メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第273回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2013. 8.30
■漫画「はだしのゲン」の学校図書制限問題について
8月22日、ある常連の読者から、
奇しくも、「ゲン」というお名前の共通性にかこつけて、お久し振りながらメールを差し上げます。
最近のネットニュースのホットな話題の1つが「はだしのゲン」を学校図書館の開架から撤去すべきか否か、という問題で、松江市教育委員会は一時期、撤去の方針を決めていた様子ですが、現在では保留状態となっています。
私の意見を結論から申しますと、今まで問題視されなかった以上、公権力は安易に国民に手出しをすべきではなく、寧ろ、そうした小役人臭い欲望を我慢することによって、衿持を保つべきだ、と思います。
実は私は「はだしのゲン」、読んだことはありません。
松江市の開架撤去のきっかは市民からのクレームで、どぎつい描写があるからとの模様です。従って私ももし読めば、子供には見せたくない、と思うかもしれません。
しかしそれは本来、せいぜい、阪神と巨人、どっちを応援するかといった個人的嗜好の域を出る話ではなく、クレームを持ち込むのは夜郎自大もいいところです。
刑法用語を使って恐縮ですが、日本人は謙抑精神を改めて身に着けるべきでは、と思いました。
という意見が届けられた。
この読者の方は、特にワシらの意見を求めておられるわけやないが、漫画好きのワシとしても興味があるので、今回はこの問題について話したいと思う。
この読者は『実は私は「はだしのゲン」、読んだことはありません』と言われておられるが、ワシはある。
もっとも、ワシは子供の頃から漫画ばかり読んでいただけのことやから、何の自慢にもならんがな。
「はだしのゲン」は『週刊少年ジャンプ』で1973年25号から連載が始まった。
1969年に『週刊少年ジャンプ』が創刊された頃、ワシは中学生で、筋金入りの漫画少年やった。その頃、読んでいる本と言えば漫画しかなかったさかいな。
特に『週刊少年ジャンプ』は創刊時から欠かさず読んでいたので、当然のことのように「はだしのゲン」も知っとる。
その後、この漫画を実写化した映画やアニメ映画なども作られ、テレビドラマ化もされている。
単行本、文庫本などを含めた累計発行部数は1千万部を超えるという。数多くの人が読んでいる人気作品ということになる。また世界的に広く知られている漫画本の一つでもある。
物語の内容をかいつまんで話せば、広島市に住む当時の国民学校2年生の主人公の中岡ゲンが1945年8月6日に投下された原爆で父、姉、弟の3人の身内を亡くしながらも、たくましく生きる姿を通し、核爆弾の悲惨さ、戦争犠牲者の無念、戦争そのものの残酷さを表現した作品ということになる。
そんな昔の漫画を今頃になって何で問題にする必要があるのか理解に苦しむ。「そんなことをしても遅すぎるやろう」というのがワシの正直な気持や。
この問題が発覚したのは8月16日、
http://www.asahi.com/national/update/0816/OSK201308160095.html より引用
「はだしのゲン」閲覧を制限 松江市教委「描写過激」
広島での被爆体験を描いた、漫画家の故中沢啓治さんの代表作「はだしのゲン」(全10巻)が、昨年12月から松江市内の市立小中学校の図書館で子どもたちが自由に見ることができない閉架の状態になっていることが分かった。市教育委員会が作品中の暴力描写が過激だとして、各校に閲覧の制限を求めた。
市教委によると、描写が残虐と判断したのは、旧日本軍がアジアの人々の首を切り落としたり、銃剣術の的にしたりする場面。子どもたちが自由に見られる状態で図書館に置くのは不適切として、昨年12月の校長会で全巻を書庫などに納める閉架図書にするよう指示したという。
現在は作品の貸し出しはしておらず、教員が校内で教材として使うことはできる。市の調査では市立小学校35校、中学校17校のうち、約8割の図書館がはだしのゲンを置いている。
という報道からのようや。
そのきっかけになったのは、たった一人のクレームからやという。
それについては、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130822-00000042-asahi-soci より引用
「ゲン、買って読めばいい」閲覧制限陳情の男性
松江市議会に「はだしのゲン」の撤去を求める陳情をした自営業の男性(35)は21日、朝日新聞の取材に応じた。「市教委は、ぼくが(不採択となった陳情で)訴えた歴史認識の誤りではなく、描写を問題にしており、不満はある」「こんな漫画を義務教育の学校図書館に置くべきでなく、読みたければ自分で買って読めばいい」と持論を述べた。
男性は、昨年10月まで松江市に住み、いまは高知市在住。昨年11月には高知市議会と高知県議会にも「ゲン」撤去を求める陳情をしたという。
松江市教委を数回訪れ、「ゲン」撤去を要求して職員と押し問答する様子を撮影した映像を動画投稿サイトにも投稿。自身の活動について「国益を損なう行為が許せない。日本人としてふつうのことをしているだけ」と述べた。
という報道記事がある。
記事中に、この陳情をした自営業の男性が『市教委は、ぼくが(不採択となった陳情で)訴えた歴史認識の誤りではなく、描写を問題にしており、不満はある』と言うておられるのは、
作品の後半に、旧日本軍が「中国人の首を面白がって切り落とした」「妊婦の腹を切りさいて中の赤ん坊を引っ張り出した」「女性器の中に一升ビンがどれだけ入るか、たたきこんで骨盤をくだいて殺した」といった記述が証拠資料もなしに羅列してある点に触れていないからのようや。
「子供たちに間違った歴史認識を植え付ける」という理由で。
陳情した男性は、そんな事実はないと言いたいわけやろうが、その手のことがあったと話す戦争体験者はいくらでもいる。
この物語は作者の実体験と戦争体験者からの見聞を元に描かれているという。
自身の体験と信用できる人から聞いた戦争の体験談が証拠やと言われれば、普通はそうかとなる。本人にとっては、これほど確かな証拠はないわけや。
証拠云々を言うのであれば、その漫画の記述が間違っているという反証を示すことこそ必要やろうと思う。
それもなく、ただ単に『間違った歴史認識』と言うだけやと説得力に欠ける。ただのいちゃもんにしかすぎん。
戦争というのは生きるか死ぬかの状況に置かれた極限の状況下にあるものや。その中にいれば狂気に取り憑かれる人間が出ても何の不思議もないと思う。
それは当時の日本に限ったことやない。すべての戦争当事国に言えることやと思う。
現在、世界中に報道されて続けている中東戦争や内戦での残虐行為が、そのええ証拠やと思う。
もっとも、日本で流されるニュースで、その詳細が報道されることは少ないがな。たいていはオブラートに包まれた内容のものしか流されない。
世界の警察を自負するアメリカ軍の兵士でさえ、戦争の最前線で狂気に取り憑かれ、その国の一般市民に残虐な行為におよんだという事件が幾つも発覚しとるのが実情なわけや。
戦争状態でない日本の中の沖縄でさえ、アメリカ軍の兵士による少女暴行など幾多の犯罪行為が頻発しとることを考えれば、ごく一部にせよ、そういう狂気に取り憑かれた人間が現れたとしても何の不思議でもないわな。
戦争の本当の怖さは兵器での殺し合いよりも、むしろその狂気を人間が纏うことやないかと考える。
もちろん、どんな状況下になろうと、すべての人がそうなるとは言わん。そういった残虐行為がある一方で、自分の身を犠牲にして人を助けたという美談もあるさかいな。
しかし、数百万人、数千万人が死亡したと言われる第二次大戦下で残虐行為が起きた事実はないと言えることの方が、よほどおかしいやろうと思う。
また、ナチスのユダヤ人虐殺のように、当時の残虐行為を示す証拠ならいくらでもある。日本の軍隊の残虐行為も戦後の東京裁判で相当数、明らかになっている。
それらも立派な証拠になるやろうと思う。
それにもかかわらず、何を根拠に『子供たちに間違った歴史認識を植え付ける』と言えるのか理解に苦しむ。
もっとも、ワシが、こんなことを言うまでもなく、その程度のことは多くの人も分かっておられるはずや。
せやからこそ、漫画「はだしのゲン」に描かれていることに信憑性が高いと判断し、共感を覚えたのやろうと思う。
単行本、文庫本などを含めた累計発行部数が1千万部以上になっとるのが、それを裏付けていると考える。
少なくとも、ワシらには漫画の記述は真実に近いものやと信じられる。
ハカセに言わせれば「子供向けの漫画雑誌ということを意識されていたのでしょうが、作者は、これでもかなり抑えて描いていますね」ということや。
ハカセはメルマガ『第18回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■長かろうと短かろうと、それが人生』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、1995年1月17日に起きた「阪神・淡路大震災」の際、お父さんが神戸の長田区に住んでおられ、そこに駆けつけた折りの話をしている。
その時、神戸の長田区一帯は大火災に見舞われていた。
ただ、簡単に行くとは言うても、道路のほとんどが通行止めになっていて、とてもやないが神戸のしかも炎上中の長田区に車では入れそうもなかった。
そんなとき、知人から「バイクなら何とか行ける言うてたで」という話を聞き、取りあえず、バイクで現場に向かうことにした。
幹線道路は、ほぼ封鎖されていて立ち往生している車が多かったが、バイクならその規制を避けるように裏道に入れる。
但し、狭い裏道は倒壊した家のがれきや瓦などが散乱していて、とても道路と言える状況やなかった。
そんな障害物を乗り越えながら、道なき道を延々と走り続けた。
身軽なバイクやからこそ可能なことやった。
バイクで来たのは正解やった。というか、こういう災害時にはもっとも有効な移動手段やと実感した。
途中、斜めに倒れかけたビルの横や将棋倒しになっている家々を見るにつけ、その凄まじい地震の破壊力に、ただただ驚くしかなかった。
長田区天神町近くに辿り着いた。
その頃には火災はすでに下火になっていたが、辺りは焼け野原と化していた。
経験はないが、「戦時中の空襲後というのはこんなんやったんやろうな」という漠然とした思いに囚われた。
むせかえる煙と悪臭が辺り一面に漂っていた。念のためにと持ってきていた防寒用のマスクが結構、役に立った。
あちこちの公園に、災害救助の野営テントがあり、救急隊や自衛隊の制服を着た屈強な男たちが忙しく走り回っていた。
そのテントの一つに飛び込み、ヒロジの写真を見せて、その安否を尋ねる。
「父親なんですが、連絡が取れなくて」と。
「向こうのお寺の境内に行けば分かるのやないですか」と、そこの救急隊員が教えてくれた。
教えて貰った寺の境内でその係官らしき人物に同じことを聞く。
すると、面倒くさそうに「あっち」と指し示す。
言われた方向に行くと、そこら中一面にブルーシートで覆われた夥しい数の物体があった。
全部死体やという。
まだ、身元が判明しない死体が置かれていた。
その中から、捜せと言う。
さすがにハカセは躊躇したが、安否を確かめにきて、それはできませんとも言えなんだ。
合掌して、最初の死体と対面する。
半分焼けこげた中年の男性の死体やった。
ここでの詳しい描写は避けるが、その目は未練たっぷりに虚空に向けられていた。
地獄絵図という形容があるが、このとき、まさしくそれやとハカセは思うた。
初めの数体は恐る恐る覗く込むという感じやったが、不謹慎を覚悟で言えば、人間はどんな状況、現場に接しても慣れるもんやというのをこのときに知ったとハカセは話す。
慣れに従い、どんなにむごい死体であっても、ほぼ冷静に見られるようになっていた自分自身に驚いていたという。
おそらく、今後のハカセの人生において、これほどの無惨な死体群を見ることは二度とないやろうと思われるほど、それらを見て廻った。
良くテレビなどでは、棺にすがる遺族の姿が写し出されていたが、当然のことながら、数百、数千の棺が瞬時にできるわけやない。
その死体の身元が確認され、役所やその遺族が用意できる棺の数にも限度があ
る。
野ざらしと言えば御幣があるが、ほんの一時とはいえ、そうせざるを得ないわけや。
さすがに、ブルーシートで覆われた死体群を写すというテレビ局やそんな描写の記事を載せる新聞はなかったが、それがかけねなしの実態なのやとハカセは痛感した。
と。
ハカセは、この時の経験から考えて、原爆のそれは、もっと悲惨でむごたらしい光景やったことが想像できるという。
しかし、ハカセにすれば、実際に目にした焼死体群の悲惨さほども漫画で描写されていないとのことやった。
ハカセが「作者は、これでもかなり抑えて描いていますね」と言う所以や。
もっとも、その漫画の絵でも、そんな光景に接したことのない人には衝撃的やったやろうがな。
ワシとハカセは歳が近いということもあるが、それぞれ子供の頃に戦争を経験されたという人たちから、悲惨な戦争の体験談を嫌というほど聞かされて育っている。
その中には、漫画で描かれているより、はるかに残忍な行為が行われていたという話も聞かされ知っている。ここで、とても書けるようなことやないがな。
その多くが小学生の頃に聞かされた。それを聞かされたからというて、ワシらがそれで悪影響を受けたとは思えん。
多少、ひねくれて育ったのは確かやが、極悪人になったわけでも悪質な犯罪者になったわけでもないさかいな。
戦争の悲惨さを身近な人間から聞くことで、二度と戦争を起こしたらあかんという気持ちが強くなった。子供ながらに戦争を忌みするようになった。
この作者の狙いもそれやと思う。
子供には、どんに悲惨で無惨なことであっても真実を伝えるべきや。それで歪む子供などいない。なぜなら、純粋な子供は、それが非道なことやと分かるからや。
したらあかんことは、実際にその行為を見せることが最大の教育になると思う。
子供たちが歪むとすれば、それを伝える人間に責任があると言える。何事もそうやが、伝える人間次第で、良くも悪くも伝わるものやさかいな。
その点で言うても漫画「はだしのゲン」は、何の先入観もなく読むだけで戦争の悲惨さ、極限状態に置かれた人間の銀虐政が伝わる秀逸な作品やと思う。
漫画の表現が、どぎついと考える世代の人は、おそらく本当の戦争体験など知ることなく、また聞かされることなく育っている人たちなのやろうな。
その事実を聞かされずに育てば、その事実があったとは考えられんさかいな。間違った歴史認識を持っているのは、むしろそういった大人たちの方やろうと思う。
純粋な子供の時にこそ、その事実を知るべきで、それがあれば、本当の意味で戦争の怖さも分かるし、核の脅威も実感できるものと考える。
日本の社会には「臭いものに蓋」式の考え方が蔓延しとるように思うが、それでは何の解決にもならん。
臭いものは更に腐り悪臭が漂う。その悪臭が良い結果を招くことなどないわな。
隠し事から建設的な考えや思考は生まれない。生まれるのは疑心暗鬼でしかない。
疑心暗鬼が嵩じると、このクレームを提起した人のように『子供たちに間違った歴史認識を植え付ける』と考えるようになるのやと思う。
それこそが大きな間違いやとは気づかずにな。
さらに言えば、この陳情した男性は、その事以上に大きな錯覚をしていることがある。
それは、あくまでもこの作品は『漫画』であるという点や。
漫画や小説などの物語性の強い読み物には、エンターティメントの要素を加えるために、例え真実を元にすると謳ってはいても多少誇張した記述や創作の部分を挿入する場合もある。
それが公式な歴史書にでも書かれているというのであれば、『証拠資料』が必要やと言うのもよく分かる。
しかし、これは何度も言うが『漫画』なわけや。エンターティメントである漫画に歴史書並の注文をつけるというのも、どうかと思うがな。
この漫画が学校図書になっているというのも作者の意図したことやないやろうから、学校図書にすると判断した時に、関係機関に対してクレームをつけるべきやった。
その時期は、それぞれの地域によって多少誤差があるから、確かなことは言えんが、少なくても30年以上前には、その決定が下され、全国の小中学校の図書館に誰でも手に取れる「開架」書籍として本棚に陳列されていたものと思う。
ワシが今頃になって「問題にする必要があるんや」、「そんなことをしても遅すぎるやろう」と言うのは、そのためや。
もっとも、このクレームを持ち込んだ男性は35歳とのことやから、その当時にそうしろというのも無理な話かも知れんがな。
ワシは、クレームを持ち込んだ男性が勘違いしとるとは思うが、責めるつもりはない。
彼には彼なりの正義があってのことやろうし、ご自身にも小中学生の子供さんがおられるのかも知れんしな。子供を守りたいという親心は子供を持つ親としてよく分かる。
責められるべきは、そのたった一人のクレームで簡単に「閉架」処置にした学校関係者やと思う。
現在は、
http://www.asahi.com/national/update/0826/OSK201308260031.html より引用
「はだしのゲン」閲覧制限、松江市教委が撤回
原爆や戦争の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」が松江市立小中学校の図書室で自由に読めなくなっている問題で、市教育委員会は26日、市教委事務局の手続きに不備があったとして、閲覧制限を撤回することを決めた。
制限の是非には踏み込まなかったが、結果的に子どもたち一人ひとりが自由に読書する権利が守られることになりそうだ。
トピックス「はだしのゲン」
教育委員会会議に参加した教育委員5人の全員一致の結論。学校の自主性に任せることになったため、(自由に読める)開架式にしていた学校では元の運用に戻るとみられる。
閲覧制限問題は、戦争の描き方や発達過程にある子どもたちへの配慮などをめぐり様々な議論を呼んだ。
ということで、今度は一転して開架処置になり、一応の決着がついた形にはなった。
これには、『「はだしのゲン」の利用制限:学校図書館問題研究会、松江市教育委員会に利用制限措置について撤回を求める申入書を送付』(注2.巻末参考ページ参照)といったことや世間の批判が集中したからやと思う。
たった一人のクレームで閉架にし、世間の風当たりが強いと判断すると、途端に撤回する。何とも節操のない顛末やが、ありがちな事ではある。
今後もこういった類の騒動が続くかも知れんという気がする。
まだ、その確かな理由や根拠を示せる段階やないから軽々には言えんが、漫画「はだしのゲン」を抑制する動きが、原爆や核の脅威を抑圧するために行われた可能性がある。
もし、そうやとしたら、ワシらとしても見過ごすことはできんと言うとく。
世界で唯一の被爆国である日本で、原爆、核の脅威が軽んじられるようになったら終いやさかいな。
もっとも、政治を中心とした巨大な力で、そうなりつつある気配は充満しとるがな。
参考ページ
注1.第18回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■長かろうと短かろうと、それが人生
注2.「はだしのゲン」の利用制限:学校図書館問題研究会、松江市教育委員会に利用制限措置について撤回を求める申入書を送付
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