メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第267回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2013. 7.19


■ネット選挙解禁で何が変わったのか?


「正直、今回のネット選挙解禁で国民の意識が大きく変わることを期待していたのですが、このままでは期待はずれに終わりそうですね」と、ハカセ。

「そやな」と、ワシ。

もっとネット上では今回の参議院選挙について意見が活発に飛び交うものと期待していたが、もう一つ盛り上がりに欠けるように思えてならん。

もちろん、それぞれの候補者はネットを利用した選挙活動は、これまでにないくらい活発に行っているとは思うがな。

ただ、ワシらに変わったと実感できるのは、ネットに力を注ぎすぎるあまりなのか、街頭の選挙カーが極端に減ったことくらいやないかと思う。

「そう言えば、この選挙中、たいてい自宅にいましたが選挙カーは殆ど来ませんでしたね。いつもは、もう少しにぎやかなんですがね」と、ハカセ。

もともと国政選挙では、地方議会選挙ほど選挙カーがうるさく廻って来ることはないが、それにしても今回は異様なくらい静かやという。

ネット選挙解禁は従来の選挙の形態すら変えてしまったのかと思えるほどに。

今回の参議院選挙の争点は、経済対策、憲法改正問題、原発問題、増税問題、TPP参加問題など多岐に渡る。

経済対策では安倍首相の「アベノミクス」とやらが国民から高評価され、支持率も高い。ただ、新聞社の行った世論調査では4月に60%が期待できるとあったものが、最新の調査では50%にまで落ち込んでいるという。

「生活する上で、景気がよくなっていると実感しているか」という設問には「実感していない」は78%もあったとされている。

半分の人が期待していてもその効果は実感できていないということのようや。今のところ大半の人にとって「アベノミクス」は絵に描いた餅でしかないということやろうと思う。

ただ、悲観論を並べるよりも希望を持つことの方がええのは当たり前で、その意味で自民党政府に期待する人が多いというのは理解できる。

もっとも、期待が失望に変わると、その評価は一変するがな。

憲法改正問題については、安倍首相および自民党政府が、中国との間で一触即発の危機を招いた尖閣諸島問題をきっかけにして、外国の武力に対抗するには憲法を変えて正式な軍隊を持つしかないと訴えたことで、一気に盛り上がりを見せた。

5月2日、NHKが発表した世論調査結果によると、「憲法改正の必要あると思う」が42%。「必要はないと思う」が16%。「どちらともいえない」が39%やったという。

世論の流れは憲法改正の方向に傾いていた。

しかし、その頃にはまだ『自民党憲法改正案』が世間に知られていなかったということもあった。

それが、ワシらのメルマガ『第254回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党憲法改正案の是非 その1 憲法第96条、および第9条の改正について』や『第255回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党憲法改正案の是非 その2 基本的人権が危ない』(注1.巻末参考ページ参照)で話したのと同じような内容の記事がネット上に増えてきた上に、新聞やテレビも『自民党憲法改正案』の内容を取り上げるようになってきたため、多くの人の知るところとなった。

その『自民党憲法改正案』の実態が知られるにつれ、それでも自民党の憲法改正を支持するという人は、さすがに少なくなっている。

そのため7月2日になって急遽、自民党政府は改憲草案見直しへと舵を切り、『首相「3年間は経済集中」=96条先行改正こだわらず』という新聞記事が踊ったわけや。

それには身内である当の自民党議員たちから、『憲法改正を推進してきた幹部が見直しに言及しているのは、党内の不満が96条の改正にとどまらず、草案全般へ波及している』と突き上げられる事態になっているからやと聞く。

これでは参議院選挙は戦えないということで。

ただ、それも選挙の情勢が自民党に有利になっていると見るやその前言を撤回するかのように、


http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013071501001716.html より引用

首相、将来の9条改正に意欲 自衛隊、軍と位置づけを


 安倍晋三首相(自民党総裁)は15日に放映された長崎国際テレビ番組のインタビューで、将来的な憲法9条改正に意欲を示した。「われわれは(憲法)9条を改正し、その(自衛隊)存在と役割を明記していく。これがむしろ正しい姿だろう」と述べた。自衛隊を軍隊として位置づける必要性も強調した。

 首相は、参院選で経済政策を優先する姿勢を強調するため、公示後はテレビ番組などで改憲についての積極的な発言が少なく、街頭演説などを含めても具体的な改憲内容に言及したのは珍しい。インタビューは12日、長崎市内のホテルで行われた。


と一変して強気の姿勢を見せ始めた。このままでは自民党政府の当初の目論見どおり、『自民党憲法改正案』で押し切る可能性が高くなったと言える。

おそらく自民党が参議院でも過半数を取れば、改憲草案見直しをすると言うてたことなど、どこ吹く風となって無視するやろうと思う。

憲法第9条というのは、端的に言えば、「戦争放棄」を謳ったものや。これがあるために日本は平和憲法を有した国と言われてきた。

しかし、『自民党憲法改正案』が成立すれば、それは終わりを告げる。

『自民党の憲法第9条改正案』の中には「国防軍」の設立が明確に謳われている。

自衛隊が正式な軍隊になれば、理論上、いつ戦争が起きてもおかしくない状態になる。少なくとも軍隊には、そういうイメージがつきまとう。

そうなれば軍隊への入隊希望者が激減するのは間違いない。

現実にイラク戦争以降、復興支援という名の下に海外派兵されることになった自衛隊への入隊希望者は激減している。幹部候補生の中途退学者も増え続けているという。

自衛隊が国防軍という正式な軍隊になれば、入隊希望者も今以上に少なくなるやろうし、辞めていく者も急増するのは間違いないと思う。

しかし、それでは軍隊は維持できない。どうするか。方法は一つしかない。軍人を増やすためには必然的に「徴兵制度」を採らざるを得なくなる。

この「徴兵制度」には現在の自衛隊のように、いつでも辞められるという自由はない。

勝手に辞めれば「脱走兵」として扱われ厳罰に処される。辞めるに辞められない者に対して、それを管理する上官がどういう態度に出るかは、ちょっと考えれば誰でも想像がつくと思う。

訓練と称する過酷な、しごきやイジメが行われるのは、ほぼ間違いない。

その根拠について詳しく知りたければ近くの書店か、ネット書店で『韓国の徴兵制(双葉新書)』という書籍を探せば、その中に、日本人の想像を絶する上官たちによるイジメや訓練の実態が経験者の手記として赤裸々に語られているさかい買って読まれると良う分かるはずや。

その様は、昔の日本の軍隊を知る人に言わせれば、何ら変わるところがないという。

軍隊という所は、身体の自由だけやなく、言論の自由もなくなり、人権などはないに等しい状態に置かれる。それに反抗したり異を唱えたりすることなど許されない。

その「徴兵制度」により、今の若者たちが否応なく、望まぬ戦争に駆り出され死地に赴かなければならなくなるという事態は十分に考えられる。

しかし、そのことを知ってか知らずか、ネット上では、なぜか安倍首相の言う『憲法第9条改正案』に賛成する若者が多い。

本当に徴兵されても構わないという覚悟があるのなら、それはそれで一つの意見として認めるが、その決意のほどを尋ねると、たいていの若者は口を濁す。

総論としては賛成でも、我が身にそれが降りかかるのは困るというのが本音のようや。

それに、言うて悪いが、現代の民主的で人権が尊重された日本の社会で生きてきて、教師さえ甘く見ても許されるような若者たちに、それとは正反対の組織構造の中では、例え1日であっても、耐えることなどできんと思う。

軍隊とは甘さの対極にあるものやさかいな。そこでは絶対服従を強いられる。極端な話、上官にイジメ殺されたとしても、「それは訓練中の事故」で済まされて終わる。

ワシらのような老いぼれは徴兵などされんやろうが、子供や孫たちが、そういう憂き目に遭うかも知れんと考えただけで心が痛むし、腹も立つ。

いつの時代であろうと為政者のすべてに言えることやが、そういった法律を作る者たちが死地に趣くことなどないというのも怒りを覚える。

自分たちは安全な場所にいながら「若者に死ね」と平気で言える法律を作ろうとしとるわけや。

しかも何があっても責任を取らんという体質が、その法律を作る政府、国会議員、官僚たちのすべてに存在する。

残念やが、それが日本の実態やと思う。

原発問題についても、自民党政府に任せていたら、なし崩し的に再稼働へと突き進むのは間違いない。

『第263回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党の危険な原発再稼働政策を阻止するには』(注2.巻末参考ページ参照)の中で、自民党の高市早苗政調会長の発言についての記事、


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000097-jij-pol より引用


野党、高市氏の辞任要求=自民からも批判


 自民党の高市早苗政調会長が原発再稼働をめぐり「原発事故で死亡者が出ている状況ではない」などと発言した問題は18日、与野党に波紋を広げた。

 野党各党は高市氏の辞任要求を含め激しく反発。与党内からも東京都議選や参院選への影響を懸念し、批判の声が上がった。

 民主党の細野豪志幹事長は衆院議員会館で記者団に対し、政府が認定した福島県内の「震災関連死」が1400人近くに上ると指摘した上で、「この数字を踏まえることができない人は政権を担う資格がない。与党の政調会長失格だ」と述べ、辞任を促した。

 海江田万里代表も党の会合で「自民党幹部の発言には、命を軽んじる発言が多く見られる」と批判した。

 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は市役所での会見で、「死亡者が出ていなくても、精神的被害など計り知れない被害がある。今の日本では原発推進は目指すべき道ではない」と指摘した。

 みんなの党の江田憲司幹事長は国会内での会見で「高市氏は即刻、政調会長、政治家を辞めるべきだ」と強調した。

 共産党の市田忠義書記局長は東京都内の街頭演説で「高市氏は福島県民の前で(同じことを)言えるのか。こんな人物に政党幹部を務める資格はない」と切り捨てた。

 一方、自民党の小泉進次郎青年局長は国会内で記者団に、「被災者の立場、苦しい環境に思いをはせ、国の責任を踏まえた上で発言しなければならない」と苦言を呈し、同党の溝手顕正参院幹事長も会見で、「人が死ぬとか死なないということと(再稼働問題を)一緒にすることはない」と述べた。公明党幹部も「被災者の実態が分かっていない」と批判した。

 高市氏は同日、国会内で菅義偉官房長官と会い、自らの発言について釈明した。 


というのを紹介して、


誰が聞いてもおかしなことを公然と党三役の重職にある者が言い放っているわけや。

これは失言というより、現在の自民党政府の方針が原発再稼働に前のめりになっているために出た発言やと思う。つい出た失言とは、まったく種類が違うものや。

その証拠に、自民党内から出ている発言に対する批判は政府関係者のものやないさかいな。

原発事故そのもので死者は出ていないから、安全にさえ気をつければ稼働しても構わないのやと自民党の高市早苗政調会長は言うてるわけや。

経済のためには少々の危険くらいは目をつむれと。

心得違いも甚だしいと言う外はない。

実際には、その記事にもあるとおり『政府が認定した福島県内の「震災関連死」が1400人近くに上る』というのが現状なわけや。

原発事故が起きたがために前途を悲観して自殺された人、また原発事故により住む場所を取り上げられ、過酷な仮設住宅住まいにより疲労困憊が原因で亡くなられた方たちが、その大半を占める。

その方たちは原発事故さえなければ亡くなられずに済んだわけやさかいな。立派な原発事故の犠牲者や。原発事故による死者。それ以外の何ものでもない。

加えて、2013年6月14日現在、福島第一原発事故により、福島県内への他の地域に避難を余儀なくされた人は96,386人、福島県から県外へ避難された方は54,680人もおられるという。避難先の不明な方が142人。実に計15万1,208人もの方たちが行き場を失っておられる。

そのうち、その避難生活が原因で数多くの方が体調を狂わせ、病気になっておられるというのは容易に想像できる。その実数もいずれ分かるやろうと思う。

そのすべてが、福島第一原発の事故が起きたためや。それだけではなく、震災の復興も阪神大震災のそれと比べて福島第一原発の事故のために大幅に遅れとる。

その被害も計り知れん。

その程度のことは、政調会長の要職にある高市早苗議員なら知っとるはずや。また知ってなおかしい。

それを知っていながら「原発事故で死亡者が出ている状況ではない」と、堂々と言い放てる見識を疑う。人としての心があるのかと思う。


と言うたが、その後、高市早苗政調会長の発言はまるでなかったかのように沈静化している。

これは、誰が聞いても非人道的な発言や。当たり前やが、表立って擁護する者も皆無に近い。

普通は大きく取り扱われ、本当にその職を追われてしかるべき重大発言、失言になると思うのやが、自民党の中から批判が出ているとはいっても、苦言を呈する者がいる程度で終わっている。

その苦言は東京都議選や参院選への影響を懸念してのものやった。

しかし、自民党が、その東京都議選を大勝し、参院選が有利な状況になっていることで、高市早苗政調会長の発言が大きなマイナスになっていないからという理由で沈静化しとるのやと思う。

政治は選挙がすべてで、それに影響がなければ、どんなことを言うても許されるということが、今更ながら、これではっきりした。

野党にしても『野党各党は高市氏の辞任要求を含め激しく反発』したとは言うものの、辞任に追い込むだけの力がなければ、ただの遠吠え集団になり下がるしかない。

その正しいジャッジが下せるのは有権者しかないんやが、新聞やテレビでそれほどの失言として取り上げられていないためか、投票行動の大きな要因にはなっていないようや。

政治家への国民の怒りは、この選挙の時にしか分からせることはできんのやがな。

このままでは本当に脱原発など夢のまた夢になるという気がする。

当たり前やが、こんな発言が許されれば、もう何を言うても怖いもんはないと考え、これで自民党が、また大勝でもすればその勢いがさらに加速し、誰も原発の再稼働を止めることなどできんようになるものと思う。

自民党は、国民に付託されたと広言するのは目に見えとるさかいな。野党もその分、力を削がれるわけやさかい、よけいに発言力と抑止力が弱まる。

増税問題についても深刻や。

来年の2014年4月から消費税が8%、2015年10月から10%になるとされている。

それには景気回復が条件とはされているが、今の自民党政府では、どのようなことになろうと、様々な理由をこじつけて、ほぼそのとおり実施するのは間違いないと思う。

そして、増税はそれだけやない。

2013年1月からは復興増税・所得税が収入に応じて加算され、2014年6月からは復興増税・住民税がさらに一律に1000円加算される。

厚生年金保険料は17年まで毎年引き上げが続く。

僅か3年後には、年収500万円の家庭で、2012年時と比べて実に34万円以上も余分に税金の負担がかかると予想されている。

さらに消費税増税は確実に物価高を招く。自民党政府は、その方向に経済を誘導しようとしとるさかいな。

政府では、その分、給料が上がると甘い見通しを立てとるようやが、その保証はどこにもない。このままでは、物価だけ上がって給料は上がらずということになりかねん可能性が高いと思う。

年収500万円以下の家庭が国民全体の7割以上いるとされとる。その家庭で物価高と増税苦を凌ぐには財布の紐を締め、消費を抑えるしかない。

それがさらなる不景気を呼ぶ。

ついでに言えば、その状況はさらなる新聞の売れ行きが落ちることを意味する。

新聞は必要優先順位が低く、始末する対象の最たるものと考えられとるから、必然的にそうなる。

新聞の売れ行きが落ち込んでいる理由にはいろいろあるが、何と言うても長引く不景気が一番の要因やろうと思う。景気が良ければ、ここまでの落ち込みはなかったはずや。

このまま国民が何も声を上げず、自民党の独走、一人勝ちを許せば、確実に経済状態が最悪の状態になると考える。

加えて、電力会社が画策している電気代値上げも、政府の後押しを期待して毎年のように実施してくると予想されている。それも大きく家計に響くはずや。

それでいて、国会議員や官僚、公務員などの給料が安くなるということはない。あっても、それこそ微々たるものや。

税金をふんだくる側は何も腹を痛めんでもええわけやさかい、為政者にとって、これほど扱いやすい国民はおらんわな。おそらく世界でも希なくらいおとなしく従順な国民やと思う。

どこかの国やと公共交通機関の運賃を10円値上げしたことが発端となって大暴動に発展したというケースもあるが、日本ではそんなことはまずないやろうしな。

TPP参加も生産農家にとっては深刻な問題や。TPPついて話し出すと長くなるので、『第184回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■TPPの参加により新聞の再販制度は守られるのか?』(注3.巻末参考ページ参照)を見て貰えれば、その詳しいことが分かって頂けるものと思う。

それぞれの立場で意見が異なるとは思うが、TPPに反対されるのなら、反対している政党、候補者に投票するしかない。

こうして見ると、自民党政権は、経済対策、憲法改正問題、原発問題、増税問題、TPP参加問題のすべてで推進の立場を取っているわけで、それに対して批判的な意見、立場の人がネット上に多いにもかかわらず、新聞、テレビでは、大半が自民党圧勝に終わると予想しとる。

そして、その予想は去年の暮れの総選挙でも残念ながら当たった。今回もそうなる可能性が高い。その点で言えば、まだまだネットの影響力は弱いと言うしかない。

通常なら、自民党政府は憲法改正問題、原発問題、増税問題などで大きな失点をしているわけやから、過去の自民党政権であれば、間違いなく大敗していたと思う。

それほど、まだええか悪いかの結果の出ていない「アベノミクス」とやらへの期待感が強いということなのやろうか。

あるいは、他の野党への失望感が強いということなのやろうか。

それとも『第265回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■第23回参議院選挙……日本初のネット選挙運動解禁でどう変わるのか』(注4.巻末参考ページ参照)
の中で、


政党にのみ認められた有料の「バナー広告」の扱いについても不公平感が広がっているという問題もある。

政党であれば支出額に上限がないため資金が続く限り「バナー広告」を出せるが、無所属の候補は一切広告を出せないというものや。

当然のことながら「無所属の候補者にとっては極めて不利で不平等なルールだ」との指摘がある。

改正公職選挙法では、選挙中のバナー広告の利用を「政党(支部を含む)」が行う「政治活動」に限って認めているが、「候補者個人の広告は認められない」として、政党に属さない無所属の候補者らの利用ができない。

この『政党であれば支出額に上限がないため資金が続く限り「バナー広告」を出せる』という点が、選挙に金がかかるということを助長し、新たな金権政治を生む温床になると危惧されている。


と懸念していたようなことが、「無所属の候補者にとっては極めて不利で不平等なルールだ」というだけでなく、自民党一党に有利に働いているからなのやろうかと思う。

ネット上でのバナー広告は圧倒的に自民党のものが多い。それしか見つからんと言うてもええくらいや。

つまり、現在最も金のある政党が、その資金力にものを言わせている結果になっているとも言えるわけや。

それにしても、相変わらず投票率の予測は低い。このままでは50%そこそこにしかならんという。

前回の総選挙でも投票率が60%を下回ったために、前々回、自民党が大敗をを喫した時より獲得した票が200万票も少ないという状態でありながら、大勝したという経緯がある。

今回もおそらく同じことが起こるものと思う。自民党の支持者すら逃げているにもかかわらず低投票率のために大勝するという何とも割り切れん結果になるわけや。

これがせめて投票率が高い上での結果であれば、まだ納得できるけどな。

もっとも、そうであっても『自民党憲法改正案』や『原発再稼働問題』、『消費税増税問題』での政府への批判を緩めるつもりはないがな。

今後も国民の意識が変わり、それが投票行動として表れるまで、また自民党政府がその愚に気づき改めるまで気長に、その非を訴え続けるつもりや。

ネット選挙解禁は、その低投票率の向上に一役買うものと考えとったが、どうやら期待はずれに終わりそうや。

当日の投票率を見んと確実なことは言えんが、このままやと却ってマイナスに作用しているように思う。

そうは言うても、これが最初のスタートやから仕方ないのかも知れんがな。

それにしても、ネット選挙解禁に伴って活発にいろんな候補者からメールが送られてくると思うてたのに、今のところ、それらしいメールはサイトは疎か、ワシら個人にも届いていない。

いずれにしても、参議院選挙は2日後の7月21日に迫っとる。

「長いものには巻かれろ」とか「なるようにしかならん」と考えとったら、本当にそうなる。

「誰に投票しても同じ」と言う台詞も良う聞くが、選挙に行かんこと自体が、好むと好まざるとにかかわらず政府自民党に投票しているのと同じ結果を招くことになるわけや。

それが嫌なら、せめて選挙に行って投票して欲しいと思う。皆が選挙に行くだけで必ず世の中や政治は良くなる。ワシらは、そう信じている。



参考ページ

注1.第254回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党憲法改正案の是非 その1 憲法第96条、および第9条の改正について

第255回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党憲法改正案の是非 その2 基本的人権が危ない

注2.第263回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党の危険な原発再稼働政策を阻止するには

注3.第184回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■TPPの参加により新聞の再販制度は守られるのか?

注4.第265回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■第23回参議院選挙……日本初のネット選挙運動解禁でどう変わるのか


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