メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第279回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日  2013.10.11


■ハカセの人気サイト、ブログを作るための文章術


「どんなに素晴らしい事が書かれていたとしても、どれほど価値のある情報があったとしても読んで貰えなければ意味がありません」

これはハカセの口癖や。ワシもそのとおりやと思う。

文章を書いたからといって必ず読んで貰えるとは限らない。

お互いが親しい間柄であれば手紙やメールくらいは読んで貰えるやろうが、見ず知らずの人間が書いた文章など、よほどのことでもなければ読む気にさえならんというのが普通やさかいな。

人に読んで貰うには、それなりの考え方と文章テクニックが必要になるのやが、それを理解していないまま、ブログに書きさえすれば読んで貰えるはずやと信じ込んでいるブロガーの何と多いことか。

「小学生の方が、もっとマシな文章を書くのと違うか」と思えるようなものが巷に溢れかえっている。

まあ、有名芸能人などが書くブログやツィッターを見て真似するから、そうなるのかも知れんがな。それが大きな間違いやとは気づかずに。

彼らには根本的に「読んで貰える」という下地があるさかい、それでも許されるわけや。

ファンというのは、その芸能人が何を言っても書いても喜ぶ。それを読みたいと思う。

そういうファンにとっては文章の善し悪しなど二の次で、どんなことが書かれていようと、どんな書き方であろうと、すべてを好意的に受け取るさかいな。

一般の人がそれを真似すれば、当然の帰結として悲惨なことになる。人気のないところに持ってきて、独りよがりの稚拙な文章というのでは救いがないわな。

業界関係者にも、そういう人がいる。

「こんな曝露話を書けば大騒ぎになる」と言って、その曝露話とやらをブログに書いている文章をたまに見かけるが、そういうものに限って本人が思っているほどの反響がない。

なぜか。稚拙な文章で分かりにくいということもあるが、それ以上に、その手のものは単なる愚痴にしかなっていないケースが多いからや。

「こんな酷いことがあった」といくら熱心に書いても、よほどその事に関心のある人以外は、「あっ、そう」となり、「つまらん愚痴やな」で終わるのが関の山や。

人の恨み事や愚痴を好んで読む人は少ないさかいな。

ただ、そんな文章でも書き方次第、工夫次第では大きく違うてくる。

同じ内容の話であっても片方は多くの人に読まれ、もう一方は殆ど読まれないということが往々にして起こる。

その差は何か。

ハカセが言うには「極論すれば、人に読んで貰いたいという気持ちで書いているか、読ませてやる、あるいは読むのが当然と考えて書いているかの違いだと思います」ということや。

読んで貰うための努力を惜しまず書く人の文章は読みやすく面白いが、書けば読んで貰えるはずやと考えて書く者の文章は鼻について、つまらないものが多いと。

どうせブログやツイッターを書くのなら、多くの人に読んで貰えるように書かな損やと思う。

以前のメルマガ『第275回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■第1回「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナーこぼれ話あれこれ』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、

『ハカセの分は、話せる部分だけをピックアップし、いずれ機会を見てメルマガ誌上で話すつもりがある』と言うてたので、その第一弾としてセミナーの中で話した『人気サイト、ブログを作るための文章術』について、これからハカセに語って貰うことにする。

それを読まれれば、読者の方の中で、ブログやツイッターをすでに書かれている、あるいはこれから書きたいという人のお役に立てるのやないかと思うさかいな。

文章テクニックはそれなりの勉強をせな身につかんが、考え方だけなら、すぐに取り入れることができるから、それだけでも大きく違うてくるはずや。

セミナーに参加された方は、その場の雰囲気を思い出して読んで頂ければ、より分かって貰えるものと思う。

セミナーに来られてない方でも、ああそういうことなのかと理解して頂けるのやないかと考える。

それでは始めさせて頂く。


ハカセの人気サイト・ブログを作るための文章術


文章術というと、文法どおりに文章を書く技術だと考えられるかも知れませんが、ここでは、そんな話はしません。

申し訳ありませんが、「文法どおりに文章を書く技術」に関する書籍でしたら、お近くの書店に行けば私などの説明より、はるかに上質な専門書が幾つもありますので、それらを読まれることをお勧めします。

私は、それよりも取り組み方、考え方の方を重視していますので、そのお話をさせて頂きたいと思います。

これから私が話すような内容に関して触れている書籍は、あまりないと思います。私自身、サイトやメルマガでも触れたことは殆どありません。

当たり前ですが、サイトやブログは訪問して読んで貰らえなくては、何も伝わりません。

読んで貰って、はじめてリピート読者やファンを獲得することができます。そうすることの積み重ねで人気のサイトやブログが生まれるのです。

そのために、私が心がけていることを、これから幾つか挙げながら説明していきたいと思います。


1.タイトル

タイトルの付け方はとても重要です。タイトル次第で読む読まないを決める人が多いからです。

では、どのようなタイトルが良いのでしょう。

Yahoo!ニュースのタイトルの見出しでは意図的に、文字数を13文字前後に統一しています。gooニュースですと15文字前後です。

これは人間工学的にも理に適ったタイトルの付け方だと言えます。

ネットは横書きが主体です。横書きの場合、人の眼球で1秒間に読めて理解できる文字数は9〜16文字程度だと言われています。

ちなみにサイトの「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」の場合は12文字ですので、その範疇に入っていることになります。

これは偶然ではなく、タイトルをつける時から、この文字数前後にしようと考えていました。

もちろんタイトルをその文字数にしたからといって良いというわけではありませんが、少しでも有利な点は抑えておいて損はないと思います。

人が興味を、そそりやすいタイトルは謎めいた部分があると感じた場合です。「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」で言えば、「嘆き」がそれになります。

「新聞拡張員」の「嘆き」とは、どんなものかと読者に思って貰うことが狙いでした。

業界関係者の方なら、勧誘営業に困り嘆いている、新聞社や拡張団、新聞販売店のやり方に嘆いている、世間からの評価に嘆いているといった具合に、ある程度、推察することができます。

そう考えて訪問される業界関係者の方は、共感したいということもあり概ね好意的です。

しかし、一般の人の中には拡張員に対して快く思わない人もおられ、悪質な「拡張員が何を嘆くことがあるのか」、「拡張員でも何か弱みがあるのか」といったことの方に興味を示すと考えました。

業界関係者の方とは正反対の思いで、読んでみようかとなるわけです。

タイトルは、どんな思惑にしろ読者に読んでみようかと思わせることができれば、それでOKです。


2.書き出し

次に書き出しを面白くするというのも重要です。

物書きと呼ばれる人間は、最初の一文、一行に全神経を注ぎます。当たり前ですが、読み始めが面白くなければ、その先を読んで貰えませんから、ある意味必死です。

メルマガなどで私がよく使っているのが、会話から入るというものです。

これは小説的な手法の一つで、読者をいきなり、その現場に引き込むという効果があります。また、話を軽く始めて読みやすくするという利点もあります。

例えば「何? これ……」という書き出しですと、それこそ何があるのかと、読者にその先が気になるように仕向ける効果を生みます。

「ゲンさん、夕刊の廃止記事がありましたね」というのもありますが、こんなんかはストレートに問題提起をしているということが分かります。

その問題提起に興味のある人は食いついてきます。

『「とんでもない荒くれ者が来るらしい」という噂がワダ新聞販売店内を駆け巡った』という書き出しですと、これから、それに関した面白い話が続くのではないかと期待させます。

他にも、「平穏な日常が、一本の電話で一変した」といった具合に、いきなり事件が起きると示唆させる書き出しもあります。

そんなテクニックなど思い浮かばないという方は、当メルマガの書き出しを参考にするだけでも、どのように書けば、面白く読み始めて貰えるかということを考えるきっかけになるのではないかと思います。

そのことを考えるだけでも、かなり違ってくると思いますので一度試してみてください。


3.ターゲットを絞る

ゲンさんからHPの開設当初、「誰が、そんなホームページとやらを見るんや? はっきり言うとくが、拡張員や新聞販売店のことを書いただけやと業界の人間は誰も見ぃへんで」と言われたことがあります。

なぜなら、ゲンさんが話す業界事情程度の話は業界の人にとっては当たり前のことだからということでした。

だからいうわけではありませんが、当初、私は業界関係者ではなく、一般読者向けに、業界のことを書いてみたい、読んで欲しいと思っていました。

狙いは、あくまでも一般読者でした。そして、それは私の狙いどおりになりました。

実際、サイトに寄せられてくるメールの7〜8割は一般読者からのもので占められているからです。それだけ一般読者の訪問者が多いということを示唆しています。

業界関係者にとっては、ありふれた内容のものでも、知らない人にとっては、とても新鮮に映ります。

現在「新聞拡張員」のキーワードでYahoo!Japanやグーグル日本で検索すると、250万件〜300万件程度ヒットしますが、当サイトを除く大半のサイトやブログは新聞拡張員に対して否定的なものばかりです。

拡張員を攻撃する多くのサイトやブログ記事には、拡張員が、いかに悪辣非道な人間であるかという論調で埋め尽くされています。

悪質な勧誘員と遭遇した様子を書けば多くの人の共感が得られると考えているのでしょう。

あるいは、元拡張員という人が、その実態を訴え、業界のことを悪し様に書けば説得力があると思っているのかも知れません。

そこに書かれていることがウソとは言いません。おそらくは事実なのでしょう。

しかし、彼らは何も分かっていません。その事例は、その人だけに起きた出来事でしかないということを。

それにもかかわらず、彼らの多くは、それが拡張員すべての実態であるかのように吹聴します。

「井の中の蛙」とまでは言いませんが、狭い範囲で起こったことが世の中のすべてで起きていると信じているわけです。

特定の人物や対象を攻撃した内容の文章を読んで共感する人は、同じような思いの人たちだけです。

多くの人は、そういうものを読まされるのを嫌います。人の悪口を書いた文章を読まされることほど気分の悪いものはありませんからね。

つまり限定的な人にしかウケないということです。彼らには、それが分かっていません。

拡張員を攻撃するサイトやブログ記事はネット上に無数に存在しますが、その中で私たち以上に人気を集めて支持されているサイトやブログ記事は存在しないと言い切っていいでしょう。

それは、何も言わない人たちの方が世の中には圧倒的に多く存在するからです。

サイレント・マジョリティと呼ばれている人たちが、そうです。物言わぬ大多数の人たちです。

その人たちは特段、拡張員に対して苦情があるわけでも擁護するわけでもありません。当然ですが、その人たちは拡張員については何も発信しません。

私は、そういった人たちに実態を知らせたい、訴えかけたいと思いました。

フラットな考えの人、何の先入観もない人なら内容を面白くすることで、サイトに訪れてもらえるのではないかと考えました。

結果的に、それが図に当たりました。私の予想以上の人たちがサイトを訪れてくれるようになりました。その殆どが先にも言いましたように一般読者です。

そうなると、逆に見向きもしないと思われていた業界関係者の方からのアクセスも増えてきました。

おかげで、今や業界では知らない人はいないと言われるくらいのサイトにまでなりました。

おそらく、最初から業界関係者だけをターゲットにしたサイト作りをしていたら、こうはならなかったでしょう。


4.面白く書く

タイトルと書き出しに問題がなく、ターゲットを絞れたとしても、それだけでは、まだ足りません。

面白いという点が欠けていると、その先が読まれることはありません。

ただ、どうすれば面白くなるのかというのは、とても難しい問題だと思います。人それぞれ感性が違いますからね。

私は、ゲンさんが普段話している「関西弁」にすることで、その面白さを出そうと考えました。

関西弁で書くと、茶化した文章やジョークを挿入しても、何となく許されるような雰囲気があります。

表面的な面白さを出すには、うってつけでした。また関西弁で書いてること自体が面白いと思ってもらえるということもありますしね。

当時のサイトやブログには文章全体が関西弁というのは、あまりありませんでしたから、チャレンジするのも面白いかなと思いました。

正直、これは成功したと言っていいのか、どうかは未だに分かりません。

特に識者と言われる人たちからの評価は著しく悪かったですからね。内容よりも関西弁で書かれているというだけで低俗だと言われることもありました。

「もっと、まじめにちゃんとした日本語で書きなさい」と。

「関西弁は日本語やないのか」と思わず突っ込みを入れたくなりましたが、そう言われることにも一理あるかも知れないと気がつきました。

関西弁で書くといっても、関西弁がよく分からない人にも分かりやすく意味の通じるものにしないといけません。

意味が通じなければ、理解して貰えなければ、すべて駄文です。低俗な文章と誹られても反論はできません。

そこらあたりを上手く調節しながら書く必要がありました。


5.真実を貫く

そうしているうちに、分かってもらえる人にはわかってもらえるのだなということが実感できるようになりました。

2年前の2011年12月29日発行の書籍『利権マスコミの真実』(注2.巻末参考ページ参照)の76ページから81ページにかけて、私が寄稿した『配達されないシンブン「押し紙」の実態』というのが掲載されています。

この時は、敢えてサイトと同じような関西弁で書いて欲しいということでしたので、そうしました。

当初、原稿を依頼されて来られた編集者の但馬オサム氏からは、新聞社による「押し紙」行為を専門家の立場から糾弾して欲しいとのことでしたが、私は「真実が書けるのであれば寄稿させて頂きます」と伝えました。

というのは、「押し紙」行為というのは新聞社側にすべて非があり、新聞販売店は被害者という構図で、当時、ネットや週刊誌などでは盛んに批判的な論調で書かれていて、真実とは少し違うと考えていたからです。

私たちはサイトやメルマガなどでは、『「押し紙」については確かに新聞社に非がある部分もあるが、そうかといってすべて新聞社が悪いというわけではない。新聞販売店側にも少なからず問題がある』と言い続けてきました。

ネットや週刊誌などの主張で最も多いのが、残紙が多いことが「押し紙」の証しだというものです。新聞社からの仕入れ部数と実売部数の差が大きい新聞販売店は珍しくありません。

それがすべて押し紙によるものだと言うのです。

それは違います。残紙には、配達時の水濡れや破損、誤配などによる不足を補うための予備紙もあれば、試読サービス用、また当月サービス用の新聞、勧誘時の見本紙として必要な新聞もあります。

新聞社からの仕入れ部数と実売部数の差がある方が、むしろ自然だと言えます。

新聞社が自らの販売目標を新聞販売店に押しつけによりノルマが達成できなければ、その不足分を買い取らせる、また自主的に買い取らせるような働きかけをするといったことは、確かにあります。

そういった実態を証明する証拠も数多く私たちのもとには届けられています。

しかし、その反面、新聞販売店側から、見栄などで名目部数を増やす目的のために「積み紙」といって、新聞社に内緒で余分な新聞の発注をするという行為があるのも事実です。

また、成績を上げているように見せかけるために架空の契約をでっち上げるということも実際に行われています。

この程度のことでしたら業界関係者の間ではよく知られていることでもあります。

「押し紙」を糾弾するのであれば、それらを含めた事実を明るみに出してするべきだと思います。

しかし、ネットや週刊誌などでは、それでは新聞社を責めきれないと判断しているのか、新聞社だけを悪者にしたいのか、新聞販売店も悪いという事実に触れた論調は皆無といって良いほどありません。

真実は両方に落ち度と責められる要素があるということです。

私はその点を書かせてくださいとオークラ出版の但馬氏に言いました。事実を書かせて頂けるのなら寄稿させて頂きますと。

オークラ出版の但馬氏は快く「是非、そうしてください」と言われましたので、この本に寄稿させて頂きました。

これは、おそらく当サイト以外のすべてのネツト上の論調、また週刊誌では語られなかった押し紙の真実の姿だと自負しています。

ちなみに、この時、何か肩書きがあった方が良いということでしたので、私の書籍の発行時に「新聞勧誘問題研究家」を名乗っていたものを、そのまま掲載させて頂きました。

もちろん、これは私が勝手に作った肩書きです。言った者勝ちとはよく言いますが、この肩書きを名乗っているのは私一人です。

この寄稿文以降、今では「新聞勧誘問題研究家」として出版業界の方からも認知して頂いています。

もっとも、新聞勧誘について研究しているというのはウソではありませんし、新聞業界、一般読者の双方から膨大な情報を寄せて頂いていますので、その分野での知識量には自信がありますから、そう名乗っても許されるのではないかと勝手に考えています。

話が少し脱線しましたが、「真実を貫く」という姿勢はサイトやブログを書く上では大切な要素だと思っています。

それが人から信用を得られる唯一の方法だからです。信用は人を呼びます。


6.一方的な論調にならない

サイトのトップページに『何事も一方からの見方だけでは真実は分かりません』とあるとおり、一方的な論調は極力避けようと考えました。

物事には、どんなことにも違った見方、考え方というものが存在します。絶対に正しい、あるいは間違っていると言えるようなことの方が稀です。

それぞれの立場に立てば、それぞれの正義と真実、言い分があります。

相手の立場に立って考えなければ物事はよく分からないと言います。

しかし、どうすれば相手の立場に立った物の見方ができるのかということになると、即答できる人は少ないのではないかと思います。

相手の立場で考えるには、その立場に身を置くことが一番の近道です。

一般読者でしかなかった私がサイトを開設する前に拡張の仕事をしたように。そうすることで両方の立場を理解できますから。

少なくとも一方的な見方をしなくても済みます。

そうはいっても、そうするために、その都度、相手の仕事や生き方を経験するわけにはいきません。

自分の身は一つですが、考えるべき相手の立場は無数に存在しますので、そのために、それぞれの仕事や生き方を経験することなど不可能です。

それでも相手の立場を少しでも理解しようと思えば、どうすればいいのでしょうか。

私は、ある程度の訓練と考え方を身につけることで、一方的な見方をしなくても済むという方法を見つけました。

何でもいいのですが……。

ここに紙コップがあるので、これで説明します。

この紙コップでお茶やジュースを飲みます。利用する人にとっては、それくらいしか利用価値はありません。

当然のことながら、利用する人が紙コップについて深く考えることなど殆どないでしょう。

考えることがあるとすれば、必要に迫られて紙コップを買う時くらいのものです。

その時には、値段のことも考えるでしょうし、用途により大きさやデザインのことも考えるかも知れません。

あるいは、専用の紙コップを業者に依頼するかも知れません。しかし、利用する人が考えるのはその程度です。

しかし、この紙コップが作られ、ここに置かれるまでには、実に多くの人の手を介し、その思いと努力、技術が結集されているのです。

紙コップを制作する人たちにとって、この紙コップは大切な商品です。

どのようなものを作れば売れるか、競争相手に勝てるかといったことを日夜考えています。

紙コップを販売する人はどうでしょう。如何にして売れば良いのかということを考えなければいけません。

販売先のデパートやスーパー、ホームセンターといった所に営業をかける必要があります。

紙コップを使う人、製造に関わる人、それを販売する人、それぞれで、この紙コップに対する見方や思いがまったく違ってきます。

しかし、紙コップはどこまでいっても紙コップです。同じ物であっても、その人の立場により違って見えるだけのことです。

そして、その立場や見方はいずれも正しいと言えます。

ただ、紙コップを使う人は、作っている人や販売する人の思いは分かりません。それが分かれば当然のことながら、紙コップに対する見方も違ってきます。

それは身の回りすべての物について言えることだと思います。同じ物であっても見る方向が違えば、いろいろな見方ができ、そのすべてが正しいと分かります。

つまり、自分と違う立場を知るには、普段から、あらゆる物について、それを使う者、作る者、売る者といった違いに思いを馳せることで理解できるのではないかと考えます。

一方的な見方は独断と偏見を招きます。それでは人を説得して、納得させられる文章など書けるはずなどないと私は信じています。


7.読者の要望を満たす

これもサイトやブログ運営では大切なことです。このサイトに行けば、この情報が分かる、この問題が解決できるというのは訪問者を増やす上で、とても有利になります。

私はそのために、まず『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A』というコーナーを作りました。

この効果は絶大でした。当たりました。このコーナーがサイトの人気を支えているといっても過言ではありません。

このコーナーは開設当初から人気を博し、今以て、投稿が続いています。今後も途切れることはないでしょう。

Q&Aと銘打っている限りには、どんな質問にも答えなければいけません。

もちろん、それは新聞の勧誘に関したことだけですが、新聞勧誘に関した知識だけでは足りません。幅広いトラブルの解決方法を知っておく必要があります。

私とゲンさんは、過去の経験からその自信がありました。どんな相談にも乗れ、解決に導けるだろうと。その自信があるからこそ、Q&Aを始めることにしたわけです。

私とゲンさんの共通しているのは、どんな問題やトラブルも解決の方法は絶対に見つかるという考え方です。少なくとも私たちは、そう信じています。

Q&Aは、その性格上、法律に関した回答をするケースが多々あります。

それについては、本日、ここにお越しの法律家の今村英治先生に、サイトの開設当初から無報酬で当サイトの法律顧問をして頂いていることで、非常に助けられています。

私たちも多少の法律知識があり、過去の仕事で民事訴訟に立ち会った経験もありますが、所詮、法律に関しては素人です。サイトを訪れる人もそう思うでしょう。

しかし、今村英治先生のような専門家の法的見解が加われば、まったく違ってきます。

法律の専門家の意見に裏打ちされたサイトだということになり、その信用度は格段に上がりました。

この場をお借りして、改めて今村英治先生に感謝したいと思います。まことにありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

次に読者の声を反映するコーナーとして「ゲンさんのちょっと聞いてんか」というのを作りました。

このコーナーでは、拡張の話ばかりではなく、読者から寄せられた様々な体験談や新聞とは関係のない話題、および他ではちょっと知られていないような話など、読者のためになると思われる投稿を取り上げています。

本日、ここにお越しの方からの投稿も掲載させて頂いています。

このコーナーも当たりました。そして、このコーナーにより読者の層と幅も広がりました。

読者が参加できるというのはサイトやブログとして、とても魅力的なのだと思います。


8.付加価値をつける

簡単に言えば、どこにもない情報やあまり知られていない知識に触れることで得をした、良かったと思って貰えるといったようなことですね。

私は、これをメールマガジンを発行することで実現しようと考えました。

これも結果的には当たり、そこそこの人気を得ましたが、ここでは、やってはいけないことを敢えてしていますので、皆さんには私のやり方は、あまりお勧めできません。

メールマガジンでやらない方が良いというのは長文化です。これは多くの人がダメだと言っていることでもあります。

実際、長文のメルマガは、あまり人気がないようです。理由は簡単、読むのが辛い、面倒だからです。

私はそれを承知で、あえてチャレンジすることにしました。

もちろん、最初はそんな気持ちはありませんでした。新聞などによくあるコラム記事程度のボリュームにするつもりでした。

実際、初期の頃のメルマガは、そんな感じでした。

もし、皆さんの中に、これからメルマガを発行されたいという方がおられましたら、その方をお勧めします。

ただ、私は「どこにもない情報やあまり知られていない知識」の掲載に拘るあまり、気がつけばいつの間にか文書量が増えていました。

また、説得力を持たせるために引用文や証拠資料を示す必要があると考えたということもあります。

結果、毎回、原稿用紙に換算して30枚から40枚程度の文書量になってしまいました。ちょっとした短編小説くらいの長さになります。

私は、それを短くすることより、長くても最後まで読んでもらえるようなものにしようと考えました。

私はかつて小説家を目指していて、今も密かに小説を書き続けていますので、その程度の長さの文書量を一気に読んでもらえるようなものが書けなければ、どうしようもないと考えました。

メルマガは基本的に、ゲンさんと私が知り得た事、読者から寄せられた情報をもとにしています。

根本的な部分は真実ですが、投稿者が特定されないようにするため多少、創作を交えた物語風にしています。

ただ、現在メルマガ読者の総数は、ここ数年、「まぐまぐ」、「メルマ」といった両メルマガ・スタンドでの合計が830前後で推移していますので、人気を博しているかどうかというのは微妙なところです。

もっとも、私はそれで十分だとは思っていますが、読者数を増やしたい方は長文化だけは避けられた方がよろしいかと思います。


9.聞き語りの効果

私とゲンさんが同一人物ではないかと言って来られる方が、たまにおられます。

それはゲンさんの言葉を私が聞き語りという形にしているからでしょう。こういった形のサイトにしたのは、おそらく私が初めてではないかと思います。

もっとも、私はゴーストライターをしていた関係で聞き語りで書くというのは自然なことで慣れていましたが、そのスタイルに馴染みのない方からすれば同一人物が書いていると思われるのでしょうね。

私たちが同一人物とは違うということを証明するためには、私たち二人の個人情報を公開するしかありませんが、ゲンさんについてはできません。

ゲンさんは、今も現役で仕事をされておられますので、そうすることで彼の仕事に悪影響が出るおそれがあります。

それに、サイトを開設する時、ゲンさんの正体は絶対に明かさないという約束をしていましたので、それを守らないわけにはいきません。

ただ、ゲンさんの言葉と思いを忠実に書いているつもりでも書き手としての私が文章の中に表れることがあります。

文章というのは、もともとそうしたもので書き手の気配を完全に消すことなどできません。

読者が考えておられる「ゲンさん」は私の文章の中に存在する人物です。

実際の「ゲンさん」は存在するのですが、同時に「ゲンさん」の中に私も存在しているということにもなるわけです。

私とゲンさんは育った時代、家庭環境が似通っているということもあり、お互いが共鳴する部分も多く、それも私とゲンさんとの区別が曖昧になっていると感じられる要因かも知れません。

当初は、そういった質問がある度毎に否定していたのですが、そのうち、そう誤解されても構わないと思うようになりました。

よくよく考えてみれば、文章の中のゲンさんは、私と合体した人物と言えなくもないわけですから、広義の意味で「同一人物」ということになるのではないかと考えましたので。

私が聞き語りで、ゲンさんを前面に出すことにしたのは、ゲンさんの経歴と実績で読者の方を納得させられるのではないかと思ったからです。

開設当初、ゲンさんには10年ほどの拡張経験があり、さらにその前は建築会社で20年ほどの営業経験があったとのことでしたので、実績としては申し分ないと考えました。

加えて、素人の私がゲンさんに聞いて書くという形にすれば、一般読者と同じ立場で見ることになりますので、親近感を持って頂けるのではないかと考えました。

例えが良いかどうかは分かりませんが、名探偵シャーロック・ホームズと、その行動の記録を取り続けたワトソン医師との関係ですね。

それであれば素人の私が業界の事に踏み込んで書いても許されるのではないかと思いました。

また、二人の掛け合いをすることで面白い話が書けるのでないかとも考えました。

それが聞き語りにした狙いです。

そうしているうちに、意外な発見をするようになりました。

文章の中では私は単なる登場人物の一人でしかありません。

ゲンさんの目を通して私自身を客観的に見つめることができるようになりました。それでなければ私、ハカセのことは書けませんからね。

そしてハカセを他人の如く書き表すことにより、自分自身についていろいろな発見をすることができました。

それに、「同一人物」かどうかをはっきりさせなければ、「謎」を残すということにもなります。先にも申しましたように「謎」は人を惹きつけます。

ですので、最近では、軽く否定する程度に止め、それ以上は「想像にお任せします」とお伝えするようにしています。


以上が、ハカセがオフサイト・セミナーで話した「人気サイト、ブログを作るための文章術」の内容や。

ハカセは、これについて時間的な制限もあり、「多くを語れなかった」、「言い残したことも多い」と言うてた。

また、読者の方の中には、ここで話したこと以外にも質問したいという方もおられるのやないかと思う。

そういう方がおられたら、遠慮なく言って欲しい。そうして頂くとワシらも助かる。

読者からの質問でワシら自身、大きく変われ前進するキッカケを数多く掴めたさかいな。

それには、何事も今が終着点と考え満足するのではなく、いつもこれから始まるという気持ちが、ワシらにあるからやと思う。

過去にどれだけのことを成し遂げたかより、明日何ができるのかが重要やと。

そのためには、当然やがワシらだけでは、どうにもならんということや。読者あってのワシらやさかいな。



参考ページ

注1.第275回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■第1回「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」オフサイト・セミナーこぼれ話あれこれ

注2.第181回 ゲンさんの新聞業界裏話 増刊 ■オークラ出版のムック・シリーズ『利権マスコミの真実』での執筆記事についてのお知らせ


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