メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第275回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日  2013. 9.13


■第1回「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナーこぼれ話あれこれ


2013年9月8日。

「こんな凄い所で、するのか……」

それが、初めて東京国際フォーラム(注1.巻末参考ページ参照)を見たハカセの偽らざる心境やった。

話には聞いていたし、一応の予備知識も仕入れていた。

建築面積21,000m2、延床面積145,000m2、敷地面積27,000m2、地上11階、地下3階、建物の高さ約60mという公式のデータがある。

とにかくでかくて圧倒される建物やったと、ハカセは言う。

特にセミナー会場のあるG棟、俗に「ガラス棟」と呼ばれている東京国際フォーラムで最もシンボリックな建物は圧巻やったと。

ガラス棟は全長約207m、地上高57.5m、最大幅約32mの巨大な舟形のアトリウム空間になっている。

アトリウム空間とは、現代建築によく使われる表現で、巨大な吹抜けがあり、もっぱらガラスの天井で、屋外のような開放感が味わえる空間のこと指す。

東京国際フォーラムは1階から天井までが吹き抜けになっている。下から見上げても上から見下ろしても壮観な眺めである。

使用されているガラスは壁面だけでも約2600枚。厚さ8mmの合わせ強化ガラスを使っているという。

それにより透明感のある空間が保たれ、地上1階から最上階の7階までスロープで一周でき、4階から6階部分の空中ブリッジで連結し、ホール棟と大きく二分された施設群が機能的にジョイントされている。

耐震性能も大震災発生時に耐えることを想定して設計されており、火災発生時も巨大な空間を利した自然排煙ルートを設け、ガラス棟独自の放水設備を備えるなど備えも万全だという。

その巨大な外観と共に、構造を露出した内部が見る者を圧倒させる。骨組みがそのままジョイント通路になっていて、そこを人が歩いて渡っているのを見るというのも何か不思議な感じがした。

SF映画に出てくるような超近代的な建物を想像して貰えれば、その雰囲気がよく分かって頂けるのやないかと思う。

もっとも、1997年1月10日にオープンしたということからして、東京や関東一円にお住まいの方にとっては、すでに見慣れた建物なのかも知れんがな。

しかし、現在、10階建て以上のビルすら稀にしか見ることのできん三重県津市に住んでいるハカセにとっては、「巨人の国」に迷い込んだのではないかと錯覚させるほどの衝撃があった。

人間になぜ、こんな巨大な空間を要するビルが必要なのかが分からない。その空間に施設や部屋を作った方が合理的に思える。

もっとも、それでは普通の高層ビルと同じで、何の感慨も湧かんかったやろうがな。

これは広義の意味での「無用の用」になるのやないかと思う。一見無駄に思える空間が、見る人に心の豊かさを与えているという点で。

世の中、すべて合理的に作られている物ばかりやないということが分かり、少しホットした気分になったとハカセは言う。

会場となっているガラス棟の会議室、505号室の前までやって来た。

すると、案内の電光掲示板に「ゲンさんの嘆きオフサイト・セミナー」のイルミネーションが流れているのが見えた。

これもハカセにとっては感動物やった。大袈裟やなく、ハカセの人生の中で、何か大きな歴史の瞬間を迎えたような誇らしげな気がしたからや。

イベント用のサービスと言うてしまえば、それまでかも知れんがな。

主催元のNEWSコンサルティング株式会社のスタッフが忙しげに開場準備に追われている。

ハカセは、手持ち無沙汰げに横目でその様子を見ながら、外部廊下の腰壁から階下を覗き込もうとした時、心地良い冷気が顔に吹きかけられてきたことに気づいた。

腰壁の上部に設置されていた長さ50センチ、高さ10センチほどの細長い排気口から冷気が、ちょうど人の顔あたりに向けて排出されるようになっていた。

横に長く伸びた腰壁には4、5メートル間隔でその冷気の排気口が見える。

ワシは建築の仕事に長く携わっていたから分かるが、これは相当な技術と建築コスト、および大がかりな空調設備が必要になる。

ワシもハカセから聞くまでは、そういうのがあるとは知らんかった。日本の建築物でも珍しい構造やと思う。

真夏の大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)にも屋外通路に冷気の吹き出ているパイプがあちこちにあり、訪れる人を熱中症から救っているということやが、あれと似たような発想から考え出されたものやと思う。

さりげないところで、心憎いほどの心遣いがされている。しかも、そのことは東京国際フォーラムのパンフレットのどこにも触れられていない。

そのこと一つを取っても東京国際フォーラムの凄さが分かる。

13時40分。

受け付け開始時刻になった。続々と参加者が入場して来るものの、終盤になっても予定されていた客足の伸びが悪い。

それについては直前の打ち合わせ時に、ある程度予想されたことではあった。

早朝に2020年の東京オリンピック招致が決定したからや。

そんな歴史的な日に、「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナーが開催されるというのはある意味、誇らしいことなんやが、それにより客足が鈍るという皮肉な結果を招いたのも、また事実やった。

結局、それが原因と思われる欠席者が数名おられたさかいな。

なぜか。

半月ほど前、ある新聞販売店にお勤めの読者の方から、


9月8日のオフサイトセミナー楽しみにしているんですが大ピンチになりました。

というのも8日朝方にオリンピックの開催地が決定されるそうで、もし東京に決定した場合、号外が出て現読全部に配達しなければならないことになりました。

日曜日はご存知夕刊がないのですが『夕刊のような感じ』らしいです。要は8日の午後に朝刊配る感じで薄い号外を全部の現読に配るということです。

朝刊のアルバイトの人が配ってる区域もあるし専業は全員出勤ということ。

もし8日の発表が東京なら仕事に出なければならず、会場に着くのが相当遅れることになりそうです。


という連絡が入った。

全国紙のY新聞では、2020年の東京オリンピック招致が決定した際、約700万部もの大量の号外を全国規模で配布することを決定していたという。

もちろん、こんなことは前代未聞のことや。

たいていの場合、号外というのは大都市の一部、駅前あたりで体裁程度に無料で配られるものと相場が決まっていた。

しかし、Y新聞では2020年の東京オリンピック招致運動に力を入れていたということもあり、約700万部もの大量の号外を全国の系列販売店で配ることにしたわけや。

決定が日本時間の9月8日5時20分頃。約700万部もの大量の号外になると、決定してからでないと印刷できない。刷り上がるまでには早くても2、3時間はかかる。

全国一斉に配達するためには、すべての地域で刷り終わるのを待つ必要がある。

『夕刊のような感じ』で午後に配られることが決定したというのは、そのためやと思われる。

当オフサイト・セミナーを9月8日にセッティングしたのは、こういったセミナーの性質上、新聞販売店関係者の参加が多いやろうと見込んだためや。

翌9月9日が新聞休刊日やから、前日の9月8日は、たいていの販売店では休みになっているさかい集まりやすいと踏んだからや。

ハカセらが、オフサイト・セミナーの開催会場を東京国際フォーラムにする場合、その予約を遅くても2ヶ月前までに入れなあかんという事情があった。

そのため、セミナーの予約の受付開始をその2週間前の6月15日からにしたわけや。

まさか、その9月8日に2020年の東京オリンピックの招致が決定し、Y新聞が約700万部もの大量の号外を、その午後に配布する決定を下すとは夢にも考えんかった。

参加を予定されていた新聞販売店関係者の方々も号外が出ることくらいは予想しても、さすがにそこまでは考えてなかったやろうと思う。

それ故、当オフサイト・セミナーの予約申し込みをされものと思う。

結果として、そういう事態になり、来たくても来られなくなったと。

日が悪かったと言えば、それまでやが、それを言うてもどうしようもないさかい、集まった人たちで始めるしかない。

それにものは考えようで、そんな歴史的な日にオフサイト・セミナーが開催されたという事実は消えんさかい、後々の語り草になると割り切ることができる。

参加できんかった人たちには気の毒やが、次回にでも来て貰えればええことでもあるしな。

14時。

「それでは、これより、第1回新聞拡張員ゲンさんの嘆きオフサイト・セミナーを始めさせて頂きます」という女性司会者の澄んだ声が会場に響いた。

女子アナを志望しているというだけあってプロ並の司会やった。しかも若くて超美人ときとる。スタイルが良く、笑顔の素敵な女性や。

ハカセは、事前の打ち合わせ時、当然のように熱心にその女性司会者から話を聞いたが、頭の回転の良さも性格も非の打ち所がないと感心しきりやった。

テレビに出てくる人気女子アナに匹敵、いやそれ以上やとハカセは思うたという。

もっとも、こればかりは、いくら力説したところで、当日お越しになられた方にしか分からんことやろうと思うがな。

良う考えれば、ええ歳したおっさん3人が講師のセミナーやから色気の欠片もない。それだけを見れば悲惨を極めているとしか言いようがない。

その女性司会者の存在で一気にセミナー会場が救われたような気がしたとハカセは言う。

おそらく会場にお越しの男性客の大半も同感やったはずや。

ただ、女性参加者の方には気の毒という外はないがな。

「セミナー開始に先立ちまして、皆様には『ハカセ』でお馴染みのサイト管理者、白塚博士(しらつか ひろし)より、ひとことご挨拶させて頂きます」という女性司会者に紹介され、ハカセが壇上に立った。


本日は『第1回「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナー』にご参加して頂き、まことにありがとうございました。

はじめまして。私が管理人の白塚博士(しらつか ひろし)です。ハンドル・ネーム、ハカセです。

本日は早朝に2020年の東京オリンピックの招致が決定するという歴史的な日になりました。

その記念すべき日に当HPとして初めての試みとなるオフサイト・セミナーが開催されるというのは、まことに光栄に思います。

この場には来られなかった「ゲン」さんから皆様には、よろしくとのことでした。

今回の企画と運営は、すべては、NEWSコンサルティング株式会社様とそのスタッフの皆様のおかげです。

代表取締役社長の須田氏とは、1年ほど前、私がアマゾンで氏の著書「セールスの生現場は新聞屋に学べ」を購入して読み、その内容を当メルマガで紹介した縁がきっかけでお付き合いが始まりました。

そして、今年の5月になって、あるテレビ制作会社からネットテレビへの出演依頼があったことで、たまたまその制作会社の近くにオフィスを構えておられたことを知っていましたので、その件で相談させて頂くうちに、今回の話がとんとん拍子に進みました。

今回の企画は、須田氏がお仕事で「ビジネス・セミナー」をされておられるということでしたので、すべてお任せした次第です。

今回、お越しの新聞販売店関係者、および新聞セールス会社の方々、また営業全般に関心がある方にとって、この後の須田氏の『トップセールスのマル秘テクニック』、および米山氏の『仕事の成果は能力よりモチベーション』のお話はとても有意義で参考になるものと確信しています。

須田氏は長年新聞セールスを実践され、年収2千万円以上稼がれた実績と、その著書で話されている内容を読んだゲンさんが「ワシよりはるかに凄い人」と言わしめたほどです。

まさに、業界の「カリスマ」と言って良いでしょう。

方や米山氏は、大手化粧品会社にて、研究開発から教育・営業と幅広い部門のお仕事を経験されています。

セールス・スキルをはじめ、職場の人間関係・モチベーションの在り方・クレーム対応術などに高い評価を集め、数多くの企業で実践的な指導実績を重ねておられる方なので、新聞販売店の方、新聞セールス会社の方、あるいは今回お越しの企業戦士、重役の方々にとって得るものが多いのではないかと思っています。

そして、私は9年間のHP運営で培ったノウハウと人気サイト、ブログを作るための文章テクニック、および読者から寄せられた膨大な情報で得られたコアな「ここだけの話」をお話するつもりでいます。

これは自画自賛になるかも知れませんが、非常にバランスの取れたセミナーではないかと思っています。

それでは、最後まで、ごゆっくりとお楽しみください。


この後、


14時05分〜15時00分(55分)

『トップセールスのマル秘テクニック』
 ――これであなたはトップセールス!――

1.新聞セールスに於けるプライオリティー

2.「本当のプロ」のセールステクニック

3.これからの新聞セールスのかたち


   NEWSコンサルティング 代表
           す田・よし!
  

15時00分〜15時10分(10分)休 憩 


15時10分〜15時50分(40分)

『仕事の成果は能力よりモチベーション』
 ――人間関係で100倍楽しくなる――

1.業績向上の要因は何か

2.モチベーションのメカニズム

3.モチベーションと職場の人間関係


NEWSコンサルティング 主席コンサルタント
           米山かずあき


15時50分〜16時00分(10分)休 憩


16時00分〜17時00分(60分)

『HPゲンさんの嘆きについて』
 ――HP上では言えないここだけの話――

1.サイトに必要な準備と考察

2.人気サイト、ブログを作るための文章術

3.読者から寄せられたコアな話


「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」サイト管理者
            白塚 博士


といった具合にスケジュールが続いたが、残念ながら、そのすべてをここで話すことはできん。

何しろ全部で3時間弱の長丁場の話ということもあり、物理的に無理や。すべてを語り尽くすには、最低でもメルマガ4、5回分くらいは必要やろうと思う。

ハカセの「HP上では言えないここだけの話」は、本当にネット上では明かせない情報を含んでいるということもあり、またそれに呼応するかのように須田氏も他では言えない「ここだけの話」を混ぜておられるということやさかい、よけいや。

ハカセの分は、話せる部分だけをピックアップし、いずれ機会を見てメルマガ誌上で話すつもりがあるという。

また、須田氏、米山氏に関しては、了解を貰った上で、その時期がくれば話したいと。

まことに申し訳ないが、ここでは参加者から寄せられた、忌憚のないご感想をお知らせするので、その場の雰囲気を想像して頂きたいと思う。

それでは、届いた順に紹介させて頂く。尚、いつものように無記名とさせて貰う。


ごくろうさまでした。ハカセの緊張の息使いがひしひしと伝わってくるセミナーでした。

自分の信じた道を、めげずに究めようしている人には、たぶん万人には持ち得ない何か特別なモノが与えられているんだと、あらためて思えた一日でした。

人の一生の間に、そのような存在に巡り会える事はなかなかないものです。

人が真剣に何かを求めた時、時としてそうゆう人が現れるのかもしれませんね。

一年に一度ぐらいはお会いできたらうれしいです。

これからも、文字を見ただけでうんざりする楽しいメルマガをお待ちしております。ありがとうございました。


昨日は大変お世話になりました。

セミナーがご盛会となりましたこと、心よりお慶び申し上げます。

内容の充実ぶりもさることながら、ハカセ様とご挨拶できましたことが何よりです。

「丸くなったでしょう?」とご指摘を受け、「あれ? 太ったかな?」とも思いましたが、人間性のことだったのですね。

確かに歳相応に、表面的には尖ったところはなくなりましたが、内面では反骨精神の塊であり、それが私の原動力でもございます。

今後も精進してビジネスに邁進する所存です。

ハカセさまにおかれましても、何卒、ご健康にご留意されつつ、今後の益々のご健勝ならびにご活躍を心より祈念申し上げます。


セミナーにつきましては、初回ということもあり、ご苦労されたと思いますが、プロジェクターにパワーポイント画像を投影する方が簡単で、時間の節約にもなると思いますので、次回からは、そうなさるようお勧めします。


「いつかハカセとお会いしたい」と思っていたなか、実際にお話できる機会を得ることができ、感激しております。

セミナーや懇親会ではここでしか聞けない裏話が飛び交い、参加者にとっておみやげの多い時間でした。

このような場を提供してくださった関係者のみなさま、参加者のみなさま、そしてハカセに感謝しています。


セミナーお疲れさまでした。有意義な時間をすごせました。

私はまったく業界(新聞)関係者でも販売業種でもなくまったくのメルマガ読者です。

貴サイトを知ったきっかけは忘れましたが、読み続けたのは若いころ受けた恐喝勧誘の恨みが忘れられなかったのと、まったく自分の性格とは異なる訪問販売業に対する興味、そしてそれをやらざるを得ないところまで堕ちた(失礼)ときのための備えとして読み続けてきました。

参加費の1万円は私にとって軽いものではありませんでしたが長年楽しませていただいたメルマガの購読料を考えて参加することにしました。

以下思いつくままにセミナーの感想をつづらせて戴きます。

まず「ハカセ」の印象

事前:小説家志望ということですので学者然とした人かと思っていました。
事後:「エネルギッシュなおっさん(経営者)」


それぞれの講演者の印象

社長(スダ氏):さすがセールスNo.1。いきなりのつっこみに引き込まれました。参考になったことは、「いきなり決めつける『あんた○○でしょ!』」。

最初の経歴紹介でさらっと言われましたが電気工事会社を無借金でやられていたこと。人間の出来(能力)そもそも違うな思いました。

専務?:申し訳ないですがはっきり言って退屈でした。ご本人が言われていた通り文字通り「箸休め」?

しかしあえてそうされていたのでしょう。社長同様私ごときと同列にはならべられない人です。

ハカセ:社長の経歴同様おそれいりました。


参考になった(印象に残った)こと:

社長のいわれた新聞の改善案? 紙面にQRコードを載せるということ。こういうだれでも簡単にできることを最初に思いつく人はすごいです。本当にやれば新聞はよみがえるでしょう。


新聞と訪問販売の今後について思うこと:

三つ子の魂100までといいます。自身が若い頃にうけた恨みは一生忘れられないでしょう。たかが数千円のことですが。

しかし今の若い世代は(業界の改善により)そういったことは経験していないでしょう。「暗黒時代」を知らない世代の時代になったときに訪問販売の明るい時代となることでしょう。


とりとめのない書きなぐり駄文で失礼しました。今後ともメルマガ楽しませていただきます。


新聞業界の素人のハカセがこつこつメルマガを書くことで9年にも及ぶ知名度と内容の深さに於いて、8日にあのような懇親会を持てたことを読者の一人として喜んでおります。

集まった御仁は職業が上手く散らばっていてホントに豪華キャストでしたよね。

私もいち専業の身ではありましたが、専業も新聞販売店を構成する大事なパーツであります。

何人かの方の希望に添えるならこのような集まりが2回目3回目と行われるでしょう。

この第1回目に専業の身分で参加できたことを大変うれしく思ってます。

文章で繋げた。凄いですよね。

ハカセの増々の繁栄とご健康を祈願して感想とさせていただきます。


先日は素晴らしいセミナーありがとうございました。

とても勉強になりながらも、とても楽しく参加させて頂きました。

白塚様、す田様に抱いておりました私のイメージと大きく違ったところが印象に残っております(笑)

皆様の講座はとても解りやすく本当に参考になりました。

話し方が本当に上手だと実感しましたのも印象に強く残っております。

「皆様は、おわかりかと思いますが・・・」

「ここに来てる皆様、会社ではそれなりの役職にいらっしゃるでしょうから・・・」

この他にもありましたが、さりげなく相手を立てるような言葉が嫌味なく耳に入ってきました。

私は新聞販売所では役職もない一般の専業ではありますが、そのように立てて頂けると本当に自分が管理職になった気分でセミナーに参加できました。

このような話し方は当然、拡張でも使えるな・・・と思いました。

もし第2回目があるのでしたら、また参加したいです。

そのときは「訪問恐怖症」についての講座をリクエストしたいです(笑)

いくら話し方を学んだところでドアを叩けなければ意味がないですからね。

私は実際に訪問恐怖症かと思うくらいに叩く事が怖いと感じる事が多々あります。

お暇な時で良いですので訪問恐怖症についての白塚様、ゲンさんの意見をお聞かせ下さい。

素敵なセミナー本当にありがとうございました。

関係者の皆様に感謝を申し上げます。


大変有意義な会を催していただいて感謝しております。

月並みな言葉ですが裏方を支えて下さった方のご苦労はいかばかりかと推測します。

自分の頭の中に終生忘れない記憶に残る、そして少しずつ発酵して仕事に良い影響を与えると思います。


この度は有意義な場を提供頂き有難う御座いました。

こういうセミナー自体参加することが今までなかったので、懇親会も含めて大変良い経験になりました。

ところで帰宅した後一つ気になったことを思い出したのですが、須田さんが途中涙を流されていました。

最初は目が痛いか何かと思ったのですが、だんだんとそうではないように感じました。懇親会で聞けばよかったのですが、すっかり忘れてました。

博士はどう思われましたか? あるいは何か聞いてますか?


ハカセは後方にいたということもあり、この参加者の言われる『須田さんが途中涙を流されて』ということまでは気がつかんかったようや。

そこで、そのことをハカセが須田氏に問い合わせたところ、


私は、もともとどちらかといえば涙もろい方で、あの時は辛かった拡張員時代を思い出して思わず涙が出てしまいました。

ご心配いただきありがとうございます。


と言われていた。その旨を伝えた上で、


いろいろあるということで、ご理解ください。

須田氏の「辛かった拡張員時代」については、氏の了解を得た上で、いずれメルマガ誌上で話したいと思っています。

それでは何かありましたら、よろしくお願い致します。


と、メールしておいたという。

それにしてもさすがと言うべきか、須田氏や米山氏は、こういったセミナーでの講演に慣れておられるというのが、よく分かったとハカセは言う。

直前の打ち合わせの席上、思い切ってハカセは須田氏に教えを請うた。

「私は性格的にアガるということがないので、その点では心配していないのですが、人前に立って話をするというのは十数年ぶりということもあり、正直、自信がありません。上手く伝えるための秘訣のようなものが何かあれば教えて頂けませんか」と。

「そうですね。テクニック的なことを言えばいろいろあってキリがありませんので、一つだけ。初めは、ゆっくりと話し始め、徐々にペースを上げ、核心部分に差し掛かったら一気呵成に語ることですね。講演の話は、その方が頭に残りやすいですから」と、須田氏。

一般的に、テレビのナレーションに代表されるように、スローテンポの語り口が良いとされているのは、聴衆が集中しているのとバックの映像とBGMとの兼ね合いで心地良く聞こえるからで、講演会、セミナーのような開放的な場で、それをすると眠気を誘うおそれがある。

講義で聴衆を集中させるには、話に引き込むしかない。

それには『初めは、ゆっくりと話し始め、徐々にペースを上げ、核心部分に差し掛かったら一気呵成に語ること』が効果的なのやという。

なるほど。ハカセは、その点を心がけることにした。

ハカセは話をすることは嫌いではない。むしろ好きな方や。但し、話し始めたら止まらない。話が、どんどん膨らんでいき果てしなく暴走する。

それが怖い。取り留めのない話になってしまうからや。それではセミナーにはならない。

セミナーは勉強の場でもあるから、参加者の方には「勉強になった。参考になった」と思って貰えなくては意味がない。

参加者の誰かが『参加費の1万円は私にとって軽いものではありませんでした』と言っておられたが、セミナーをする側は、その重みに答えなくてはならない。

間違っても『長年楽しませていただいたメルマガの購読料を考えて参加することにしました』という言葉に甘えてはいけない。

人は何かで幻滅させてしまえば、他のことでも興味が減退してしまい結局離れてしまうからや。

そのために「原稿」を作ったが、それを棒読みするだけでは何も伝わらない。

ハカセは、文章を読ませる工夫なら、いくらでもできるという自信はあるが、伝えられる話をするという技術は、また別物や。そう考えて教えを請うたわけや。

しかし、付け焼き刃は、所詮、付け焼き刃でしかない。

ハカセは、話の途中で、それを痛感したさかい、一時、作った原稿を無視して話出した。

やはり案の定、暴走気味になった。

急遽、「原稿」どおりの話を戻したが、時すでに遅し、や。結局、予定より5分間もオーバーしてしもうたという。

こういったセミナーでは時間配分を守り、持ち時間を厳守するということも重要なファクターになる。

おそらく、それは回を重ねる毎に慣れて、こなれてくるのやと思うが、それでは、今回の参加者の方に申し訳が立たない。

初めてやから許して欲しいと甘えることができるのはアマチュアだけや。金銭を貰ってやる以上は、常に最高の状態のパフォーマンスが出せるプロフェッショナルやなかったらあかん。

一切の甘えと妥協は赦されない。

それは分かっている。分かっているが、上手くいかない。それがもどかしいとハカセは言う。情熱だけでは空回りしとるのやないかという感が否めないと。

参加者の方々は優しいさかい好意的なメールで励ましてくれとるがな。


ハカセ、ありがとうございました。

皆様、大変長時間にわたり、ご静聴頂き、まことにありがとうございました。

これにて、第1回『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』を終了させて頂きます。お疲れさまでした。


美人司会者の締めの言葉でセミナーは終わった。

出来映えに自信はなかったが、やり遂げたという充実感はあったとハカセは言う。

その後、懇親会が開かれるパーテー会場に移動した。

外はなぜか、ゲリラ豪雨に見舞われていた。地図上の案内では場所はすぐ近くなのやが、その雨に阻まれやけに遠く感じた。

普通に考えると、これも運が悪いということになるのやろうが、ゲリラ豪雨であったが故に、忘れられない記憶として残った。

何事もええように考えれば、不運は不運ではなくなり、後の幸運にもなるのやと思う。

少なくともワシらは、そう信じている。

ハカセは、懇親会場の中で幾人かの人と名刺交換をした。長年メールのみのお付き合いしかしていない方々と直接会って話すことができたのが、何よりの収穫やったと。

初対面なのやが、いずれの方とも旧知の間柄という感じで接して頂けたと。

特に7、8年前から、そのご好意にすがって当サイトの法律顧問をして頂いている今村英治先生と会って話せたのが感動的やったと、ハカセは言う。

その懇親会で耳寄りな話を数多く知ることができ、ハカセにとっては大きな収穫になったようや。

楽しい時間は過ぎるのが早い。懇親会が終わり、最後のお客を見送った。

今まで賑やかやった会場に静けさが訪れ、「お疲れ様でした」の言葉とともにスタッフもそれぞれ帰路についた。

ハカセにとって生涯忘れることのできない時が終わった。

その3時間半後。

津駅に降り立ったハカセを長男のシン君が車で出迎えに来ていた。

「どうやった?」

「良かったよ。東京フォーラムというのはホンマに凄いところやで……」

「分かった。分かった。後でゆっくり、コウ(ハカセの次男)とお母さんとで聞いてあげるから」

ハカセの話し好きは家族に向けても同じらしい。シン君は心得たもので、サラリと交わす術を幼少の頃から身につけている。

まともに相手にしていたら、延々と付き合わされ大変なことになるやからや。

会話のない親子よりマシかも知れんが、会話の多すぎる、話し好きの親を持つというのも、子供としては辛いものがある。

そう笑いながら兄弟が話すのを聞いたことがある。

何事も、ほどほどがベストなんやが、それを言うて分かる親でもない。適当に受け流しておくしかないと。

シン君が、ふと気がついたときには、ハカセはいつの間にか助手席で深い眠りに落ちていたという。



参考ページ

注1.東京国際フォーラム


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