メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第23回 ゲンさんの新聞業界裏話     

発行日 2008.11.14


■新聞業界用語 その2 新聞営業関連編


今回は、新聞営業に関連したものを紹介する。

尚、ここに挙げている新聞の業界用語は、必ずしも全国一律でそう呼ばれ使われとるわけやないというのは付け加えとく。

この業界は、所変われば品変わると言われるほど多様な表現、言い方が存在するさかいな。

ここに記載されているものは、過去にサイトやメルマガで言うてたこと、あるいは全国の業界関係者の方々から寄せて頂いた情報をもとにしとるということを理解してほしいと思う。


新聞業界用語 新聞営業関連編(掲載順不同)


【拡張】カクチョウ

新聞営業のこと。拡販とも言う。

新聞営業は営業範囲が決められている特殊な条件下で行われる。

多くはその日、入店する新聞販売店の営業範囲内でしか営業することはてきないとされている。

拡張という言葉には、「範囲や勢力、規模などを広げて大きくすること」という意味がある。つまり、その縄張りを拡げるということやな。

新聞営業の象徴として最も適した言い方ということで使われ出したものとされている。


【勧誘】カンユウ

訪問営業全般で使われる言い方。「拡張」とほぼ同義語。

業界内での使用頻度は地域、販売店、人によって異なる。一般的に「拡張」という言い方は業界関係者に多く、一般の人は「勧誘」と言う場合が多い傾向にある。

そのため、このサイトでは新聞営業全般を「勧誘」と表現することが多い。

ちなみに、拡張員というのは、専門の営業会社の営業員のみを指す言葉やが、勧誘員には、それに販売店の従業員も含まれる。

他には「販促(はんそく)」という言い方もある。


【セールス】

拡張員のこと。

現在、新聞社の方針として「拡張員」のことは「セールススタッフ」と呼ぶよう義務づけられていることに起因する呼称。

「拡張員」の評判があまりにも悪いための言い換えやと思われる。

新聞業界に限らずイメージの払拭のために新しく言い換えられるということは、日本企業全般に良くありがちなことやと思う。

業界内では、主に販売店関係者がこう呼ぶことが多い。


【バンク】

新聞販売店、およびその営業エリアのこと。

主に拡張員が使うケースが多い。

「Aバンクはおいしいけど、Bバンクはさっぱりや」という具合やな。


【入店】ニュウテン

拡張員が、その日、営業するために、その当該の新聞販売店に行くこと。

原則として、入店手続きをしていない拡張員は、その新聞販売店では営業できん決まりになっとる。

通常、午前11時から午後2時くらいまでが、その入店時間とされていることが多い。


【現読】ゲンドク

現在、新聞を配達している購読者のこと。


【過去読】カコドク

過去において、その販売店と契約していたことのある客のこと。

一般的に、再勧誘の上位として捉える場合が多い。


【約入り】ヤクイリ

先付けの期日で契約済みのこと。


【約切れ】ヤクギレ

契約が終了していること。もしくは、契約終了日が分かっていることを指す。


【叩く】タタク

訪問営業すること。

その昔、まだ各家庭にドアホンなど取り付けられていない時分から、飛び込み専門の営業が行われていて、その頃はノックが主体やったことに由来する。

そのドアをノックする、つまり「叩く」ことで訪問を知らせていたため、そう呼ばれ始めた言い方なわけや。

ちなみに、今でもドアホンがあっても、このノック主体のベテラン拡張員が多い。


【鉄砲】テッポウ

無差別に片っ端から訪問営業すること。

「ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる」と言われていることから、そう呼ばれ始めたとされている。

または、撃ってみな当たるかどうか分からんという意味も含まれている。

「闇夜の鉄砲」という言い方もある。


【白叩き】シロタタキ、またはシラタタキ

その新聞販売店の客になったことのない新規の読者への営業のこと。

新聞販売店の多くは、住宅地図上において、現読、契約済み、過去読者などの家々にそれと分かる目印として色鉛筆やマーカーなどで色分けをしている。

白い部分は、それ以外の家ということになり、そこにかける営業のことをそう呼ぶ。


【フリー】

単独で自由に営業すること。「自由拡張」とも言う。

新聞の勧誘営業は、その新聞販売店の従業員が行うものと、「拡張団」と呼ばれる専門の営業会社の社員、俗に言う「拡張員」が行うものとに大別される。

そのいずれも決められた営業時間内、区域内であれば、その訪問先や営業方法を自由に選択できる営業のことをそう呼ぶ。


参考ページ

ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方拡張パターン編 その2 自由拡張についての考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-19.html


【案内】アンナイ

販売店の従業員が、拡張員を任意の地域に連れて行って勧誘させるやり方のこと。

別名、ひも付き拡張。

販売店が、この案内拡張をさせる理由は、現読や購読契約済みの読者の訪問を避けるためと、その監視をさせるためというのがある。

また、販売店の案内人に拡張の勉強をさせるためというのもある。

案内人は詳細な住宅地図を持って、現読、約入りの家を避け、新規客、もしくは過去読の家を拡張するように拡張員に指示する。


参考ページ
ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その3 案内拡張についての考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-20.html


【連勧】レンカン

車などの移動手段により同一グループで、同じ情報、データをもとに営業すること。主に、入店先販売店の過去読者情報というのが多い。

すべての拡張団で採用されとるやり方やないが、古くから存在する営業方法の一つ。

メリットは、サボリ防止になる。グループで仕事するわけやから、一人だけサボるというのはできんさかいな。

デメリットは強引な勧誘になることが多いのと、その上げたカードの分配によるトラブルが発生しやすいというのがある。


参考ページ
ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その5 連勧拡張についての考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-22.html

第42回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員の記憶力の果てに?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-42.html


【学勧】ガクカン

大学生専門にかける勧誘のこと。

「学生入居キャンペーン」についてもそう呼ぶ所がある。

特に、毎年、春先の2月から4月頃にかけて、その地域に大学を有している販売店などは、新入生の新入居を狙い、アパート、マンションなどを重点的に勧誘することが多い。

そういう所では、たいてい1ヶ月以上の長期に渡り、その販売店の従業員のみならず拡張員までもそれに動員されることも珍しくない。


【特拡】トッカク

特別拡張の略。

これには幾つかのパターンがあり、主に応援拡張、集中拡張などに大別される。

応援拡張というのは、新聞社や他の団からの要請で、定められた地場エリア外の地域に拡張に行くことを言う。ほとんどが単発やが定期的にする場合もある。

集中拡張というのは、他紙拡張団との対抗、もしくは販売店の新規開店などに合わせて期間限定で拡張することを言う。

総体的に大人数になる場合が多い。


参考ページ
ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その7  特別拡張についての考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-24.html


【内覧拡張】ナイラン カクチョウ

これは、新築のマンション物件の入居者に対して行われる勧誘のことで、別名、張り付け拡張とも言う。

内覧とは、その新築のマンション物件の入居説明として不動産管理会社、物件所有会社などが入居者を集め行う行事のことや。

その新規入居者の多くは引っ越し客ということで成約率は高いとされとるから、新聞販売店では特にこれに力を入れとる所が多い。


参考ページ
ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その6  張り付け拡張についての考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-23.html

第174回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■店長はつらいよ Part 3 内覧(ないらん)の戦い
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-174.html


【データ拡張】データ カクチョウ

ある情報を元に営業すること。

主に販売店での過去読者情報を指す。過去に購読していたということもあり、門前払いの少ない営業で、拡張員からの人気は高い。

これをグループでするのを「連勧」と言う。


【拡張トーク】カクチョウ トーク

新聞の営業トークのこと。

新聞営業は、他の訪問販売営業よりも突出して最初のとっかかりが悪いということもあり、これに苦慮する拡張員は多い。


参考ページ
ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方
拡張トーク編 その1 拡張トークの考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-30.html


【潰し】ツブシ

営業トークの一つで、「今までの店舗は潰れ、新たに店舗ができましたのでよろしく」と触れ回ること。

これは、実際に潰れたということやなく、あまりにもその販売店の評判が悪いために、勧誘員が苦肉の策として考え出したトークのことを言う。

「経営者が死にました」「店長が交代しました」なども同じ。


参考ページ
第82回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■それはないやろ
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-82.html


【ターゲット】

営業対象のこと。

新聞営業には、一般個人読者でも、集合住宅や一戸建てに住んでいるか、賃貸または所有しているかで、そのアプローチや条件に差が出ることも多い。

あるいは、特定の球団やサッカーチーム、子供のあるなし、若いか年輩かなども、そのときどきでそのターゲットの対象となる。

また、商店や会社関係、官公庁などの組織への営業でも、それぞれのターゲットについて営業することが求められる。


参考ページ
ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張ターゲット編 その1  拡張ターゲットについての考え方
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage9-25.html


【正攻法】セイコウホウ

一切の不法行為のない営業のこと。

これは世間一般から見ると当たり前なことなんやが、なぜかこの業界では特別視される風潮にある。

もちろん、この正攻法を業界全体では推進しとるわけやけどな。


【マーキング】

その家の玄関周辺にそれと分かる印を残すこと。

書いた人間の暗号みたいなもので、単独で自分だけが分かる記号。仲間に知らせるための記号。他の業者への威嚇のための記号などいろいろあり、決まった法則というのがない。

また、これについては、新聞の勧誘員のみならず他業者がするケースも多い。

それと気づけば、すぐ消すことを勧める。ほっとくとろくなことはないさかいいな。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.22 マーキングについて教えて下さい
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-22.html


【キャンペーン】

特別なサービス期間中での営業のこと。

主にその販売店が企画するもので、通常よりサービスのええ場合をそう呼ぶ。

もっとも、拡張員によれば、それを口癖にして常に「只今、当店のキャンペーン中ですので」と言うてる場合もあるがな。


【イベント】

主に新聞社主催の勧誘競技会のこと。コンクールとも言う。

表向きは、新聞販売店で優秀な成績を上げた従業員のためのものということになっているが、拡張員が紛れ込んどるケースもある。

各拡張団内部でのイベントも頻繁に行われている。

また、販売店別の成績上位店に対する表彰もある。


【ロープレ】

ロールプレイングの略。

営業訓練の一つで、拡張員と客という役割分担をして、その営業トークの練習をすることを指す。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.72  素人の営業マン育成について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-72.html


【電勧】デンカン

電話勧誘のこと。またはテレカン。

販売店や専門の営業会社で、新聞の電話営業をしとる所がある。

個人的には、あまり効率のええ営業とは言えんと思うが、実際にそれで仕事として成り立っているようやから、それなりの手法があるのやろうと思う。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.395 電話での拡張について教えてください
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-395.html


【付き合い】ツキアイ

その販売店と同じ商店街などに属する商店や会社に対してかける営業のこと。

商店や会社によれば、それで数店舗の新聞販売店を期間を決めて順番に購読しとる所もある。

また、会社関係や官公庁の場合、その関係者からの紹介を「付き合い」と称して勧誘営業する場合もある。

中には一般客へも「近所の誼(よしみ)で付き合ってくださいよ」と言う勧誘員もいとる。


【固定】コテイ

その新聞販売店の長期購読者のこと。

その新聞のファン、親子代々購読しているというケースもあり、契約書自体がないことも多い。

心変わりの少ない人たちやが、総じてサービスは優遇されていない場合が多いから、その面で攻めやすい客層ではある。


【無読】ムドク

新聞を購読していない人。無読者ともいう。

以前購読したが止めた、あるいは最初から購読したことがないという人などいろいろおる。

タチの悪い勧誘員と遭遇してそうなったという人も少なくない。

それでも、10年ほど前までは、この無読者はほとんどおらんかったが、インターネットの普及に伴い若い世代で急激に増え、現在、それが中高年にまで拡がっている。

新聞業界の悩みのタネでもある。

新聞を購読してないということで、一見おいしそうな客に思えるかも知れんが、実際は勧誘員にとっては最も困難な相手と言える。


【交代読者】コウタイ ドクシャ

二つ以上の新聞を交互に購読する購読者のこと。

拡張員には、現読拡張禁止という制限がある。しかし、その客が一旦、他紙の購読者になれば、その客は過去読者ということになり、勧誘が可能になる。

そこで、拡張員からすれば、定期的にそうする客と懇意になることで安定した顧客になるわけや。

ベテランの拡張員ほど、こういう客を確保しとるケースが多い。


【乞食読者】コジキ ドクシャ

販売店の上限以上にサービス品を要求する購読客のこと。

一般の拡張員は利益にならんから相手にせんことの方が多いが、契約が思うように取れず困った拡張員などが自腹覚悟で、そういう客と契約する場合がある。

たいていの販売店は、そういう客との契約は嫌がるから、その渡したサービス内容を販売店には内緒にしている場合が多い。

もちろん、こういう呼び方は失礼に当たるから、その本人に向かってそう言うことはまずない。

また、表現上問題視されることも多いから、最近はあまり使用頻度はないようや。現在では、そういう行為全体を「爆」行為として括ることが多い。


【青天】アオテン

青天井の略。販売店から指示された拡材の制限を超えること。または、制限なしの拡材を渡す行為を言う。


【ガサ】

低所得者への蔑称。

安アパートや賃貸マンション、公団などに住む住人を指して言うケースが多い。

または、単に古い建物が立ち並ぶ住宅地域一帯を指して言う場合もある。


【マッチ箱】マッチバコ

一軒家で平屋の賃貸物件のこと。単に「箱」とも言う。


【ドアホンキック】

インターフォン・キックとも言う。

最近では、ほとんどの家庭にインターフォンがついていて玄関口に客が出ることは少なく、そこで断られることをそう呼ぶ。


【フット・イン・ザ・ドア・テクニック】

直訳すると、「玄関ドアに足を挟み込み中に入る」という意味で、古典的な営業手法のこと。

玄関にドアを挟むと気の弱い住人はそのドアを閉めることができづらくなり、仕方なく話くらい聞こうかとなったところに営業をかけるというやり方や。

転じて、最初は小さな承諾から始まり、その積み重ねで最終的に目的の承諾を引き出すというやり方のことをそう呼ぶようになった。

具体的には「一週間の試読でも」から始まり「せめて3ヶ月だけでも」となり最終的には「1年契約でお願いします」と、徐々にその要求を引き上げる手法のことを言う。


参考ページ
新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A NO.185 最近短い契約ばかりです
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-185.html


【ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック】

「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」とは正反対の古典的な営業手法のこと。

これは、最初に拒否すると思われるような要請をして、一度断らせるように仕向ける。あるいは、断られてもええくらいの要望を出す。

その後に、それよりも負担の軽い要請をすると、それが受け入れられやすくなるという心理を利用したものや。

例えば「○○新聞を1年取ってくれませんか」「1年はとても無理です」「なら、3ヶ月でも結構ですので」という具合やな。

この「1年はとても無理です」と言わせるのがポイントで、これを言えば「3ヶ月ならええやろ」という理屈につなげるわけや。

後の要請が主たる目的で、最初に言うたのはこの効果を狙うたもんやということなる。

これは、提示した要請を勧誘員が譲歩することにより、客も譲歩せなあかんのかなという気持ちにさせるという効果がある。

これを、心理学では「譲歩の返報性」という。相手が一歩譲ってくれたんやから、こっちも一歩譲らなあかんかなという心理にさせるわけや。


【シェア】

その地域でのその新聞の人気度のバロメータ、および占有率のこと。


【見込み】ミコミ

勧誘員が営業中に脈ありと感じた客、もしくは何度か通えば落とせると踏んだ客のこと。


【折り込み営業】オリコミ エイギョウ

商店や会社に折り込みチラシの注文をとる営業のこと。

総体的に、これをしている販売店は少ないが、意欲のある所は積極的にしている。

折り込みチラシ代金を拡材代わりに新聞の購読契約を獲得する。

あるいは、新聞の購読をすることを条件に、割安で折り込みチラシ代金の設定をするなど、いろいろなバリエーションがある。


【ネズミ営業】ネズミ エイギョウ

あちこち移動しながら営業すること。または粘りのない勧誘員をバカにした言い方のこと。

総体的に失敗しやすい営業とされている。

但し、計画的に時間を区切ってしている場合は、その営業員なりの勝算があってのことやから、一概にそうとも言い切れんがな。


【5時から拡張】ゴジ カラ カクチョウ 

文字どおり、午後5時からしか営業に廻らないこと。

主婦のパートなどが帰ってくるのが、その時間以降が多く、また夕方になると家々に明かりも灯るので在宅が把握しやすいという利点があり、そうする拡張員が多い。

特にベテラン拡張員の間では、その時間帯から力を入れるのが常識とされている。

もっとも、それまではサボっている人間という蔑みの意味もあるがな。

ちょっと昔に流行ったテレビCMの「5時から男」を捩(もじ)った言い方や。


【坊主】ボウズ

契約ゼロのこと。パンクとも言う。


【ノルマ】

営業目標。与えられた獲得責任契約数のこと。

勧誘員、拡張員にとってこのノルマは絶対で達成できない場合は、その販売店、拡張団次第では、かなりきつい叱責がある。

たいていはそれを必死でクリアしようとする。そのために、不法行為に走る者もいとるがな。


【張り紙】ハリガミ

良く玄関先に白いプラスチック片に「セールスお断り」と書かれたものが張り付けられているが、それのこと。

一般の勧誘員にはそれなりに効果があるようやが、一癖も二癖もあるベテランにかかると、却ってそういう「張り紙」があると喜ぶ。

そういう連中は、それを「セールスはお断りできません」と読むわけや。

実際、こういう「張り紙」をする人は、そのセールスに対応するのが苦手やという意識があるので、経験的に攻めやすいということを知っとるわけや。

こういう「張り紙」をするのは、「百害あって一利なし」とまでは言わんが、あまり効果はないと個人的には思う。

普通の勧誘員なら例え応対しても「新聞はいりません」と言うだけで、たいていはあきらめるもんやさかい、それがあってもなくてもそれほど変わらんと思う。

この張り紙をすることで、そのタチの悪い勧誘員をおびき寄せとるという側面があることの方がマイナス面が大きいと考えるがな。


以上が、営業関連の主なものや。

新聞の業界用語は、この他にも、拡張団、新聞販売店、新聞社、および新聞一般、新聞紙面などで使われとるものが数多くあるので、おいおい、それらについても話していきたいと思う。


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