メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第263回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2013. 6.21


■自民党の危険な原発再稼働政策を阻止するには


初めから分かり切ったことではあったが、ここにきて自民党政府は原発の再稼働に前のめりになっているということが明白になった。

最早、賞味期限切れで成るかどうかも怪しくなった安倍首相の経済政策「アベノミクス」とやらを下支えするため、エネルギーの安定供給を優先する必要があるからやという。

唯一の人気、支持率の拠り所が失われたら困るからと。

ワシらは長らく、原発の再稼働問題については静観してきた。

それには、現状では国民の多くが原発の再稼働など許さないという意思表示をしてきたために、このまま原発は嫌でも自然消滅するしかないと考えてきたからや。

去年の総選挙前、原発推進派の自民党の安倍総裁ですら、「安全神話の中にあったことは深刻に反省している。10年間でエネルギーのベストミックスを考えていきたい」と、原発の依存度を下げるという発言までしていた。

当時の選挙戦では表立って原発推進とは言いにくい状況になっていたため、考えてもいないことを口走るしかなかったのやろうが、とにもかくにもそれが功を奏して圧倒的な議席を得る結果につながったのは間違いない。

国民の多くも自民党ですらそうなのやから、どこの政党に投票しても最早、原発推進などすることはないと考えた。

それが国政選挙として戦後最低の低投票率になった大きな要因や。

あのとき、「いや、これからも原発を使い続けていく」と自民党の安倍総裁が本音を広言していたら、どうなっていたか。

答は明白や。

原発反対派の国民の多くが自民党に任せていたら大変なことになると危機感を抱き選挙に行っていたはずやから、自民党の単独過半数は疎か、政権奪取も怪しかったと考える。

それを選挙の結果で高い支持率を受けたと大いなる勘違いをした自民党政府のアホな連中が、今なら原発の再稼働をごり押しできると踏んだのやろうと思う。

ワシは、去年の年末のメルマガ『第238回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 8』(注1.巻末参考ページ参照)の冒頭で、その総選挙の総括について、


選挙は自民党圧勝、民主党惨敗、日本維新の会、みんなの党の躍進、日本未来の党の惨敗、その他の党の伸び悩みという結果に終わった。

しかし、この結果は自民党が国民から圧倒的に支持されたからやない。

それどころか、前回、自民党が惨敗を喫した時より、小選挙区、比例区とも200万票以上も票が少ないのである。

本来なら同じように惨敗していてもおかしくはないのやが、なぜそんなことになったのかと言えば、理由は一つ。

ワシらが前回のメルマガでも懸念していた投票率が低かったからや。それも60%にも届かないという戦後最低の最低投票率やったという。

あまりにも投票率が低すぎたことが、国民の総意に背く結果になったと言うても過言やないと思う。

今回、自公の得た議席は325議席で3分の2を超えていて、これは法案が参議院で否決されても衆議院で再可決可能な議席ということになる。

自公の獲得総数は有権者の約32%でありながら、圧倒的多数の議席を占め、残り68%の大多数の有権者はその少数派のやることに甘んじなあかんわけや。

何でこんないびつなことになるのかと言えば40%超の人が選挙に行かんかったからや。それに尽きる。

つまり60%の内の32%を占めたことで、32%対28%ということになり、僅か4%の差で過半数どころか3分の2の議席を得られたわけや。

小選挙区制というのは当選者が一人で、勝つか負けるかで大きく結果に違いが出るから、そういうことになる。

小選挙区制では国民の意志が反映されにくいということで、いろいろ問題も指摘されているが、その点については後日、じっくりと語りたいと思う。

選挙に行かんかった人の大半は、自民党は懲り懲り、民主党は期待はずれ、その他の党は多すぎて、どこに投票すればええのか良う分からんかったからやと思う。

けっして、国民の多くはこの選挙結果に満足はしていないはずや。

しかし、選挙に行かんかったら、自らの意志とは関係なく、こういう結果を招くというのは忘れないで頂きたい。

その人たちにも、それぞれの言い分があるやろうが、選挙に行かなかったということが、今回の場合は自公にとって有利に働いたことだけは間違いのない事実や。

そうは言っても、選挙の結果は議会制民主主義の国に生きる者として認めるしかないがな。例え、それがどのような結果になろうともな。

自民党もこの選挙結果が支持された結果やないというのは、どうやら分かっているようやからヘタな事はできんと思う。

それをすれば次の選挙では真反対の結果になるさかいな。


と言うたが、自民党の連中はワシの想像をはるかに超えたアホの集まりやったようや。

ワシが『自民党もこの選挙結果が支持された結果やないというのは、どうやら分かっているようやからヘタな事はできんと思う』と言うてたが、それを見事に覆すように、本当にヘタな事をやり始めたさかいな。

まさか、そこまでとは思わんかった。

自分たちのことが何も分かっていない。

まあ、分かっていないからこそ、原発推進とは別に『自民党憲法改正案』などという改正とはおよそかけ離れた自分たちに有利な法案を作って、現日本国憲法を大幅に変えようとしとるわけやがな。

憲法は、そもそも権力者である政治家を縛るためのものでなかったらあかん。

国民の中から「憲法改正議論」が巻き起こっているのならともかく、現在最も権力を握っている自民党政府から『自民党憲法改正案』なる怪しげなものを出して、それを成立させようとは一体何を考えとんねんと思う。

それほど今の支持率を高いと錯覚しとるのやろうか。まあ、そうさせとるメディアの責任も大きいが。

当初は、経済が好転していると思わせることに成功して、株価を上げ、円安傾向になって、それなりに「アベノミクス」が成功して国民から賞賛されている
かに見えた。

しかし、ここにきて株価の乱高下が止まらず、円安から再度の円高傾向になっていることで、怪しくなりつつある。

それでも安倍内閣の人気は、さほど下落はしていない。上がっているとも言えんが。

それには前回の政権時にあった自身の失言や閣僚たちの失言がそれほど目立ってなかったからやと思う。まずは無難にここまできたと言える。

それも俄に怪しくなっている。早い話が、そろそろボロが出始めてきたわけや。

最近では自民党の高市早苗政調会長の発言が、その最たるものやと思う。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000097-jij-pol より引用


野党、高市氏の辞任要求=自民からも批判


 自民党の高市早苗政調会長が原発再稼働をめぐり「原発事故で死亡者が出ている状況ではない」などと発言した問題は18日、与野党に波紋を広げた。

 野党各党は高市氏の辞任要求を含め激しく反発。与党内からも東京都議選や参院選への影響を懸念し、批判の声が上がった。

 民主党の細野豪志幹事長は衆院議員会館で記者団に対し、政府が認定した福島県内の「震災関連死」が1400人近くに上ると指摘した上で、「この数字を踏まえることができない人は政権を担う資格がない。与党の政調会長失格だ」と述べ、辞任を促した。

 海江田万里代表も党の会合で「自民党幹部の発言には、命を軽んじる発言が多く見られる」と批判した。

 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は市役所での会見で、「死亡者が出ていなくても、精神的被害など計り知れない被害がある。今の日本では原発推進は目指すべき道ではない」と指摘した。

 みんなの党の江田憲司幹事長は国会内での会見で「高市氏は即刻、政調会長、政治家を辞めるべきだ」と強調した。

 共産党の市田忠義書記局長は東京都内の街頭演説で「高市氏は福島県民の前で(同じことを)言えるのか。こんな人物に政党幹部を務める資格はない」と切り捨てた。

 一方、自民党の小泉進次郎青年局長は国会内で記者団に、「被災者の立場、苦しい環境に思いをはせ、国の責任を踏まえた上で発言しなければならない」と苦言を呈し、同党の溝手顕正参院幹事長も会見で、「人が死ぬとか死なないということと(再稼働問題を)一緒にすることはない」と述べた。公明党幹部も「被災者の実態が分かっていない」と批判した。

 高市氏は同日、国会内で菅義偉官房長官と会い、自らの発言について釈明した。 


誰が聞いてもおかしなことを公然と党三役の重職にある者が言い放っているわけや。

これは失言というより、現在の自民党政府の方針が原発再稼働に前のめりになっているために出た発言やと思う。つい出た失言とは、まったく種類が違うものや。

その証拠に、自民党内から出ている発言に対する批判は政府関係者のものやないさかいな。

原発事故そのもので死者は出ていないから、安全にさえ気をつければ稼働しても構わないのやと自民党の高市早苗政調会長は言うてるわけや。

経済のためには少々の危険くらいは目をつむれと。

心得違いも甚だしいと言う外はない。

実際には、その記事にもあるとおり『政府が認定した福島県内の「震災関連死」が1400人近くに上る』というのが現状なわけや。

原発事故が起きたがために前途を悲観して自殺された人、また原発事故により住む場所を取り上げられ、過酷な仮設住宅住まいにより疲労困憊が原因で亡くなられた方たちが、その大半を占める。

その方たちは原発事故さえなければ亡くなられずに済んだわけやさかいな。立派な原発事故の犠牲者や。原発事故による死者。それ以外の何ものでもない。

加えて、2013年6月14日現在、福島第一原発事故により、福島県内への他の地域に避難を余儀なくされた人は96,386人、福島県から県外へ避難された方は54,680人もおられるという。避難先の不明な方が142人。実に計15万1,208人もの方たちが行き場を失っておられる。

そのうち、その避難生活が原因で数多くの方が体調を狂わせ、病気になっておられるというのは容易に想像できる。その実数もいずれ分かるやろうと思う。

そのすべてが、福島第一原発の事故が起きたためや。それだけではなく、震災の復興も阪神大震災のそれと比べて福島第一原発の事故のために大幅に遅れとる。

その被害も計り知れん。

その程度のことは、政調会長の要職にある高市早苗議員なら知っとるはずや。また知ってなおかしい。

それを知っていながら「原発事故で死亡者が出ている状況ではない」と、堂々と言い放てる見識を疑う。人としての心があるのかと思う。

そんな状況に追い打ちをかけるような報道があった。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-00000033-mai-bus_all より引用


<原子力規制委>新規制基準を決定 電力各社、再稼働申請へ


 原子力規制委員会は19日の定例会で、東京電力福島第1原発事故を踏まえた原発の新しい規制基準を正式決定した。施行日は7月8日とし、同日から電力会社の再稼働申請を受け付ける。

 国内の17原発50基のうち、電力各社は6原発12基を7月中に申請する見通しだ。同時に、原発の運転期間を原則40年とする改正原子炉等規制法が施行される。

 再稼働を急ぐ電力各社の申請が相次ぐとみられるが、審査に半年程度はかかるとされ、老朽原発を中心に高いハードルが待ち構えている。

【どんな手続きを踏む?いつごろ?…原発再稼働で想定される今後の流れ】

 規制委の田中俊一委員長は定例会で「今後の審査で、魂が入るかどうか真価が問われる」と述べた。

 規制委は、基準への適合状況を審査するため、事務局の原子力規制庁に3チームを設置し、約80人態勢で臨む。政府は、規制委が技術的に安全と確認した原発で、地元自治体からの同意が得られた上で、稼働の可否を判断する。

 規制基準では、すべての原発を対象に、福島事故のような過酷事故への対策を初めて義務化した。また、新たな知見があれば、既設の原発に適合を求める「バックフィット制度」も導入している。

 具体的には、原子炉格納容器の冷却作業を遠隔操作する「特定安全施設」(第2制御室など)の設置を要求。ただし、5年間の猶予期間を設ける。

 事故時に格納容器内の圧力を下げベント(排気)時に放射性物質を浄化する「フィルター付きベント装置」を設置する。格納容器の大きな加圧水型原発(PWR)には5年間の猶予があるが、小さい沸騰水型原発(BWR)に猶予期間はない。

 地震・津波対策も強化する。活断層の調査対象を必要に応じ、これまでの「12万〜13万年前以降」から拡大し、「40万年前以降」までさかのぼるよう求める。

 各原発で最大の高さ「基準津波」を設定し、それに応じた安全対策が必要になる。防潮堤などの津波防護施設には、最高の耐震性を要求。活火山や竜巻も、最大規模に備えた対策を求める。火災対策でも、老朽原発で多く使われている可燃性ケーブルの交換などを迫る。

 原発の運転期間は原則40年とし、1回に限り20年を上限に延長できるが、規制基準に加え、機器の検査対象を拡大した「特別点検」を実施しなければならない。

 ◇原発に義務付けられる安全対策

<規制基準>

・中央制御室の代替となる「特定安全施設」の設置(5年間猶予)

・事故時の前線基地「緊急時対策所」の建設(仮設でも当面可能)

・フィルター付きベント装置の設置(加圧水型原発の大半は5年猶予)

・ケーブル交換など火災対策

・活火山、竜巻対策の強化

・冷却装置、電源設備の多重化・多様化

・想定される最高津波の高さに応じた安全対策

・防潮堤などに最高の耐震性を要求

・必要に応じて「40万年前以降」までさかのぼった活断層調査

・活断層直上の重要施設設置禁止

<40年運転制限制>

・稼働を運転開始から原則40年に制限。最大20年の延長は可能
.


というのが、それや。

これのどこが規制と呼べるのかというのが、この記事にある『原発に義務付けられる安全対策の規制基準』とやらを見たワシらの正直な感想や。

これほど酷い骨抜きの規制基準が出てくるとは考えもせんかった。

もっとも、これは原発を再稼働したい政府与党の思惑、意向が色濃く反映された結果やろうがな。

先の高市早苗政調会長の発言も、この発表を控えているのが分かっていたために、そのアシストとしての意味合いがあったのやろうと思う。

原発再稼働の後押しをするために。

見事に裏目に出たがな。

その骨抜き規制基準とやらを、ここで検証してみる。

まず気になるのが「5年間猶予」、「仮設でも当面可能」、「加圧水型原発の大半は5年猶予」という文言の羅列や。

『中央制御室の代替となる「特定安全施設」の設置(5年間猶予)』

5年間猶予するということは、単に「特定安全施設の設置をする」とさえ宣言すれば5年間は何もせんでもええと解釈できる。

それまでの期間は誰も文句が言えない。猶予というのは、そういうことやさかいな。

こんなものが安全基準と言えるのかと思う。

当たり前やが、安全というのはその対策の実行が確認されて初めて安全と言うんやで。

そんな小学生でも知っとる日本語を、賢い学者たちで構成されとるはずの原子力規制委員会の連中が分からんのかと言いたくなる。

「5年間猶予」というのを言い換えれば、「5年間は危険かも知れんが、そこは多めに見ろ」ということや。

その間、不測の事態が起きても仕方ない、あきらめろと。見切り発車すると。

あまりのアホさかげんに開いた口が塞がらん。

『事故時の前線基地「緊急時対策所」の建設(仮設でも当面可能)』というのも同じや。

『仮設でも』というのは、ここが「緊急時対策所」やと言いさえすれば、どんな場所でも。それと認めると言うてるに等しいことや。

しかも、『当面』とあるだけでその期間さえ示していない。

一般的に『当面』というのは「差し当たり」という意味で、短い期間を差して使う言葉やが、それなら何でその期間が示せんのかと思う。

その答は一つ。そうしておけば自由にできるからや。それ以外にない。現在の電力各社なら5年でも10年でも「当面」と平気で言い張るのは目に見えとるさかいな。

『フィルター付きベント装置の設置(加圧水型原発の大半は5年猶予)』も同じことや。

おそらく『フィルター付きベント装置の設置』には時間がかかるということで、『加圧水型原発の大半は5年猶予』にしとるのやと思う。

これなんかも『フィルター付きベント装置の設置』が終わった段階でないと安全ではないというのは誰にでも分かることやわな。

それやのに何で「猶予」にしたり「当面」にしたりといった但し書きをつけなあかんねんと思う。

これやったら、この「原発に義務付けられる安全対策」を示しておけば、電力各社はそれを守るやろうというのを信用した性善説の上に立っているとしか考えられん。

規制というのは、守ることができんと予想されるからこそ行われるもので、本来は性悪説が基本のはずや。法律のすべてが、そうであるようにな。

言うとくが、東京電力をはじめ関西電力、九州電力といった日本の電力会社は今まで、嘘八百を並べ、ごまかしの限りを尽くしてきとる組織集団やで。

そんなことは、ここ2、3年の間に嫌というほど、ワシら国民は思い知らされてきたはずや。

そんな連中を国民が信用できんと声を上げとるからこそ、原子力規制委員会が電力各社を縛る意味で原発を再稼働する条件として法律に近い「安全基準」を作ろうとしたのやないのか。

これでは、国民を欺くためのポーズにすぎんかったと言われても反論できんやろうと思う。

そう考えれば他のすべての条項についても納得がいく。

『ケーブル交換など火災対策』に至っては、施設や工場のある民間企業では当たり前のことで、わざわざ原子力規制委員会が「規制基準」で謳うほどのことやない。

逆に、その項目があるだけで原子力規制委員会は電力各社を信用してないんやなというのが透けて見える。

信用していないが政府自民党の意向で仕方なく作った「規制基準」としか思えん。もっとも、それを分かって貰いたいがための原子力規制委員会のささやかな抵抗がそこにあるのかも知れんがな。

『活火山、竜巻対策の強化』や『冷却装置、電源設備の多重化・多様化』にしても具体的にどうしろという指針を示していない。

これでは、単に「注意してくださいよ」と言うてるのと一緒や。それについて「分かりました」と言えさえすれば認めると。

そんなものが安全基準と呼べるのか。誰でも不安になると思う。

『想定される最高津波の高さに応じた安全対策』に至っては笑うしかない。

先の東日本大震災の津波は、それまでの想定を遙かに超えたものやった。それを東京電力は想定外の津波やったから事故が起きたと言って済ませているわけや。

現在、かなりの高確率で起こると言われている東南海地震の規模は、その東日本大震災に匹敵するか、それを凌ぐとも予想されとる。

そして、東日本大震災がそうやったように、いつ何時、その手の大地震が起きるかも分からんのが、この日本という国の実情でもある。

日本中がその危険に晒されとるというのが正しい認識なわけや。それから逃れる術がないということを、もっと真剣に考えなあかん。

専門家の多くも津波の高さなど完全に想定することなどできん、難しいと言うとる。そんなものを「想定」しても意味などないわな。

想定外の事態が起これば、またあわてふためくだけのことや。そして起これば「想定外」で済ますのは歴然としとる。

安全に「想定外」などあってはならん。最初から「想定外」を前提として安全基準を示すというのは頭がおかしいとしか言いようがない。

これについても完全に対策を済ませた後で確認して認可するというのではなく、計画の段階で認めるという方針のようや。

『防潮堤などに最高の耐震性を要求』も同じやと考える。ここでは『最高の耐震性』というのが、どんなものかも示されとらん。

『必要に応じて「40万年前以降」までさかのぼった活断層調査』の中にある『必要に応じて』というのは、どこやらの官僚が好んで使う文言や。

これは「必要がなければ調査しない」と言うてるのと同じで、その判断は結局、政府与党が下すことになる。政府与党が「その必要がない」と判断すれば、それで終わる。

『活断層直上の重要施設設置禁止』というのは、これから建てる原発という風にしか受け取れん。今ある『活断層直上の重要施設』はどうするのかということには何も触れていない。

『稼働を運転開始から原則40年に制限。最大20年の延長は可能』というのは、今の原発不要論が渦巻く状況を突破できさえすれば、後はどうにでもなると考えた上で書いた文言なのは明白や。

一見、それでその原発は役目を終えるかに見えるが、一旦、原発を稼働させてしまえば、どうにでもなるという考えが露骨に表れている。

例えば、稼働限界がきた原発の真横に新しい原発を作りさえすれば、その後も引き続き稼働していくことが可能になるさかいな。

それを繰り返せば永遠に原発がなくなることはない。

茶番と言うにもアホらしいくらいの安全基準が出てきたもんやと思う。

これで本当に国民を納得させられると考えとるのなら、「バカにするのもええかげんにしとけよ」と声を大にして言いたい。

国民を舐めるなと。

このままやと、民主党政府も酷かったが、それ以上の災いが現在の自民党政府にによってもたらされるのは確実やと思う。

今現在、この危機を救うには、国民が来月行われる参議院選挙に行って一票を投じるしかない。

投票率さえ上がれば、自民党の議員がこれ以上、増えることもないさかい、こんな無茶な政策を押し進めることなどできんようになるはずや。

このままでは大きな勘違いをしとる自民党政府のやりたい放題やさかいな。

国民の多くが選挙に行くことで、確実に世の中は良うなる。そう信じて欲しいと思う。



参考ページ

注1.第238回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 8


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