メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第232回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2012.11.16


■小沢裁判無罪判決に対する今後の新聞メディアの動向について


2012年11月12日、二審の東京高裁で一審の東京地裁同様、小沢裁判で無罪判決が出た。


小沢代表、二審も無罪=元秘書の故意も一部否定−指定弁護士の控訴棄却・陸山会事件

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201211/2012111200173&rel=y&g=soc より引用


 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた元民主党代表で「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)の控訴審判決が12日、東京高裁であり、小川正持裁判長は一審東京地裁の無罪判決を支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却した。元秘書による故意の虚偽記載も一部を否定した。

 指定弁護士は今後、上告を検討するが、認められるのは判決に憲法違反がある場合などに限られるため、困難が予想される。上告しなければ無罪が確定する。

 一審に続く無罪判決は、次期衆院選で「第三極」の結集を目指す小沢代表の追い風となりそうだ。

 国会議員への判決で、一、二審ともに無罪とされたのは極めて異例。検察審査会の起訴議決に基づく強制起訴事件で、初の控訴審判決だった。

 小沢代表が、土地購入代金を2004年分の収支報告書に計上せず先送りし、提供した4億円を簿外で処理することについて、違法性を認識していたかが争点だった。


万が一、有罪にでもなれば、日本は法治国家として終わるとずっと言い続けてきたから当然と言えば当然の結果やったと思う。

そもそも、この裁判は裁判になること自体が摩訶不思議な出来事やった。本来、起こせるはずのない裁判が延々と繰り広げられたわけやさかいな。

この記事では『小沢代表が、土地購入代金を2004年分の収支報告書に計上せず先送りし、提供した4億円を簿外で処理することについて、違法性を認識していたかが争点だった』という書き方をして読む人に、違法ではあるが、本人が違法性を認識していなかったから無罪になったと印象づけているが、それは違う。

この裁判で問題になった『政治資金規正法』には、政治資金が流れた事実をどのように政治資金収支報告書に記載しなければならないかという会計上の正解がないのである。

なぜなら、現行の政治資金収支報告書では、単式簿記を前提とした部分的な会計報告書の作成が義務付けられているに過ぎないからである。

つまり、簿外処理そのものは『政治資金規正法』で違法とされとるものやないわけや。

違法でないものをなぜ違法としようとしたのかと言えば、その奥に汚職疑惑があったと検察が考えていたからや。言わば、無理矢理なこじつけによる別件捜査と言うてもええ。

捜査する口実さえ作って調べれば必ず尻尾を掴むことが出るものと信じて。検察や警察の良くやる手である。

しかし、実際には検察が総力を上げて捜査したにもかかわらず、その事実は何もなかった。逆に小沢氏の無実が証明された形になっただけで終わった。

ただ何もないでは検察も格好がつかんから、取り敢えず検察自身にも判断できんかった『政治資金規正法違反』という、その当時としては一見それらしく見える罪で起訴しようというポーズをした。

もちろん、そんな罪名で公判を維持できるわけなどないというのは百も承知している。せやからこそ、検察は不起訴処分にしたわけや。

しかし、小沢氏を悪人にすれば世論も味方するやろうという穿った考えのもとに匿名の市民団体(実は、たった一人)とやらが検察審議会に不服の申し立てをした。

それをあろうことか小沢氏を陥れたい勢力が荷担したことにより、不正とも思われる数々の手段を用いて強制起訴にまだこぎつけた。

どこからどう見ても、その検察審議会のメンバーそのものが不正に集められた連中としか見えんさかいな。初めから「強制起訴議決決定」ありきのメンバー構成やったと。

それに荷担したのは新聞、テレビメディアやった。ワシらのような素人でさえ、明らかにおかしいと思えるのに、その矛盾点を無視して徹底的に小沢叩きに奔走した。

小沢氏を嫌う官僚や反対政治勢力の人間たちが、後押し、または手を貸した。

ワシが、そこまで言うのは確固たる証拠、及びそうとしか考えられない状況があるからや。しかも、それらの証拠はその気になれば誰でも探し出せる。

それについての詳しい話は当メルマガの読者の方々には分かっているものと思うのでここでは割愛させて頂くが、このメルマガを最近になって読み始められた方は、2年以上も前から、この問題を取り上げてきた過去のバックナンバー(注1.巻末参考ページ参照)の幾つかを見て頂ければ良く分かって頂けるものと思う。

つまり、ワシが言いたいのは、裁判を起こした、あるいはそれをけしかけ煽った大半の者たちが、小沢氏が無罪になる事など先刻承知の上で行ったということや。

罪になるかどうかに関係がなく、ただ裁判をするということだけが狙いのすべてやったように思う。

その狙いは一つ。小沢一郎という政治家を政界から抹殺するために。あるいは人気を落とすだけのために。

それ以外での理由がワシには考えられん。

それが事の真相である。多くの人は、その事実を未だに知らない、いや知らされていないと言うた方がええのかな。

新聞やテレビメディアは20年以上の長きに渡り、ずっと小沢氏個人を叩き続けてきた。

それについても『第209回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その6 新聞第3のタブー、記者クラブ問題について』(注2.巻末参考ページ参照)で話しとる。

記者クラブとは、公的機関や業界団体などの各組織から継続的に取材することを目的に大手新聞、テレビメディアを中心に、法人としての登記が為されていない私的な組織のことを指す。

加盟社以外に記者会見を開放しないなど独占的な活動によって、記者クラブ以外のジャーナリストによる取材活動が差別、制限されてきたという実態がある。

これに異を唱えた、当時の自民党幹事長だった小沢氏は1991年、記者クラブメディア以外の記者も参加できる記者会見のオープン化を初めて行った。

会見を記者クラブだけに限定し、情報を独占することは、民主主義の公平性のルールから完全に逸脱しているというのが、小沢氏の主張であった。

自民党、新生党、新進党、自由党、民主党、そして現在の国民の生活が第一と続いた20年以上、その方針を貫いている。

正論である。

しかし、その正論を大手新聞、テレビメディアは快く思わなかった。なぜなら、それは記者クラブ廃止につながりかねない暴挙だと考えたからや。許せることではないと。

本音のところでは記者クラブという権益を守りたかっただけなのやとは思うがな。

それから以降、あからさまに小沢氏に対し、記者クラブメディアは徹底的に攻撃を仕掛けている。

具体的には、小沢氏の不機嫌な表情ばかりを選んで映像で流し、小沢氏の反論や主張は一切掲載せずに不都合な情報だけを流し続けてきた。

先の『陸山会政治資金規正法違反裁判』報道もその延長線上にあったことや。

ワシらのような素人が、ちょっと調べても分かるような事を、さもその罪で起訴されたのは当然やという報道が繰り返されてきた。小沢氏の側に立った報道は皆無やったと言うてもええ。

サイトのQ&A『NO.1153 メルマガで小沢氏の妻の手紙について触れられていませんが、なぜですか?』(注3.巻末参考ページ参照)というのが、あったが、その質問に出てくる事案が、その典型的な事例やったと思う。

相談者の質問の中に、


新聞や週刊誌に「小沢氏の妻の手紙」というものが報道され物議を醸しています。

その中に、小沢氏が「放射能が怖くて秘書と一緒に逃げ出しました」という記述があったことに驚きました。

週刊誌はともかく新聞が何の裏を取ることもなく、そのような報道をすることはないと思いますので、事実だろうと考えています。

もし、そうであるのなら、そういう人物が率いる政党を支持する気になれません。

メルマガには、それに関して一切触れられていませんが、どうしてなのでしょうか?


とあり、それに対して、


『メルマガには、それに関して一切触れられていませんが、どうしてなのでしょうか?』ということやが、ワシらもその週刊誌の記事や新聞記事を読んで知っている。

それらの記事を読んで調べた上、ワシらが下した結論は、それらは「怪文書」の域を出ていない、事実と証拠に基づいた報道ではないと判断して、取り上げるまでもないと考えたさかい、それについてはあえて何も触れなんだわけや。


と回答した。

その根拠として、その回答の中で、


現在、分かっている事実を列挙する。

1.「妻の手紙」と称されるものは本人が書いたものとは確定されていない。そもそも、その記事を書くにあたり、小沢氏と夫人本人に直接取材をした事実がない。

そのため、今以て、夫人がその手紙を出したと認めたというコメントはどこにもない。

週刊誌も新聞も、それについては一切触れていないから、取材していないのは間違いないものと思われる。

その『手書きで記された11枚の便箋の写し』とやらだけが一人歩きしている。

普通、新聞で記事にする場合は当事者への取材は当たり前になっているはずやが、なぜか、これに関しては小沢事務所に取材しただけで書いている。

しかも、小沢事務所では、はっきりと「手紙は本人の字ではない」と否定しているわけだから、その手紙の内容が正しいとして報道するなら、その手紙が正しいものであるという証拠を示す必要があるが、それがない。

逆に、「手紙は本人の字ではない」とする証拠ならネットに公開されている。

▼小沢一郎夫人の直筆文字を公開する
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2012/06/post_6afb.html

これだけでも夫人の字ではないと分かりそうなものやが、もっと決定的に違うのは「夫人の署名」だとされている。

週刊誌では夫人の手紙の署名は「小澤」となっているが、本物の署名は常に「小沢」と書くという。その字体も本来の署名とはまったく違うと。

ワシは、この手紙自体、その内容から見て、夫人以外の第三者が書いた可能が高いものやないかと疑っている。

確かに小沢一郎の戸籍上の名前は「小澤一郎」になっているから、夫人も当然「小澤」と書くはずやという思い込み、憶測に基づいて書かれたものやないかと。

こんなことくらい、ご本人に確かめさえすれば絶対にしない間違いやが、如何せん取材していないがために、こんな初歩的なミスを冒してしまうのやと思う。

そして、このミスは致命的や。この一事で、その手紙は本人のものやないと証明しとるようなものやさかいな。

『妻の関係者は、筆跡が真正のものと証言している』と記事にはあるが、夫人の正規の署名すら知らない『妻の関係者』では、その存在自体疑われても仕方ないのやないかと思う。

本当にそんな人物がいるのかと。

もっとも、一部の新聞では『筆跡鑑定で夫人直筆と断定』したという記事が掲載されとるがな。

一見、その記事があると信憑性を増すかのようにと思えるが、『筆跡鑑定で夫人直筆と断定』というのが、警察の化学捜査、裁判所の鑑定でそれと認定されとるのならともかく、鑑定人次第では違う判断は無数にできるというから、それだけでは何とも言えん。

それに何より、そんな筆跡鑑定など持ち出さずとも、ご本人に「それは私が書いたものに間違いありません」と言わせれば終いやないのかと思う。

その類の記事がどこにもない。

なぜ、それができんのやろ? その答がすべてやという気がするがな。

2.『妻(67)が支援者に宛てた手紙の中で、小沢氏が「放射能が怖くて秘書と一緒に逃げ出しました」と指摘』とあるが、その事実はない。

夫人の手紙では小沢氏が3月25日に逃げたとあるが、その事実もない。

その日、小沢氏は都内の自宅、および国会周辺にいたことが大勢の人によって確認されている。

それに、小沢氏は当時、東京世田谷区に住んでいた。

『放射能が怖くて逃げた』というが、東京に住んでいる大半の人たちはそんな行動は取っていないし、当時、そんな発想すら湧かなかったやろうと思う。

東京にいた方が、まだ安心できると考えるのが普通や。それを『放射能が怖くて逃げた』とするには無理がありすぎる。

『内々の放射能の情報を得た』ために逃げたというのが事実であるとすれば、その『内々の放射能の情報』とやらは、よほど東京にいることが危険やという情報ということになる。

もし、そうなら、小沢氏と同じような行動を取った人間が他にも複数いなければ辻褄が合わない。

そういう情報を入手できる立場の人間、国会議員は他にも大勢いたと思われるからや。

その報道はどこにもない。

さらに実際には、小沢氏はその3日後の3月28日に岩手県盛岡市を訪れ、 県庁で達増拓也知事らと会談している。この事実は、当時、新聞各紙が報道しとる。

その新聞記事にも『小沢氏が初めて地元入りし、盛岡市の岩手県庁で達増拓也知事と会談したのは同28日だった』とあるさかい、間違いない。

そうであるなら、『夫人の手紙では小沢氏が3月25日に逃げたとある』というのは、事実とは大きく矛盾する。逃げた者が、その僅か3日後に被災地に行くはずがない。

事実は17日間、小沢氏が被災地に行ったという報道がなかったことや。

もっとも、その間、『小沢氏は側近議員の車を借りて、被災地を視察していますし、食事も洗濯も水道水を使っていたとのウラが取れました』という情報ならネット上にあるがな。

3月28日に盛岡市に行ったのが遅いのかどうか、となるとワシには何とも言えんし、その間の小沢氏の行動についての報道はないから確かなことは分からんが、少なくとも「逃げた」という事実がないことだけは確かやと言える。

その事実を知らん連中がネットの掲示板などで『被災地を小沢氏が初めて訪れたのは震災の10カ月後になって』と書き込み、それを鵜呑みにした者が、プログで広めるという愚を冒しとるから話はよけいややこしくなっとるようや。

ワシらには「書き込み」の裏も取らず、それを目にしただけですぐに文章にするという神経が信じられん。多くはコピペというから尚更や。

そんな程度のものは調べる気になりさえすれば、すぐに分かることやと思うのやがな。

3.『岩手や日本の為(ため)になる人間ではないとわかり離婚いたしました』とあるが、事実は数年前から不仲により小沢夫婦は別居中ということや。

今更、それを離婚理由にするのは違和感がありすぎる。

その別居中という理由については当人同士の問題でもあるから、どうでもええが、離婚すると言うのなら、普通は『数年前から不仲により別居中』を全面に出すもんや。そのための不平不満なら、その事情を曝露するものと思う。

もっとも、本当に夫の支援者にそんな手紙を書く夫人が存在しての話やがな。

その新聞の書き方やと、如何にもそれまで毎日一緒に生活を共にしていて、その一言で愛想をつかしたという風に受け取れる。

『数年前から不仲により別居中』という程度のことは小沢氏の関係者、後援会の人なら誰でも知っていることや。

ましてや小沢氏を叩くことに熱心な新聞社が、その事実を知らんわけがない。それにもかかわらず、その記事では小沢夫婦が不仲であるということには一切触れていない。

なぜか。それを書けば『一番苦しい時に見捨てて逃げ出した小沢を見て、岩手や日本の為(ため)になる人間ではないとわかり離婚いたしました』という言葉が説得力を失うからや。

それ以外には考えにくい。

百歩譲って、その手紙を夫人が書いたものやとしても、夫婦別居中の状況で『一番苦しい時に見捨てて逃げ出した小沢を見て、岩手や日本の為(ため)になる人間ではないとわかり離婚いたしました』と言える妻が存在するやろうかと思う。

普通の感覚の人間なら、別居中でありながら、それでも秘書に命じて『奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えて下さい』と夫人や家族を心配して気遣う夫を悪く思うはずはないと考えるがな。

それに、本当に『一番苦しい時に見捨てて逃げ出した』ということに嫌悪していたと言うのなら、小沢氏本人、もしくはそれを伝えに来た秘書に、「そんな事は考えずに国民のために踏ん張ってください」と、その意を伝えたと、その手紙に書くのが自然やろうと思う。

それを言っても無視された、受け入れて貰えなかったとした方が説得力を増すさかいな。

それがないということも、この手紙が創作されたものやと疑うに十分やと思う。

また記事には『離婚いたしました』と書かれているが、小沢氏は離婚届に判を押して夫人に渡しているのは事実のようや。

しかし、肝心のその離婚届は役所には、その手紙を書いたとされる時期にも提出されていない。未だにないという情報もある。これは役所で調べれば簡単に分かる事実やが、それすら確認していない。。

つまり、夫人はその気になりさえすれば何時でも離婚届を出せる状態にありながら、未だに、その離婚届を持ったままということになる。

『離婚いたしました』と書いた人間が、どうして役所に離婚届を提出していないのか。

それは手紙の内容が本人の意思とは違うという何よりの証やないやろうか。

この他にも週刊誌に書かれいることで事実とは違うことはいくらでもあるが、上記のことで、夫人の手紙の信憑性に大きな疑問があるというのが分かって頂けるやろうと思う。

そして、この夫人の手紙と称するものが、今になって曝露され、しかも消費税増税で反対するであろうと思われていた民主党の議員たちにタイミングよく配布されているのも事実や。

こういうのを昔から「怪文書」と呼んでいる。

消費税増税とは、まったく関係のない話で、小沢氏個人を貶める事でその意思を鈍らせる、削ごうというのは、あまりにも稚拙で前時代的な手法やと思うが、未だに、そんな戦法を採っている人間が存在していることに驚く。

いずれにせよ、小沢氏を貶め、消費税増税反対阻止に「夫人の手紙」とやらが利用されたのだけは間違いないと言える。それだけでも怪しいわな。

ワシらは、その事を調べていてすぐそれと分かった。

それ故、取り上げるまでもないと考え、メルマガでは、あえて何も触れなんだわけや。分かって貰えたやろうか。


と言うた。

週刊誌の確認もしていない情報に飛びついて書いた記事が公平な報道やと言うのなら、残念やが大手新聞、テレビメディアは救いがない。終わっていると言うしかない。

しかし、それらの報道により実際に小沢氏の力は大きく削がれて、今尚、記者クラブ制度が存続しとるわけやから、今のところ、小沢叩きは成功していると言える。

ただ、いつまでもそんな、いびつなやり方が通用するほど世の中は甘くないと思う。

小沢氏の二審高裁での無罪判決が出た直後、日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の会見が印象的やった。


メディアの責任重い=維新・橋下大阪市長

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201211/2012111200363&rel=j&g=soc より引用


 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は12日午前、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる東京高裁の控訴審判決で無罪となったことについて「推定無罪の中でああいう報道をやり続けたメディア(の責任)は重い」と述べ、報道機関を批判した。市役所で記者団の質問に答えた。

 橋下氏は「無罪になって(報道機関は)どう総括するのか。捜査機関側の一方的な発言をあれだけやったら、国民が有罪の心証を抱くのは間違いない」と語った。


橋下氏の言うとおり、今後の報道如何によって大手新聞、テレビメディアの存在意義そのものが問われるやろうと思う。

ネットではすでにかなり以前から小沢氏については好意的な意見が大半を占め、メディア批判の方が多いくらいやったが、一般にはまだ大手新聞、テレビメディアの影響力が強いから、そこまでには至っていない。

「政治とカネの問題」という何の具体性も根拠もない言葉に多くの国民が惑わされ、小沢氏には常にそれがつきまとうものと信じ込まされてきた。

しかし、今後、この判決から「この新聞メディアの報道は、ちょっとおかしいぞ。ひょっとして違うのやないか」と考える人も増えるのやないかと思う。

実際、ワシらのもとには、「ゲンさんのメルマガを見て小沢さんへの考え方が変わりました」と言うて来られる読者の方も多いしな。

今までの政治家の汚職疑惑事件では必ずと言って良いくらい当該の政治家が何らかの罪に問われているが、事、小沢氏に限って言えば只の一度もそれがない。

それほど大手新聞、テレビメディアに20年以上も狙われ叩かれ続けているのにもかかわらずにである。

ある意味、これは大手新聞、テレビメディアが小沢氏の潔癖姓を長年に渡り証明し続けた結果と言えんでもない。

ワシらも含めて普通の人間でも大手新聞やテレビメディアに本気で叩かれればホコリの一つや二つは出るもんや。人に言えんような事も多い。

それが小沢氏には見事にない。もし、そういうものがあるのなら教えて欲しいと思う。少なくとも「そら、あかんな」というものはワシらには見つけられんかったさかいな。

但し、大手新聞やテレビメディアに刷り込まれた「悪辣な政治家」「金に汚い政治家」というイメージは大きく、小沢氏の人気のなさは如何とも、し難いものがあるのは確かや。

結果として、大手新聞、テレビメディアの思惑は成功した形になっている。

しかし、そのために現在の情けない、危機的状況の日本があるとも言える。

大手新聞、テレビメディアのネガティブキャンペーンがなかったら、おそらく民主党が政権奪取した際、民主党の最初の総理大臣には小沢氏がなっていたやろうと思う。

小沢氏が総理大臣になっていれば、鳩山政権、菅政権、野田政権もなかったとワシは考えとる。

小沢氏であれば、国民が期待を寄せたマニフェストも官僚支配の打破も本気でやっていたのは間違いない。実際に幹事長という職であっても、その片鱗を見せていたさかいな。

20年以上にも渡る大手新聞、テレビメディアのネガティブキャンペーンに耐え、マニフェストになかった消費税増税に最後まで反対した信念の政治家や。

そうなっていれば、少なくとも今より数段マシな政治を行っていたはずや。違う世の中になっていたと確信する。

それはワシらの個人的な見解というより世界から見た目と言うた方がええやろうと思う。

カレル・ヴァン・フォルフレン氏しかり、マーティン・ファクラー氏しかりで、世界の高名な有識者たち、ジャーナリストの多くが小沢氏に対する大手新聞、テレビメディアのネガティブキャンペーンに異を唱え、小沢氏の失脚を憂いている。(注4.巻末参考ページ参照)

世界の目は圧倒的に小沢氏に好意的で、支持している人たちの方が圧倒的に多い。

おそらく、日本国内でこれだけ叩かれた政治家が、これほど外国から評価されている人物は日本の歴史上、過去にも存在しなかったやろうと思う。

しかし、小沢氏に活躍されたんでは官僚たちは困る。経団連も嫌がる。

それ故、記者クラブ存続のためにも官僚にへつらう必要があり、経団連に加入している大企業からの広告収入を得るためにも小沢氏を叩く必要があった。

ワシはそう見とる。

ここで、大手新聞、テレビメディアの方々に言いたい、歴史に汚名を残したくなければ今後、小沢氏へのネガティブキャンペーンは止めて、報道人として正しく報道して頂きたいと思う。

ワシら現場の最前線で新聞を売っている人間に、「どうですか、新聞はこれほどに素晴らしいものなのですよ」と胸を張って言わせて貰いたい。

ワシがいつも言うてることやけど、いつ如何なる時からでも修正や方向転換はできる。過ちに気づけば明日からでも直せばええことや。

今を生き残ることのみに汲々として、小沢氏へのネガティブ報道を繰り返している限り、新聞メディアには却って明日がないと断言する。

一般読者はそれほど愚かではないさかいな。見透かされて相手にされなくなる時が必ずくる。

それを避けるのは何も難しい事やない。

正しい報道、嘘のない報道、人に後ろ指を指されない報道を貫くという新聞メディア本来の姿に立ち帰れば済む話やと思う。

忘れかけている姿に。

本日、野田総理が解散を宣言して総選挙に突入することが決まるという報道がある。

今回の総選挙では、どこの政党、誰に投票すればええのか迷われる人も多いのやないかと思う。

自民党はこりごり。民主党にはがっかり。第三極は何がなんだか良く分からない。

そういう巷の声をよく耳にする。

次回のメルマガでは、そのことについて考えてみたいと思うとる。

ついては読者の方々にお願いやが、次期総選挙についてご意見、ご感想があれば寄せて頂きたいと思う。

政治を変える、動かすのは政治家やない。ワシら国民、一人一人や。その事を真剣に考えるのは、まさに選挙という場しかないさかいな。



参考ページ

注1.第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について

第118回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■民主党代表選挙報道のあり方について

第120回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■暴かれた「自白調書」のカラクリと検察への信用失墜について

第123回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■検察審査会制度の是非につい

第203回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞とは何か その1 報道の裏側に見え隠れするもの

注2.第209回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その6 新聞第3のタブー、記者クラブ問題について

注3.NO.1153 メルマガで小沢氏の妻の手紙について触れられていませんが、なぜですか?

注4.誰が小沢一郎を殺すのか? 日本の読者へ(カレル・ヴァン・ウォルフレン緊急インタビュー)

第230回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞とは何か その3 これで良いのか日本の新聞報道


白塚博士の有料メルマガ長編小説選集
月額 210円 登録当月無料 毎週土曜日発行 初回発行日 2012.12. 1

ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


ホームへ

メールマガジン『ゲンさんの新聞業界裏話』登録フォーム及びバックナンバー目次へ