メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第277回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2013. 9.27
■絶対に秘密が守れると言い切る根拠について
ある新聞販売店の従業員の方から寄せられたメールがある。
はじめてメールします。僕は最近になってゲンさんのメールマガジンを知り、毎週楽しみに読んでいます。
僕もセミナーに参加したかったのですが、東京まで行くのは遠いし、お金もないので諦めました。
そこで質問なのですが、セミナーに行けなかった僕のような人たちのためにDVDの販売とかあるんですか?
それとメールマガジンを読んでいると時々、「投稿者の個人情報と秘密は絶対に守る」と書かれていますが、そう言い切れる根拠は何ですか?
信用しろってことですか?
気を悪くしたら、ごめんなさい。
実は、僕が今いる店が、評判の悪い拡張団ともめています。
そのことを知らせてゲンさんやハカセさんのアドバイスが欲しいと思っていますが、本当に投稿者の秘密が守られるのか不安で迷っています。
信用しないわけじゃないですが、もし僕がそんな相談をしたことがバレたら殺されるかも知れません。その評判の悪い拡張団はヤクザだからです。
僕が相談しても絶対に大丈夫という根拠を教えてくれませんか?
そうすれば安心して相談できます。
と。
『セミナーに行けなかった僕のような人たちのためにDVDの販売とかあるんですか?』といった問い合わせは、先日回答したサイトのQ&A『NO.1246 ゲンさんの対応について教えてください』(注1.巻末参考ページ参照)の中にもあった。
5・これはハカセ様への質問なのですが、私は仕事の都合上セミナーに行けなかったのですけどセミナーの模様のDVD等を発売する予定は無いのでしょうか?
メルマガに書かれておられましたが、当日は2020年の東京五輪開催が決まった事も有り、当日になって行かれない方もいたでしょうし、また私のような地方に住んでいて当日仕事の都合等で行けなかった人も多数いると思うのですが、動画配信やDVD発売についての見解を教えて下さい。
と。
これに対してハカセは、
回答者 ハカセ
『5・これはハカセ様への質問なのですが』ということですので、私がお答えします。
『セミナーの模様のDVD等を発売する予定は無いのでしょうか?』ということですが、当初はその方向で考えていました。
しかし、セミナーでの「HP上では言えないここだけの話」には、本当に公にできない話が含まれていますので、敢えてDVDの作成はしないことにしました。
もちろん、その部分に関しては、サイトやメルマガで今後話すこともないでしょう。
それくらい、危うい内容でした。世の中には例え事実であっても公にしない方が良いということがありますので、そうご理解ください。
他の読者の方からもDVDを作成して販売して欲しいという要望が届いています。DVDの販売をすれば、ある程度は売れるだろうとは思います。
しかし、それと同時に信用も失います。
「HP上では言えないここだけの話」でも情報提供者の個人情報は、例によって一切洩らしてはいませんが、日本のマスコミですら知らない、報道されていない情報ですので場合によれば大きな反響を招きかねません。
すでに過去の出来事で、情報提供者の方には時効により法的にも罪に問われないということもあり、セミナーの場で話ましたが、それをDVDにして作成するとなると、サイトで公表するのと同じ事になります。
それではセミナーで公示していた「HP上では言えないここだけの話」にはならないと思います。ここだけの話は、やはりここだけの話にしなくてはいけません。
私としては、今回のセミナーで話した「ここだけの話」は今後、どこにおいてもするつもりはありません。その話は一度きりで終わりにしたいと思っていますので。
したがって、まことに申し訳ありませんが、今回に関しては動画配信やDVD発売についてはする予定がありませんので、そうご理解ください。
但し、次回以降のセミナーについては、そういった危ない話は避けて動画配信やDVD販売まで考えて開催したいと思っています。
よく考えれば、誰にも知らない「HP上では言えないここだけの話」なら、後の親睦会あたりで個人的にすれば良いだけのことでもありますしね。
当事者の企業や個人の情報さえ漏らさなければ「こういう話がある」という程度の雑談をする分には構わないと思いますので。
単なる噂話の域を出ない話として。
『メルマガに書かれておられましたが、当日は2020年の東京五輪開催が決まった事も有り、当日になって行かれない方もいたでしょう』というのは、正直申しまして、セミナーを開催する側としては痛かったですね。かなり空席が目立ちましたから。
メルマガ『第275回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■第1回「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナーこぼれ話あれこれ』(注2.巻末参考ページ参照)の中で、
『Y新聞が約700万部もの大量の号外を、その午後に配布する決定を下す』と記載したのは、ある業界関係者の方から、その当日知らされたアバウトな情報でしたが、後日、その正確な数字は842万2705部だったと知りました。
ちなみに、その号外はA新聞26万7970部、M新聞49万9800部、S新聞7万部とのことです。
Y新聞新聞に関しては、ほぼ全国の販売店が関わっていたことになります。
その号外配布に関わられた方の参加が難しかったというのは無理もないと考えます。
このようなケースは滅多にないでしょうが、『私は仕事の都合上セミナーに行けなかった』、『私のような地方に住んでいて当日仕事の都合等で行けなかった人』というのは、私も数多くおられると思います。
実際、事前にそういったご連絡をして頂いた方々が多数おられましたので、その方々のためにも今後は動画配信やDVDの発売についても、しっかり対応していきたいと考えています。
ただ、今回は、まことに申し訳ありませんが、そういった事情で、DVDの販売はできませんので、ご理解頂けたらと思います。
と返答した。
それが、今回寄せられた質問の答えにもなると思うさかい、それを、ほぼそのまま伝えたという。
『それとメールマガジンを読んでいると時々、「投稿者の個人情報と秘密は絶対に守る」と書かれていますが、そう言い切れる根拠は何ですか?』という同じような質問が寄せられてくることが昔からある。
そのことについて、セミナーの場でハカセが、
それではまず始めに、私の生い立ちからHPを開設するまでの経緯について簡単にお話しします。
私は大阪の豊中市という所で生まれました。両親の離婚により、父親の実家岡山で中学を卒業するまで過ごし、その後、大阪の高校を卒業しました。
私は、人からよく「どこの大学を卒業されたのですか」と聞かれることがありますが、大学には行ってません。
小中高と成績は悪くありませんでしたが、早い時期に大学進学はあきらめていました。
家庭の事情で両親、親戚縁者に頼ることができなかったというのが最大の理由でしたが、私自身、勉強の場を大学ではなく、社会そのものに求めたからでもありました。
私には子供の頃から小説家になりたいという夢がありました。大学に行くより、その夢を追いかけることの方を選びました。
私はその手段の一つとして、高校卒業後、あえて定職には就かないという選択をしました。
具体的には、半年働いて、半年間はその蓄えで生活しながら文章修行と執筆活動に打ち込むという生活です。それを約10年間に渡り続けました。
執筆活動の大半は小説の新人賞への応募でした。作品を応募してから約半年で、その結果が分かるということも半年仕事をする理由でもありました。
今で言うフリーターですね。その頃、フリーターとはいっても、今のようにアルバイト主体ではなく、短期間でしたが、それぞれの職場で正社員として会社勤めをしていました。
私の若い頃、1970年代の日本は高度成長期にあり、働く気さえあれば仕事はいくらでもあった時代でしたので、それができる環境でもありました。
その点で言えば、恵まれた時代だったと思います。
私は、それぞれの仕事に精一杯、打ち込みました。
普通、その仕事を一生懸命頑張るというのは、その道で出世したいとか、成功したいという希望があるからですが、私の目的の大半は、その仕事の知識と経験の吸収にありました。
それが、執筆活動に役立つはずだと信じて疑いませんでしたので。
一つの仕事を辞めると次は、一度も経験したことのない仕事を選びました。ですので、職歴は相当な数あります。
結局、私は結婚を機に小説家になる夢を断念しました。
それまで何度となく文学賞に応募し最終選考に残るなどして、それなりに頑張っていたのですが、後一歩及ばず、実力と運のなさを痛感したからでもあります。
ただ、小説家になる夢をあきらめたといっても、一人の女性を心から愛して、かけがえのない二人の子供を授かることができたのですから、その選択を悔いてはいませんでした。
最後の会社勤めになった職場では、結婚を機に小説家になる夢を断念したということもあり、勤続15年と私にしては比較的長く続けました。
主な仕事は大手プラント工場のメンテナンスや公共の施設などの設備工事の現場監督でした。それなりに、やり甲斐がありました。順風満帆の日々でした。
そんな折り、今から14年前の1999年、長男の小学校の運動会で父兄対抗リレーというのに出場して、走り終わった後、いきなり意識を失って倒れ、搬送先の病院で、急性心筋梗塞と診断されました。
正式な病名は「心内膜下梗塞」と言い、心臓の心筋の4分の1ほどが壊死しているとのことでした。
急遽、心臓のバイパス手術を受けて何とか、一命は取り止めましたが、それから以降、入退院を繰り返すようになりました。
現在も月に1度の通院と朝夕8種類の薬を飲み続けています。
何度か元の仕事に復帰しようとしましたが、当時、入退院を繰り返すような状態でしたから続けることができず、結局辞めました。
しばらくは病状の回復を優先していたのですが、いつまでも仕事をしないわけにもいかないと考えていたところ、ある出版社に勤めている友人から、ゴースト・ライターをしないかと誘われました。
その当時、普通の仕事はできないと考えていたということもあり、引き受けることにしました。
ゴースト・ライターとはその名のとおり幽霊作家で、依頼者の名前で書き、出来上がった作品はその依頼者の著作物となります。
ゴースト・ライターである私は、某かの金銭を貰う代わり、そのことについては堅く口を閉ざし、墓場まで持っていかなければなりません。
物書きとしては意欲の湧く仕事ではありませんが、贅沢を言える状況ではありませんでした。
その頃、約10年ほど前ですが、ゲンさんと知り合いました。
正直申しまして、それまで私は新聞の拡張員の方を嫌っていました。
たまたまだったのかも知れませんが、私の家にやって来る拡張員はヤクザ紛いの口調で押し売りをするような連中ばかりでした。
気の短い私は、そんな連中と喧嘩腰で接することが多く、よく揉めていました。
それには、妻が会社勤めをしている関係で、家には私しかいなかったため、その相手を私がしなければならず、時間を取られるということが理由として大きかったように思います。
執筆の途中を遮られるとペースを狂わされ、まったく筆が進まないという状況に陥ることも、しばしばありました。
拡張員嫌いにもなろうというものです。
そんな折り、ゲンさんと知り合って、その人間性に触れるうちに意気投合し、拡張員の方々に対する偏見は消えました。
そして、「この人の話は多くの人の役に立つ」と確信するようになりました。
それで、ゲンさんに「ゲンさんの話は面白いからインターネットで公開しようと思うんだけどかまいませんか」と打診し、快く了解して貰ったことでHPを開設することになったわけです。
同時に、そのHPを立ち上げることで、私にしか書けないオリジナルな分野を開拓したいという思いが強くなりました。
その当時、私の考えているようなサイトは皆無でしたのでチャンスだと思いました。
ただ、私はその計画をすぐには実行に移しませんでした。
ゲンさんに頼み、実際にある新聞拡張団で半年ほど拡張員として働くことにしたのです。
拡張のことに関して書くのなら、書き手である私自身が、その仕事について深く理解しておく必要があると考えたからです。
過去の経験から、私にとって、そうするのに必要な期間は半年ほどだと思っていました。
どんな仕事でも、その間にそこそこのレベルまでマスターできるという自信がありました。
今まで、そういう生き方をしていましたので。
私自身が勧誘の仕事に関してある程度の域に達していないとゲンさんの話すことの意味すら理解できないと思いました。
書き手が理解できていないのに、第三者に分かって貰える文章など書けるはずがありませんからね。
予定どおり半年ほどで拡張員の仕事を辞め、次の段階に進みHPを開設しました。
と言うてるように、ゴースト・ライターをしていたハカセにとって「秘密を守る」というのは当然のことやったわけや。
何も無理して、そう宣言しているのやないと。
『信用しろってことですか?』と言われると、そうなるが、『「投稿者の個人情報と秘密は絶対に守る」と書かれていますが、そう言い切れる根拠は何ですか?』という質問の答えなら、そうや。
ゴースト・ライターは、どれだけ秘密が守れるかが問われる仕事やさかいな。ハカセには、それが身に染みついている。
それにハカセは新聞や週刊誌の記者、あるいはジャーナリストやないさかい、企業名や個人名を曝露して不正を暴いても得られるものが何もないということもある。
また、そんなことをして何かを得ようとも考えていない。
もっと言えば、「罪を憎んで人を憎まず」がワシらの信条やさかい、誰が何をやったかということには興味がないということもある。
誰がやったかより、どんな事があったかの方が重要やと。
その内容を世に知らしめることで、読む人が興味を惹いて貰えたら、考えるきっかけになるなら、それ以上の喜びはないと。
物書きとは、そんなもんやとハカセは言う。
ワシにしても、あくどい奴らは、それこそ嫌というほど見てきとるから一々論(あげつら)ってもキリがないという思いが強い。
こんなえぐい人間もおるという程度で、その正体を明かさずとも読者には十分伝わるはずやさかいな。
ちなみに「罪を憎んで人を憎まず」というのは、孔子の一族に代々伝わる言行録集成の書、『孔叢子(くぞうし)』の一節「古の訟(うった)えを聞く者は、その意を悪(にく)んで、その人を悪(にく)まず」から転じたものやと言われている。
メールを送られた経験のある人には分かって頂けるやろうが、ハカセは投稿者以上に個人情報の漏洩には人一倍気を遣っている人間でもある。
サイトのQ&Aの回答文として掲載する前には、必ず投稿者の方に送付しているし、メルマガへの情報提供をもとにして作成している内容についても事前に草稿として投稿者に確認して貰っている。
いくらハカセが大丈夫と思っていても抜けや落ち度、ミスの可能性は否定できんさかいな。
それにより投稿者、情報提供者の方々に迷惑をかけるわけにはいかんという気持ちがそうさせるわけや。
事実、長年そうしてきた。
もっとも、ワシらを信用するかせんかは、それぞれの判断に任せるしかないがな。
結局、その相談者の方からは『評判の悪い拡張団』の名前を含む企業情報とその販売店が特定される情報は公開をしないという約束で、そのことについて教えてもらった。
そま内容はここではまだ言えんが、他の人からも同じような話が寄せられているということもあり、近いうちにその話をメルマガ誌上ですると、ハカセは約束したという。
このように、ワシらを信用して、そういった類の情報が日々、相当数寄せられてくる。
その信用を裏切らんためにも「秘密を守る」ことに徹しているということや。
ちなみに、その人たちの言われる『評判の悪い拡張団』は、それぞれ別の拡張団やと言うとく。
もっとも、それらの団は悪名高いということもあり、昔からいろいろな悪評を他の大勢の人から知らされとるので、ワシらにとっては今更な話やけどな。
ただ、その今更な話でも、それをサイトやメルマガで掲載するのは、それなりに効果的なようや。
時折、ハカセのもとにも脅しとも受け取れるメールを送ってくる輩が、時々いとるさかいな。
名指しなどは一切しとらんのやが、どうもその話の中での行いに対して身に覚えがあるのか、自分のことが書かれていると考えるのやろうな。
犯罪者と同じ心理で、その事実と証拠を握られていると考え、いつバラされるかと心配して、そうした脅しをかけてくるのやと思う。
たいていは見当外れな場合が多い。
そのメールを送ってくる者は、よほどアホばかりなのか、ご丁寧に「○○販売店の○○がバラしたのか」と言うてくるケースが多い。
それがさらに墓穴を掘ることになっているのやが、そこまで気が回らんのやろうな。
それにより、新たな情報が得られたわけやから、ワシらとしては有り難いがな。
ただ勘違いして、何の関係もない人に被害がおよぶのを見過ごすわけにはいかんから、ハカセは、
あなたの言われる方は情報提供者とは違います。当方とは、まったく関わり合いのない方です。
あなたが、もしその方に何らかの危害を加えられたと報道などにより判明した場合、あなたから頂いたメールがその証拠となりますので、当局に通報することも視野に入れなくてはなりません。
そのことをよく考えて行動してください。
と返信しといたという。
ちなみに、その人間から送られてきたのは携帯メールからで、それやと簡単に素姓が知れてしまうということにすら考えがおよばんかったのやろうな。
短絡的にワシらを脅せば済むと考えたのかも知れんが、相手が悪すぎたことに気づいてないようや。
ワシらはお互い昔からヤクザな連中と関わり合うことが多く、少々の脅しには慣れとるということもあるが、それ以上に性格的な問題もある。
特にハカセを脅すのは火に油を注ぐことにしかならん。奴さんは、そうされるとよけいファイトを燃やすタイプの人間やさかいな。
まあ、その程度のことは普通に考えれば分かるはずや。
これだけサイトやメルマガで、悪質な輩、行為についてボロクソに言うてるわけやから、当然それに対して反発があることくらい覚悟している。
ちょっと脅されたくらいで萎縮する人間にできることやないということや。
あこぎなことをすると、サイトやメルマガのネタにされるかも知れんと分からせるだけでも、そういう輩への抑止力になるのやないかと思う。
誰にも分かるはずがないと考えてやっていることが、今の時代はいとも簡単に、知れ渡っていく。しかも、その情報を洩らした人間が誰とも知られずに。
ある意味、怖い時代になったと言えなくもない。
今のところ、そうした情報の駆け込み寺のようなサイトはワシらのところしかないようやさかい、これからも根気よく続けていくつもりや。
それにより、少しでも業界の浄化に役立ち、困っている人のためになれるのなら、ワシらには、どんな困難でも甘んじて受ける覚悟ができとるさかいな。
参考ページ
注1.NO.1246 ゲンさんの対応について教えてください
注2.第275回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■第1回「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナーこぼれ話あれこれ
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