メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第215回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2012.7.20
■小沢新党『国民の生活が第一』の支持率と期待度について
ワシは前回の『第214回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その7 脱原発と消費税増税について』(注1.巻末参考ページ参照)
の中で、
『新聞、テレビの大手メディアなどが盛んに言うてるように、小沢氏の人気が本当にまったくないのかという疑問が湧いてくる』
『本当にいつまでも新聞、テレビの大手メディアに操られたままなのか、日本の国民は、そこまで疎かなのかということが、どうしても信じられん。それについては現在、調べている』
と、言うた。
ワシが調べるというのは、勧誘で叩く(訪問営業)際、雑談を交えて顧客に聞き歩くという方法や。
7月1日から10日間の間に、延べ200人ほどの人たちから話を聞いた。
その内容は、
「最近行われた消費増税についての新聞の世論調査を知ってますか?」
「先日、消費税増税法案が衆議院で可決されましたけど、どう思われます?」
「小沢グループが、それに反対票を投じましたが、どう思われます?」
「小沢グループの離党については、どう思います?」
というもので、ここまでは、新聞各社の世論調査で聞きそうなことや。
その後、今のところ新聞各社が、まともな世論調査を実施していない原発問題についても聞いてみた。
「大飯原発の再稼働問題をどう思われます?」
「今後原発を推進することに賛成ですか、反対ですか?」
「小沢新党のマニュフェストに消費増税反対と脱原発を掲げるそうですが、その場合、小沢新党を支持しますか、支持しませんか?」
というものや。
その結果を知らせる前に、小沢氏が立ち上げた新党『国民の生活が第一』について、新聞各社が一斉に発表した世論調査の結果を先に示しておく。
その主なものや。
「A新聞、期待する15%、期待しない78%」、「Y新聞、期待する12%、期待しない82%」、「M新聞、期待する16%、期待しない82%」、「S新聞、期待する16・5%%、期待しない81.8%」、「N経新聞、期待する20.2%、期待しない79.8%」、「T新聞、期待する15.9%、期待しない79.6%」、「C新聞、期待する16・5%、期待しない81・8%」
これらを見られて気がつかれた方がおられるかも知れんが、奇妙なほど「期待しない」という支持率が新聞各社共、80%前後とほぼ一致している。
しかも、それらのすべての新聞の論調が、「小沢新党は多くの国民からは支持されていない」ということを強調している。いや、強調しすぎている。
過去のすべての世論調査を調べればすぐ分かることやが、新聞各社の世論調査の結果が、ここまで一致したというケースは殆どない。
それも当たり前の話で、新聞各社は独自に世論調査をする段階で、それぞれ別の人たち数千人を対象に聞いているはずや。
同じ世論調査で複数社の回答者に選ばれる人など皆無に近いさかい、同じ答が集まるはずがない。その集計もバラツキが生まれて当然やと思う。
それからすれば、1、2%の誤差しか出ていないというのは異常に思える。今回に限って不自然なほど、各社横並びになっているという感がぬぐえない。
選挙前の政党支持率でも、新聞各社で、ここまで似通った数字になることはない。
官僚(国の行政)や電力会社が得意とする「結果ありき」の世論調査発表の場合、こういう如何にも作られたような数字が並ぶことが多いがな。
そういうのを見ると、ワシらでなくても捏造やないのかと考える人は多いと思う。
この結果は、経団連などの新聞社のスポンサーたちに配慮して喜ばれる内容のものにしとるのやないかと。
そう考えれば分かりやすい。
こういう発表をしておけば、確実に小沢氏の人気を下げ、次の選挙では誰も投票しないだろうと。その意図が透けて見える。
本音は小沢氏および小沢新党に投票させたくないということだろうが、さすがにそこまでは書けんから、これでもか、これでもかと以前のやり方、そのままに叩き続けているのやろうと思う。
その嘘臭い発表をさらに裏付けるような報道が続いた。
「小沢新党」支持率は3・7% S・FNN世論調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120716-00000524-san-pol より引用
S新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が14、15両日に実施した合同世論調査で、民主党を離党した小沢一郎氏が代表を務める新党「国民の生活が第一」の政党支持率は3・7%にとどまり、厳しい船出となった。小沢新党に「期待しない」との回答も82・1%で、「期待する」の15・2%を大幅に上回った。
今回の世論調査は、11日の「小沢新党」結成後、初めて。同党の支持率は自民党(16・9%)、民主党(13・7%)、みんなの党(4・4%)に続いて4位だった。新党結成が「国民の生活を第一に考えてのことか」との質問でも「思わない」が82・0%にのぼった。
「いま日本の首相にふさわしいのは誰か」との質問でも小沢氏は3・6%にとどまり、全体で8番目。トップは野田佳彦首相の8・4%だった。
ワシらは、『第87回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞世論調査の仕組みとその信頼度について』(注2.巻末参考ページ参照)で、新聞世論調査を直接経験し、その仕組みに関して徹底して調べたから良う分かるが、
同じ新聞社の発表で、『小沢氏に期待する15・2%』やったものが、ほぼ同じ質問になる『小沢一郎氏が代表を務める新党「国民の生活が第一」の政党支持率は3・7%にとどまり』などということはあり得んことやと思う。
小沢氏に期待する15・2%は、そのまま政党支持率になっていて普通のはずや。
多少の変動は質問によって変わるとしても、支持率が4分の1以下にまで低下するというのは、あまりにもおかしすぎる。
誰が考えても、おかしなことやと思うような記述を、それと気づかずか、知ってのことかは定かやないが、堂々と発表をしとる。
こういうのを『馬脚を露(あら)わす』と言う。
明らかな捏造、情報操作やないのかと思いたくもなる。
もっとも、ワシらは、以前から事、小沢氏に関した新聞報道は捏造や誘導があるのやないのかと、このメルマガでずっと言い続けているから、穿った見方になってしまうのかも知れんがな。
「それが事実だった」と言われれば、ワシらには捏造を証明するだけの証拠を持ち合わせとらんから、「そうか」と言うしかないが。
状況からして、限りなくそう考えられる、ありそうやと想像するくらいの事しかできんと。
そして、いつも言うとることやが、そんなことに気づくような国民はおらんやろうという、どこかバカにした雰囲気も漂うてくる。
いずれにしても、その結果を各自が信じるか、どうかということになるだけの話やとは思うがな。
ワシらの意見としては信じられん。少なくとも鵜呑みにはできんということや。
その理由の一つに、ネットの世論調査では真逆の結果が出とるということがある。
Yahoo政治投票
費税増税法案に反対する民主党の小沢一郎元代表らが、離党届を提出。
小沢氏らの離党判断を支持しますか? (2012年7月2日〜7月12日)
http://seiji.yahoo.co.jp/vote/result/201207020001/ より引用
支持する 75% 12168票
支持しない 22% 3523票
どちらとも言えない3% 528票
以前から、小沢氏のネットでの評価や人気は高いということは知っていたが、それを裏付ける世論調査的なアンケートが少なかったから、数字としてどうなのかということが、もう一つ良う分からんかった。
あるのは「小沢信者」と呼ばれる熱烈な支持者のブログでのコメントであり、数字やったさかいな。
偏った見方からの情報では、その真偽は分かりにくい。
その意味でも、このデータは貴重なものやと言える。
ところで、これらの数字をどう見るか。
新聞各社の世論調査は結果を紙面に掲載されるだけで、その過程が一切見えない。分からない。
あくまでも、その結果は「信じろ」というスタンスや。昔から、そうやってきたから間違いないと。
それに比べて、「Yahoo政治投票」のそれは、毎日、その数字が変動していてオープンになっている。
そこへの書き込みも相当数に上り、投稿されている意見の内容もよく分かる。
これやと、捏造する方が難しい。というより、どんな結果になろうと「Yahoo政治投票」には何の関係も影響もないことやから、わざわざその内容を変遷したり捏造したりする必要と理由がない。
それに「Yahoo!Japan」のような大手ポータルサイトは、新聞社のように経団連などに属するスポンサーたちに喜ばれる内容のものにする必要など、まったくないということもあるさかいな。
なぜなら、「Yahoo!Japan」に嫌われて困るのは経団連に所属する企業の方やからや。
「Yahoo!Japan」は、新聞社のように企業に日参して広告を確保するための営業に奔走するわけやなく、広告を載せたいのなら申し込めば審査した上で「載せる」という姿勢に徹しとる。
逆に、本当に内容の良いものなら一銭も要求せず、取り上げて掲載するという度量の深さもある。
そのおかげで、ワシらのサイトやメルマガの内容が、「Yahoo!Japan」に認められ、業界で唯一の登録サイトにして貰うとるわけやけどな。
一銭も払うことなく、そうしてくれとるというのは貧乏所帯のワシらにすれば、有り難いことや。
Yahoo!ニュースで引用サイトとして紹介されたり、Yahoo!トピックスで取り上げられたりしたことで知名度を上げて頂いとるさかいな。
そのためもあり、様々なキーワードで、メルマガやサイトの各ページが常に上位表示されることが多い。
8年間ずっと、その扱いに変化はない。
それは「Google日本」にも言える。そして、さらに他の大手ポータルサイトも「Yahoo!Japan」、「Google日本」に批准しとるから同じ扱いになっている。
ネットの世界では大企業のサイトであろうと、個人のサイトであろうと、その内容次第では対等に争える。
大企業の威光など入り込む余地は殆どない。その意味では、おそろしく公平な世界でもある。
それらを考え合わせれば、新聞とネットの世論調査のどちらが信用できるかというのは、今更言うまでもないことなのかも知れんがな。
少なくともワシらには、疾(と)うの昔にその結論は出とったことや。
新聞各社は自社の世論調査が社会に与える影響が大きいと考えとるようやが、それは少し思い違いがあるように思う。
言うて悪いが、新聞を発行しているからと言うて、その発行部数どおりの人が、その世論調査を見るというケースは少ない。
まず、新聞には読者の手に届かない「余剰部数」というのが推定で約2割前後あると言われている。
その多くは結束されたまま古紙回収業者に渡り、製紙会社に運ばれる。当然、それらが人目に触れることはない。
そして、残りの約8割のうち「新聞を読んでいる」と言える人は、ええとこ1、2割程度のものや。
これは、ワシが昔から言い続けていることで、勧誘していて肌で感じとることでもある。まず間違いはないと確信して言える。
新聞は全体で5千万部ほどの発行やから2割程度が「余剰部数」と計算して、実売部数は約4千万部。
「新聞を読んでいる」と言える人が多く見積もって2割としても約8百万部。新聞は一家庭に1部が普通やから、一家庭の有権者数は全国平均で約2名、その倍の1千6百万人程度の有権者が新聞を読んでいるという机上の計算になる。
その人たち全員が世論調査など見ることはないやろうと考えるが、そのすべてが見たと仮定しても日本の有権者数は1億5百万人弱やから、最大でも有権者の約15%強程度の人しか見ていないという計算が成り立つ。
しかも、その約15%強程度の人が新聞各社の世論調査を見て、どのくらいの人が「なるほど、そうか」と考えるかという問題がある。
ワシが直接、顧客に聞いた範囲では、その割合の数字には遠く及ばんかった。
ワシは常に手帳に書き留める癖がある。7月1日から10日間の間、それに関して記録したものがあるので、それを見ながら話す。
雑談交じりやから、本当はいろいろと突っ込んだ話をしとるが、そのすべてをここで書くわけにはいかんので、便宜的にその方々の答えをいずれか近い方に別けさせて貰っている。
通常の世論調査のように選択を促す質問などもしていない。おそらく、この質問に答えて頂いた方の多くは、それが「世論調査」やったとは気づかれておられないと思う。
あくまでも世間話の一環として話を聞いた結果や。
ゲンさんの勧誘雑談による世論調査結果
調査場所 大阪府下
調査対象 有権者のみ。
回答者 主婦(20代〜60代)52名。既婚男性会社員(20代〜60代)28名。独身男性(20代〜60代)43名。独身女性(20代〜60代)19名。高齢者(60代以上)59名。計201名。
質問1.最近行われた消費税増税についての新聞の世論調査を知ってますか?
知らない 178名 88.6%
知っている 23名 11.4%
質問2.先日、消費税増税法案が衆議院で可決されましたけど、どう思われます?
反対 187名 93.0%
賛成、やむを得ない 6名 3.0%
分からない 8名 4.0%
質問3.小沢グループが、それに反対票を投じましたが、どう思われます?
良くやった 183名 91.0%
関心がない 12名 6.0%
分からない 6名 3.0%
質問4.小沢グループの離党については、どう思います?
正しい判断 159名 79.1%
仕方のない判断 28名 13.9%
関心がない 14名 7.0%
質問5.大飯原発の再稼働問題をどう思われます?
再稼働すべきではない 188名 93.5%
やむを得ない 10名 5.0%
分からない 3名 1.5%
質問6.今後原発を推進することに賛成ですか、反対ですか?
反対 191名 95.0%
賛成 7名 3.5%
分からない 3名 1.5%
質問7.小沢新党のマニュフェストに消費増税反対と脱原発を掲げるそうですが、その場合、小沢新党を支持しますか、支持しませんか?
支持する 82名 40.8%
支持しない 95名 47.3%
分からない 24名 11.9%
新聞の世論調査とは違う結果が出るやろうとは予想しとったが、ここまで違うとは正直、考えてなかった。
『質問1.最近行われた消費税増税についての新聞の世論調査を知ってますか?』というのも『知っている、23名、11.4%』は、もう少し多いのやないかと考えてた。
新聞というのは普段はあまり読まれないのが普通やが、何か大きな出来事、事件があれば見る人の確率は一気に上がる。
余談やが、現在は「大津のいじめ問題」が大きく取り上げられていることもあり、質問した半数以上の人が、新聞でその関連の記事を読んでおられると言うてた。
それでも、『消費税増税についての新聞の世論調査』を知っておられるという方は少なかった。
『質問2.先日、消費税増税法案が衆議院で可決されましたけど、どう思われます?』という事実は大半の人が知っていたにも関わらずである。
その殆どはテレビからの情報で知ったという。多くの人は「読むのも腹立たしい」から、その関連の記事は読みたくないと。
まあ、気持ちとしては分からんではないがな。
特に主婦層にそういう人が多かった。「消費増税には反対する」と。
「将来的には増税は仕方ないと理屈では分かっているが、今上げられると困る」と言われる人が圧倒的に多かった。
そのためもあるのか『小沢グループが、それに反対票を投じましたが、どう思われます?』の問いかけに対して、『良くやった』という人が『183名、91.0%』もおられたさかいな。
これに関して、ハカセがいつも行く病院の待合室で流れている国会中継を見ていた人の一人が、反対票を投じている民主党の国会議員に拍手すると、それがその周囲の人に伝染して「よくやった」、「えらい」という声が上がっていたという話をしていた。
その人たちの人数は少なくとも数十人を超えていたという。多くは高齢者たちやったと。
この時、ハカセは何気なく、その中の一人と話したということやが、拍手した理由が「小沢グループは政治生命を投げ打って、俺たちの気持ちを代弁してくれたから」ということやった。
反対票を投じれば、小沢グループの人たちは民主党を追い出され、その人気のなさから、おそらくは次回の選挙で落選して政界から消えるのは間違いないだろうと。
それを覚悟して、やってくれたと。だから拍手したと。
その人は「俺は今まで小沢一郎という男は好きではなかったが、今回だけは支持する。無駄とは思うが、次の選挙では小沢グループに投票したい」と言っていたという。
その消費税増税法案には8%、10%で上げ止まりやなく、それ以降も果てしなく上がっていくという不安感が多くの人にある。
「年金生活で苦しい」、「毎年給料が下がり続けていて、ボーナスもカットされてやりくりが厳しい」という人たちにとって、これ以上の負担はたまらないと。生活することすら難しくなると。
悲鳴に近い声を上げる人が多かった。今でもギリギリの生活やのにと。
その思いが、「民主党は4年間消費税は上げないと言っていたのではないか」という不満につながり、その反動が「小沢氏とそのグループだけが最期まで反対してくれた」という気持ちになって表れたのやろうと思う。
ワシは、今回のことで、「小沢氏とそのグループは約束したことは絶対に守る」ということを世間に広く知らしめたと確信する。
現に、それに対して誰一人異論を挟む者はおらんかったさかいな。
『質問5.大飯原発の再稼働問題をどう思われます?』の『再稼働すべきではない、188名、93.5%』や『質問6.今後原発を推進することに賛成ですか、反対ですか?』の『反対、191名、95.0%』という結果は予想以上に多かったが、原発反対を唱える人が多いというのは分かっていた。
社会全体に原発推進を言いにくい状況でもあるから、どこまで本音で言うとるのかは分からんがな。
『質問7.小沢新党のマニュフェストに消費増税反対と脱原発を掲げるそうですが、その場合、小沢新党を支持しますか、支持しませんか?』では意見が割れた。
しかし、『支持する、82名、40.8%』もいたというのは意外やった。正直、もっと少ないやろうと予想していたさかいな。
しかも、その中には、相当数、「小沢氏個人は好きではない」という人がいたから、よけいやった。
新聞社の世論調査でこういう回答をすれば、ほぼ間違いなく「支持しない」というグループに入れられるやろうがな。それだけでも大きく違うてくる。
普通は、政党のトップの人気が、その政党そのものの支持率を左右するもんやが、事、「小沢新党」に限っては、どうもそれが当て嵌まらんようや。
おそらく、これは日本の政治始まって以来の珍現象やないかと思う。
支持すると言う人の多くは「今のところ、既存政党の多くは消費税増税、原発推進の方向に傾いているので、小沢新党はそれを止めることのできる唯一の政治家、政党だから」という事を理由にしている人が多かった。
現在、国民が脱原発を望み、消費税増税に反対して廃案、待ったをかけたいのなら、好き嫌いに関係なく小沢新党を支持するしか選択肢はないやろうと、ワシも思う。
既存の政治家、官僚のすべてから怖がられとるのが小沢氏なのは間違いない。
小沢氏が力を得て、本気で取り組めば相当の力を発揮するはずや。
残念ながら、民主党時代の頃は、その力を発揮する直前に、例の「越山会の虚偽記載事件」がでっち上げられ、官僚に骨抜きにされた同じ民主党の反小沢派と呼ばれている者たちによって足を引っ張られて、できんかったがな。
しかし、現在、小沢氏の周りに集まった議員たちは、そうではない。小沢氏を信じ切っている人たちばかりやと思う。
つまり、国民が既存の政治家、官僚にノーを突きつけるためには小沢新党に力をつけさせるということが最良の選択になると考える。
『支持しない、95名、47.3%』という意見の中には、橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」が政界進出を狙っていて、それに期待したいという意見が多かった。
橋下氏なら、脱原発を掲げているし、消費税増税もしないだろうから、小沢氏を応援するより良いと。その橋下氏は小沢氏との連携を嫌っているから支持できないと。
橋下氏が小沢氏との連携を嫌っているというのはマスコミの空想に基づく論調で、橋下氏本人は連携しないとは一言も言っていない。
取り巻きが「人気のない小沢氏と組むと損だから連携しない方が良い」と言うてるだけにしかすぎんと思う。
その証拠に「小沢氏との連携はない」とマスコミに向かって話しているのは、その取り巻き連中やさかいな。
「人気のない小沢氏」という状況が一変すれば、また違うてくる可能性は高い。
ただ、『支持しない、95名、47.3%』という中の何人かと雑談で話すうちに心変わりされた方もおられたがな。
ワシが、『第214回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その7 脱原発と消費税増税について』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、
「橋下氏が国政に進出すれば人気があるから、ある程度の議席は確保できるかも知れん」
しかし、現在の橋下氏は大阪市長職を投げ出して国政に自身が打って出ることは考えられんと思う。
例を出すのは、どうかとは思うが、前宮崎県知事の東国原氏が、それにより一気に人気を下げたさかいな。
その轍だけは踏みたくないはずや。
大阪維新の会は、橋下氏個人の人気が生命線で、現在の維新塾には、その橋下氏の人気にあやかりたくて集まった人たちばかりに、ワシには見える。
橋下氏が選挙に出られない状況で、大量の候補者を擁立して、その彼らが当選したとする。
単独で過半数を超えた場合、大阪維新の会から当然、首相が選出されることになる。
橋下氏やブレーンの松井大阪知事が、その職に就くわけにはいかん。
現在、維新塾で名の通った人物はいない。殆どが政治の素人集団やと言える。
そういう中から出てきた首相など、官僚にとっては赤子同然に操れると考えるはずや。
また、そうなる確率が高い。
橋下氏本人なら意思が強そうやから問題はないかも知れんが、他の人間では心許ない。それに加えて、首相の座にまで上った人間が果たして橋下氏の指示どおりに動くのかという疑問も生じる。
現堺市長は、選挙時、大阪維新の会の後ろ盾で当選したにもかかわらず、その立場が追われそうな大阪都構想には公然と反対し反旗を翻しとるさかいな。
市長程度というと語弊があるかも知れんが、その地位でさえ、権力の座にしがみつき、そのためなら何でもするというのが人間の性やのに、まして首相の地位についた人間が、どう豹変するか知れたものやない。
しかも、官僚の手練手管にかかったら、どうにもならんやろうと思う。
そうなると、今の民主党と同じことになりかねん。いや、もっと悪くなることすら考えられる。
そうなれば橋下氏個人の人気も一気に下がる。
ワシは、橋下氏は、それほどバカではないと思うから、本格的な政界進出は次の次になると踏んどる。
つまり、橋下氏自身が立候補できる時が、本当の勝負どころやと考えとるはずや。
せやから、今回は一定の勢力を保持できる程度でええと考えておられるのやないかと思う。
本当に賢い人間なら、そうする。
「そういう意味で、ワシは今のところ小沢新党しか、消費増税反対と脱原発を願う国民の選択肢はないと言うたわけや」
で言うたような話をすると、「それも、そうやな」と言われる人が多かった。
「それなら、今回は小沢新党を応援しようか」と。
言うとくが、ワシがそう言うて心変わりをした人は、『支持する、82名、40.8%』にはカウントしてへんで。
それをやると、誘導したことになる。世論調査は、あくまでも最初に意見を聞いた時にカウントせなあかんと考えとるさかいな。
小沢新党を支持するという人の中には、逆に「橋下氏が嫌いやから」というケースもあった。
全国的には、橋下氏の人気が絶大かのように考えておられる人が大半やと思うが、大阪では、橋下氏を嫌う人たちも少なからずおられるということや。
「脱原発はするべきで、消費税増税は反対やが、橋下に賛成するのはもっと嫌や。橋下に与するくらいなら小沢を支持する」という人たちが『支持する』に回ったと。
そういう人たちも、積極的に小沢新党を支持しているということやなく、他に選択肢がないからという理由で、そう意思表示したにすぎない。
また、『支持しない、95名、47.3%』の中には、小沢氏の評判が悪すぎるために評価していないというケースも多かった。
その中でも「小沢はイメージも悪いし、まだ裁判中の人間やろ」と言う人が大半を占めていた。
予想していたことやが、報道によって植え付けられた「悪役のイメージ」には、相当に根深いものがあると改めて知らされた。
ただ、その人たちに、ハカセから渡された『検察の罠』という本を見せながら説明すると、また違った反応を見せる人が多かったがな。
これは、小沢グループの森ゆうこ参議院議員が書いた書籍やが、内容は2年ほど前から、このメルマガで小沢氏に関して話してきた事ばかりやから、読者の方にとって真新しい情報はそれほどないと思う。
如何に小沢氏が長年に渡って叩かれ続けられ、「西松事件」、「越山会虚偽記載事件」が、まったくのでっち上げやったということが、その証拠と共に書かれているだけの話やさかいな。
それでも、初めてその事実を知らされる人にとっては衝撃的なようで、「その話、ほんまかいな」と食いついて来られる人が結構おられた。
ワシにしても、その本に「こんなことが書かれています」と言うた方が話やすい。
如何にも、その本を読んで、そのことを知ったという風に装えるさかいな。
ヘタにメルマガの存在を指し示して説明しすぎると、ワシが「ゲン」やてバレるかも知れんからな。
それだけは避けたい。
その点、書籍やと目の前で、その箇所を見せて説明するだけで相手も納得しやすいということがある。
新聞記事ほどではないかも知れんが、書籍に書かれていることは、それなりに信用されやすいさかいな。
後は「本当です。その証拠を知りたければ、ネットでちょっと調べれば簡単に分かりますよ」と言うだけで済む。
実際、その気のある人には、その調べ方を教える。
例えば「Yahoo!Japan」などで「小沢裁判の真実」、「小沢報道」と検索すれば、それに関したページが山ほどヒットするし、ワシらが話した「越山会虚偽記載事件」に関連する「検察審査会の是非」というキーワードで調べれば『第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非について』(注3.巻末参考ページ参照)が上位表示されるといった具合や。
そこには小沢氏の事件がでっち上げられたと裏付けられる証拠なら、いくらでも見つけられる。新聞では一切公表されていない事実が、そこには山のようにあるさかいな。
真実は隠し通せない。特に、現在のネット社会ではな。
「脱原発と言うてるらしいが、小沢はもともと原発推進派やったやろ。そんなもの選挙対策で言うてるだけと違うのか」と言う人もおられた。
「今は違うと思いますよ」と、ワシ。
確かに小沢氏は自民党時代から、原発を推進してきた人間でもある。それは確かや。その意味では、今回の事態になった責任の一端はあるかも知れんがな。
まあ、ワシはそういう組織の中にいれば、官僚や電力会社の作った「原発安全神話」を信じても仕方なかったとは思うがな。小沢氏が自民党にいた頃の日本は、何をおいても経済優先の考えが強い時代でもあったしな。
ワシら一般国民の多くも、福島第一原発事故以前は、皆、そのまやかしの「原発安全神話」を信じとったわけやから、その意味では同罪やと言えなくもない。
しかし、小沢氏は今、「脱原発」の立場にあるのは間違いない。それは、ご本人が好むと好まざるに関わらず、そういう立場に置かれている。
というのは、現在、小沢氏は「日本原発ムラ」で一大勢力を誇る経団連、連合から「三行半」を突きつけられとるからや。
つまり、経団連、連合から選挙支援は一切しないと通告されとるということがある。
そのため、小沢氏にとって今更「原発推進」を唱えても何の意味もなくなったと言える。
小沢氏が、かつてから念願だった「脱官僚政治」を成し遂げるには、むしろそういう状態になったことが好ましいという気がする。
それに以前、原発推進派やった人間が、気が変わって脱原発を言い出したとしても何の不思議もないと思う。
現実に、今「脱原発」を唱えている人の大半が、福島第一原発の事故を堺に急に心変わりした人たちばかりやさかいな。
というより、原発の本当の恐ろしさに気がつかされて気が変わったと言うた方がええのかも知れん。
「確かに選挙対策の一面もないとは言いませんが、それよりも原発推進派に媚びる必要がなくなったということからすれば信用できるのではないでしょうか」
その裏付けとして、「国民と約束したことは絶対に守る」と言って消費税増税法案に反対したという事実が大きな説得力を持つ。
それからすれば「脱原発」をマニュフェストに掲げた小沢新党は信用するに値するのやないかと。
それで「そうか」と納得する人もいれば、「まだ信用できん」と言われる人など様々やった。
ただ、一つ言えることは、なぜ小沢氏に人気がないかという本当の理由を知らない人が圧倒的に多いことが、今回良う分かったということや。
しかし、真実を知ることで逆に「小沢氏を見直した」と言われる人も多かった。
その意味では微力ながら、ワシらのメルマガ誌上では真実を語り続けて、少しでも多くの人にその真実を伝えたいと思っている。
ネットが普及する10年以上前なら、新聞各社の世論調査には大きな影響と意味があったことは認めるが、現在は状況が大きく変わってきとると確信する。
上記の『Yahoo政治投票』が、そのええ例やと思う。
しかし、今以て、新聞の世論調査を信用しとる人間も少なくない。
政治家たちが、その典型やと思う。まあ、政治家は長年、新聞やテレビの世論調査に振り回されてきたから無理もないとは思うがな。
現在、消費増税に反対しながら、民主党内に残った連中が、未だに逡巡しとるのは、そのためやろうと思う。
新聞でその手の世論調査が発表されると、とたんに腰砕けになり、自分の信念より、寄らば大樹の陰にすがろうとする。
その大樹が、どんなに腐っていても立派に見えてしまうわけや。
そうなると救いがない。
はっきり言うとくが、そういう人間は絶対に拍手喝采されることはない。政治家として事において逡巡することは無能と見なされるさかいな。
反対に、新聞やテレビメディアでこき下ろされた小沢グループは、その支持を確実に伸ばすはずや。ネットで真実が拡がる都度、そうなる。おそらく、その人気は徐々にではあるが、上がっていくやろうと思う。
一般的に新党には「旬」があると言われ、立ち上がった時が最も支持率の高い時期やと言われているが、小沢新党の場合は、新聞やテレビメディアに叩かれたおかげで現在、最悪な状態に思われている。
皮肉なことに新聞やテレビメディアが小沢氏に対してネガティブな報道をすればするほど、ネットでの小沢人気は高まる一方のようやさかいな。
これに関しても、日本の政治ではかつてなかった現象が生まれようとしているように思う。
それには社会状況が大きく味方していると。最早、何かの意図や画策くらいでは、どうにもならんくらいの大きな時代の返還期、うねりが近づいていると。
そのきっかけになったのが福島第一原発の事故やったと思う。
ワシが常に言うてるように人が関わる限り事故は絶対に起きる。このまま原発を推進すれば、必ず福島第一原発のような事故が間違いなく繰り返される。
それが後、2、3箇所起きれば日本自体が終わってしまう。
そういう意味では、現在が、将来、安全に生きられるか、どうかの大きな分岐点になると思う。それが嫌なら、是が非でも「脱原発」を成し遂げるしかない。
また、消費税増税も止めることができるのは、一定の勢力を持った小沢新党しかないと言える。
「毒を以て、毒を制す」ということわざがある。
現時点で、猛毒をまき散らしながら原発推進派や消費税増税に突き進む民主党、自民党、公明党に対抗しうる勢力は、同じく猛毒を身に纏うと考えられている小沢新党しかないと思う。
小沢新党が、大手マスメディアに潰されれば日本はそれまでやし、ネットがそれを阻止することになれば、日本の歴史そのものが変わる。
ネットが本当の意味で新聞やテレビを凌駕する日がくると。今度の総選挙はその戦いでもあると思う。
一体どちらが正しいのか、勝つのかということを示す機会になると。
「ゲンさんは新聞社側の人間やろ。せやのに何でそんな新聞の悪いことばかり言うんや?」と質問される方も少なからずおられる。
そんな時は決まって、「ワシは新聞は常に正しい報道をするべきだと考えています。事件事故の報道は事実が大半ですので、それで良いと思います。
しかし、原発とか小沢氏の問題では明らかに誰が考えても、それと分かる捏造、誘導があります。新聞を売る者として、それだけは許せませんので」と言うことにしている。それが本音でもあるからや。
「そんなことを言っていると肝心の新聞が売れなくなるのではありませんか?」という人もおられるが、そんな人には、
「そんなことはありませんよ。むしろ逆です。そんな人には、原発や小沢氏に関してだけ、そういう捏造、誘導があると知って新聞を読まれたら、今まで気がつかれなかったことも気づくことがありますよ」と言う。
実際、そのトークで今まであまり積極的に勧誘してなかった無読者の方も、「それなら一度、その新聞を読んでみようかな」と言われる人もおられたさかいな。
その報道の一例として、ネットではあまり流出していない、新聞記事を引き合いに出した。
2030年の原発依存度 0%支持、最多42% 本社世論調査
7月10日発行朝日新聞紙面より引用
朝日新聞社の全国定例世論調査(電話)で、2030年の原発依存度について野田内閣が示した三つの選択肢のうち、どれが望ましいか聴いたところ、原発をなくす「0%」を選んだ人が42%で最多になった。「15%」は29%、震災前の割合に近い「20〜25%」は15%だった。
野田内閣は先月末に選択肢を提示。国民から幅広く意見を聞いたうえで、8月末までに依存度を決める。
原発「0%」を選んだのは、男性では38%、女性では45%。「15%」は男性30%、女性28%とあまり変わらなかったが。「20〜25%」は男性23%、女性9%だった。
原発を段階的に減らして廃止する「脱原発」に「賛成」の人(67%)のなかでは、55%が「0%」を選択。一方、脱原発「反対」の人(21%)では、45%が「20〜25%」を選んだ。
福井県の関西電力大飯原発が運転を再開したことについては、「よかった」41%、「よくなかった」42%がほほ並んだ。再開前の調査で再開の賛否を聞くと、反対が賛成より多かったが、今回は評価が二分された。
大飯原発のほかにも原発の運転を再開することに対しては、「反対」が49%で、「賛成」の35%を上回った。
この記事に対するコメントは特に何も言わなかった。
言わずとも、ネットオンリーの無読者が、どういう反応をするか、大凡の想像がつくからや。
ただ、「何事もそうですが、批判されるのなら、その相手の主張に耳を傾けることも大切ですよ」と言うことで、「それなら、3ヶ月間だけでも新聞を取ってみるか」という人が実際におられた。
ワシも無読者には勧誘で行ったのは、単にその意見が聞きたかっただけで、契約が取れるとアテにしていたわけやないが、こういう方法で新聞が売れると知ったのは収穫やった。
最期に、読者の方にお願いやが、久しぶりにアンケートを取りたいと思うので、是非、ご協力頂きたいと思う。
内容は、下記のものとする。
原発および消費税増税に関するアンケート
質問1.今後原発を推進することに賛成ですか、反対ですか?
質問2.消費税増税に賛成しますか、反対しますか?
質問3.次期総選挙では、どの政党に投票しますか?
質問4. 政治について望みたいことを何でも結構ですので、教えて下さい。
以上や。
今のところ、特に期間は設けないつもりや。いつでも受け付ける。
特に、『質問3.次期総選挙では、どの政党に投票しますか?』の設問やと、今後、新党が増える可能性があるから、今は決められないという人も多いと思うしな。
予定では、次期総選挙の日程が決まり次第、締め切りを設定したいと考えている。
その頃には、第三極と言われている地域政党も立ち上がっているやろうしな。
それまでの間は、じっくり考えて随時教えて頂ければと思う。
参考ページ
注1.第214回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その7 脱原発と消費税増税について
注2.第87回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞世論調査の仕組みとその信頼度について
注3.第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非について
ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート1
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
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