「大阪維新の会」の国政進出が間に合うのか、小沢一郎氏や菅直人氏らの現内閣に反対する勢力がどう動くのか、はたまたそれ以外の「脱原発」グループの躍進が期待できるのか。

それに対して国民がどう判断するのか。

その結果次第で日本という国の命運が決まる。未来のある国にできるか、未来に怯える国になるのか。

前者であって欲しいと願うが、どうなるかは今のところ未定やと言うしかない。



参考ページ

注1.第150回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その1 原子力発電の廃止とその代替案について

第153回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その2 原子力発電廃止の流れを止めるな

第161回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その4 「どないなっとんねん」が多すぎる

第182回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方 その2 消された「原発国民投票」CMについて

第186回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2011年の出来事……歴史に残る東日本大震災と原発事故について

第202回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その5 脱原発しか日本の生き残る道はない

第204回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その6 危険な日本原子力村をなくせ

注2.第158回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その3 リーダーの選択を誤るな

注3.今さら聞けない「東電問題」の基本 ゴーマン東電「電気料金」の仕組み


http://biz-journal.jp/2012/04/post_38.html より引用


今さら聞けない「東電問題」の基本 ゴーマン東電「電気料金」の仕組み


 東京電力が7月から企業向け電気料金値上げの方針を打ち出した。その理由について同社は、「原発の再稼働ができず、火力発電の燃料費負担が増大したため」と説明している。

 しかし、これは表向きの理由だ。経産省OB・A氏によると、値上げの真の狙いは、公的資金の注入を減らし、政府による3分の2の議決権取得をなんとしてでも阻止することにある。つまり、枝野幸男経済産業相の狙う国有化を阻みたいとの思惑である。

 電気料金の値上げは、電気事業法に基づく「総括原価方式」によるもので、法律改正しない限り、この方式を崩すことはできない。

 実は、この総括原価方式が電気料金の値上げを容易にしてきた元凶であり、原発推進の原動力ともなってきたのである。「電気料金値上げをストップさせるには、総括原価方式の抜本的見直しと、この方式によって温存されてきた東電の高コスト体質の洗い直しが不可欠」と、A氏は語る。

 電気事業法は、電力業界においては「憲法」と呼ばれる、絶対的不可侵な存在だ。なぜなら総括原価方式によって、この業界の収益の安定性が確保されているからである。

 経産省は、「この方式は電気の安定供給に不可欠の制度」という。しかし、この方式が逆に、電力会社の競争を阻み、高コストを助長してきたことを見逃せない。

 総括原価方式では、「発電・送電などに要する電力会社の適正な費用に、公正な報酬を上乗せしたものを総括原価とみなす」とされている。前出のA氏によると、この「適正な費用と、公正な報酬」にこそ、電力会社が思うがままに電力値上げを推し進められる理由が、隠されているという。

 まず、適正な費用とは、燃料費や営業費、人件費、原価償却費、諸税などをいう。例えば人件費に関しては、東電の場合、有価証券報告書から計算すると、社員ひとり当たりの平均年収は約760万円。国内全企業の平均年収約350万円の2倍以上である。40歳の社員では、1000万円の年収をもらうのが普通という。そして役員の報酬は、なんと7000万円。先ごろ国民の厳しい批判から、50%カットを発表したが、それでもなお3500万円の年収である。

 公正な報酬については、各電力会社は一切公表していないが、「事業資産の3.5%相当額が報酬」(経産省OB・B氏)とみられている。この事業資産というのがポイントである。最も大きい資産は原子力発電所で、1プラント3000億円〜5000億円である。

 東電の場合、福島第一、第二で計10基、柏崎刈羽で7基の計17基保有している。そのほか、火力/水力発電所があり、事業資産は巨額にのぼる。3.5%とみられる報酬率は、銀行金利を下回らない水準ということで定められている。

 つまり、人件費が高額で、原子力発電プラントが増えれば増えるほど、総括原価は増える仕組みだ。総括原価をまかなうのが電気料金収入となるわけだから、どんな形であれ、原価が増えれば料金を値上げすることになる。これでは、東電に「コストカット」という意識がないのも当然だろう。

 また、不動産などの資産に関しては、先ごろ、東電は4000億円程度の売却方針を明らかにしたが、東電全体の総資産は約14兆円といわれている。このうち不動産は、東京都内の一等地の施設だけでも1兆2000億円にのぼる。これは全く手付かずのままだ。
 
 前出のB氏はこう指摘する。

 「総括原価方式を前提とする限り、料金値上げは避けられない。料金値上げによる収入は約1兆円とみられ、これは、公的資金の注入額とほぼ同じである。公的資金の注入を避けるには、値上げしかないというのが東電の思惑である」

 同氏によれば、現在経産省は本方式に対する世論からの批判を受け、見直し作業を進めているが、あくまで部分的な見直しにとどまっているのに加え、着地時期も見えない。よって、早ければ7月からの値上げは、避けられない見通しだという。


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