メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第213回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2012.7. 6


■子供がいじめにあって困っていますが、どうすればいいのでしょうか?


あるメルマガ読者の方から、お子さんのいじめ問題についての相談があった。

「子供がいじめにあって困っていますが、どうすればいいのでしょうか?」と。

本来、これは「ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 7」に収録して時期が来たら掲載する予定にしていたが、最近問題になっている滋賀県大津市の市立中学2年の男子生徒、当時(13)が飛び降り自殺した件でその顛末の異様さを知り、急遽、このメルマガ誌上で取り上げることにしたわけや。

まずは、その報道からや。


「自殺の練習」死亡男子へのいじめ 教諭「一緒になって笑っていた」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120705-00000520-san-soci より引用


 滋賀県大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、男子生徒へのいじめについて学校側が直後に在校生徒に実施したアンケートで、教諭が「見て見ぬふり」「一緒になって笑っていた」などといじめを放置していたことを示す回答が少なくとも14人分あったことが4日、関係者への取材でわかった。

 アンケートには男子生徒が自殺の練習をさせられていたとの回答があったことがすでに判明。市教委は「自殺の練習」と同様に、事実確認できないとして公表していなかった。

 教諭の放置を示す回答は記名8人、無記名6人で、直接見聞きした内容が1人、伝聞が13人。「先生も見て見ぬふり」や「一度、先生は注意したけれどその後は一緒になって笑っていた」と記されていた。また「先生もいじめのことを知っていたけどこわくて言えなかったらしい」などとするものもあった。

 一方、男子生徒が先生にも泣きながら電話でいじめを訴えたが、あまり対応してくれなかったらしい、と指摘する回答もあり、教諭が男子生徒へのいじめを認識していながら、適切な対応をとっていない可能性があることが明らかになった。

 市教委は昨年11月、記名で生徒が実際に目撃し、事実確認できたアンケート内容のみを公表し、死亡した男子生徒がいじめを受けていたことを認めたが、いじめと自殺との因果関係は不明としていた。

 しかし「自殺の練習」や教諭の放置を示す回答は、追加調査しても事実確認できないとの理由で、公表を見送っていた。

 大津市の澤村憲次教育長は4日市役所で記者会見し、「自殺の練習」のアンケート結果を公表しなかったことについて「隠したとは思っていない。(回答した生徒が)直接見たわけでなく、事実として確認しきれず、公表しなかった」と釈明した。

 当初「自殺の練習」と回答したのは15人とみられていたが、大津市教委は4日、16人と発表した。


こういう問題でいつも思うのは、「いじめ」が起きたにもかかわらず、自らの保身に走るあまり、その事実を公表せんという学校関係者や教育委員会の対応のまずさ、お粗末さや。

しかし、それにしてもこの事件は、単に自らの保身に走ったと言うにしては酷すぎる。

『男子生徒が自殺の練習をさせられていた』というだけでも十分衝撃的な事実やのに、『教諭が「見て見ぬふり」「一緒になって笑っていた」』というに至っては常軌を逸していると言うしかない。

しかも、そのことを勇気を振り絞ってアンケートで告発した生徒たちの証言を『市教委は「自殺の練習」と同様に、事実確認できないとして公表していなかった』というのは異常さを通り越して、恐怖すら感じる。

保身のためなら人ひとりの命など何の値打ちもないというのが、あからさまに見える。人はそこまで利己的にできるものかと思う。

事実確認など学校関係者や教育委員会にできるわけがない。そういうことは専門家の警察に任せるべきことや。

ここまでの事になったら、これは殺人事件にも等しいことで、市教委のやっとることはその隠蔽行為で、犯人隠匿罪という立派な犯罪が成立するのやないかと考える。

同級生に自殺の練習をさせたという生徒たちもそうやが、『教諭が「見て見ぬふり」「一緒になって笑っていた」』というのは、あまりにもおぞましすぎる。

同級生に自殺の練習をさせた生徒とあるから、その犯人も中2とのことやが、こんなことは子供することやないで。

また、それをして悪いとは思わんかったとは絶対に言わせん。悪いと知ってやっていたのは間違いない。

彼らを将来ある子供、未成年として懸命に庇う輩が、いつの時代にも存在するが、事の善悪が認識できれば年齢など関係なく、その事の罪を認識させなあかん。

また、それで済むと知った連中は将来ロクな者にならんと断言する。

将来何らかの事件を起こす輩になり下がる可能性が高いと。

当たり前やが、こんな事件をを起こしても庇って貰えるとなれば罪悪感も薄れるし、ひょっとしたら自殺した人間の方が悪いと考えるようになるかも知れん。

そうなれば人としても終わる。

本当に彼らのためを真剣に考えるのなら、むしろその罪を自覚させる必要がある。そのためにも、それなりの施設に一時入所させて反省を促すべきやないかと思う。

「見て見ぬふり」「一緒になって笑っていた」という教師は問題外で当然解雇するべきやし、こんな輩を二度と教職につけたらあかん。

教師の資質以前に人間として失格や。こんな人間のクズに教えて貰う生徒はあまりにも不幸やと言うしかない。

「百害あって一利なし」というのは、こういう教師を指して言うのやろうと考える。

今回のことは、それくらいしてもやりすぎとは言えんくらい、重大な事件やと思う。

本来なら警察に通報して任せたらええはずなのやが、その警察もお粗末な対応をしてしもうた。


被害届、大津署が受理拒否 大津中2自殺
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120705-00000001-kyt-l25 より引用


 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=がマンションから飛び降り自殺した問題で、生徒が同級生から暴行を受けていた事実があるとして、父親(46)が昨年末にかけ3回にわたり警察に被害届を提出しようとしたが、大津署から受理を拒否されていたことが4日、関係者への取材で分かった。

 男子生徒への暴行については、自殺後の昨年10月中旬に学校が全校生徒に実施したアンケートで、44人が記名の上、「体育大会で集団リンチに遭っていた」「万引をさせられ、殴る蹴るの暴行を受けていた」などと具体的な証言を行っている。

 男子生徒の父親は、複数の同級生から独自に聞き取った暴行の証言と学校の調査結果を基に、生徒が自殺した後の昨年10月に2回、同12月に1回、大津署に出向き、暴行容疑の被害届を提出したいと申し出たという。

 しかし、関係者によると、対応した署員は「犯罪としての事実認定ができない」として受理を断ったという。

 父親は大津署の対応について「真相究明のために、死んだ息子に代わって被害届を出したかった。どうして受理してくれないのか」と憤る。同署は「一切、答えられない」としている。


これも無茶苦茶な話で、警察としてはあってはならんことや。

『しかし、関係者によると、対応した署員は「犯罪としての事実認定ができない」として受理を断った』とあるが、警察には「犯罪捜査規範」というものがあり、被害届けの申請は受理せなあかん決まりになっとる。

この記事のように、本来「受理できない」と言うことは警察にはできない。


犯罪捜査規範 (国家公安委員会規則)

(被害届の受理)
第六十一条  警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。
   
2  前項の届出が口頭によるものであるときは、被害届(別記様式第6号)に記入を求め又は警察官が代書するものとする。この場合において、参考人供述調書を作成したときは、被害届の作成を省略することができる。


という規則があるからや。また、同じ犯罪捜査規範 (国家公安委員会規則)に、


(告訴、告発および自首の受理)    
第六十三条  司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、この節に定めるところにより、これを受理しなければならない。
   
2  司法巡査たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があつたときは、直ちに、これを司法警察員たる警察官に移さなければならない。


というのもある。

つまり、基本的には何があろうと被害届の受理はせなあかんし、告訴、告発の受理も警察としてはせなあかんということや。

しかし、実際には、この大津署のように、仕事が増えるのが面倒ということで不受理、あるいは「取り敢えず預かるが、受理するしないは別問題」やと言うケースがあるのは知っとる。

普通の人は警察にこう言われると引き下がるしかないとなるが、上記の犯罪捜査規範 (国家公安委員会規則)第六十一条、第六十三条を持ち出せば、渋々ながらでも受理すると言うとく。

規則や規範、および法律上において、被害届けや告訴に関して「受理」という文言はあるが、「不受理」という語句は存在しない。
        
捜査機関の現場で、勝手に受理、不受理という概念が都合良く使われているのが実情やと思う。何も知らん一般人には、そう言えば通ると考えてな。

ただ、その被害届や告訴をもとに捜査するかしないかは、その警察署の裁量に任されとるから、例え、その事件が捜査されなかったとしても警察には落ち度がないで済む場合もあるがな。

もっとも、そういうケースなら、その上の県警、もしくは警察庁、公安委員会へ訴え出るということもできる。

もちろん、その訴えが取り上げられるかどうかは別やが、今回の件なら取り上げられた可能性が高いやろうと思う。

例え、取り上げられなかったとしても警察に被害届けを出していたり、告訴をしていたりすれば民事裁判でも有利になると考えられるから、まったく無駄にはならんと思う。

また、今回のように民事事件で、これだけ大事になれば、警察としても動かざるを得ないようになる可能性もあるしな。

ただ、警察の中には正反対の対応をするケースもあるというのを知らせておく。すべてが大津署のような対応ばかりするとは限らんと。

同じ滋賀県内で起きた、いじめに関する事件を担当した高島署に、それがあった。


えげつなさすぎる…滋賀中3「いじめ」の実態
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/537155/ より引用


 滋賀県高島市で、男子同級生(15)を全裸にさせ、携帯電話で写真を撮影したうえ暴行し、排泄(はいせつ)物を持たせて教諭の車にすりつけさせたショッキングな事件が起きた。

 県警に強要と暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕された高島市立中学校3年の男子生徒3人は「からかい半分でやった」などと供述しているとされる。学校側がいじめに発展しそうな行為を認識したのは今年6月。

 しかし、「いじめ」として市教委に報告していなかった。事件に発展する「兆し」はなぜ見過ごされたのだろうか…。

 ■ピースサインまで…

 高島市は琵琶湖西部に広がる滋賀県内で2番目に広い自治体で、人口は5万人あまり。いじめが起きた中学校はのどかな田園に囲まれている。事件を起こした3人のうち2人は同級生と同じクラスで、残る1人が別だった。

 信じられない「いじめ行為」が繰り広げられたのは11月11日。

 市教委によると、逮捕された3人は昼休みに、体育館横の人目につかない場所に、被害を受けた同級生を呼び出し、いきなり3人の目の前で、排泄するよう要求した。

 同級生が拒否すると、今度は全裸になるよう強要。3人はその姿を、本来は学校に持ち込みを禁止されている各自の携帯電話で撮影した。

 3人はさらに5時限目が終わった後、同じ体育館横にこの同級生を呼び出したが、時間に遅れたとして、投げ倒したり蹴ったりするなどし暴行。

 再び排泄するよう命令したが、同級生が拒否すると、事前に用意していた排泄物を同級生に持たせたうえで、同級生の担任教諭の軽乗用車にすりつけるよう要求。同級生は断り切れず、その命令を実行に移した。

 3人を逮捕した県警高島署によると、さらに衝撃的な要求が浮かび上がる。3人は全裸撮影の際、同級生に無理やりピースサインのポーズをとらせたうえで排泄する姿勢を強要して写したという。

 そして、その画像を携帯電話のメール機能を使い、複数の同級生に送付していたという。

 こうした行為を知った同級生の母親が事件翌日の12日、高島署に被害届を提出、合わせて学校側にも伝え、3人は4日後の16日に逮捕された。大津地検は両方の非行事実で3人を家裁送致、今後、大津家裁で少年審判が行われる。

 捜査関係者によると、同級生の保護者は、過去にも子供に対するいじめが行われていたとして、何度も学校に説明したが、適切な対応をとらなかったため、警察に届け出ることを決めたという。

 一方、市教委は逮捕後、11日のいじめ行為では、もう1人別の同級生も強要を受けていたことを明かした。3人は5時限目終了後、被害を受けた同級生とともに、別の同級生を呼び出し、排泄を強要したが、この同級生は拒否し教室に戻ったため、それ以上のいじめは受けなかったという。

 ■当初「いじめ」と認識せず

 被害を受けた同級生に対するいじめは、いつごろから行われていたのか。

 事件が起きた11日、学校側は、教諭の車が汚されていたことや、昼休み時間に体育館近くに被害同級生の名前が入った体操服が落ちているのを別の生徒が目撃していたことから、被害同級生を家庭訪問し、事情を聴いた。

この結果、この日の3人のいじめ行為が明らかになり、生徒3人を呼び出し、本当に行為があったか再確認した。

 16日の逮捕当日、市教委で報道陣の前に姿を見せた校長は6月、今回逮捕されたうちの2人が、被害者になった同級生をたたいたり、筆箱やスリッパを隠したりする行為があったことを把握していながら、「いじめとは認識していなかった」と明かした。

 市教委にも行為自体は報告したものの、「いじめ」という表現は使っていなかったという。

 さらに、こうした行為について校長は「保護者からも2、3回相談を受けていた」と認めたが、「からかわれている」という程度の認識だったという。

 ただ、「今後いじめが起きてくる」可能性があるとして、学年主任の教諭が7月にこの2人を呼び出し注意し、「二度としない」と約束させていた。

 逮捕された3人は学校側の聞き取りに、いじめ行為について「すみませんでした」と反省の態度をみせたものの、動機については「からかい半分でやった」と話したという。

 学校側は3人のうち2人による6月の行為をあげたが、高島署によると、3人とも今年4月ごろから被害同級生を繰り返しいじめ、ホースで水をかけたり、給食のトレイを投げつけたりしていたという。

 事件発生から1週間後の11月18日、校長と、市の高橋博志教育長、富永雄教・主席教育次長の3人が市教委で記者会見し、深々と頭を下げ謝罪。

 校長は「今思うと、6月のことが今回の事件にもつながっている。大変なことをしてしまった」と悔い、「いじめに対する認識が甘かった」と反省した。
 
 また、高橋教育長も「遊び、からかいだと思ったのが、私たちの甘さだった。生徒の小さな変化に気づき、いじめに発展するかもしれないという気持ちを持つよう指導したい」と述べた。


ワシは、この辺りにも何度なく勧誘に行ったことがあるが、後ろは山で前には琵琶湖が一望できる実にのどかな田園風景が広がっているええ所やった。

地域全体におだやかな雰囲気が漂っていて、人々も気の良い人たちはがりが住んでいる、まさに良い意味での田舎の集落という感じの場所やった。

子供たちも明るく、くったくのない笑顔をしていたのを覚えている。当然やが犯罪とはまったく無縁の地域でもあった。

そういう場所で、こういったいじめの問題があったというのは信じられんかった。

本来、悪意というものが育ちそうもない場所でさえ、そうなっていることに、ある種の不気味さすら感じる。

そこまで子供たちの心が病んできているのかと。そして、教育の現場は、そこまで酷いことになっているのかと。

それでも、この事件では、いじめた生徒がその事実のみで逮捕されとるからまだマシや。

それにより、いじめた子供たちも事の重大性を認識して「すみませんでした」と反省の態度をみせたということやさかいな。

それに比べ、大津市の事件では、いじめられた生徒は暴行された上に自殺にまで追い込まれているにもかかわらず、いじめた生徒は未だに何のお咎めも受けていない。

この違いは一体何なんやろうと思う。

しかも、大津市の事件では中学名は新聞で公表していないが、高島市の事件は中学名がはっきり公表されとる。

まあ、それについては新聞社それぞれの判断があることやから、そこまで責めるつもりはないが、腑に落ちないことではある。

もっとも、新聞社が公表してないだけでネット上では、その中学名はすでに知れ渡っているから隠しても意味はないがな。

それとは別に、去年のもっと早い時期に、


中2男子飛び降り現場に「死ね」と落書き
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/525627/ より引用


 札幌市手稲区の市立前田北中学2年の男子生徒(13)が9階建てマンション屋上から飛び降り自殺した問題で、屋上近くの非常階段の壁に「ここから落ちて死ね」との落書きがあったことが31日、分かった。

 道警によると、現場では過去にも複数回の自殺があったといい、落書きの書かれた時期や生徒の自殺との関連を慎重に調べている。

 落書きは水色の塗料で書かれ、矢印も記されていた。

 生徒は30日朝、制服姿で家を出たまま行方が分からなくなった。同日午前9時ごろ、捜していた教諭が屋上にいるのを見つけ、飛び降りないよう呼び掛けたが自殺した。

 中学によると、生徒は7月8日、保護者を交えた三者面談で、担任教諭に「やめた部活の同級生から陰口をたたかれている」と相談し、学校はいじめの可能性があるとして調べていた。


という事件を知って、ワシらも憂いていたが、その時には、今回のような相談がなかったということで、その事実を知っていただけに止めて、メルマガやサイトで話すことはなかった。

今回は読者からの相談もあっことやし、今までの事実を踏まえ、いじめが発覚した時の対処法について話そうと思う。

ちなみに、この方法は実際に実践した方法でもあると言うとく。


子供がいじめを受けた場合の対処法について


1.子供にいじめが発覚した場合は、取り敢えず学校を休ませて、担当教師に相談する。

その際、教師がいじめの実態をいじめた生徒に知らせ、いじめた生徒からの謝罪があるまでは、登校させん方がええと思う。そう学校側にも通告することや。

たいていの場合、いじめを受けているお子さんもその方が安心することでもあるしな。

但し、いじめた生徒の側に言い分があるという場合は、父兄、教師同伴で話し合いの場を持つことには応じた方がええ。

お互いの勘違いということもあるさかいな。


2.教師にその動きがなければ、学年主任、教頭、校長へと話を上に持って行き、教育委員会へも、その事実を届け、その際、そうしたことの証拠を残す。

具体的には、それぞれのケースで会話を録音しとくという方法がええやろうと思う。

そのいずれかの段階で、問題にされ取り上げられ調べられたら、いじめた生徒もそれなりに自覚できるはずやから、以後のいじめがなくなる可能性がある。

この生徒に、こういうことをすれば大人が介入してくるのやなと分かるさかいな。たいていは、そんな面倒な人間は相手にせんとこうという考えになるはずやと思う。

よくいじめサイトなどでは、いじめた生徒と仲良くすることがベストのように書かれているケースがあるが、それでは弱いと言うておく。

人をいじめて喜ぶという人間は精神がどこか歪んでいるのが普通やから、まともな方法で対処してもあまり効果は期待できん。

却って、陰湿ないじめに移行するだけやと思う。

同時に子供にも、「お前のためならお父さん(お母さん)は、とことん戦うからな」と日頃から言うておくことも大事や。

「何かある毎に言え」と。「その都度、問題にして、いじめた人間を懲らしめるから」と。

それでもいじめがなくならなければ、次の段階に移る。


3.できる限り、その実態、証拠を集めるためにも子供の同級生などから話を聞いておくことも必要や。

「いじめの事実が確認できない」という言い訳を学校関係者や教育委員会にさせんためにもな。


4.子供が何らかの被害を受けている場合は、最寄りの警察署に相談する。

被害もできるだけ具体的な内容で、怪我でもしているのなら病院の診断書を添えて相談するというのも効果的や。

被害届けの受理を断ったという大津署の警察官の言う『犯罪としての事実認定ができない』とは、暴力行為が確定できる診断書がなかったからやと思う。

もちろん、それであっても被害届けの不受理というのは頂けんがな。

警察に相談する際、いきなり被害届けを出すのやなく、まず市民相談課という部署に持っていく方がええ。

直接、刑事課などに被害届け出すのは嫌がられることもあるが、市民相談課やと、割に親身になって話を聞いてくれる場合が多い。

そこで、被害届けを出せる根拠、告訴や告発できるネタがあればそれを話して、受理して貰うたらええ。

被害届けや告訴や告発の受理は、基本的には、犯罪捜査規範 (国家公安委員会規則)第六十一条、第六十三条を持ち出せば、警察署としては受けるしかなくなると思う。


5.その事実を学校側に伝える。

そうすれば、慌てて対応する場合がある。学校側、いじめた側の父兄双方が、その被害届けや告訴を取り下げて貰うためにも必死になる可能性があるさかいな。

動かなければ動くようにすることや。その方法ならいくらでもあると知っていて欲しいと思う。


6.学校を休ませる場合、その理由が必要になるから、メンタル・クリニックなどへの通院を勧める。

いじめられている生徒は多かれ少なかれ、精神を病んでいる場合が多く、医師はそのことを熟知しているので、それ相当の診断書を書いてくれるはずや。

それを学校に持って行って堂々と休めばええ。

今回のように義務教育中の場合、休ませるには正当な理由がいるさかい、メンタル・クリニックの医師にその旨を相談すれば、たいていの場合、適切な処置として休むよう言われるはずや。

もちろん、その症状がなければ別やがな。ただ、その場合でも、取り敢えずは休ませた方がベターやと思う。

学校側もいじめが原因で休んでいるとなれば放置もしにくいさかいな。

こんなことを言えば、登校拒否を助長しとるように聞こえるかも知れんが、最近のいじめ事件を見ていると、あまりにも度を越しているケースが多いから、そうすることで結果的に命を守ることにつながると考える。


7.学業が遅れて高校進学に不安があるのなら、学習塾に通わせるという手がある。

その場合、同じ学校の同級生たちが通わないような少し離れた学習塾を選ぶ方がええやろうと思う。

不思議なことに学習塾で、いじめの問題というのは、あまり発覚していないという事実がある。

皆無ということはないやろうが、高校受験を控えた生徒には、そんなことをする余裕がないというのが、その理由の大半やろうと思う。

子供も学力の心配がなくなるだけやなく、いじめに興味のない他校の同級生と接することで友情が育まれることが実際にあるという。孤立感もなくなると。


8.いじめを受けている子供には無理をさせない。頑張らせないということが肝心やと思う。

いじめを受ける子供は総じて精神が弱い。まだ幼いと言うた方がええかも知れん。

親が頑張れと言えば、子供もそうすることが親が喜ぶ一番ええ方法やと勘違いして、学校でいじめられても親に報告せず、頑張り通そうとする。

それで悲劇を招くことが多い。逃げ道がなくなるからや。


9.いじめをする者は犯罪者やという認識に立つ。

目の前に犯罪者がいれば逃げることが、身を守る最良の方法になるということくらいは誰にでも分かるわな。

要するに、その観点に立てば、自ずと対応も、それに沿ったものになるということや。

子供にもそのことを教えておいた方がええ。いじめをする者は犯罪者やと。


以上や。

少々過激なアドバイスがあったかも知れんが、いじめというものを甘く見たら取り返しのつかんことになるから、敢えてきつめに言うたわけや。

いじめた側も、そうしたことで同級生が自殺したという事実は、その後の人生に重い十字架を背負うことになるさかい、何のブラスにもならん。

いじめられる方は死を考え、いじめた方は一生悔いを残す。こんな割に合わん話はないと思う。

社会全体が、いじめは立派な犯罪行為やと認識することを望む。悪ふざけ、遊びの域を越えた行為やと。

そうなれば、いじめが皆無になるとまでは言わんが、今回のような悲惨な事件が少しでも減るのやないかと思うさかいな。


読者感想 私の場合

寄稿者 duplo さん  投稿日時 2012.7. 8 PM 4:18


ご無沙汰しております。Duploです,

新聞の話題ではありませんが、気になっていることでもあり、お便り致しました。

我が家の息子も娘もおかげさまで成人し、娘は結婚し男の子も生まれましたが、中学生の頃、娘が深刻なイジメにあって、妻から何度も相談を受けておりました。

その頃の写真に娘の辛さが見て取れます。

相談を受けていたとは、他人行儀に聞こえるかも知れませんが、その頃の私は、仕事以外は全て妻に任せていましたし、その頃は私の実家で父も母も同居しており、父は町内会で顔も利き、いざとなれば、地元ということで私自身どこの誰にでも話に行けました。

妻は専業主婦で、PTAやその他、子供が小中学校の間、できる限り学校の先生や親子さん達と接していました。

つまり地域との関わりが、世間並以上だったと思います。

妻は面白い環境で育ったせいか、一言で言えば「ライオン」のような人間で、納得できないコトがあると声を荒げて相手を威嚇する様なところがあります。

役所など窓口で対応が悪いと、奥に控えている上役を怒鳴り声で引きずり出すようなことです。

母性本能が強いと言いますか、子供を守るために命をかけていて、人間より母ライオンという形容が合っています。

そんなこんなで、あまり心配していませんでした。

しかし、複数の同級女生による精神的なイジメが続き、何とかしなければならない状況になりました。

妻が出て行けばイジメどころの騒ぎでは収まらず、先生がたに迷惑が及ぶことが予想されましたし、親が解決したのでは、娘の将来に禍根を残すとも思われたので、最終的に強烈な方法を娘に教えました。

つまり、イジメの相手を(物理的に)ボコボコにする具体的な方法と、その後の始末を教えました。

私が言うことを、妻が娘に噛み砕いて教えたのです。

実のところ妻は自分の娘がイジメに会っても手を出すことは私が許さないと考えて我慢していたのでした。

教室で娘がリーダー格の女の子に跨って殴りつけているところを先生達が止めに入ったと聞きました。

娘へのイジメは無くなりましたが、イジメていた子が、他の子にイジメを受けることになりました。

イジメる方もイジメられる方も、どの子の親も、妻は知っています。私の同級生やその親戚もいます。

イジメに走る子供は、たいてい家庭に問題を抱えています。

問題のある家庭の親に限って、学校の行事や必要な会議などに欠席しますので、先生や関係者がいろいろと努力しても、肝心の親自体と接触できないので問題は解決しません。

イジメも学級崩壊も、学校の問題という人が多いのですが、私は、筋の通らない事を喚き散らし、肝心な時に姿を見せない無責任な少数の親達が全ての問題の根元であると確信しています。

学校は集団教育の場で、集団教育を受けられるよう我が子に最低限の躾をするのは親の責任です。

先生達は、大変な苦労の割に少ない給料しか貰っていません。何もかも先生にさせるなら、数倍の給料と身分保証が必要です。

何より授業中に騒ぎまわるような子供を学校に送り付ける時点で、立派な犯罪だと思います。

学級崩壊の根本治療は、このような親を罪に問うことから始めるべきと思います、、、少し過激過ぎました。とは言うものの、対処療法で本当の問題は解決しません。

ますます住みにくくなる日本のいろいろな問題の根本に、働く女性の問題があると考えています。

核家族化した日本で女性が働くということは、子供に目が届かなくなる事を意味します。

男尊女卑で言うわけではありません。子供には母親が必要で、父親は母親を守っていれば良いと思うからです。

全ての脅威から子供を守るのが母親の存在で、母親が全身全霊で子育てし、我が子の少しの変化も見逃さず、適切に指導すれば、めったなことで子供が変な道に進んだり、自ら命を絶つようなことにはなりません。

ところで、娘に対するイジメが止んでしばらくした頃、担任の先生から妻が聞いた話ですが、「お兄ちゃん(2年年上の息子)ね、同級生の弁当箱に蛾を入れてたことあるんですよ」と。

瞬間的なことだったようですが、、、

妹はイジメを受け、兄は他の子をイジメてたんですね。

自殺に追いやるイジメとはレベルが違うと思われるかも知れませんが、根本は同じです。

結局、自分の身は自分で守るスベを子供に身につけさせることが、何より親の務めではないでしょうか。

死に物狂いで臨めば、大抵の問題は解決できる事を、体得させることが重要だと思います。

足で蹴られても我慢するしか知らなかった息子を、三倍返しで思い知らせることを教えたのは4歳くらいの時です。

この時も、私が言うまで、妻は暴力的手段を教えることを我慢していた様です。

子供は、どんなことも教えれば身に付け、教えなければ間違いに気づきません。

妻は子供達に、人に舐められず、人に迷惑をかけず、ユーモアで周囲を和ませることが大事だと教えていました。

人間にとって一番肝心な対人関係の様々なことを、幼い時に教えるのは母親であり、特殊な部分は父親です。

大げさかもしれませんが、母親が子供と接する時間が、あらゆる意味で国力を左右すると思っています。

ところで、私自身が直接子供達に教えた事はといいますと、

「お父さんはお母さんが大好き」「お父さんにとって一番大事なのはお母さん」「お母さんにとって一番大事なのはお前たち」

これだけです。踏まれても蹴られても、妻にくっ付いて離れない私を子供達は楽しそうに見ていましたね。

小沢さんの行動に一抹の不安もありますが、いっそ「専業主婦を総理大臣にする党」でも立ち上げて、子育ての終わったライオンを飼ってくれませんかね。

落としどころが漫画になりましたが、常々思っていることを申し上げました。


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