メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第26回 ゲンさんの新聞業界裏話     

発行日  2008.12. 5


■新聞業界用語 その4 新聞販売関連編


どうも、このシリーズは読者の間で賛否両論、好き嫌いがはっきりしとるようや。

「とても勉強になりました」というメールを送って頂く方がおられる反面、「面白くない」という方もおられる。

確かに「面白くない」と指摘されれば、そのとおりやろうと思う。

常のメルマガを楽しみにしておられた人からすれば期待はずれかも知れん。

特に、それに携わっておられる業界関係者にとっては、その道の業界用語というのはある意味、常識ですらあるしな。

それを羅列され、その説明を淡々とされたんでは拍子抜けやというのも良く分かる。

その一つ一つの業界用語に、面白いコメントや話をくっつけようと思えばできんこともないが、それをすると延々と続いてしまい、いつ終わるか分からんようになる。

ワシらが、これを始めようと考えたのは資料として残せて利用して貰えたらええというだけのことで、これで盛り上げようと思うてのことやないさかいな。

そのあたりのところを理解して見て頂ければと思う。

今回は、新聞販売の現場、主に新聞販売店、新聞拡張団で使われとるものが多いから、その意味で言えば、その関係者の読者が多い分、今回が一番面白味に欠けるかも知れへんという気がする。

今回に限り便宜的に「新聞販売店」、「新聞拡張団」に別けて掲載したいと思う。


新聞業界用語 新聞販売関連「新聞販売店」編(掲載順不同)


【新聞販売店】シンブン ハンバイテン

新聞販売所とも言う。俗称では「新聞屋」と呼ばれることもある。

各世帯、個人、企業、組織、団体などと直接新聞の宅配契約を結び、宅配、集金をする店舗のこと。

新聞社とは別企業で、新聞社との業務委託契約によって販売および配達事業を行う。

ただ、未だに新聞社と新聞販売店は同じ企業体、組織と勘違いされておられる一般の方が多いようやがな。

個人商店から株式会社までその規模、形態は様々にある。現在、全国で約2万店舗ほどあるとされている。


【専売店】センバイテン

専属販売店の略。

特定の新聞社とのみ販売、配達の契約(業務委託契約)を交わしている新聞販売店のこと。「アンカー」などと言われることもある。

日本で一番多い新聞販売店の形態がこれ。新聞社に対して比較的弱い立場の店が多いのが特徴や。


【合配店】ゴウバイテン

その地域で発行される、ほぼすべての新聞を扱っている新聞販売店。

通常、その営業範囲内には専属販売店は存在せず、独占的に新聞の販売と配達をしている。

専属販売店と比べると新聞社に対しては強気の所が多い。新聞社の方も「売ってください、配達してください」という姿勢で腰の低い対応になりがちや。

この販売店のある地域では勧誘についてのトラブルは起きにくいが、サービス面では専属販売店に比べるとかなり落ちるか、ほとんどないため不満に思う人も多く、その苦情がサイトに寄せられることも多い。


参考ページ
NO.54  夕刊についての質問
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-54.html

NO.328 他に新聞を取る営業所が無い為、困っています
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-328.html

NO.400 新聞販売店が1箇所しかないのですが
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-400.html

第138回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■正義なき暗闘 Part1 ある合配店でのケース
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-138.html


【複合店】フクゴウテン

2紙以上の新聞を扱っている新聞販売店のこと。

こちらは、合配店とは違い、営業エリア内に競合する他紙の販売店があるため、勧誘面での競争もあり、サービスもある所が多い。

そのためか、この複合店に関しては特にサイトへの不満や相談は今のところない。


【委託】イタク

自前の専属販売店が少ないか、有していないため他紙販売店にその販売、配達の委託をすること。

主な委託新聞社として、全国紙では日本経済新聞社、地方紙では上毛新聞などがある。これらは、他の全国紙、地方紙などにその業務を委託している。

また、業界紙、機関紙の大半が委託新聞社でもある。


【返上】ヘンジョウ

委託業務を返上すること。

合配店、複合店などに業務委託していた新聞社が専属販売店を出店する際に、その返上依頼をするケースに使われる。

新聞社ではこれを、販売権の返上依頼という。

それがあれば、合配店は配達依頼されとるだけやから、法律的にも、それを拒否することはできんさかいな。ほぼ、強制的なものとなる。


参考ページ
第138回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■正義なき暗闘 Part1 ある合配店でのケース
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-138.html



【専業】センギョウ

新聞販売店の従業員のこと。

通常、配達、勧誘、集金の三業務を行う。

長時間労働、収入面、危険などの理由により離職率の多い業種の一つとされている。

新聞販売店の多くが、これの慢性的な人手不足に喘いでいるのが現状や。


【バイト】

アルバイト配達員の略。通常、配達だけの人間をこう呼ぶ。パートと言う場合もある。

新聞販売店の従事者で一番多いのが、これや。新聞販売店の配達の多くはアルバイトに支えられとると言うても過言やないと思う。


【新聞奨学生】シンブン ショウガクセイ

新聞各社による奨学金制度利用して、大学、もしくは予備校などに通いながら、主に新聞の配達業務を行う学生のこと。

過酷な労働環境にある場合も珍しくなく、そのため、新聞奨学生の中には、販売店に勤めることを入所、辞めることを出所と言って揶揄(やゆ)することもあるという。檻のない監獄という意味でな。


参考ページ
新聞勧誘・拡張ショート・ショート・短編集 第5話 新聞奨学生マタやんの憂鬱
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage8-5.html


【専拡】センカク

専属拡張員の略。

新聞販売店が独自に雇う専属の営業員と、拡張団から派遣される拡張員の2種類がある。

基本的に勧誘営業以外の業務はしない。


参考ページ
第79回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■専拡エレジー 前編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-79.html

第80回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■専拡エレジー 後編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-80.html


【請負】ウケオイ 

広大な配達範囲を有している販売店が、その区域内の一部の配達を請負配達人に任せること。

その販売店の支店的要素が強く、その請負人が独自にその地域でアルバイト配達人を雇うこともある。


参考ページ
第156回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■悩める人々 Part4 請負配達人の憂鬱
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-156.html


【代配】ダイハイ

休み、もしくは急遽休んだ配達員に代わってその配達の代わりをすること。

通常は、店長、主任クラスが行うことが多いようやが、販売店によれば専門の代配人を雇うことがある。

ごく希に、配達経験のある拡張員が駆り出されることがある。ワシがそうやったさかいな。


【臨配】リンパイ

臨時配達員の略。代配とすることはほぼ同じやが、こちらはその専門職種として業界内では、ほぼ確立されとるものや。

通常、その専門会社に臨配登録というのをして、そこから各販売店に派遣されるケースが多い。

今風に言えば、派遣社員ということになる。但し、こちらは総じて高給やというのがある。

もっとも、一般の専業とは違い、その販売店の社員待遇やないから社会保障面については怪しいし、いつ切られるか(解雇)分からん不安定な立場でもあるがな。


参考ページ
NO.181 代配手当ての相場を教えて下さい
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-181.html

NO.517 臨配登録したいと思うんですが
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-517.html


【指示書】シジショ

配達指示書とも言う。

一般的な販売店では、その日、配達人が配達する新聞の上に、この配達指示書を置く。誤配や止め、再入れなどの間違いを防ぐためのもの。


【不配】フハイ

新聞を配り忘れること。不着、欠配とも言う。

希に「抜き取り」と言うて、他紙販売店関係者や散歩中の人間が新聞を抜き去るケースもある。

たいていは、配達人のミスによる場合が多い。


【未着】ミチャク

これは、不配とは違い、顧客の指定時間までに届けられない場合にこう呼ぶ。


【誤配】ゴハイ

顧客の契約した新聞とは違う新聞を配達、もしくは家を間違えて配達すること。


【遅配】チハイ

何らかの事情により配達開始時間に遅れて配達すること。新聞社のやむを得ない都合もあるが、配達人の寝過ごしによるケースが多い。

要するに遅刻というやつやな。

配達中のトラブルなどで、遅れる場合もそうなる。通常、午前6時30分以降の配達は遅配扱いされることが多いという。


【止めもれ】トメモレ

契約切れや顧客からの休止依頼を知りながら、常の慣れで、うっかり新聞を配達してしまうこと。


【再入れ】サイイレ

顧客からの休止依頼の期間が終わった際、再度配達を開始すること。

これを忘れる、あるいは間違えると「再もれ」ということになる。


【証券】ショウケン

二枚綴りになっていて一枚が店に提出する控え、もう一枚が客に渡す領収証になる。

集金時、集金人はこれを持って集金する。


【切り取り】キリトリ

新聞講読料の集金は期日が決まっていて、それまでに回収出来なかった分を集金人が給料で一時立て替えするシステムのこと。

給料精算の時に店側の控えを切り放し客への証券(領収証)を貰うために「切り取り」と言う。

これは販売店の違法行為で最近はなくなってきとるという話やが、未だに続けとる所もあるようや。


参考ページ
NO.145新聞購読料金の切り取り行為は違法なのでしょうか?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-145.html


【拡材】カクザイ

契約時のサービス品のこと。その種類は地域や販売店、個人により雑多にある。


参考ページ
NO.15 サービスの景品について教えて下さい
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-15.html


【B券】ビーケン

景品サービスで客に渡すビール券のこと。

全国的に拡材としては、洗剤と並んで最も多いとされているもの。


【捨て材】ステザイ

契約時とは関係なく渡すサービス品のこと。集金時に渡すケースが多い。

新聞社の社名入りゴミ袋、映画、遊園地の割引券など。


【引き継ぎ】ヒキツギ

主に拡張員の取ってきた契約を買うこと。引き継ぎがされると販売店と拡張団との間でカードの売買が成立して、その代金が支払われる。


【監査】カンサ

勧誘員の持ってきた契約を調べること。多くは電話で契約者に確認する。

但し表向きは「本日は、ご契約を頂き、まことにありがとうございました」という具合に礼を言うためという形にしとるがな。

その際、契約内容の確認をするというのが、この監査の主なものや。希に販売店の従業員が直接、客に確認に行く場合もある。

特に、拡張員の持ってきた契約は、多くの販売店ではあまり信用してないから調べることが多い。


【折り込み】オリコミ

折り込みチラシのこと。


【アタマ】

折り込みチラシを束ねるための小さめのチラシ。帯(オビ)とも言う。

チラシ折り込み機で作る際、重要なもの。厚からず薄からずがベターとされている。


【順路帳】ジュンロチョウ

「テキ」と呼ばれる特殊な記号により配達順路が記載されているもの。

通常、細長い板紙条になっていて紐で結ばれている。

新聞販売店の従業員、配達員にとって覚えるのは必修とされている。これが分からんと配達そのものができんと言われるくらいのものや。

起点となる最初の家が分かれば、配達員なら誰でもこれを見て配達することができるようになっている。

ちなみに、代配、臨配などもこれがあるからこそ可能な職種やと言える。


【空き家チェック】アキヤ チェック

新聞販売店の従業員が配達区域内や営業範囲内の空き家を調べること。これを専業に義務づけとる販売店は多い。

例えばこれを3日に1度していて、その空き家を3日前調べたときは無人で、3日後に調べた際に入居していたというのが分かれば、その間に引っ越ししてきた客ということになる。

この業界は、その引っ越し客が最も勧誘できる確率が高いから、それを他者に先駆けて知るということは営業成績を上げる上では重要と考えられている。


【置き紙】オキガミ

「中継」「転送」とも言う。

何らかの理由で、その地域の配達を依頼しとる配達員が、販売店まで来られないために、販売店の人間が指定の場所まで運ぶ新聞のこと。

徒歩でその地域一帯を配達する配達員のために、こういう方法が採られるケースが多い。

大規模集合住宅の団地やマンション群などでは、ありがちなことで、そこの住人に配達員となってもらい、その配達を任せるために新聞を置いておくケースがある。

また、毎年元日の朝刊の配達は、異常に折り込みチラシの量が多く、一度に配達できないため、その配達員の配達コースに数十部ずつ新聞を包んで置くこともそう呼ばれている。


参考ページ
NO.389 こんな配り方ってアリですか?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-389.html


【早紙】ハヤガミ

早入れとも言う。朝の早い時間の配達を希望する顧客へ配る新聞のこと。


【平場】ヒラバ

一戸建ての多い住宅街などを指す言葉。

部数が少ない割に時間のかかる配達地域で、配達人には不評とのことや。それが坂の途中にでもあれば最悪やという。


【改廃】カイハイ

専属販売店が新聞社から業務委託契約の打ち切りを通告されること。新聞を仕入れることができんから、実質的な廃業を意味する。

これがあるために、新聞社の力は強く、専属販売店は弱い立場に立たされているわけや。

また、自らの意志で廃業する場合にも、この業界では改廃と呼ぶことが多い。


【増紙】ゾウシ

実売部数を増やすこと。勧誘や申し込みにより増えた部数から契約切れにより減った部数を差し引いた残りが増紙となる。

参考ページ
第162回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■増紙コストについて
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-162.html


【減紙】ゲンシ

増紙の反対で実売部数が減ること。業界では、あり得ない、あってはならない言葉ということになっている。特に新聞社がこの言葉を嫌う。


【手板】テイタ

配達部数管理表のこと。毎日の配達部数の変動を記入しているもの。


【押し紙】オシガミ

新聞社が新聞販売店に強制的に買い取らせる新聞のこと。

新聞社、新聞販売店次第でその程度は違うが、全国的にその存在が認められている。多い販売店では40〜50%もあるという話や。

現在、それに耐えかねて新聞社を相手取って裁判、もしくは準備中の販売店も多い。

これには、新聞社が部数の水増しをすることで、新聞紙面の広告費を稼ぐためという見方が圧倒的に多い。

但し、新聞社はその事実を一切認めていない。また、その押しつける際にも、その証拠となる書類はなく、そのすべてが口頭で伝えられているという。


参考ページ
第158回 新聞拡張員ゲンさんの裏話  ■押し紙裁判の波紋
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-158.html


【積み紙】ツミガミ

これは押し紙とは逆に、販売店自ら積極的に部数をごまかすために虚偽の客を仕立て余分に新聞を買うこと。

新聞販売店は、その部数の多さで評価されることが多く、新聞社から認められたいということでそうする。

また、成績不良による改廃逃れのためにするケースもある。


【万紙】マンガミ

1万部以上の部数のこと。それを扱う販売店を「万紙店」という。

業界では、その部数が大型店と認知されるラインということになり、新聞社からの特典も多く、また大事にされ、販売店自身のステータスにもなる。

そのため、それに届きそうな販売店は無理して部数を伸ばそうとする。それが大量の積み紙につながるケースが多い。


【背負い紙】ショイガミ

新聞販売店からその従業員が自主的、強制的に新聞を買い取らされること。

勧誘のノルマを逃れるために従業員自らがする場合もあれば、ペナルティ目的で販売店からそうするよう押しつけられることもある。

新聞社と専属販売店との間にある、押し紙、積み紙の関係が、販売店とその従業員との間にもあるということや。

もっとも、こういうケースは最近では激減しとると言うが、皆無になったというわけやない。


参考ページ
第165回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■背負(しょ)い紙……その哀しき実態
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-165.html


【定数日】テイスウビ

締め日のこと。これには月定数日、年定数日というのがあり、それぞれ月毎、年毎の部数を新聞本社に報告する日を、そう呼ぶ。月初めに設定されいるケースが多い。


【回収率】カイシュウリツ

新聞販売店が計算する契約件数の増減率のこと。分母をその月の解約、止め数とし、分子をその月の契約数とする。それに100をかけるとその回収率が出る。


【SH】スーパーヘルプの略

ある特定の販売店の部数を増やす目的で、近隣の同系販売店から専業が5人〜15人程度集められ拡張すること。特拡の一種。


【SAT】スペシャル、アタック、チームもしくはスーパー、アタック、チームの略

販売店の役職者クラス(店長や主任だけ)および専業のエリートがここに登録される。

本社の意向を聞かない改廃店の引き継ぎ業務を主な役目とする組織。

参考ページ
NO.698 なぜこのような複雑な営業体制が存続しているのですか
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage10-698.html


新聞業界用語 新聞販売関連「新聞拡張団」編(掲載順不同)


【新聞拡張団】シンブン カクチョウダン

特定の新聞社から営業委託された新聞専門の営業会社のこと。

業界では、現在、セールスチームと呼ばなあかんとされている。これは、ほぼ5年ほど前くらいからや。

しかし、一般では、拡張団、団と呼ばれることの方が未だに多い。当然、認知度としてはその方が上や。古くは拡販団という言い方もあった。

多くは、独立した企業体で、現在は株式会社、有限会社というのが圧倒的に多い。

もっとも、一部にはP.Sと呼ばれる新聞社の資本の入った団もあるが、これも表面上は協力店であり別企業体とされている。

それら大小合わせて全国に約1000社程度存在するとされとるが、その実数、実態は闇に包まれとる部分が多い。


【PS団】ピーエスダン

新聞社の資本が入った子会社的な拡張団のこと。比較的大組織が多い。

ここの従業員のことを、プロモーション・スタッフ(PS)と言う。メイトと呼ぶ所もある。


【拡張員】カクチョウイン

拡張団所属の営業員のこと。

業界での正式な呼び名は、セールススタッフということになっている。

セールス、団員、カクさん、張員、拡販員など地域により多くの呼び名が存在する。一般的な認知度しては、拡張員が一番高い。

その就業形態には、拡張団の社員と請負業者の2種類がある。社員の場合は固定給+歩合、拡張団と請負契約業者扱いの場合は歩合給のみになる。

そのシステムや給料体系は拡張団毎に違う。


参考ページ

拡張員とは
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage2.html


【一匹オオカミ】イッピキ オオカミ

どこにも所属していないフリーの営業員。単独のケースが大半やが、数人のグルーブを組む場合もある。

業界内の評判は悪く、悪辣な人間も多い。組織に縛られていないから法律も平気で破る。

業界では認められていないが、販売店の中には契約ほしさのため独自にその一匹オオカミから契約を買い取ることがある。


【幽霊】ユウレイ

偽名の拡張員のこと。

昔は多かったが、現在、登録制になったことで激減しとる。もっとも、まったくおらんとは限らんようやがな。

ある拡張団では、団自ら幽霊拡張員をでっち上げて、報奨金や補助金を不正に受け取っている話がサイトにも伝わってきとるさかいな。


【団則】ダンソク

各拡張団の決まり事のこと。

拡張団の法律で、拡張員は実際の法律より、こちらの方を重視する傾向にある。


【御法度】ゴハット

各拡張団が掲げる禁止行為のこと。一般的に不正と言われる行為と拡張団に損害を与える行為がそう呼ばれる。

たいていは朝礼時に唱和する団則に、それが記載されとる。


【朝礼】チョウレイ

一般的に拡張団は仕事の開始が遅く、午前11時くらいから正午までにその朝礼が行われることが多い。


【定期】テイキ

前借りのこと。通常、前日の契約分の半額を前借り伝票に書き込むとその日団から貸し付けられる。

もっとも、拡張員には正当な報奨金の半額分を受け取るという感覚で、前借りという意識は少ないがな。


【ヨーロッパ】

この業界で最も多い報酬体系のこと。

3ヶ月契約で4000円、6ヶ月契約6000円、1年契約で8000円が、この業界で一般的な報酬額とされてきた。

4000円の4、6000円の6、8000円の8を捩(もじ)って、4(ヨー)6(ロッ)8(パ)と呼ぶようになった。

但し、業界での給料体系には様々なものがあり、その報酬額は地域や拡張団により異なることが多い。


【プレミヤ】

拡張報酬以外に上乗せされる報酬のこと。

通常、上げた契約数に比例することが多い。


【まとめ】

まとめ料とも言う。

販売店と拡張団との間で、1ヶ月の契約数が取り決められ、それをクリアすると、1本の契約につき、数百円から千円程度、上乗せされる。

その場合、そこで上げた全拡張員にそれが配当される。


【引き継ぎ】ヒキツギ

新聞販売店と拡張団との間で、その日、拡張員が取ってきた契約の売買をすること。

通常、これには販売店側の「監査」という調べがあり、それで認められた契約が引き継ぎということになる。

引き継ぎが成立すれば、その場で金銭の授受がある場合もあれば、後日、振り込みになる場合もある。


【隠しカード】カクシ カード

その日上げたカードを出さずに持っておくこと。

拡張員は坊主(契約ゼロ)の日もあるので、そのときのための保険として、あるいはサボリたい日のために出すというケースもある。

あくまでも個人的なもの。


【拡禁】カッキン

拡張禁止の略。

通常、販売店がその拡禁リストというのを作成して入店した拡張員に配布する。

原則、そこに記された客からのカードは無効とされる。


【地場】ジバ

地場エリアとも言う。そこで活動する拡張団を地場団と言う。

拡張団の営業活動が許された範囲のこと。その地域の新聞社の事情やその拡張団の規模や実力によってその範囲の大きさが違う。

通常、その地域の都市部を一部。その周辺地域を二部。さらにその外郭を三部としている新聞社が多い。

それ以外での営業活動は原則認められていない。

そこで活動する拡張団を地場団と言う。


【上がり】アガリ

勧誘の終了時間のこと。大体、午後7時〜8時くらいが多い。


【弾】タマ

拡材と金を意味する。実弾とも言う。

拡張員が、無理をするときに良く使う。御法度になっている場合が多いから、それをする拡張員はたいてい隠れてする。


【マトにかける】

競合販売店を攻撃すること。「切り崩し」とも言う。

相手の拡張団の勢力が弱くなる、あるいは入店していなと知ったときにそう言う場合がある。

また、その販売店の弱みを握ったときにもそういうケースがある。


【借】シャク

借金のこと。拡張団に借金をしている拡張員は比較的多い。

借金で人を縛るという仕組みが昔からこの業界にはあり、仕事ができる人間ほど借金が多いという傾向にある。


【日程】ニッテイ

拡張団が各新聞販売店に入店する際の予定表のこと。

多くは新聞社の販売部の担当員からファックスで指示される。ときには、その人員まで指定されることがある。


【廃団】ハイダン

新聞社との業務委託契約が解除されること。実質的な拡張団の廃業を意味する。


販売に関しては、大体、こんな所やが、新聞拡張団、新聞販売店内で使う業界用語としては、『第21回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞業界用語 その1 契約関連編』や『第23回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞業界用語 その2 新聞営業関連編』(注1.巻末参考ページ参照)でも数多く記載しとるので、そちらと併せて見て貰いたい。

また、業界関係者の方で、今まで挙げた業界用語以外で、他にもあれば教えて頂きたいと思う。

特に新聞の業界用語は、所変われば品変わるという要素の強いものやから、この他にもまだ数多く存在する可能性は高いと思う。

これまで記載したのは、単にサイトやメルマガで言及したことのあるものというだけのことやさかいな。

しかし、取りあえずは、これで一応、今回を持って新聞業界用語の解説は終わりにしたいと思う。
  

参考ページ

注1.第21回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞業界用語 その1 契約関連編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-21.html

第23回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞業界用語 その2 新聞営業関連編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-23.html


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