メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第285回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2013.11.22
■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part 10
この『ゲンさんのよろず相談あれこれ』シリーズも、すっかり定着した感がある。
以前は、どこかの法律サイトと勘違いしてというケースが多かったが、最近は読者の方からの切実な相談が増えた。
ワシらに相談したからと言うて、すべてが解決するわけでもないが、気持ちが楽になるというのはあるやろうと思う。
悩みは、人に話すことで半分は解決したようなもんやと言うしな。
今回は、誰の身にも起きそうな身近な出来事ばかりやから、それなりに役に立つのやないかと考える。
それでは、始めさせて頂く。
事例1 割り込みトラブルについて
相談内容
ゲンさんのメルマガいつも楽しく読ませてもらっています。
つまらない相談かも知れませんが聞いてもらえますか。
あるスーパーでの出来事です。そのスーパーは他より安いため、いつもレジには長い行列が出来、長時間待たされます。
私がいつものように買い物をして並んでいると、目の前の主婦が、「こっち、こっち」と言って、誰かを呼んでいました。
しばらくすると、「ありがとね」と言って、他の主婦がショッピングカートの上下に大量の商品を積んで私の目の前に割り込んで来ました。
私は「何をしているんですか。割り込まないでください」と言いました。
すると、割り込んで来た主婦は「何よ。順番を取ってもらってたのよ」と平気な顔で言います。
私は、「そんなのは認められません。あなたのしていることは、ただの割り込みです。皆さん、こうして長い間並んで待っているのですから、割り込まないで後ろに並んでください」と、強めに言いました。
私はそのとき30分くらい待たされて気が立っていたせいで、そのやり口に我慢ができませんでした。
その主婦は「ふん」と言って平気な顔で居座ろうとしました。
私は大声で「誰か、お店の方はいますか? ここに割り込みをしようとしている人がいます」とレジの方に向かって言いました。
「何なのよ、この子は。私は○○さんに順番を取ってもらっていたと言っているでしょ」と物凄い剣幕で怒ってきます。
50歳くらいのオバさんで、まるで悪いことをしているという感覚がありません。それどころか当然の行為だと考えているようでした。
私たちが言い合いをしているところに、お店の責任者という方が来られました。
「何か問題でも?」
「ここのお店では、他の人が順番を取っているからといって平気で人の前に割り込むことを認めているのですか?」
「それは……」
「もう、いいわよ。私が他へ行けばいいんでしょ? そんなに大騒ぎすることはないじゃない。恥ずかしい」と言いながら、その主婦と順番を待っていた主婦の二人は他の列に並びに行ったようです。
問題は、この後です。
私がレジを済ませてスーパーの駐車場に停めていた乗用車に買い物かごを積んでいたとき、柄の悪そうな中年の男が、「おい、この女か?」と後ろにいた、あの50歳くらいの主婦に聞いていました。
主婦がうなづくと、その柄の悪い男は「お前か、うちの家内に恥をかかせてくれたのは?」と言って、凄んできました。
少し怖かったのですが、勇気をふりしぼって「私は、割り込まないでくださいと言っただけです」と言い返しました。
「割り込んでなんかいないわよ。順番を取ってもらっていたのよ」と、その主婦が旦那がいることで強気に言ってきます。
「どうでもええけど、この落とし前はどうつけてくれるんや」と男が凄んできました。
私は脅されたのが怖くて、「きゃーっ!! 助けて!!」と大声を出しました。
すると、近くにいた人たちが、一斉にこちらを見ました。
それでバツが悪くなったのか、「ええか、今度どこかで会うたら承知せんからな。お前の車のナンバーは覚えたから家もすぐわかる。近いうちに挨拶にいくからな」と捨て台詞を残して、その場を立ち去りました。
ゲンさんにお尋ねしたいのですが、車のナンバーで住所などがわかるのでしょうか?
これは警察に通報しておいた方がいいのでしょうか?
今はよけいなことを言わなきゃ良かったと後悔しています。
ゲンさんのご意見をお聞かせください。
回答者 ゲン
あんたは曲がったことが嫌いな性格のお人のようや。それはそれで悪いことやない。
しかし、例え相手が間違っていたとしても、その行為を指摘すればトラブルになるということは考えに入れておいた方が良かったな。
世の中には、良かれと思って注意したために刃傷沙汰になったケースというのは山ほどあるさかいな。
もちろん、せやからと言うて黙っていろというのとは違う。言うべきことは言うたらええ。
ただ、トラブルになった場合の対処も頭に入れておくことや。
『今はよけいなことを言わなきゃ良かったと後悔しています』ということにならんためにな。
まあ、ワシらに相談されたことで、心配事が少しは減ると思うさかい、気が楽になるかも知れんがな。
誰かが順番待ちをしていて仲間をその場所に引き入れる「割り込み」というのは結構日常的に行われている行為ではある。
東京ディズニーランドやユニバーサル・ジャパンなどの遊園地やアトラクションでの順番待ち、あるいは人気のゲームソフトの販売の順番待ち、人気の飲食店に入るための順番待ちにそういうのが多いと聞く。
また、今回のあんたのように買い物レジの順番待ちでそうしているというケースもよく耳にする。
それをする者は、普段その行為を指摘されたり苦情を言われたりするケースが少ない、あるいは殆どないためか、そうすることが当然、何が悪いという気になるようや。
しかし、あんたのように順番を守って並んでいる人にとっては、ええ気のするもんやないわな。
順番がそれだけ遅くなるわけやさかいな。確実に人の迷惑になる。
通常、順番待ちとは、それをしている人のみに権利が発生するもので、代理で権利が得られるというのは自分勝手な都合のええ判断にすぎん。
人に迷惑のおよぶ行為をしたらあかんというのは常識や。自分さえ良ければええという考えが間違っているというくらいは誰でも分かる。
もっとも、その行為を店側が認めていれば例外的に問題はないが、スーパーのレジ並びでそれを認めるケースは、まずない。
それからすれば、『何をしているんですか。割り込まないでください』と注意した行為は正しかったと思う。
割り込んだ主婦も、それが分かっているからこそ、店の責任者が来た時、『他の列に並びに行った』のやろうからな。
ただ、法律的な観点からの割り込みが禁止されているのは自動車の運転くらいなもので、商業施設での順番待ちでの割り込みは、その規定や法令がないから法律違反とまでは言えんやろうと思う。
あくまでもエチケット、モラルの問題ということになる。その場の空気、雰囲気が、その是非を決する場合が多い。
その場の雰囲気が不利と感じ、その二人は他へ行ったのやろう。他に誰もそういったことをする者がいないということでな。
逆に、その手のことが、その店で日常的に行われていた場合、暗黙の了解事項ということになって、それを指摘したあんたの方が周りから変に見られる可能性もあったがな。
あんたのケースは、それとは違うようやが。
ただ、今後も同じようなことが繰り返される可能性が高いさかい、その店の責任者に苦情を言うた方がええやろうな。
そのトラブルの原因は『いつもレジには長い行列が出来、長時間待たされます』にありそうやから、そのスーパーが何か適切な手段を嵩じるように考えなあかん。
その主婦たちは、いつも長時間待たされるために考えた苦肉の策なのは、ほぼ間違いないと思う。
もっとも、長い行列に慣れている日本人の多くは、どんなに長くても行儀良く順番待ちするもんやけどな。ルールを破るのは、ホンの一部の人間や。
そんな相手に直接文句を言ってもトラブルになるだけや。
ただ、トラブルになることを承知で問題定義するのなら、それなりに意味がある。
少なくともその揉め事を目にした人は、同じようなことがし辛くなるやろうし、そのことが噂として広まれば、そういったことをする人間も減るかも知れんしな。
あんたのケースは、ご主人が同伴されておられなかったようやが、もしおられたら喧嘩になっていた可能性も考えられる。
しかし、そんなことで喧嘩をすれば「スーパーマーケットの順番待ちのトラブルが原因で暴力事件が発生」ということになる。
その結果如何では大きなニュースとして新聞やテレビで報道されるということもあり得る。バカげとるわな。
店の責任者に「こういうことを放置していると終いに大変な問題を起こしますよ」と言えば、それなりの対処を考えるはずや。
今のところレジの順番待ちで揉めて喧嘩が喧嘩の傷害事件というのは聞かんが、あれば、その店にしても致命的なマイナスになりかねんさかいな。
実はハカセも似たようなことがあったらしい。
もっともハカセは割り込んだ人間にではなく、そうさせている店側に問題があると考え、店長に苦情を言うたとのことや。比較的穏やかに。
結果として、そのスーパーではレジに並ぶ人が増えてくると「只今、レジが大変混み合ってご迷惑をおかけしています。今しばらくご辛抱願います。従業員はレジ応援をお願いします」というアナウンスが増えたということや。
その後、そのスーパーでは土日のレジ要員も大幅に増えたと。
それでレジの混雑がいくらか解消され、そういった割り込みをしたという話も聞かなくなったと。
効果とすれば、それが一番ええやろうと思う。客の意見を無視する店は、ほとんどないさかいな。苦情を言うのなら、店に言うた方がええとハカセも言うてた。
もっとも、それをよく心得ているスーパーの多くではマニュアルとして、そういったアナウンスをしているようやがな。そういった対処を何もしていない店の方が少ないかも知れん。
それでも、割り込みしたこと自体は褒められたことやない。他の真面目に並んでいる人の迷惑になる。
ただ、人の迷惑を顧みない人に何を言うても意味はないがな。
常識のある人なら、「すみませんね、この場所は取って頂いてたので」と、その場所に入る前に後ろの人、つまりあんたに断ってから入ったはずで、その一言があれば、あんたもそこまで怒ることはなかったと思う。
それをせず、無神経に割り込んだ主婦にも問題がある。むかついて、つい文句を言うたあんたの気持ちもよく分かる。
しかし、揉めても普通は、そこで終わる。
しかし、あんたのケースは、その後で『「どうでもええけど、この落とし前はどうつけてくれるんや」と男が凄んできました』ということやから、穏やかやないわな。
『ええか、今度どこかで会うたら承知せんからな。お前の車のナンバーは覚えたから家もすぐわかる。近いうちに挨拶にいくからな』というのは脅迫になる。
これで具体的な金銭の要求でもあれば脅迫罪が成立する可能性が高い。
ただ『車のナンバーで住所などがわかるのでしょうか?』というのは、現状では難しいと思う。
2007年11月から施行された『改正道路運送車両法』というのがある。
それ以前は、普通車の場合、陸運局に行けば簡単な書類申請で、その車の持ち主の名前や住所を知ることができた。
しかし、犯罪などに悪用するケースが出てきたのと、2005年4月から施行されている個人情報保護法の影響もあり、制限が厳しくなった。
登録自動車の登録事項等証明書の発行手続きについて
登録を受けた自動車について、登録事項その他の自動車登録ファイルに記載されている内容を知りたいときは、最寄りの運輸支局または自動車検査登録事務所に証明書の請求ができる。
なお、犯罪に悪用する等の不正な行為の防止及び.必要な個人情報保護対策の為、登録事項等証明書交付請求書の、請求者の氏名および住所が正しい事の確認、また、請求事由の具体的明示、自動車登録番号及び車台番号の双方の、記載が必要になった。
1.請求に必要な書類等
1) 登録事項等証明書交付請求書……運輸支局等に隣接の用紙販売所で販売している。
2) 手数料納付書……運輸支局等に備えてある。
3) 窓口で申請人の確認できる書類(以下のいずれかの書類を受付時に提示する必要がある)
1、運転免許証
2、健康保険の被保険者証
3、外国人登録証明書
4、住民基本台帳カード
5、上記の他、住所及び氏名、又は氏名が確認できる旅券等の官公庁発行証明書
4)請求事由の明示
登録事項等証明書の交付請求にあたっては、何のために所有者等の確認が必要なのか具体的な理由
5)自動車登録番号及び車台番号の明示
原則として、自動車登録番号(全桁)、及び、車台番号(下7桁)の双方の記載が必要。
ただし、以下の場合は、自動車登録番号又は車台番号のいずれか一方のみの明示でも請求ができる。
1、私有地における放置車両の場合
図面、車両の写真及び放置日数等を記載した書類の提出が追加で必要。
2、抹消登録された車両である等の理由により、登録番号が確認出来ない場合……車台番号のみの提示の場合、「車台番号(全桁)の明示」が必要。
と。
まず『4)請求事由の明示』というところで、躓くものと思う。
『登録事項等証明書の交付請求にあたっては、何のために所有者等の確認が必要なのか具体的な理由』の根拠を示さなあかんさかいな。
正当な理由がなければ書類は発行されないし、嘘の理由を申告すれば処罰の対象になる。その審査は、かなり厳しいと聞く。
次の『5)自動車登録番号及び車台番号の明示』でも、車のナンバーで所有者と住所を知るためには、『5)自動車登録番号及び車台番号の明示』が必要とされるさかい、その男がそれを知るのは難しいやろうと思う。
自動車登録番号はナンバープレートを見れば分かるが、車台番号は車検証、または車のボンネットの中のを見ないと分からんから、普通では、そんな情報は入手できんわな。
したがって『車のナンバーで住所などがわかるのでしょうか?』というのは、まずあり得んと考えてええやろうと思う。
万が一、それらの情報を入手することに成功すれば費用的には1500円もあれば登録事項等証明書の交付を受けられるが、それをもとに脅迫を含む犯罪に使えば、すぐに足がつくくらいのことは分かるはずや。
まあ、その男は昔の簡単に書類が発行されていた頃を知っていて、そう言うたのかも知れんがな。そういうことも知っていると誇示するために。
脅しという側面もあったやろうが、あんたの言うようにただの捨て台詞やったのと違うかな。
まあ、世の中には何を考えとるのか分からん人間がおるのも事実やから、用心に越したことはないやろうとは思う。
『これは警察に通報しておいた方がいいのでしょうか?』というのは、あんたが心配なら念のために相談くらいはしておいた方がええかも知れんな。
相談するのなら、警察署の「市民安全課」という所にした方がええ。その場合、経緯の説明より、まず最初に「男に脅されて怖い」ということを強調されることや。
スーパーで揉めたということを延々と説明しても、話は聞いてくれるかも知れんが、真剣には取り合って貰えんやろうと思う。
実際、揉め事とも言えんような些細な事で相談を持ち込まれるケースが多いと聞くさかい、よけいや。
警察は基本的には事件が起きてからでないと動けない。「男に脅されて怖い」というのは、脅迫に該当する可能性が高いから、それなりに真剣になって聞いて貰える可能性が高い。
また、この警察に相談したという事実は、相手にプレッシャーを与える口実にもなる。
万が一、その男とどこかで遭遇して本当に脅された場合、「あなたのことは警察に相談してます。何かあったら連絡するように言われていますので、電話しましょうか」と言えるさかいな。
そう言えば、たいていは、あんたを「面倒な人間」と考え、それ以上の脅しは止めるやろうと思う。
まあ、それでも心配なら、次に買い物に行かれる場合、ご主人に同行して貰うか、そのスーパーに行く曜日と時間を変更することを勧める。
あるいは他のスーパーにしばらくの間でも買い物をしておくことやな。
君子、危うきに近寄らず。危ないと思うことは避けたらええ。それが危険を回避する一番の方法やさかいな。
もっとも逃げ隠れするのが嫌というのなら堂々としておればええがな。どうされるかは、あんた次第や。
相談事例2. 飲食店で無理難題を言ってくる客の対処法について
相談内容
はじめまして
新聞関連ではないのですが、お客さんとのトラブルで困っています。
もし、聞いて頂けるなら、宜しくお願い致します。
身内で飲食店を経営しております。私達夫婦がオーナーです。
場所は土地柄、結構柄の悪い場所でもあるので、酔っぱらい、無線飲食はある話です。
ただ、今回のトラブルは、地元の後輩で、面識はありません。
数ヶ月前から時々来るようになり、悪い噂を以前から聞いていましたし、たまたま同級生がその後輩がうちのお店に来てる事を知って、「やから(無理難題)言うて金をとるから気をつけろや」と忠告してくれてたので、来店の度に構えておりました。
そして、とうとう、うちでもやから(無理難題)を言い出しました。お金を持っていないと。
うちは、まずは、今度持ってきてくれたらいいから、日にちだけ教えてと言いました。
後輩は、払う払うと言いながら、旦那を一緒に連れて帰りたがる、二人で外に行こうなどと、とにかく旦那を外に連れ出したがりました。
でも、それはできへんとのやりとりが続きました。
勿論、店のドアはわざと全開にして、なるべく通行人に聞こえるように見えるように、また、安全の為にしてました。
後輩はドアも閉めようとしますが、絶対に開けていました。
すると、多分自分の思い通りに事が進まないので苛立ってきて、怒鳴り出してきましたが、私達は冷静を保っていました。
もう、拉致合わない状態になり、警察沙汰になったら怒るのわかっていたので、通行人が警察を呼んだという設定で、警察を呼びました。
警察が来たら、焦りと怒りで、とりあえず家にお金を取りに行くと言って帰りました。
その間警察と話してて、今後あのお客さんとどうするかはご夫婦で決める事。
ただ、何か少しでもややこしくなれば直ぐに110番してくれたら良いと言っていました。
そしたら、後輩は母親と二人で来たのですが、まず母親の第一声が「なんで警察呼んだん」でした。
誰かが呼んだのですと言うと、あっそう、で終わったのですが、後輩は次は私達に何が悪いねん、あやまれ、の繰り返しで、私達は気を悪くさせたなら謝りますと謝り、母親からお金頂いたのでお礼も勿論言いました。
それでも怒鳴りちらすので、警察が間に入って止めて、私達はお店に入り、警察がとりあえず帰らしてくれました。
忠告してくれた同級生も商売をしてて、うちと同じように、お金がないから始まって、相手を怒らし、同級生は胸ぐらをつかんだらしく、その後来店して、「首がおかしくなった、ネックレス、指輪がつぶれた」と慰謝料を取るパターンらしいです。
その同級生は何言われても知らんと言い張り、払わなかったらしいですけど、知り合いのお店は、居合わせてた友達が見るに見かねて手を出して、かなり事を引っ張られ、かなりの金額を取られたそうです。
友達は必ずまた、近いうちに来ると言っています。
私達もそう思います。
次来たら、トラブル覚悟の上、一切お断りするつもりです。
ただ、それをしたら相手がいろんな手口使って出てくると思うので、何か良い対処方は、ありますでしょうか?
母親もたちが悪く、もしかしたら後輩以上に何かあるかもしれないので、それも気をつけないと思うのですが、具体的な案がなく、ただお店に入れないしか浮かびません。
あと、お持ちかえりをしており、飲食もしたので、食べて体調おかしくなった、こんな物入ってたなど言ってくる可能性も大です。
明日でも、近所の司法書士の方にもそんなケースの場合どうしたらいいか聞く
予定です。
その後輩は近所に住んでるみたいで、私達の子供への被害も心配です。
とりあえず明日からは子供はお店には近寄らさないようにはして、私達もお店では一人にならないようにします。
話が長々になり申し訳ないですが、アドバイス宜しくお願い致します。
ただただ、真面目に働いているだけなのに。
回答者 ゲン
あんたの話を聞く限り、その後輩とやらは相当なワルやな。インネンを吹っかけトラブルを起こして金にするのが目的のすべてやと思う。事実、過去の事例がそのようやさかいな。
こういう輩には、まともな対応をしていても効果はない。
『ただただ、真面目に働いているだけなのに』と言われる気持ちは、よく分かるが、そういう輩も世の中にはいると認識することや。
どれだけ真面目に生きていようと、何の前触れや理由もなく人を襲う通り魔もおるし、無謀運転に巻き込まれて怪我や命を失うことがあるのが世の中やさかいな。
そういうのを災難と呼ぶ。災難は突然降りかかるものと相場が決まっている。不運は人と時を選ばない。
その後輩とのトラブルも災難の一つと考えて、それなりに対処するしかないと思う。
あんたの話からは、話し合いで解決のつきそうな相手ではなさそうや。
話せば話すほど、こじれるというか、揉め事を大きくして金をふんだくろうするやろうから、よけいややこしくなる。
『アドバイス宜しくお願い致します』ということやから、ワシなりの対処法を伝えるさかい、取捨選択は、そちらで考えて欲しい。
飲食店で無理難題を言ってくる客の対処法
1.出入り禁止にする。
客商売は客を選べないと考えがちやが違う。そもそも商売は、売り手と買い手が納得して初めて成立するものや。
どちらか一方が拒否すれば、その商売は成立しない。つまり、飲食店であっても客は選べるということや。
気に入らない、来て欲しくない客に対しては「出入り禁止」を通告すればええ。そうしている飲食店はザラにあるさかい、特別なことでも何でもない。もちろん違法でもない。
『母親もたちが悪く、もしかしたら後輩以上に何かあるかもしれないので、それも気をつけないと思うのですが、具体的な案がなく、ただお店に入れないしか浮かびません』というのなら、尚更やないかな。
もちろん、いくら「出入り禁止」にするとは言うても差別的な理由で、そうするのは問題があるが、あんたのケースは「迷惑をかけられ、営業の邪魔をされた」というれっきとした理由があるから、まず問題はないやろうと思う。
あんたも『次来たら、トラブル覚悟の上、一切お断りするつもりです』という強い気持ちがおありのようやから、そうされたらええ。
警察官が『今後あのお客さんとどうするかはご夫婦で決める事』と言うたのは、そういう意味やと考えるしな。
暗に「出入り禁止」にしたらええと言うてるのやと。警察官という立場上、おおぴらに、そう言うわけにはいかんだけでな。
2.法律家に相談する。
これについては『明日でも、近所の司法書士の方にもそんなケースの場合どうしたらいいか聞く予定です』と言うておられるから、そうされるのは構わないと思う。
ただ、司法書士は「登記事務(登記に関する書面の作成と手続の代理)」、「供託事務(供託に関する書面の作成と手続の代理)」、「裁判事務(裁判所、検察庁、法務局に提出する訴状、告訴状、帰化申請書などの書面の作成)」が主な仕事やさかい、今回のようなトラブル相手に対して直接交渉することができんというのは知っていた方がええ。
法律的なアドバイスを受けるのはええがな。もしくは裁判所に訴状を提出する段になれば力になって貰えるはずやと思う。
それと、相手に対して「法律家の先生に、あんたとのことは相談している」と言えるさかい、それでその後輩とやらにプレッシャーを与えることができる。
その後輩がどうかは知らんが、ヤクザのような人間ですら、あんたの方に法律家がついていると分かれば、それ以上何も言わんケースも多いしな。
3.法的に対処する。
「出入り禁止」を通告して、そのことで怒って店先で怒鳴りちらせば、威力業務妨害罪が成立する。
刑法第234条で規定されていて、違反した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。
その場合は即座に警察に通報し、「店先で怒鳴りちらした行為」を威力業務妨害として訴えることができる。
警察の判断次第という側面はあるが、『悪い噂を以前から聞いていました』ということなら、過去にも似たようよな事例で警察沙汰になっているケースも考えられるさかい、立件される可能性が高いのやないかと思う。
少なくとも警察を呼ぶ立派な口実になる。警察にしても具体的な犯罪行為があった方が対処しやすいさかいな。
またそれにより、客が帰るなどの具体的な被害が出れば損害賠償訴訟の対象になる。
ただ、法的に対処する場合は、こちらから手は絶対に出したらあかんということに気をつけておく必要がある。暴力を振るえば、その事の方が重大やさかいな。
反対に相手が暴力を振るえば、そのことで訴えることができる。大人の喧嘩では暴力を振るうた方が負けやと考えといた方がええ。
ただ「胸ぐらをつかんだ」くらいで「首がおかしくなった」、「ネックレス、指輪がつぶれた」と慰謝料を取るパターンというのは、いくらでも対処できるがな。
「胸ぐらをつかんだ」くらいで「首がおかしくなった」というのは、「それでしたら訴えてください」と突き放せばええ。
「首がおかしくなった」と言う方は、「胸ぐらをつかんだ」ことが原因で、そうなったということを実証せなあかん。
日本の裁判では実証責任は訴えた側にあるとされとる。「胸ぐらをつかんだ」くらいで「首がおかしくなった」と実証するのは不可能に近く無理がある。
刑法での暴行罪で起訴できる可能性は限りなく低いし、民事でも勝つのは無理やと考える。
「ネックレス、指輪がつぶれた」というのも同じで、その行為により壊れたという因果関係を訴えた人間が証明せなあかん。
損害賠償請求を起こして認定されなければ払う必要はない。もし、その手続きなしに無理矢理、慰謝料を支払わせれば、ケース次第では「恐喝罪」が適用される可能性が高い。
「あと、お持ちかえりをしており、飲食もしたので、食べて体調おかしくなった、こんな物入ってたなど言ってくる可能性も大です」というのも、すべて同じで、実証ができんかったら単なる言いがかりになる。
そういった何の根拠もなく保健所や近所で言いふらせば、「信用毀損罪」、「業務妨害罪」、「偽計業務妨害罪」などに抵触する可能性が高くなる。
いずれも刑事罰として、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が科せられる。
言いがかりで金を請求すれば同じく「恐喝罪」に該当することにもなる。
つまり、こういう相手には、どのようなことであろうと、すべて「文句があるのなら警察か、裁判所に訴えてくれ」と言えばええということや。
言いがかりで金を請求するような人間は、それであきらめるはずや。ナンボ言うても、ここからは金が取れんなということでな。
万が一、訴えられたとしても、あんたのようなケースで負けることは、まずないと言うとく。負けるはずがない。
まあ、言いがかりで金を請求するようなせこい人間に、弁護士を雇ってまで金のかかる裁判を起こすようなケースは殆どないがな。
堂々と受けて立ったらええ。普通、裁判するぞと言われると気後れする人がおられるが、この場合は民事裁判がせいぜいやさかい、どうということはない。
そうなったら、その時、また相談に乗るが、参考までに『第113回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■民事裁判への考え方』(注1.巻末参考ページ参照)
というのがあるので、それを見て頂けたらと思う。
4.防犯カメラ、または録音装置を店に設置する。
最近は、道路や商業施設、一般家庭の玄関先やコンビニに至るまで、あらゆるところで防犯カメラが設置されているが、危険を感じられるのやったら取り付けることを勧める。
店内で何があったかというのは、防犯カメラの映像を見ればたいていは分かるさかいな。事の善悪など一目瞭然や。
警備会社に頼めば、店内で異変があった場合、すぐに駆けつけるか、警察に通報してくれるはずや。
『店のドアはわざと全開にして、なるべく通行人に聞こえるように見えるように、また、安全の為にしてました』というのは夏場や秋口なら、それでええかも知れんが、これから寒くなる季節に、それをすると肝心の客が逃げると思うよ。
『場所は土地柄、結構柄の悪い場所でもあるので、酔っぱらい、無線飲食はある話です』ということなら、安全にコストをかけるという意味でも一考の余地があると思うがな。
防犯カメラが取り付けたと知っただけでも、そういう輩は敬遠する可能性が高い。
コストが高くてできんという場合は、常に会話を録音できるようにしておくことや。
その場は一旦低姿勢に対応しておいて、相手が「恐喝紛い」の言動をしてきたら警察に通報するという手もある。
5.防犯意識を高める。
『その後輩は近所に住んでるみたいで、私達の子供への被害も心配です』というのは、それほど心配せんでもええのやないかと思う。
もし、そういう性癖のある人間なら、今回のようなトラブルは他で何度も起こしているはずやから、とっくにその手の問題を起こして捕まっているはずやさかいな。
その人間の目的は、難癖をつけることで金を取ることなのは明白で、誰かを傷つけて警察に捕まるような愚を犯すようなことはせんと思う。
まあ、世の中には理屈で判断できんような輩がおるのも事実やから、絶対とも言えんがな。
心配される気持ちは、よく分かるので、用心のためにお子さんたちにも、その危険を話して注意を喚起するようにされたらええ。
万が一、お子さんたちに何か声でもかけてきたら、「不審者」として警察に通報すればええ。それと必ず、友達と一緒に下校するようにと教えておくことも大切や。
また、通われている地域の学校に、その人間が声をかけてきたという事実があれば、「不審者」として注意を喚起するのでもええと思う。
ただ、何もないのに、それをすると逆に不利になるさかい気をつけることや。「名誉毀損」ということで、突っ込まれる可能性もあるさかいな。
揉め事が起きるというのも、あながち悪い事ばかりやない。その事が教訓になることもあるからな。
その埒もない後輩のおかげで防犯意識が高まったとすれば、それはそれで「用心は身を助ける」と考えられるきっかけになったわけやさかいな。
こんなところかな。
参考になりそうなものがあれば、取り入れて貰うたらええと思う。
やから(無理難題)を言う人間は、言える相手、金になりそうな相手やと思うからこそ、そうするわけで相手が厄介、またはしても無駄やと知れば、そんなことはせんはずや。
毅然と対処すれば問題はないと思う。その意味では、警察沙汰にしたのは正解やった。その人間も、次に来る時は、まずそのことを頭に入れるやろうからな。
普通は、警察沙汰にしたような面倒な相手とは接触はせんもんやけどな。
まあ、それについても、いろんな人間が世の中にはいとるから、用心に越したことはないと思う。
また何かあれば、いつでも相談に乗るさかい、言うて来られたらええ。
ただ、いつもすべての人に言うてることやが、ワシらはアドバイスはするが、そうしろと強制するようなことはせん。
アドバイスの取捨選択をどうするかについては、あんた次第やと言うとく。
以上や。
これらの事例について、何かご意見、ご感想をお持ちの方は、ぜひ知らせて欲しいと思う。
ワシらのアドバイス以外のことがあれば教えて頂きたい。
いつも言うてることやが、ワシらは自分たちの意見がすはべてで、絶対正しいとは考えとらんさかいな。
言葉足らずの面もあるやろうし、的外れなアドバイスがあるかも知れん。
ワシらのためと言うより、読者の方々のために、そういったご意見なり、情報なりを寄せて頂ければ有り難いと思う。
参考ページ
注1.第113回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■民事裁判への考え方』
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