メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第274回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2013. 9. 6


■解決できない問題はない……その自信の根拠


今から9年前、サイトを開設する直前になって、ハカセが「ゲンさん、Q&Aのコーナーを作ろうと思うんですが、大丈夫でしょうか」と訊いてきた。

ワシは軽い気持ちで、「別に構わんよ」と答えた。

その半年ほど前のある日、ハカセは何を思うたか「ゲンさんの話は面白いからインターネットで公開しようと思うんだけど構わないかな」と急に言い出した。

「インターネット?」

その当時のワシは、そんな世界のことなんか考えたこともなかった。パソコンみたいなもんは異星人のするもんやと思うてたさかいな。

「ええ、ホームページです」

「何や、それ?」

「早い話が、ゲンさんの話を載せて、広く一般に公開しようということです」

そうすることで、ワシの話が、日本全国、いや理論的には世界中に流れるということらしい。

「それで、ワシはどうしたらええんや?」

「ゲンさんは、ただ新聞業界の話について知っていることを、私に教えてくれるだけで結構ですから」

ハカセが、ワシの話を聞いて、それをホームページとやらに掲載するということらしい。

「どんな話でもええのか?」

「ええ」

「つまり、言いたいことが言えると」

「ええ」

そらええな。素直にそう思うた。

世間の認識まで変えようとは思わんが、言いたいことを言えるというのはええことや。

それが誰かに届くというのは悪くはない。

それまでのワシの拡張員人生10年で培った手口、いや、ノウハウと情報を徹底的にハカセに話すことにした。

ワシは告白めいて拡張の話をするつもりはない。

結果として、拡張員の悪事を暴くことにはなるかも知れんが、それによって世の善良な新聞読者を救おうやなんて大それた気もない。

それどころか、「こんなえげつない新聞読者もいてんのやで」ということも話すつもりやった。

事実、そうした。

当たり前やが、悪辣な人間は何も拡張員ばかりやない。

ワシらが毎日、叩い(訪問)とる客の中にも、それはそれはえげつない奴も仰山おるさかいな。

すぐに引っ越しするのが分かってて契約し、拡材(契約時のサービス品)だけ取ってドロンする奴。何ヶ月も新聞代を溜めて最初から払う気のない者。勧誘に行って、いきなり木刀を持って襲いかかってくる狂った輩などなど。

一々挙げたらキリがない。

一般読者の中には拡張員を怖がる人もおられるが、拡張員にしても行った先でどんな人間と遭遇するか分からんから怖いのは一緒なんや。

一般読者なら、居留守を使ってやり過ごすということも可能やが、ワシら拡張員はそれが仕事やから、例え、どんな相手に出会そうとも行くしかないわけや。

そうした事実がネット上で語られることはあまりないさかい、一般にそれと知られることもない。

業界の人間は、一般人ほど悪口を書いて吹聴するほど暇やないさかいな。そんなことをしても何の得にもならん。

せいぜい、憂さ晴らしができる程度や。アホらしい。たいていの業界人はそう
考える。

人間の世界には、どこにでも、ええ者もおれば、悪辣な輩もおる。それに一切の例外はないとワシは信じとる。

そういうことを好きなだけ言えるというのやから、こんなええ話はないと思うた。

それについて、どう思うか、考えるかの判断や評価は、それを見ることになる暇な人間が下せばええことやしな。

せやけど……。

「誰が、そんなホームページとやらを見るんや?」

ごく初歩的な疑問が湧いた。

ホームページを公開したことで日本中、あるいは世界中で閲覧可能になったとしても、それで見て貰えることが担保されたわけやない。

単純に考えて、拡張員の悪行の数々をあげつらったサイトやブログ、掲示板などが多いのは、そういうものが好きな人たちの共感を呼べて、面白がるからやないのかと思う。

それに比べて、「中には、こんなええ拡張員もいてまっせ」てなことを言う拡張員のホームページなんか誰が見て共感するというのやろうか。

そんなものは一笑に付されるだけや。閑古鳥が鳴くのが関の山や。

業界関係者にしてもワシが話す程度のことは、たいていの者が知っとる。そんなものを見る物好きなどいるはずがないと、ハカセにはそう言うた。

すると、ハカセは、「そうでしょうか……」と、意気消沈気味やった。

しかし、ハカセは立ち直りが早い。

何を血迷うたのか、「拡張の仕事をしてみようと思うのですが」と言い出した。

「物書きが、書くために取材をするのは当然なのですが、私は、ただそれを聞き語りで済ますのでは説得力のあるものは書けないと思っています。書く対象を熟知する必要があります。それには、その仕事を経験することが一番ですからね」ということらしい。

また、そうすることで「ゲンさんの言われることが理解でき、読者にも分かりやすく伝えられると思いますので」と言う。

ハカセは若い頃、小説家になりたいと考えていた。その手段の一つとして、高校卒業後、あえて定職には就かないようにしたという。

具体的には、半年働いて、半年間はその蓄えで生活しながら文章修行と執筆活動に打ち込むという生活や。それを約10年間続けた。

ハカセは、それぞれの仕事に精一杯、打ち込んだ。

普通、その仕事を一生懸命頑張るのは、その道で出世したいとか、成功したいという希望があるからやが、ハカセの目的は、その仕事の知識と経験の吸収にあった。

それが、執筆活動の役に立つと信じて疑わんかったからや。そのため、一つの仕事を辞めると、次は一度も経験したことのない仕事を選んだという。

切羽詰まって拡張員をする者は何人も見てきたが、ハカセのような動機で例え短期間にせよ、そうするという人間と出会ったことがなかった。

もっとも、そうは言うてても、所詮、素人のすることやから、すぐに音を上げて、泣きが入るやろうと思うてたがな。

しかし、それがついになかった。

実際、拡張員のとしてのレベルも相当な域に達したと認めてもええほどに、仕事そのものを熟知して自分のものにしていた。

「先生の教えがいいからですよ」

「それは違う。あんたの力や」

これは、ワシの正直な気持ちやった。

拡張の仕事は、誰でも始められるが、誰でも成功するとは限らん。また、どんなに教えても身につくというもんでもない。

向き不向きや持って生まれた才能、性質によっても大きく左右される。

加えて、それに取り組もうとする意気込みの強さも不可欠な要素となる。

そのハカセの意気込みには、ある種、鬼気迫るものがあった。

後日、ハカセ自身の口から、「これをやり遂げることが、私がこの世で遺せる唯一のことだとまで考えてましたから」というほどの思い込みがあったと聞かされた。

その数年前、心筋梗塞を患い生死の境を彷徨った経験から、いつまで生きていられるか分からん状態やったと考えていたということもあり、大袈裟やなく、文字通り命がけやったわけや。

それだけの思いで書いたものが、人の心を打たんわけがない。

加えて、本格的な文章修行から得た技術的な文章テクニックがあったこともそうやし、全編関西弁にして面白く分かりやすい構成にしたということも大きいと思う。

さらにハカセは、「Q&Aのコーナーを作ろうと思うんですが」と打診してきたというわけや。

この頃になると、ハカセはターゲットを一般読者に絞ったようやった。

当時、ネット上のサイトやブログ記事には新聞拡張員に対して否定的なものが多かった。というか、それしかなかった。

それは今も変わらない。ワシらのサイトを除いては。

拡張員が、いかに悪辣非道な人間であるかという論調で埋め尽くされていた。

そういう連中は、悪質な勧誘員と遭遇した様子を書けば、多くの人に共感が得られると考えているのやろうと思う。

あるいは、元拡張員が、その実態を訴え、業界のことを悪し様に書けば説得力があると考えとるのかも知れん。

そこに書かれていることがウソとは言わん。おそらくは事実なのやろうと思う。

しかし、彼らは何も分かっていない。その事例は、その人間に起きた出来事でしかないということが。

自分の周りの狭い範囲の出来事が、世の中のすべてで起きていると信じているわけや。

まさに「井の中の蛙、大海を知らず」状態やな。

特定の人たちを攻撃した内容の文章を読んで共感する者は、同じような性癖の持ち主だけやと思う。

多くの人は、そういうものを読まされるのを嫌う。人の悪口を聞かされることほど気分の悪いものはないさかいな。

つまり、ネット上での拡張員に対する批判的な記事は、それを好む限定的な人間にしか受けんということや。

彼らには、それが分かっとらん。限定的な人間でも集まれば群れを為すさかい、味方が多いと錯覚するわけや。

声を上げる者の言動は目立つ。拡張員を攻撃するサイトやブログ記事も例外ではない。

拡張員を攻撃するサイトやブログ記事はネット上に無数に存在するが、その中でワシらのサイト以上に人気を集めて支持されているものが、どこかにあるやろうか。

ワシの知る限り、そんなサイトは存在しなかった。

なぜ、なのか。

稚拙な文章が多いというのは許せるとしても、致命的なのは、書いている者が思っているほど、面白くないからや。

一方的に誰かを攻撃して喜ぶ者は、いじめをして面白がる輩と何ら変わらない。

潜在的に、そういう類のものを嫌う人の方が世の中には圧倒的に多いということやな。

その人たちは特段、拡張員に対して苦情があるわけでも擁護するわけでもない。

サイレント・マジョリティと呼ばれている人たちが、そうや。物言わぬ大多数の人たちやな。

ハカセは、そういった人たちに実態を知らせたい、訴えかけたいと考えたという。

フラットな考えの人、何の先入観もない人なら内容を面白くすることで、サイトに訪れて貰えるのではないかと。

結果的に、それが図に当たり、業界関係者より、一般読者の訪問者の方が多くワシらのサイトやメルマガに集まるようになった。

そうなると、逆に見向きもしないと思われていた業界関係者の方からのアクセスも増えてきた。

おかげで、今や業界では知らない人はいないと言われるくらいのサイトにまでなった。

おそらく、最初から業界関係者だけをターゲットにしたサイト作りをしていたら、こうはならなかったやろうと思う。

一般読者が何を望むかということを考えた結果が、Q&Aのコーナーやったわけや。

その効果は絶大やった。当たった。このコーナーがサイトの人気を支えているといっても過言やないと思う。

『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A』と銘打っている限り、業界関係の事なら、どんな質問にも答えられなあかん。

その自信が、ワシらにはあった。

どんな相談にも乗れ、解決に導けるだろうと。その自信があるからこそ、Q&Aを始めることにしたわけや。

その根拠は何か。

ワシは、昔、ある建築会社で仕事していたとき、工事の責任者(工事部長)していたことがある。

その時、相当数のトラブルの処理をした経験がある。

建築の仕事には、できばえが顧客にとって納得できんということが往々にして起きる。

特に、住宅リフォーム工事にそれが言える。住宅リフォームの場合は、似たような工事であっても、一軒ずつ事情や状況、条件が違う。

施工する側は、値段に見合う工事はこれくらいやという意識を持つし、客側は金を払う以上、最高の仕事を望む。

そこに、ギャップが生じ、そんな仕事では許せないと思う客が現れるわけや。

あるいは、施工業者の不注意、ミスによる欠陥や、初めから手抜き工事が発覚するというケースもある。

そんなトラブルでも金銭的な余裕があれば解決はつく。最悪、やり直しという方法も採れるさかいな。

しかし、会社がそれに対して金を出せんと決定すれば、その範囲でしか、ワシとしても交渉はできんわけや。

正直言うて、そういうトラブルは、こちらに引け目がある分、精神的に辛い。

また、その工事の施工中、施工後に、近隣の住民から苦情を持ち込まれることもある。

それも、ほぼ100パーセントに近い確率で施工業者に責任のあるケースばかりやから、きつい。

それから思えば、サイトの『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A』は第三者の立場でアドバイスをすればええということやから気は楽や。

ハカセも大手企業の工場や上下水道などの公共施設に出向き、プラントの新設工事や既存設備のメンテナンス工事の現場監督を長年やっていたさかい、いろいろなトラブルを経験しとるという。

それぞれの一例を挙げる。

ワシは、『第97回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員列伝 その5 季諾の漢(おとこ)、ヨシアキ 前編』、『第97回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員列伝 その5 季諾の漢(おとこ)、ヨシアキ 後編』(注1.巻末参考ページ参照)で、タチの悪い下請け業者が右翼組織を使って妨害しようたしていたという話をしたが、何とか切り抜けたことがある。

もっとも、このときは、ある男に助けられた結果ではあったがな。それでも、命がけの窮地やったことには変わりはない。

ハカセは仕事で、ある島の工事現場まで連絡船に乗っていく途中、その船の船底から水が侵入した際、機転を利かせて、その浸水を止めて難を逃れたということがあった。

その時は、たまたま、その工事現場の地下室が地下水によって水漏れを起こしているので、その水の侵入を止めて欲しいという依頼やったために、その道具と材料を持っていたことが幸いした。

その材料とは止水セメントと呼ばれるもので、水中でも固まり穴を塞ぐという代物やという。それを使った。

口で言うのは簡単やが、地下水と違って、推進中の船の中で、それができる者は専門の技術者でも少ないとのことや。

乗っている船やから、失敗すればハカセもろとも沈むというプレッシャーがかかるさかい、よけいや。

そんな事例を挙げればキリがないほど多いが、要するに、どんな困難でも、その気になれば何とかなるということやな。

そのことがワシらには経験的に身に染みついとるということや。少々のことであきらめたり、投げ出したりすることはまずない。

それが、『解決できない問題はない』という自信の根拠になっとるわけや。

もっとも、実際には難しい問題も多いがな。解決までには時間のかかることもあれば、双方が妥協できず物別れに終わるケースもあるがな。

そのええ例が『第92回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんのトラブル解決法 Part 3  騒音トラブル』(注2.巻末参考ページ参照)やろうと思う。

新聞販売店が仕事を開始する際の深夜の騒音問題というのは、難しい面がある。

それは、販売店が近所の住民に迷惑をかけとるという意識が希薄やということがあるからや。

仕事やからある程度の音が出るは仕方ないという思いがどこかにある。無音で仕事なんかできんさかい、ある程度は辛抱しろと考える。

騒音に悩まされる住民の方は、その騒音が気になると、実際以上に大きく聞こえてしまう。

この話の被害者も、寝室を変え、夜も早く寝ることにしたが、その時間が来るとどうしても目が覚めてしまうという。

耳栓もしてみたが、あまり効果はなかったと。慣れんことをすると却って寝にくいと。

人はこういう状況に置かれると辛い。そのことが気になると、どんな些細な音であろうが反応する。その時間が来て、何かの音が聞こえただけで条件反射的に目が覚める。

避けようとすればするほど、気持ちはそれに引き寄せられるわけや。

そして、この苦情は、警察や役所、新聞社に持ち込んでも殆ど解決することはないさかい、さらに事は深刻や。

それでも、ワシらは、それなりに解決策を示したつもりやった。


新聞販売店に対しての住民の騒音対策


1.迷惑やという意思表示をその販売店にする。しかし、これは、現場の作業員に直接言うのは拙い。作業員からの反発を受ける場合があるからな。

その意思表示をするのなら、そこのトップにすることや。たいていの販売店ならそれで済むことの方が多い。従業員に対して近所の住民に迷惑をかけるなと言うのが、普通やさかいな。


2.新聞社に苦情を言う。これも、たいていは「注意します」と言うはずや。これで、効果ないとなれば、普通は言うてもあかんと思い二度と言わんようになる場合が多い。

しかし、これは、効果はなくとも二度、三度言う方がええ。実際に、その注意が現場まで伝わってないというケースもあるからな。

あっては、ならんことやが、新聞社から注意を受けた人間が、それを握りつぶしてたということが、実際の相談にあったからな。

これは、二度目に同じ苦情を新聞社に言うたことで分かったという。その相談者の苦情を伝えた新聞社の担当者が不審に思い、直接、経営者に連絡したことでそれが分かった。

販売店の規模が大きければ大きいほど、そういう傾向があるようや。


3.よほどの場合は、役所や警察などの公共機関に相談や通報をする。その際、具体的な被害状況が示せるようにしとく。

被害者宅や周辺からのビデオ撮影というのも、その証拠になり得る場合もある。

但し、その際、役所には繰り返しの相談、通報は2.と同じで効果的な場合があるが、警察への通報は慎重にしといた方が無難やと思う。

新聞販売店のそれは、暴走族辺りが騒いどるのとはわけが違うから、よほど酷いと客観的に思える程度でないと、何度もというのは控えた方がええ。

場合によれば、逆効果になるおそれも考えられる。

警察は、あきらかな違法行為しか取り締まることができんというのが原則や。

深夜の新聞販売店の営業行為というのは、ある程度まで仕方ないという、暗黙の了解のようなものが世間一般にある。

また、そう思われとる。それを騒音と認定するのは、かなり厳しい条件、状況が必要になるということや。

1度目は、警察も、出向いた手前、注意はするやろうが、それにしても「深夜やから、ちょっとは考えたって」という程度のもんや。

それ以上、警察に要求するのは無理があるということになる。


4.近所で同じような苦情を持つ人間を募り、なるべく複数で苦情を言う。これは、結構、効果的や。

同じように迷惑やと考える人間がいとるとなると心強いもんや。販売店側も複数やと無視もできんやろうしな。

但し、こういう相談をされて来られる方は、日頃から近所との付き合いというのが、あまりされとらんというケースが多いようや。

近所と普段からそういう付き合いが密やと、すぐ団体で行動を起こすという発想をするから、ワシらのところまで相談するというのは少ないということになる。


5.地域の有力者に相談する。その販売店を管轄する町内会の会長なんかがええと思う。

そういうのに弱い販売店というのも多い。販売店も地域の有力者と揉めるのは拙いと考えるから、かなり効果がある。

販売店は、その地域のみで仕事をしとるわけやから、地域の人間と敵対するようなことは避けるのが普通や。

実際、この騒音問題に関して町内会の会長さんや役員さんが関わったケースはほとんどが解決しとるとのことや。

市会議員、町会議員さんというのも、人により積極的に動いてくれることもある。

変わったところでは、地域の民生委員さんの尽力で解決されたとの報告もある。

いずれにしても、地域の有力者に動いて貰えれば解決は早いようや。


6.ただ、解決というても、そこで仕事をするなとは言えんから、どうしてもいくらか音はする。完全に無音というのは仕事の性質上、無理や。

どうしても、気になるのなら、寝室だけでも防音工事をしとくことやな。

住宅における防音対策や防音設備には、防音サッシや防音ドアに代表されるように開口部からの音を遮断するだけでもかなりの効果があるとされとる。

RC住宅(鉄筋コンクリート住宅)なら、それでほぼ完璧やが、在来工法の木造住宅やと、それだけでは不十分やから、防音壁、防音シートまで考えなあかんかも知れん。

費用は多少かかるかも知れんが、一考の余地はあると思う。


7.敢えて、客になるという方法もある。そこから、勧誘員が来れば、それとなく騒音について配慮して貰えれば購読を考えるという趣旨のことを言う。

それを考慮して貰えれば、新聞を取ってもええと言うわけや。勧誘員もそれが条件で確実に客になるということなら、積極的に店にかけ合うことも考えられる。

どんな店も、客が迷惑するとなれば、それを無視することもないやろしな。

但し、その場合、他の新聞に切り替えにくいということは覚悟しとかなあかんと思うがな。


と。

この騒音トラブルというのが、新聞トラブルの中では一番長引く。

サイトの相談事例にも似たようなケースが多い。解決まで、数ヶ月要したというのも珍しいことやないさかいな。

例え、一時はそれで話し合いがつき、静かになったようでも、日が経つとまた、その騒音がぶり返すというのも良う聞く話や。

これは、そこで従事する人間の質にもよるが、慣れに従いどうしても気が緩むということが起きるからのようや。

結論として、この騒音トラブルに関しては選択肢が限られると思う。

積極的に解決を図る。防御(防音)を考える。我慢してあきらめる。転居する。その新聞の客になる。という程度やな。

ワシらには、そこまでのことしかアドバイスできん。

それをどう参考にして解決に導くかは、相談者に任せるしかないさかいな。

ただ、『絶対に解決できる』と強い意思を持って事に当たられる方は、苦労しながらも最後には、望まれるような結果を勝ち取られとるようやがな。

どんなに難しい問題でも、最後に物を言うのは、その人の強い気持ちやと思う。

やれると思えばやれるし、あかんとあきらめたら、それで終わる。

もっとも、押し通す方がええのか、あきらめて衝突を避ける方がええのかは何とも言えんがな。

それぞれが判断するしかない。



参考ページ

注1.第97回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員列伝 その5 季諾の漢(おとこ)、ヨシアキ 前編

第98回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員列伝 その5 季諾の漢(おとこ)、ヨシアキ 後編

注2.第92回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんのトラブル解決法 Part 3  騒音トラブル


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