メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第234回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日  2012.11.30


■原発維持に固執する電力会社の懲りない陰謀、再び


総選挙が行われるという、このタイミングで関西電力が値上げ申請に踏み切ったという報道があった。

最大の狙いが、脱原発論を抑えたいというところにあるのは明白やと思う。

その証拠に、高浜原発が再稼働しなければ、更なる値上げに踏み切ると脅しをかけとるわけやさかいな。

値上げが嫌なら原発の再稼働を容認しろと。

こういうのを「語るに落ちる」、「馬脚を顕す」と言う。

ワシは過去のメルマガで幾度となく、電力会社のトップ連中は程度が悪い、考える力が足らんと言い続けてきたが、これほどお粗末な思考しかできんとは正直思うてなかった。

予想を超えたアホとしか言いようがない。

当たり前やが、この時期にこのタイミングで、こんなアドバルーンをブチ上げたら国民の多くから反感を買うのは火を見るよりも明らかやさかいな。

そうなれば、よけいに選挙の流れは「脱原発」に向かうことになる。そんな単純なことも分からんのかと思う。自分の首を自分で絞めるだけやと。

もっとも、一般国民の「脱原発」への願い、思いは、日本原子力村の連中が考えているよりも、遙かに大きなうねりになっているのが、ここにきてやっと分かってきたのやろうと思う。

新聞テレビの世論調査では選挙の争点は「景気対策」についてが最も多いとのことやが、ネットでは圧倒的に「脱原発」問題が多い。次に多いのは「消費税増税」や。

選挙も今やネット抜きには考えられんようになったのか、昨日、11月29日にはインターネット動画サイト「ニコニコ動画」で党首討論会が行われた。

もっとも、党首討論会と言うても、政見放送に毛の生えた程度のものでしかなかったがな。

ここでも、「脱原発」や「消費税増税」に対する一般視聴者からの反応が多かった。

当然のように、各党首は、それに対応した耳障りのええ主張を繰り返していた。

原発を推進したい自民党の安倍総裁ですら、「安全神話の中にあったことは深刻に反省している。10年間でエネルギーのベストミックスを考えていきたい」と、暗に原発の依存度を下げるかのような発言までしていた。

今や選挙戦においては表立って原発推進とは言いにくい状況になっている。

そのことによる焦りも手伝って、関電は急いでこのタイミングで値上げ申請しようと考えたのかも知れんがな。

有力な政治家や官僚、および経済界のお墨付きを持ってしても危機感を感じるほどに。

自民党や民主党などの本来、原発を推進している政党ですら「原発推進」を掲げては選挙が戦えないということで、「将来的にはゼロもあり得る」とか「2030年代までゼロ」にするとトーンダウンしてきとるわけやさかいな。

自民党と連立政権を組むという公明党に至っては、はっきりと「脱原発」と謳っている。

まあ、それらの党が本気でそんなことを言うてるわけやないとは思うがな。また本気で言うてたとしても誰も信用せんやろうと思う。

連中が政権の座に就けば、今までと同じように何食わぬ顔で、原発を再稼働させ、推進していくのは目に見えとるさかいな。

いずれにしても関電、いや電力会社全体が、今回の選挙結果に危機感を抱いているのだけは間違いないと思う。

あるいは、総選挙後は、新聞やテレビメディアで盛んに言われているように自民党政権になるという淡い期待を抱いているのかも知れんがな。

実際の値上げまでには4ヶ月かかるということで、自民党政権を見越して、今の内に値上げ申請しておこうと。

関電につられるように九州電力が値上げ申請し、その他の電力会社も追随する構えを見せているのは、そのためやと。

ただ、そうすることで、肝心の自民党や公明党に票を入れる人が少なくなるとまでは考えが及んでいないようや。

原子力村の意向は良く分かっていても、最も重要なお客であるはずの一般国民のことなど何も考えていない、分かっていないのが、今回の件でより鮮明になったと言える。

国民には「文句を言わずに黙って電気代を払え」という意識しかないと。

ふざけるなと思う。

その腹立たしい記事を一応紹介しとく。


<関電値上げ>産業界に打撃 4社追随見通し

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121126-00000078-mai-bus_all より引用


 関西電力が26日、電気料金の値上げを申請した。九州電力も27日に申請、東北、北海道、四国各電力も追随する見通し。

 今後の焦点は値上げ申請の審査に移るが、電力5社の値上げの影響は産業界にとって甚大で、全国各地に生産や営業の拠点を持つ企業は、東電に続く大幅値上げになる見通し。

 海外勢との競争が激化するなか商品価格への転嫁もままならず、業績への影響は避けられない企業も多いと見られ、産業界は危機感を強めている。

 ◇審査は人件費が焦点…妥当性

 関西電力が平均11.88%の家庭向け電気料金値上げを申請したことを受け、政府は今後、値上げが妥当かどうかの審査に入る。

 関電は人件費の大幅カットなどを強調して理解を得たい考えだが、世論の反発は強いだけに、値上げ幅がどれだけ圧縮されるかが焦点となる。

 ただし関電の申請は現在停止中の高浜原発3、4号機が来年7月に再稼働することが前提で、安全性に関する原子力規制委員会の判断次第では、追加値上げの可能性も残っている。

「徹底した経営効率化を大前提としたうえで、(値上げを)申請した」。関電の八木誠社長は26日午後、資源エネルギー庁の高原一郎長官を訪問し、合理化に最大限取り組む姿勢を強調した。

 経済産業省は29日、有識者らによる専門家委員会を開催。27日に値上げ申請する九州電力と合わせて、原価に当たる人件費や燃料費などでさらに削減余地がないかを精査する。来年1月28日には利用者が意見を述べる公聴会も開かれる。

 このほか、内閣府の消費者委員会も専門調査会を開いて、消費者の立場から申請を検証する。最終的には経産相と消費者担当相が協議した上で、「物価問題に関する関係閣僚会議」を開催し、値上げ幅を判断。一連の審査の標準期間は4カ月程度とされる。

 審査で焦点となるのが人件費だ。9月に値上げを実施した東京電力は申請時の値上げ幅が平均10.28%だったが、人件費を中心に圧縮された結果、認可時には同8.46%になった。

 関電は、経産省の査定基準に基づき、今後3年間の正社員の平均年収を11年度比16%減の664万円と従業員1000人以上の大企業並みに抑えた。

 経産省は「東電は公的資金が投入されたため人件費をさらに削減した。他の電力会社とは別」と、おおむね妥当とする可能性が高いが、消費者庁などが強く反発すれば、さらなる削減を求められる可能性もある。

 また、値上げの原価には政府の「40年廃炉原則」に引っかかる美浜原発の資産を計上しており、今後議論になりそうだ。

 また、関電が値上げの前提とする高浜原発の再稼働は、規制委の判断基準が定まっておらず、大幅にずれ込む可能性がある。関電は、原発が全基稼働しない場合、「今回の申請の倍の値上げが必要」としている。

 ◇鉄鋼、自動車 コスト増、深刻…企業

 東京電力に続く、関西電力や九州電力など5電力の値上げは、東電の値上げや円高で価格競争力が低下し収益悪化に苦しんでいる企業に追い打ちをかけることになる。

 日本鉄鋼連盟の友野宏会長(新日鉄住金社長)は21日の定例記者会見で、関電など5電力の値上げは鉄鋼産業全体として900億〜1000億円のコスト増になるとの試算を公表し、「(鉄スクラップを原料に電気炉で鉄鋼を生産する)電炉メーカーにとっては廃業勧告だ」と訴えた。

 九州に生産をシフトしている自動車業界にも頭の痛い話で、ある大手幹部は「我々は簡単に価格転嫁できないが、電力会社の『お金が足りないから値上げします』という姿勢は民間企業とは思えない」と非難した。

 関西電力管内に主力拠点を置く企業への影響も大きい。パナソニックは、年間約500億円の電気代のうち関電管内での負担が6割を占める。

 単純計算では値上げで約60億円のコスト増。津賀一宏社長は26日、記者団に「簡単には消費電力を減らせず、工場の移転もできず(悪化した業績を)挽回できなくなる」と懸念を示した。

 シャープも関電管内で年間10億〜20億円程度のコスト増になると試算する。全事業所の照明をLED(発光ダイオード)に切り替えるなど節電対策を進めるが、町田勝彦相談役は「値上げの影響は当然ある。さらなる節電などコストを抑える努力をしないといけない」と語る。

 中小企業にとっても影響は深刻だ。大阪府大東市のばね製造会社「富士発条」は、年間の電気代が約400万円。今夏は電気炉の稼働を間引くなどの努力をしたが、山中善博社長は「2割値上げは非常に厳しい数字」と不安を隠せない。「わずかでも電気代を減らす自衛策を、何とか考えないと」と話した。

 大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭は「電力会社の経営が厳しいのは、国のエネルギー政策の混迷のせい。国も値上げをどれくらい抑制できるか考えてほしい」と注文を付けている。

 ◇使うほど上げ幅大きく…家庭

 関電は家庭向け電気料金の値上げを申請したが、値上げ額は使用量や契約内容によって異なる。一般家庭の9割近くが契約する「従量電灯A」の場合、値上げ幅は使用量に応じ6.01〜13.80%で、使用量が300キロワット時の標準的な家庭の場合、値上げ額は月599円(8.8%増)となる。

 従量電灯Aの場合、現行では最低料金(325.13円)に加え、電気の使用量が120キロワット時以下(第1段階)の場合は1キロワット時当たり19.38円▽120キロワット時を超えた部分は300キロワット時まで(第2段階)が同24.54円▽300キロワット時超(第3段階)は同25.88円となっており使用量に応じ単価が高くなる仕組みだ。

 今回は、最低料金が14.02円(4.3%)、第1段階で1.21円(6.2%)、第2段階で2.54円(10.3%)、第3段階で4.74円(18.3%)の値上げで、多く使うほど、値上げ幅が大きくなる。

 一方、オール電化住宅で多く利用されている料金プラン「はぴeタイム」は標準ケースで17.11%の値上げとなり、従量電灯Aより値上げ幅は大きくなった。


というものや。

電力会社は民間企業でありながら、赤字経営を黒字経営に変えようという努力が何もなされていない。その必要性などないと考えているに等しい。

赤字になれば、顧客にその分の負担させれば済むと考えとるわけやさかいな。

これは役人が、税収が落ち込めば増税して補えというのと何ら変わらん。まさに民間でありながらお役所仕事や。これは明らかに独占企業故の弊害やと思う。

いずれにしても、こんな横暴を指をくわえて見ているわけにはいかん。

産業界も本来なら、こんな理不尽な値上げに走る関電を真っ先に批判せなあかんはずやが、今のところ、どこの企業も表立った苦情を関電には言い立てていない。

むしろ、電気代が高くなるから原発を動かせと関電と同じ主張しているくらいや。脱原発になれば経済が衰退すると責任転嫁をして。

そんな戯れ言をワシら国民が信じるとでも考えとるのやろうか。

日本に原発がなくても電気が足りているのは実証済みや。

火力発電にしても高い石油を買わずとも安価な石炭や天然ガスで十分やっていけるというのも分かっている。あるいは、日本近海に無尽蔵に存在していると言われるメタンハイグレードを利用する手もある。

石油を石炭や天然ガスにシフトするだけで値上げするどころか、間違いなく値下げできるはずなんや。

さらに、電力を一刻も早く本格的に自由化して、多くの企業が参加できるようにすれば、それだけ雇用も増え、電気代も確実に下がり企業もコスト減になるさかい、その方がよほど経済が活性化すると思うのやがな。

サイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その13 原発に関するアンケート結果情報』(注1.巻末参考ページ参照)には、興味深い意見が多数寄せられている。

殆どが脱原発の意見やが、説得力のあるものが多いので、その中の幾つかを紹介する。


その24 city さん  一般読者

どんな理由をつけて原発を再稼働しようとしても、もう国民をだましきれないところまできています。

今後日本は原発を撤廃し、世界最先端の自然エネルギー国家になるべきです。

太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、潮の満ち引きを利用した発電、他にも開発できる分野がたくさん眠っています。

経済云々を言うのなら、そこにビジネスチャンスを見つければ良いのです。

原発からでる核廃物ゴミは、必ず日本だけでなく外国でも溢れてきます。遅かれ早かれ、原発という発電方法の見直しを迫られるは必至です。

自然エネルギーの技術は、これから必要とされる大きな市場でもあるのです。原発は、もう時代遅れと知るべきです。

日本の未来を考えたとき、世界最先端の自然エネルギー技術を持つという事は、国の大きな力になると思います。日本はそれができる国なのです。


その39 dokudoku さん  新聞販売店店長

都会の人間が電気に不自由しない裏には、原発立地地域の住民達を補助金漬けにして黙らせているということがあります。

それは丁度、新聞社が新聞販売店に押し紙を押しつける際に、補助金を出している構図と良く似ています。

私の勤める販売店は現在、経営難で潰れそうです。近いうちに潰れるでしょう。その大きな要因が、押し紙にあります。

福島の例を見てもわかるように、結局はその補助金を貰っていた地域の住民達が最も大きな被害を受けているのです。原発を迎い容れた結果が住む家を失うことになったのです。


その47 A.Fさん  一般読者

昨今の脱原発デモは、かつてのイデオロギー闘争のようなものではなく、一般市民が真剣に未来のために考えて行動しているということを為政者は理解してほしいと思います。

そういった人達の多くは放射線物質に怯えなくても良い社会を望んでいるにすぎないのだと。

脱原発運動など一時的なものだとタカを括っている民主党や自民党、公明党といった原発推進党には次回の選挙で、その国民の怒りを知ることになります。また、そうしなければ私達は、この日本で生きていけなくなります。


その66 H.Mさん  一般読者

元防衛省に勤務していた人が、「原発を持っているということは、いつでも核開発できる技術を持っているんだと、中国や北朝鮮にアピールすることで、国防上必要」と言っているのを聞きましたが、それが原発を持つ本当の意味なのですね。

また、ある経済界の人が「原発がなくなると、電力料金の値上げにより、企業はコスト増となり、海外移転、従業員のリストラが進み、失業率の増大を招く。福島原発の事故で人は一人も死んでいないが、節電により、熱中症で、人が大勢死ぬ可能性がある。なので、左翼勢力のくだらない言論に惑わされず、原発を再稼働するべきである」という暴言を吐いているのを聞きましたが、それも本音なのでしょう。

私は、そんなことを本気で考えている人たちが、この日本を動かしているのだと思うと薄ら寒いものを禁じ得ません。本当に恐ろしいことです。

私はそんな化け物みたいな人達に支配されたくありませんから、脱原発が成るまで戦い続けます。

ハカセやゲンさんも、おそらく同じ気持ちだと思いますので、今後もこういった話を続けて頂いて、少しでもその危険を多くの人に知らせてください。最終的に脱原発が成るよう頑張りましょう。


その71 Aさん  一般読者

「利潤 = レートベース × 報酬率(%)」というのが電力会社が電気代を設定する際の基本になる計算式らしいです。

この式のレートベースとは、電力会社の資産のことで、資産が多ければ多いほど、利潤も多くなるという仕組みになっています。

高額な建設費のかかった原子力発電所(建設中も含む)、都市部までの長距離送変電設備、膨大な核燃料の備蓄施設、ウラン濃縮工場、再処理工場などの原発関連施設が資産となり、さらには研究開発費などの特定投資もレートベースとして計上され、利潤を膨らませているのです。

これらの原発関連施設がなくなれば、レートベースの大半がなくなり計算上、電気代は大幅に安くなります。

実は電力会社は、そうなることが一番嫌なのです。だから是が非でも資産価値としての原発を残して維持したいのです。そこには国民への安定的な電力供給のためとか口で言うようなことは一切考えていません。大ウソです。

危険より何より自分たちの利益を守るためなら、彼等は何百万、何千万人の命を犠牲にしようが笑って見ているでしょう。事故が起きても誰も責任を取らなくても良いのですから。最早、そんな連中は人ですらありません。

相手が人であれば、まだ話せばわかるでしょうが、今や人智を超えた怪物集団となっている電気会社を葬るには国民が選挙で「脱原発」の意志を示すしかありません。


その86 S.Hさん

原発推進派は経済のことしか言わない。彼らの誰一人として放射性廃棄物を安全に処理できる方法を知らないし、提示できない。

また原発事故は一つのリスクくらいにしか考えていない。そのリスクのために国が滅ぶかも知れないのにだ。

国が滅んで人が住めなくなってしまえば経済もへったくれもないだろう。

そんな程度のこともわからない日本人がいることに悲しくなってくる。


その95 gungun さん  一般読者

技術系の仕事をしている者から言わせてもらえば、自然エネルギーからの発電はそれほど難しくないと考えます。

様々な方法の自然エネルギーを利用することが可能です。

土地がある場所では太陽光発電、太陽熱利用、温泉がある場所では地熱発電、波が比較的高い東北では波力発電、洋上風力発電、川のあるところでは小型水力発電、民間の建物においては地中熱利用ヒートポンプを使い、省エネを図り、断熱をさらに進めることでより高い効果が得られます。

少し考えただけでたくさんの未利用エネルギーがあります。これらを押し進めると経済効果も大きく、また世界にも大きく貢献できるはずです。


その96 T.Dさん  一般購読者

原子力発電所から海に流している処理水は海水温より平均7度ほど高く、年間約1千億トンも垂れ流し、温暖化の最大の要因になっている。

小さい事故でも放射性物質が漏れ、発電中には常時出ている水蒸気の中に放射性物質が混ざって放出されている。

原子力発電は火力発電に比べて熱効率が悪い。石油は巷で言われているほど早くは枯渇していない。量産すると原油価格が下がるから、枯渇を理由に掘らないだけである。

そもそも電力は足りているのだから、原発は効率が悪く環境を汚染する厄介なものなので、ゼロにしてほしい。


まだまだ、他にもいろいろな意見があるが、このくらいにしとく。

これらの意見に、原発を推進する連中が反論できるのやろうかと思う。主張している人たちは一般国民で取り立てて弁論の立つ特別な人たちではない。

一般国民でも、すでにこのレベルにあるわけや。

それに比べて、新聞テレビメディアの論調や原発推進論者たちの主張は明らかに劣っているとしか思えない。

未だに原発を稼働しなければ電力不足になる。あるいはコスト高になって電気代が上がると言い続けているわけや。何の根拠も示さずに。

それで一般国民を黙らせることができる、納得させることができると考えとるわけや。

アホとしか言いようがない。そこまで、ワシら一般国民を舐めるなと言いたい。

こんな酷い状況をどうすれば良いのか。答は見えている。電力会社に厳しい政権を樹立すれば良い。少なくとも政権が無視できないくらいの勢力を、それらの「脱原発」政党が獲得することや。

いくら自民党、公明党、民主党といった政党が公約やマニュフェストでいくら、それらしきことを言うても、それぞれ政権を担当しながら今まで何も手がつけられずにいたわけやから、今後も「脱原発」をしなければ電力改革をすることなどまずないやろうと思う。

また現存の官僚たちや日本原子力村の連中が、彼らにはそれをさせない。自民党、公明党、民主党の国会議員など、所詮操り人形程度にしか考えてないさかいな。

連中に政権が渡れば、このままなし崩しになってしまうのは目に見えとる。電気の値上げも平気で許可するはずや。気持ちだけ、その率を下げさせ、如何にも政権の対面を保ったという形にして。

そうなれば産業界の懸念どおり、日本の企業、特に中小企業は本当に立ちいかんようになり倒産やリストラが今とは比較にならんほど増加するものと思われる。

日本は本当の意味での低迷期に突入していくことになる。今までと同じように、じわじわと真綿で首を絞められるように。

単に原発を維持する目的だけで電気代が上がり、そうなるというのでは、あまりにもバカげている。

景気が低迷すれば、回り回って電力会社の収入も減っていくことになる。

電気代を上げれば本気で収益が上がるとでも考えとるのやとしたら、おめでたいを通り越して、ホンマもんのアホやとしか言いようがない。

当たり前やが、顧客である企業を殺して、国民には更なる節電を余儀なくさせるようなやり方で上手くいくはずがない。

消費税増税と一緒で、増税しても税収が増えず、経済は悪化の一途を辿る運命しかないわけや。

それなら、どこの政党ならええのかということになるが、先週までやと「脱原発」を推奨する少数政党が乱立して分かりにくい状態やったが、ここにきて少しすっきりしてきた。

嘉田由紀子滋賀県知事が結党を表明した「日本未来の党」が、それや。それに小沢一郎氏、河村たかし氏らが合流し、現有勢力では民主党、自民党に次ぐ第3位の政党になった。

嘉田由紀子滋賀県知事が推奨する持論の「卒原発」の旗印のもと「脱原発」、「消費税増税反対」という同じ政策、同じ主張の人たちが集まったと言える。

純粋に民主党、自民党などの既存政党に対抗できる勢力として。

残念ながら、「日本維新の党」の橋下氏は、「太陽の党」の石原慎太郎氏の風下についた時点で、既存政党との対立軸ではなくなった。ご本人たちは、未だにそのつもりのようやがな。

現在の「日本維新の党」は、既存の保守政党に近い政党が一つ増えたというだけのことやと思う。

あれほど「脱原発」論者やった橋下氏が、あっさりとその旗を降ろし、今や、「脱原発のグループが新しくできたが、彼らはいくら言っても実行できない」とまで言い切っている。

実行できるか、できんかは結果で判断することであって、その結果の出ていない時点で部外者があれこれ言うべきことやない。

それでは単なる罵倒、批判にしかならん。まあ、橋下氏もそのつもりで言うたのやろうがな。それでは、自民党や民主党の連中が言うてる事と何も変わらん。

ホンの数ヶ月前までの橋下氏なら、絶対にそんなことは言うてなかったはずや。毅然として「脱原発」の主張を続け、小気味良いまでの正論で以て、政府や既存政党を批判をする姿が彼の人気の源やった。

それが、石原氏の「大同団結」とやらの言葉に乗せらて、政策が違うにもかかわらず、選挙のために一緒になったことで、その人気にかげりが見え始めている。

ワシは、かつての「大阪維新の会」の「維新八策」には共鳴できる点も多く、このメルマガでも持ち上げるような論調をしたこともあるが、今の「日本維新の会」では、とてもそうする気にはなれない。

嘉田由紀子滋賀県知事が、橋下氏を評して「仲間を失った気分」と言われたが、ワシもそんな感じや。

もっとも、ワシが思い描いていた人物とは違っただけなのかも知れんがな。勝手に期待していただけのことで。

ついでに、橋下氏が「脱原発のグループが新しくできたが、彼らはいくら言っても実行できない」と言った後に続いた「それは実行した経験がないからだ。嘉田氏に国会議員や政治グループを束ねた経験はない」と言うたことに対しても言及しとく。

それはそっくり、そのまま橋下氏や石原氏に言えることやと。

橋下氏や石原氏こそ、国会議員や政治グループを束ねた経験などないと。あってもそれは小さな規模のものでしかないと。

橋下氏は嘉田氏と同じく地域の首長やから、それを批判すれば我が身に降りかかってくる。

頼みは、石原氏の国会議員としての経験ということになるが、石原氏自身、自民党に在籍していた頃は少数派閥に属していただけの経験しかない。結局それで自民党の総裁選に惨敗している。

それを国会議員や政治グループを束ねた経験があると声を大にして言えるのかということや。

束ねたと言えるのは率いたということやが、石原氏はその国会議員を途中で投げ出しとるわけやから、それを言う資格はないやろうと思う。

まあ、その間の事情はワシもご本人から直接聞かされていたので、個人的には同情の余地はあると思うとるが、それでも国会議員を任期半ばで投げ出した事実は変わらない。

これは自民党の安倍総裁にも言えることやが、責任ある職を放り出した人間に言えることなど何もない。

また一国民として、そんな人間に政治を任せるわけにはいかん。同じような状況に追い込まれれば、また同じように投げ出すのは目に見えとるさかいな。

さらに、橋下氏は決定的な間違いを冒している。

それは嘉田由紀子滋賀県知事が新党を結成しようとした背後には小沢氏がいるということや。

聞いた話によると、小沢氏は当初、「脱原発」論者やった頃の橋下氏と組みたいという意向を持って接していたようやが、橋下氏と石原氏が手を組みそうやと見るや、いち早く嘉田由紀子滋賀県知事の説得をするために水面下で動いたという。

事、「国会議員や政治グループを束ねた経験」という点で言えば、橋下氏や石原氏が小沢氏の足下にも及ばないというのは周知の事実である。格が違いすぎる。

そんなことも分からず、その場の雰囲気だけで橋下氏が、ああいった発言をしたというのは、裏を返せば、それだけ「日本未来の党」を恐れているという証しになると思う。

嘉田由紀子滋賀県知事のイメージの良さに加えて、女性議員の多い党である事、さらに小沢氏という政治面で日本トップクラスの実力者がついている点。それらは誰が考えても脅威に映るやろうからな。

また、そのことは既存の政党にも言える。

他の新党ができた際には、歯牙にもかけてなかったのに、小沢氏が関与していると知るや、自民党や民主党も過剰なまでに反応して橋下氏と同じように「日本未来の党」に対して激しく攻撃に転じて慌てふためいているさかいな。

今更ながら、小沢氏の存在の大きさに驚かされる。

ただ、小沢氏の方にも問題がないわけやない。

あらぬ疑いをかけられた裁判で完全無罪になったとはいえ、新聞テレビメディアに刷り込まれたイメージの悪さには如何とも、し難いものがある。それは小沢氏自身、良く承知しておられる。

ある意味、選挙は人気が左右すると言うても過言やない。それを風と呼ぶか、流れと呼ぶかの違いがあるだけでな。

小沢氏の「国民の生活が第一」には、新聞テレビメディアが揶揄する「小沢ガール」と呼ばれる女性議員が多かった。

そのままでは、おそらく新聞テレビメディアの予想どおり大きく議席を減らしていたかも知れないが、女性に人気の高い環境活動家でもあった嘉田由紀子滋賀県知事を党首に迎えることで、その女性議員たちが生き返る可能性が高くなった。

サイトへの意見もそうやったが、「脱原発」、「反消費税増税」の支持者も圧倒的に女性が多い。有権者のほぼ半数は女性やねんから、その存在を無視するわけにはいかない。

さらに言えば、今回の選挙は女性の関心が高いということも大きい。

しかも、小沢氏個人は「日本未来の党」には無役職で参加するという。表立った活動はしないと。小沢氏の言葉を借りれば「一兵卒」ということになる。

個人的には、そこまでする必要はないとは思うが、よくよく考えれば、これは小沢氏の大ファインプレーやないかと言える。

深謀遠慮のほどが良く分かる。

小沢氏自身は新聞テレビメディアでは酷評されているために、世間一般での人気は低いと見られがちやが、ネットでの人気は高い。

つまり、ネットでの小沢氏支持の人たちに加えて、多くの女性票を獲得しようとしているのだというのが見てとれる。

そのためには名を捨て身を捨てても良いと。他党の政治家すべてを見渡しても、これだけ実力がありながら、ここまで自己犠牲のできる人物は他にいないと思う。

凡庸な政治家の多くは、その役職、立場に拘るもんやさかいな。少なくとも、その姿勢は有権者には好印象を与えることができると思う。

新聞テレビメディアで散々批判され報道されているほど権力の権化ではないのでないかと。

加えて、小沢氏が参加することで、自民党、公明党、民主党、日本維新の会などが「日本未来の党」を一斉に批判するであろうことも予測していたと思われる。

それにより、公示日直前での結党の駆け込み政党という知名度のなさが一気に解消される可能性が高くなった。それも敵対勢力のアナウンスによって。

小沢氏は、現在も過去も誰かを名指しで批判したことがあまりないのやないかと思う。少なくともワシは、氏のそういった他者への批判を聞いたことがないさかいな。

他者の批判には反論せず、ただじっと堪え忍ぶ。そして、己の信念だけを貫いて政策を訴えている。そのようにワシには見える。

戦法的にも、それが一番賢いやり方やと思う。人を罵倒、批判して得られるものなど何もない。せいぜい、その人間の鬱憤晴らしができるくらいなものや。

自民党、公明党、民主党、日本維新の会を嫌っている有権者や、どこに入れようかと迷っている浮動票と呼ばれている有権者も多い。

「日本未来の党」は、その人たちの多くを取り込むことができるやろうと思う。

ワシが深謀遠慮と言う所以や。

それには、「日本未来の党」の結党の影響が、ワシらが想像する以上に大きかったと言えるからや。

橋下氏が「脱原発のグループが新しくできたが、彼らはいくら言っても実行できない」と言って脱原発を批判していた、その舌の根が乾き切らない翌日になって、日本維新の会は衆院選の選挙公約に「脱原発」の文言を復活させた。

代表の石原氏は、生粋の原発推進論者で、原発の技術を活かして「原爆の保持を検討すれば良い」とまで広言している人物である。

その石原氏と合流する際、橋下氏は「脱原発」の旗を降ろした。「安全のためのルール作りをする」と言うに止めていた。

それらの方針が、「日本未来の党」の出現によって一夜のうちに覆った。

橋下氏は、それまで関電のやり方には批判的で、脱原発の先導的なイメージが強くあった。

しかし、大飯原発の再稼働を容認した頃から、その姿勢が怪しくなっていく。

「大飯原発の再稼働は夏の一時だけだ。夏が終われば止めて貰う」と言っておきながら、その後、何も言わなくなった。

橋下氏は大阪市長なんやから、本来なら、今回の関電の値上げには噛みつかなあかん立場の人間やが、それもまったくしていない。これも以前の橋下氏とは大違いや。

そして、ついには「脱原発」を掲げる新党を批判するまでになった。

更に小沢氏が関わっていると見るや、石原氏、橋下氏は自身の主義主張を捨ててまで、選挙で遅れを取らないために「脱原発」を選挙公約に急遽、盛り込んだ。

「2030年代までに(原発は)フェードアウトする」と。

これなんかは、今更「脱原発」とは言えんかったので、ごまかすために古い言い回しを使うたのやろうがな。さすが作家の石原慎太郎氏らしい発想の表現やと思う。

ただ、あまりにも急ごしらえやったためか、ボキャブラリーには些か欠けるきらいはあるがな。

いきなり、こんな言い回しを聞かされても「何のこっちゃねん」と言う若い人も多いやろうと思う。表現が稚拙すぎる。

当たり前やが、言葉は人に通じなければ意味がない。意味の通じない、分かりにくい表現は、すべて稚拙やとハカセも言うとる。物書きが絶対にしてはいけないことだと。

ちなみに、「フェードアウト」というのは、映画、演劇、テレビなどで場面が少しずつ暗くなって最後に消えることを指す言葉や。

意味は、「脱原発」、「卒原発」と何ら変わるところがない。横文字を使って煙に巻くというのも古い人間の発想や。そうとしか思えん。

もっとも、そんな言葉を使ってまで、日本維新の会も「脱原発」には前向きに考えていますよということを改めて付け加えないと選挙を戦えないと考えたのかも知れんがな。

いくら小沢氏の存在が怖いからと言うても、ここまで節操のなさを見せつけられると、あきれるより笑えてくる。

個人的には石原氏や橋下氏が好きやっただけに本当に残念でならない。

それでも敢えて、ワシは日本国のため、そんな彼らの姿勢を糾弾させて頂く。あかんと思うことはあかんと言わせて貰う。

もっとも、ワシらが何を言わずとも天下にその醜態を晒した彼らを見限る有権者は今後増えていくやろうがな。

選挙のためだけに、「2030年代までに(原発は)フェードアウトする」と言うてるのはミエミエやさかいな。

それに、もともと石原氏は暴言癖、失言癖の多い人物やから、選挙戦の最中に、またぞろ、その顔が覗くのやないかという気がする。

橋下氏の「脱原発のグループが新しくできたが、彼らはいくら言っても実行できない」というのは明らかに失言や。

翌日撤回したとも受け取れる「脱原発」を公約に入れとるわけやから、天に唾したのと同じことになる。

早いうちに失言を認めて謝罪しとかな、有権者からそっぽを向かれるだけやなく、自身の発言を正当化しようとすればするほど、新たな失言を招く可能性が高いと言うとく。よけいなお世話かも知れんが。

二人に、今後そういった失言が続けば、もともと彼らの人気だけが頼りの日本維新の会にとっては致命的になるやろうと思う。

いずれにしても、電力会社の横暴を止めさせるには、自民党、公明党、民主党、日本維新の会などの言っている事が信用できない政党では無理やというのだけは、これではっきりしたと言える。

その意味でも、「日本未来の党」を中心とした「脱原発」政党には頑張って欲しいと、心から願う。安心、安全な未来のために。



参考ページ

注1.ゲンさんのお役立ち情報 その13 原発に関するアンケート結果情報


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