メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第248回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2012. 3. 8


■新聞勧誘方法のいろいろ 拡張員編その3


早いものでサイトやメルマガを始めてから、もうすぐ9年になる。

このシリーズは、業界関係者の方々から寄せられた声を集めたものや。

「新聞勧誘方法のいろいろ」と題して、現場の生の声とそれぞれの勧誘方法を紹介しようと考えたことが、その発端やった。

それには建設的な意見もあれば、投げやり的なものもあった。またワシらに対して批判的な論調や賛美する内容などいろいろや。

ただ、ワシらは、寄せられたそれらの意見に対して褒めることもしなければ批判するつもりもない。

解説も敢えてしない。ご感想は、読者の方々それぞれにお任せする。

そういう姿勢で、まずは『拡張員編』を過去2回掲載させて頂いた。(注1.巻末参考ページ参照)

案の定、読者からは「賛同できる」「納得できる」という意見もあれば、「その考えは間違っている」「おかしい」といった具合に賛否両論さまざまな反応が寄せられた。

その善し悪しにかかわらず、他人のやり方や考え方を知るというのは、それなりに意義のあることやと思う。

良い考えや方法には学べばええし、悪いと思えるものは反面教師にして貰えればええ。活かし方は人それぞれや。

一方通行と言えば一方通行やが、このシリーズはそういうものやと理解して頂きたい。

もちろん、疑問に感じられる点について質問という形で問い合わせて来られる方には、ワシらの考えや意見はお知らせするつもりやがな。

それでは、そろそろ始めさせて頂く。


新聞勧誘方法のいろいろ 拡張員編その3


【夢のある仕事に】

この仕事を天職と信じて頑張っています。それに相当な自分に対する褒美の意味を込めて最近、新車を買い求めました。

この地域で仕事をしている殆どの人はみすぼらしい生活スタイルですので、多分ひんしゅくを買うでしょうが、あえて、やりがいのある仕事だと、鼓舞激励する意味でもそのようにしました。


【殺し文句】

昔、春団子とかいう落語家が口を差し押さえてくれとか言ったそうですが、拡張も芸人のような世界ですので、殺し文句の言えない人には地獄が待っているだけでしょう。

本当に這い上がりたい人には、天に感謝するよい仕事です。


【人生一発勝負、出たとこ勝負】

リピート客もないわけでもありませんが、基本的には新期の客を開発する事をポリシーとしています。

そのため過去読の起こしでないという意味で強く主帳できるし、飛び込みに命をかけていますので、データなど全く必要としません。


【責任転嫁の人ばかり】

人と同じ拡材を用いても物が有り余っている昨今、ヨロコンでもらえる訳が無いでしょう。

創意工夫が必要なのに、昔からのやり方に固執して、あきらめの境地でいるのでしょうが、こちらでは、しょっぱい客だらけだと言って責任転嫁している人ばかりです。


【折り込みチラシが少ない理由】

折り込みチラシが少ないという人には、限られた資源を大切にして環境に配慮しているからだとでも言います。


【人の行く裏に道あり花の山】

朝お金をもたずに現場にいく以上、どうしても稼ぐのだという心もちにてっして活動します。

私がこの稼業をしていることを知っている人は義理で取ってくれるという人もいますが御断りします。やせ我慢かも知れませんが、矜持をもっている積りですので。

「人の行く裏に道あり花の山」という株の世界の格言があるとうり、あえて人気のない新聞を売って見せるという気概です。

現在、日本の商業紙の本質的欠陥も指摘されている渦中、そこで金銭を得ている自分としては腹をすえてよそからヘッドハンテングされるくらいに喋りの腕を磨いてどこへ行っても生涯現役で食べていけるようにしていたいものです。

泥水稼業なので、それに見合ったお金が稼げないのでは意味が無いと思います。


【フェイラーのハンカチとバラの花】

私たちがターゲットにしている人は多くの場合女性なので、女性がよろこぶフェイラーのハンカチを拡材に使っています。

そして訪問するとき3、400円程度で買えるバラの花を持っていきます。

まさか拡張員がバラの花なぞ持って来るとは思いもしないので、ドアミラーからのぞいているお客でも意外と抵抗なく開けてくれるものなのです。


【正攻法だけが正しい?】

正攻法だけが正しいという表現には異論があります。過去読のデータでは新勧は決してあがらないはずです。

引っ掛けという方法がわるいというならば魚を釣るときルアーというのがあります。

拡張員は知のバトルトークを毎日毎日現場で実践しているのです。そしてお客さまが勝ったときは一円にもならない厳しい仕事なので根性なしにはできないのです。

以前このページだとおもいますが特定少数に契約を取るということがあったかと記憶していますが、この世の中で絶対と言うことはないのではないでしょうか。

たとえだまされたとしても許容範囲だと認める人もいるのです。


【哀しき誤解】

だいぶ前のことですが、拡張と言った、とたんに警察を呼ばれたことがあります。極論するならば、、枯れススキをみただけで幽霊かと思う人もいるわけです。


【名言】

先日、そちらから頂いた色紙の言葉に「明日はまたちがう一日がある」とありましたが、本当に名言だと思っております。


【血と汗の結晶】

生きることは誰しも好むと好まざるにかかわらず、成果に対してお金を得ることです。勧誘報酬とはその血と汗の結晶なのです。

よく仕事をしている時、そんなに頭がよいのなら他の仕事をしたらどうかと言う方がおられますが、そういう人にかぎって契約はしてくれません。

人がどんな思いでこの仕事をしているかという忖度(そんたく)ができないわけです。


【ある経済専門紙の拡張】

拡張については人事異動情報を、どれだけ早く、つかむかが、一番みたいです。特殊な新聞で、景品もないため異動情報をつかむのが一番です


【くたばれ能なし販売店】

販売店の度重なるミスで信頼を失い二度と取らないと言われるお客さまにたいして、販売店に成り代わり土下座までして頂いた有難い契約が、またもや販売店によってつぶされました。

バカな配達員が隣の家に新聞を入れたことによる苦情を謝罪しないばかりか、「たった1日の不着で解約すると言うような客など要らない」といわれた時には、さすがに顔が引きつりました。

笑顔が消えていたと思います。


【値引きが一番】

昨今の新聞離れは新聞代の高さにも一因があると思います。もっと安ければ、防げるのでは。

このままでは売りにくい。客と交渉するとき、一番効果があるのが、値引きです。金券は使えないし、洗剤では弱いです。


【向上している拡張員の質】

最近では、強引な勧誘は販売店から厳重に注意されているので、拡張員も慎重に対応していると思います。

又、勧誘される側(お客)の意思を尊重し、営業することは当たり前であり、拡張員の質も以前に比べて向上していると思っております。

その他の悪質な金額の張る商品の勧誘こそ取締まるべきだと思うのですが?
         

【営業無しでは新聞は売れない】

飛び込み営業無しでは新聞は今の時代売れないと思います。本紙のM紙は今、ポスティングに担当が力をいれてるようです。

しかし結果はついてきていません。

千枚のチラシを撒いて1件電話あれば上出来です。営業無しでは新聞は売れないのです。


【因果応報】

金券廃止とは云いますが、未だに使用報告があります。

後々まで続く営業をするというふうに考えを切り替えなくては、いつまで経っても鼬(いたち)ごっこが続くだけではないでしょうか?

各新聞社、販売店が継続に力を注ぎ、固定に感謝しなければ、潰しあうだけで進歩がない様に思います。

競争意識も大事ですが、材料ぶつけて奪っても、必ずまた奪われます! 因果応報です。


【きっかけ】

勧誘されたことがきっかけで仕方なく購読を始めた人でも、読んでよかったと心から思うこともあると思います。

どんなに丁寧であっても何かを勧める行為自体は、される側にとっては押し付けであり、大きなお世話である事に変わりはありません。

そうであっても勧められる事により、自分の世界が少しでも広がる可能性があるとすれば、それで良いのではと思います。

勧誘行為がまったくなくなる事は良い事だとは、僕には思えません。
 

【素晴らしきかな拡張員】

俺はこの業界で色んなことを学べたし、色んな人間を見て、色んな体験をして、拡張員をやっていることを誇りに思ってます。

業界を知らない周りの人たちからは蔑んだり、白い目で見られたりするかもしれない。

「お前拡張員なんかやってたの?」

みたいに言われることもあります。

それでも俺は全く後悔なんてしてません。

だから、どうか今現在やってる方も、マイナス思考にならないで頑張ってもらいたいです。

ドブネズミみたいにドブ板の隙間から、光が少しのぞく程度の仕事かもしれない…でもきっと青空を目一杯拝める日が必ず来るから…


【神様は見捨てない】

前向きに行動していれば運が味方すると思いますね。

この業界には、未来に希望を持ち一時的だけという人、人生再出発の人、覚悟を決めて精進する人、いろんな思いの人がいます。

そんな人を神様が見捨てるはずはありません。


【人を見たらお客様と思え】

私の現在の拡張の営業方針は、ゲンさんの言われる「人を見たらお客様と思え」方式です。

これは誰に教えられたものでもなく、この仕事をはじめて2〜3日で「訪問100叩きでは時間のムダだなぁ」と感じての自然な成り行きでした。

場所には特にこだわりません。その日の拡張エリアであれば片っ端から通行人に声をかけます。


【子供好きな拡張員の営業極意】

私の風貌はゲンさんのような「誰にでも好感をもたれる風貌」ではありません。サーフィンをやっているため冬でも日に焼けていて、見た目はパッと見「胡散臭い」とよく、友人や兄弟からも言われます。

しかし、そんな私にも一つだけ大きな武器がありました。それは「子供好きな屈託のない笑顔」です。

自身に小さな子供がいるためか、最近ではその笑顔により自然と磨きがかかったように思います。

自分で言うのもなんですが、子供の通う幼稚園などでは、けっこう人気のパパになっています。

そこで拡張をしている同志のみなさまの少しでもご参考になればと思い、このたび投稿させて頂きました。

私の拡張の武器は「子供好きな屈託のない笑顔」と、先にも述べましたが、私は子供連れで歩いている、又は自転車などに乗っている「家族」によく声をかけます。

そして声をかける前に、まず親御さんがつれている“子供”に目をやり“微笑みを自然に作って”から親御さんに低姿勢で尚且つ満面の笑顔で声をかけます。身分は先にきちんと明かします。

その時の親御さんの「一瞬の表情」で、その後の言葉を選びます。チラッとでも嫌な顔をされたら、ゲンさんのアドバイスにもあるような「ユーモアとジョーク」でおどけてみせ、相手の警戒心を解くように努めます。

特に警戒している様子もないようなら、子供さんたちの年齢などを考慮しながら、今回の新聞契約によるサービスの話しを先にしてしまします。

サービスの内容は主に、遊園地や行楽地などの無料チケットです。割引券のようなセコイものではありません。遊園地なら通常4千円前後もするフリーパス券(株主優待券)です。


【子供好きな拡張員の営業極意パート2】

そしてここでの重要なポイントですが、親御さんに気に入られることも重要ですが、そのお子さんにも気に入られる努力をすることです。

親にばかり必死になって話かけていては、いっしょにいる子供さんが飽きてダダをこねてしまいます。

時折子供さんにも目を向け、「ここの遊園地のジェットコースターはすごいぞぉ〜」などと声をかけ、「お母さんやお父さんとみんなで行きたいよねぇ〜、楽しいぞぉ〜」と煽ったりもして、子供が「行きたい、行きたい〜」などと言ったら、ほぼ契約は取れたも同然です。

そこで間髪を入れずに、

「ご存知かと思いますが、(知らなくてもOK)通常はカタログや洗剤などのサービスしかできない決まりになっておりますが、今回はここでお会いになったのも何かのご縁ですので、特別にこちらのフリーパスチケットもご家族の人数分、ド〜ンとサービスさせて頂きます。

子供さんたちがカワイイんで、もう特別ですよお母さん。あっそれと、販売店には内緒にして下さいね。こんなにサービスしたことがバレたら、私のクビがボ〜ンって飛んじゃうかもしれませんので〜ははははっ」

みたいな感じで“もってけドロボー”を装い、満面の笑みで交渉成立です。


【子供好きな拡張員の営業極意パート3】

私は先に「子供好きで屈託のない笑顔」が武器と言いましたが、子供に対しては、特に長時間観察し、良いところを探さなくても、よほど子供嫌いな人でもない限りは、普通に和めますよね。

見ているだけで癒される場合も多々あります。他人の子でも、素直に「カワイイ」と感じることができます。

私は仕事(営業)や人と接する場合、これを大人にも応用します。その大人の人を見て、その人の子供時代を想像するんです。

「この人は小学校や幼稚園のころはどんな感じだったのかなぁ」などと、観察しながら想像していると、不思議とその人のことが可愛くなり、好きになっていくんです。

ちょっとコワもての人でも、「子供の頃からやんちゃでいつも仕切っていたのかなぁ」とか、「いや、けっこう泣き虫でイジメられてたかもしれないなぁ」などと、勝手に想像するんですけど。

まぁいきなり、「好きに」まではなれなくても、少なくても友好な関係はそれで築け始められると思います。

で、結局私が何が言いたいのかというと、そういった気持ちを常に持って穏やかに人と接していれば、自然と自分もやさしい人間になれるということです。


【拡材の工夫】

私の団では割引券のようなセコイものしか扱っていないので、私はヤフオクなどで1枚500円ほどで独自に拡材を仕入れます。

これを6ヶ月の契約でご家族の人数分(4人なら4枚=時価1万6千円相当)をドーンとあげちゃいます。

うちの団では6ヶ月なら1万円の取りなので、2千円の元手で差し引き8千円の利益になります。

販売店によっては店の拡材を使わなければ「千円キャッシュバック」のようなところもあるので、その場合は9千円の利益になります。

契約する側(お客さん)も、6ヶ月の新聞代(約2万2千円)で、1万6千円相当のサービスが受けられると思えば、けっして損な取り引きではないと思ってくれますので、物取りのお客さんでも意外と契約をしてくれます。

それでも煮え切らない場合は、無料拡材のカタログや洗剤、タオル等をプラスします。だいたいはこれでOKです。


【ポジティブに考えて楽しく】

拡張員の中には団での成績を非常に気にしすぎ、胃潰瘍になられた方もおります。

人によっては、この仕事は心身共に追い詰められ、非常につらい仕事になる場合も多々あります。なので、何事も前向きにポジティブに考えて楽しくやっていこうではありませんか。


【サイトに感謝】

このサイトをよいしょしても私には何のメリットもありませんが、言わせて頂きたい。

私はこのゲンさんという人にほとほと感心致しました。

常識もあり、かつ頭もよく、また、何のメリットもないのに人様のために忙しい合間を縫い、このようなサイトを運営していらっしゃいます。

とても素晴らしい人格者だと私は思います。

このサイトをお読みになった皆さま方が、ゲンさんの経験と見識の溢れる文章の中から何かをつかみ自分の糧とし、今後のより良い人生を歩まれることを願ってやみません。

色々な意味でもつぶしのきく本当にお役に立つサイトです。私からも改めてお礼を言わせて頂きます。本当にありがとうございました。


【人を好きになること】

私の営業の基本は「人を好きになること」から入ります。

これは営業に限ったことではありませんが、初めて会った人に常に興味を持って接し、どこか良いところはないかと観察してみると、面白いことにどんな人でも、一つや二つは絶対に良いところが見つかります。

それは多分に感覚的なものではありますが、しかし、絶対にあるんです。

世の中には悪い人なんていない。みなそれぞれ、その時の事情や立場や環境で、一時的に悪くなっているだけで、根はみんな良い人なんだ、ということを前提に人と接することです。

それができれば、たとえ拡張の仕事でお客様に、「いらないよ!」「けっこうです!」などと門前払いされたとしても、「そうですよね、お忙しいところ大変失礼致しましたー、又の機会がありましたらよろしくお願いいまーす」と、明るく元気に言葉を返すことができます。

その後の仕事も明るく元気に笑顔で人(お客様)と接することができ、ゲンさんも言う「自分を売り込め」につながっていきますよね。

で、そのほうが絶対に自身の「精神的にも良い」ことは言うまでもありませんよね。

そしてそうすることで、どんなに外見が胡散臭く見られる人でも、明るく爽やかに楽しく営業ができ、その結果、カードが挙げられることに、つながっていくのではないかと思います。


今回はここまで。この続きは、またいずれするつもりや。

改めてこんなことが言いたい。こんな方法もあるというのがあれば歓迎するので是非、メールで寄せて頂ければと思う。

このシリーズで取り上げさせて頂くので。



参考ページ

注1.第206回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞勧誘方法のいろいろ 拡張員編 その1

第208回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞勧誘方法のいろいろ 拡張員編 その2


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