メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第294回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2014. 1.24


■東京都知事選……原発の是非を問う選挙になるか?


昨日の1月23日、東京都知事選挙が告示された。

これは猪瀬直樹前東京都知事が、医療法人徳洲会グループから5千万円の資金提供を受けていた問題で、責任を取って辞職したために急遽実施されることになったものや。

この選挙に、元首相の細川護熙(もりひろ)氏が立候補を表明し、小泉純一郎元首相が細川氏の掲げる「脱原発」に同調し、支援を表明したことで、一躍国政選挙並、いやそれ以上の注目を浴びる選挙になったと言える。

その報道記事や。


http://www.asahi.com/articles/ASG1G3PP5G1GUTFK005.html より引用


細川氏、都知事選立候補を表明 小泉氏が支援約束


 東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)をめぐり、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)が14日、都内のホテルで、小泉純一郎元首相(72)と会談した。

 細川氏は会談後、立候補を表明。小泉氏も細川氏の掲げる「脱原発」を評価し、支援を約束した。細川氏は15日に記者会見し、正式に立候補を表明する。

2014東京都知事選

 細川、小泉両氏は約50分会談した後、並んで記者団の取材に応じた。細川氏は、記者団に「今度の都知事選に立候補する決断をした。ぜひ小泉さんに強力な支援をお願いしたいと申し上げ、小泉さんから『自分もやる』という話をいただいた。心強く思う」と語った。

 小泉氏も「細川さんに対して心から敬意を表し、喜んで細川さんの当選のために積極的に頑張りたい」と支援を約束した。

 細川氏は立候補の理由について「今の日本のさまざまな問題、とくに原発の問題は国の存亡に関わるという危機感を持っている」と語り、脱原発を中心に訴える考えを示した。

 具体的な政策に関しては、改めて立候補の記者会見で明らかにする考えだ。

 小泉氏は細川氏を支援する理由に「原発問題」を挙げて「東京が原発なしでやるという姿を見せれば、必ず日本を変えることができる」と強調。

「この戦いは、原発ゼロでも日本が発展できるというグループと、原発なくしては発展できないというグループとの争いだ。私は原発なしでも発展できるという考えで、細川さんもそうだ。それが支援する最大の理由だ」と語った。

 さらに小泉氏は、「今回の都知事選ほど国政に影響を与える選挙はない。細川さんが知事になれば、エネルギー問題、原発の問題で、国政を揺るがす、大きな影響を与える知事になる」と訴えた。

 関係者によると、細川氏は14日までに、立候補した際の公約についてほぼ調整を終えている。細川、小泉両氏は昨年10月から連絡を取り合っており、小泉氏が細川氏に立候補を勧めてきた経緯があった。

 細川氏に近い関係者は「小泉元首相が何回、選挙カーに乗って街頭演説に立つのかなど、細かい調整をすでに行っている」と話している。

 細川氏の立候補に関しては、地域政党・減税日本代表の河村たかし名古屋市長も同日、支持する意向を表明した。河村氏は細川氏が代表の日本新党で衆院議員に初当選している。

 一方、自民党は14日午前の役員連絡会で、舛添要一・元厚生労働相(65)を、党本部として支援する方向を確認した。

 日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児氏(67)、元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)、発明家のドクター・中松氏(85)らも立候補の意向を示している。


ワシらは細川護熙(もりひろ)氏や小泉純一郎氏の支持者ではないが、『今回の都知事選ほど国政に影響を与える選挙はない。細川さんが知事になれば、エネルギー問題、原発の問題で、国政を揺るがす、大きな影響を与える知事になる』という発言には大いに共感する。

ワシらは脱原発の必要性については震災直後から、メルマガ誌上で繰り返し取り上げ訴えてきた。(注1.巻末参考ページ参照)

震災後、世の中の流れは脱原発に大きく傾いたかに見えたが、ここにきて自民党安倍政権が、その流れに棹さすかのように原発推進への動きが顕著になっている。

その理由は、原発を再稼働させなければ経済が立ち行かんということやが、それが事実とは反しているのは、議論の余地などないほど明白や。

なぜなら、現在、稼働中の原発はゼロにもかかわらず経済は上向き傾向にあるさかいな。

しかも、それを実証した形になっているのが、原発を推進している安倍首相の政策「アベノミクス」にあるというのやから何か皮肉めいた話ではあるがな。

さらに言えば、震災直後の恣意的な計画停電騒動以外の停電騒ぎがないということもある。

震災以降の3年間で原発などなくても何の問題もないと証明された形になっている。これほど確かな実証もない。

コスト面については以前は原発が最も安いという主張やったのが、実は一番コストが高いという事実が判明している。

実はコスト面で一番安いと主張しているのは世界中で日本だけや。

アメリカなどでは、そのコスト高のために電力会社が次々と原発の閉鎖しているのが実情なんやが、日本ではなぜか、そのことがあまり報道されていない。

しかも、福島第一原発事故での賠償金や除染作業費、廃炉処理費用など、これから一体どれだけの費用がかかるのか、その目星すらついていない。

また、すでに1万9千トンにも及ぶ使用済み核燃料の処理すら何も決まっていない状況や。

このままの状況で原発が再稼働されたら年に1千トンずつ行き場のない使用済み核燃料が増え続ける計算になるという。

今の日本では使用済み核燃料の処理施設の建設はおろか、廃棄場所の確保すらできんやろうと思う。

例え確保できたとしても、それにかかる費用は莫大なものになると予想される。

それらも原発のコストということになるのやが、原発を推進する連中は、そのコストをワシら国民への税金増、電気料金に上乗せして乗り切ろうというのやから、これほど舐めた話はないわな。

つまり、一度事故を起こしてしまえば、国民の生命と財産が脅かされるだけやなく、その事故処理にとてつもない費用がかかり、その負担をワシら国民がせなあかんようになるということや。

未だに福島第一原発の事故が収束していない状況にある。事故による被害の実態すら性格に分かっていない。

それにもかかわらず、安倍首相は、去年2013年9月8日に行われた2020年の夏期オリンピック東京開催招致のため、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会総会で、無責任な発言をしている。

当時、懸念の外国から懸念の大きかった福島第一原発の汚染水問題に対して「安全は私が保証する。状況はコントロールされている」と言うてたが、実際には状況はコントロールされるどころか悪化の一途を辿っているのは周知の事実や。

今や国民だけやなく世界中からも安倍首相の「安全は私が保証する」という言葉など信用する者はおらんやろうと思う。

単に見栄や対面上「安全は私が保証する」と言うてるにすぎんというのがミエミエやさかいな。恐ろしく説得力のない言葉やと言うしかない。

ワシは、このメルマガ誌上で人は必ずミスを冒すし、事故は必ず起きると口が酸っぱくなるほど言うてきた。

人が関わるもので例外など一切ないと。何事も事故は絶対に起きるものやと想定して事に臨まなあかんと。

そういう意味では「絶対安全」という言葉自体が破綻しとるわけやが、原発を推進してきた連中は、過去、その言葉を呪文のように使い続けてきたわけや。

そして、事ここに至っても、まだ使い続けようとしている。

それほど、ワシら国民がアホに見えるのかと言いたい。バカにするなと。

ただ、いくらワシらが声を大にして、それを訴えたところで3年後まで国政選挙がない状態では如何とも、し難かった。

もっとも、政府与党の連中も、それを見越して今のうちに「やってしまえ」と考えて好き放題のことをやっとるわけやけどな。

しかし、天はまだワシら国民を見放してはおらんかった。

今回の降って湧いたような東京都知事選挙が、それや。

特に小泉氏の「この戦いは、原発ゼロでも日本が発展できるというグループと、原発なくしては発展できないというグループとの争いだ。私は原発なしでも発展できるという考えで、細川さんもそうだ。それが支援する最大の理由だ」と語った言葉に、それを感じた。

まだ、原発推進、原発再稼働をくい止める手段がある。最後の砦があると国民に知らせてくれた。

原発は国策で、一地方自治体の掲げる政策やないという者が一部におるようやが、それは違う。

特に東京は全国一の電力消費地で、その電力を原発に頼らず自然エネルギーへ移行しようという方針は、これからの日本を大きく変えるキッカケになるのは間違いないと思う。

それに原発の再稼働には地方自治体の首長の同意なくしてはできんのやさかい、地方の政策に馴染まない、関係ないと言う者の方がおかしいわな。

おそらく、この選挙結果が今後の日本の原発政策を大きく決定づけるものになるやろうと確信しとる。

細川氏の出馬に異論を唱える人たちからは「脱原発だけでいいのか」というシングルイシュー(単一争点)化を批判する意見も聞かれるが、何を基準に投票するかは有権者それぞれが考えれば、ええことやと思う。

何が重要かは、その人それぞれやさかいな。

これについて、小泉進次郎内閣府兼復興政務官の発言がある。


自民党内に波紋呼んだ進次郎発言 連日の舛添氏批判も「胸を張れる自民党を」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140119-00000527-san-pol より、抜粋


−−原発だけがシングルイシュー(単一の問題)として争点化されるような選挙戦になってはいけない、という意見もあるが


「そういったことを言う方は有権者を信じてないんじゃないですかね。だって、争点はいくらでもあるわけです。

そしてそれを、シングルイシューにするかどうかっていうのは、報道の皆さんの、どういった形で報道するかもあるわけで。

だけど、有権者の皆さんは今の時代、それぞれインターネット見たり、各候補者の、今はネット解禁の選挙ですから、それぞれ情報取れますから。

また、パンフレットとかポスターとか、さまざまな会合とか、そういった場で、どういった考えを持っている候補者かって、知ることできますよね。

シングルイシューなのかどうかっていうのは、私は有権者の皆さんがどう考えるかで、1人1人、有権者の立場からすれば、自分が一番、関心を持っているところで投票先を決めることもあるだろうし、全体を見て投票先を決めることもあるだろうし、私は有権者の皆さんを信じればいいと、そう思います」


まさに正論で的を射ている発言やと思うが、政府与党からは、あまり快くは受け取られていないようや。

それには政府与党本部が、舛添要一元厚労相を支援すると決めとるからやろうがな。

それについても、小泉進次郎内閣府兼復興政務官は同じ報道記事内で、


−−都連自民党から(舛添氏への)応援要請があった場合は受けないか


「受けません。はい。自民党を除名された方を支援するということも、除名されたけど支援を受けるということも、両方とも私には良く分かりませんから。私は応援はしません」


−−父・純一郎氏が細川元首相を応援する、ということの評価は

 「まあ、今までを見ていれば、(父の行動は)そうだろうなと」

 −−事実上の自民党の対立候補に対する支援ではないか、総裁経験者としておかしいとの声が党内にはある

 「私は(批判は)当たらないと思いますね。だって自民党本部支援(推薦)じゃないんですから。

もしもそうであれば自民党本部支援(推薦)をすればいいのであってね。できない理由は、やはり党内、さっき私が言ったような声があるんじゃないですか。

一番自民党が苦しいときに、『自民党の使命は終わった』と言ったんでしょ。
歴史的使命は終わっていなかった、ということですかね。

私は特に初当選が自民党が一番不人気のときでしたから。野党から始まった私の議員生活ですけども、その野党になって『もう自民党に先はない』とそういった形で出ていった方ですよね。

それで自民党は除名をした。そして今回、除名はしたけど、支援する。

そして除名をされた方も支援を受ける。そして党本部は支援をしない。私は応援する大義はないと思いますけどね」


と見事に切って捨てている。ワシらも、小泉進次郎氏の言うとおりやと思う。

これについては自民党内部からも「舛添を支援するなどあり得ない」といった意見が数多く噴出しているという。

小泉進次郎内閣府兼復興政務官を批判する自民党の人間こそ大義がないと。

もっとも、自民党の大義とは地方自治体選挙において「当選しそうな人間で、自民党寄りの候補者を応援する」ということのようやから、そちらを優先すれば、それが大義になるのかも知れんがな。

そう考えれば節操のなさも頷ける。

後ろ足で砂をかけられた者もそうやが、見限った相手に応援されて、それで良しというのは、ワシら一般人にはとても理解できんことや。

お互いにプライドがないのかと言いたくなる。

今回の東京都知事選挙には16名もの立候補者が乱立しているが、大方の予想では、細川氏と桝添氏の一騎打ちの様相を呈しているという見方が支配的や。

ワシらも、そうなるやろうと見ている。

それには、やはり脱原発を争点に持ってきたことが大きいと思う。それに乗る人が多いはずや。

分かりやすさということもあるが、それ以上に1昨年末の総選挙、昨年の参議院選挙時と、いずれも脱原発を希望する人たちが圧倒的に多かったにもかかわらず、その人たちの声が届かなかったからやと思う。

その時には、脱原発を標榜する政党の乱立で、どこに投票すれはええのか分からない、あるいはそれに嫌気を差した有権者が選挙に行かず、結局、組織票の多い自公を利することになった。

結果、自公が大勝したことにより、国民の大多数の意見に反して現在のような原発推進、原発再稼働の流れが生まれてしまった。既定路線のようになりつつあった。

しかし、ここにきて脱原発を望む人たちの無念な思いを晴らせる可能性が、今回の東京都知事選で見えてきたわけや。

桝添氏も一応、脱原発とは言うとるが、ここにきて自民党本部の応援を得ているということからして、どこまでそれを貫けるか疑わしい。

おそらく当選すれば、自民党と歩調を合わせた原発推進、もしくは再稼働容認の方向で転換するのはほぼ間違いないやろうと思う。

そして、なし崩し的に自民党の方針どおり原発推進の方向に向かうはずや。

脱原発を望む人が、それをどう捉えるかは歴然としとる。その人たちの桝添氏への票は、あまり期待できないのではないかと考える。

桝添氏の考えが、いくら脱原発やと言うても自民党の支援を受けた時点で原発推進派に組み込まれたわけやさかいな。

ただ、細川氏にしても脱原発を謳っている候補は他にもいて、その候補者たちとの票の奪い合いということも考えられるので、その点での懸念がないでもない。

国政選挙時のように票が分散すれば同じような憂き目に遭わんとも限らんしな。

ただ、現状を分析する限り、脱原発を望む人の多くが細川氏に投票しそうな雰囲気にある。

それもあり、自民党幹部は警戒感を強めているわけや。

そのためか、早速、官邸と自民党は新聞、テレビを使って細川氏へのバッシングを開始している。

その多くが怪文書の類ばかりで、何一つ真実に沿ったものがない。

2013年12月に径書房から出版された池上彰氏の著書でのインタビューで、細川氏が「オリンピックで金メダルをたくさん取るよりも、今この時代に原発をどうするかということの方が、日本の将来にとってよっぽど重要な話のはずだ」語ったことで、細川氏が当選すればオリンピックがなくなるだろうとまことしやかに言う者もいとるが、そんなことには絶対ならんと断言する。

オリンピックの開催地が決まる前に東京都知事になっていれば、あるいは招致辞退ということも考えられたかも知れんが、テレビ報道の会見の場で、「決まった限りは開催の方向でベストを尽くす」と公言しとることからしても、オリンピックがなくなる心配はない。

もっとも、イメージダウンのために、細川氏が東京都知事になればオリンピックが中止になると煽りたいのやろうがな。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2105Q_R20C14A1CC1000/ より引用


細川氏の公約判明 原発ゼロ・五輪のスリム化


 東京都知事選に立候補する細川護熙元首相(76)が公約で「原発ゼロ」のほか、2020年東京五輪のスリム化、日本橋の上の首都高速道路の撤去などを打ち出すことが21日、関係者の話で分かった。

 関係者によると、原発については有識者会議「東京エネルギー戦略会議(仮)」で再生可能エネルギー比率の引き上げなどの具体策を検討し、原発ゼロに向けた行程表を作成するとしている。

 東京五輪は「簡素で優美な五輪」をテーマに施設の整備計画を見直し、東北地方での関連行事の開催などを検討。待機児童ゼロの達成、正規・非正規雇用の待遇格差の解消なども掲げる。


という上記の記事にすべてが凝縮されとると思う。

脱原発が細川氏の目玉の政策にしているというのは、そのとおりやろうが、それがすべてではなく多方面の政策についても考えて言及しているわけや。

またS新聞で『20年前に1億円借金問題、細川氏に説明求める声』と疑惑を報じ、テレビのワイドショーでもコメンテーターが「細川さんは1億円を説明する必要がある」と一斉に批判していたが、後日、これは何の問題もなかったことが証明されている事案なわけや。

それにもかかわらず、猪瀬直樹前東京都知事が、医療法人徳洲会グループから5千万円の資金提供を受けていた問題と絡めて、細川氏の評判を落とそうと躍起になっている姿は滑稽ですらあると言える。

よほど細川氏が東京都知事になると困る、具合が悪いのやろうな。

そもそも細川氏が佐川急便から1億円を借り入れたのは首相時代の20年前やなく、31年前の熊本県知事選挙に出馬する前のことやという。

後に自民党の大物議員が関わっていた東京佐川急便事件とはまったく関係がないにもかかわらず、自民党は細川氏が首相に就任すると、昔の借り入れをしつこく追及し、「自宅の山門修復などにあて、すでに返済済み」と説明する細川氏を退陣に追い込んだわけや。

その当時は、東京佐川急便に関わっていたというだけで評判を落とせた時代やったさかいな。

自民党議員でこの問題を厳しく追及していた白川勝彦氏が、その当時を振り返って次のようにコメントされている。

「あの問題は、そもそも闇献金問題ではない。借入金をマンション購入や自宅修復にあてたのは、所得税法上問題がなかったかということだったが、総理を辞職したことで政治責任は果たしている」と。

また、元参議院議員の平野貞夫氏も週刊誌の取材に、


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140123-00000001-sasahi-pol より引用


元参議院議員・平野貞夫氏が激白 細川元首相「佐川問題」の真実〈週刊朝日〉


 刻々と変わる情勢の中、目が離せない東京都知事選。細川護熙(もりひろ)元首相も出馬を表明したが、細川氏が首相の座を降りたきっかけである佐川問題とは何だったのか。

 元参議院議員の平野貞夫氏(78)が明かす、その真相には意外な裏話があった。


 当時、連立与党の一つ、新生党の参議院議員だった私は、細川元首相の1億円借り入れ問題の対応に当たりました。

 1992年、自民党の金丸信元副総裁が佐川急便から5億円の闇献金をもらったと発覚して大騒動になり、93年に自民党政権が倒れて細川連立政権が誕生した。

 だから細川氏と佐川に金銭関係があったら致命的で、当時野党だった自民党は、そこを狙ってきた。細川氏が佐川から1億円借りたという情報をとってきて、国会で追及を始めました。

 細川氏は、借金は認めていました。佐川とは父の代からの付き合いがあり、熊本県知事になる前年の82年に担保を入れてカネを借り、熊本の私邸の修理代や東京での不動産の購入にあてていたんです。

 細川氏は「お金は返した」と主張しましたが、自民党側は納得しない。細川氏は返済時に佐川からもらった領収書を公開しましたが、佐川の社名が書かれていなかったので、信憑性が問題になったわけです。

 細川氏は間違いなく本物だという。当時、佐川はいろいろな政治家にお金を渡していて、たいてい返さない。細川氏が珍しく返したから、そんな乱暴な領収書になったようです。

 細川氏は「佐川側の帳簿に返した記録がある。それを公開すれば疑惑が晴れる」と考えた。

 しかし帳簿は92年の事件で当局に押収され、裁判中で出せないという。国政調査権を使って提出要求し、法務省幹部と折衝すると「前向きに検討する」とのことでした。

 ところが後日、この幹部は「佐川の帳簿には細川氏以外にも与野党の大物政治家の名前がズラリと並んでいた。しかも細川さん以外はカネを返していない。公開すれば政界は大混乱になる」と。結局、諦めざるを得ませんでした。

 証明はしきれませんでしたが、問題の争点はあくまでお金を返したかどうかで、政治に使う裏金でなかったのは明白。

 佐川へ便宜を図った疑惑もなかった。東電病院売却の話が浮上している猪瀬直樹氏とはまったく違うのに、メディアに印象操作されていると思います。


と答えている。

白川氏と平野氏の証言に矛盾したところは何もないさかい、それらの話は限りなく真実に近いものやと思う。

新聞やテレビ局の人間やワイドショーのコメンテーターたちも、その程度のことは先刻知っているはずで、それにもかかわらず悪い印象を植え付ける目的で、そんなアホな吊るし上げをしとるわけや。

まあ、それもワシら一般人が何も知らんアホやとタカを括っているからこそ、そんな真似ができるのかも知れんがな。

しかし、今の世の中、どんなに悪評を流そうとしても、簡単にその真実を探し当てることができるようになっている。

事実をいくら歪曲しても、すぐにそれと分かる。もっとも、怪文書、怪情報の類は、そうしたもんやがな。

ワシらは、よく真実が一番やと言うてるが、それがすべてやと思う。

最後に、選挙の時には、いつも言うてることやが、投票には必ず行って欲しい。

今回は東京都民の方に委ねるしかないが、それぞれが正しいと思う選択をして頂きたいと願う。



参考ページ

注1.第150回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その1 原子力発電の廃止とその代替案について

第153回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その2 原子力発電廃止の流れを止めるな

第202回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その5 脱原発しか日本の生き残る道はない

第204回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その6 危険な日本原子力村をなくせ

第210回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■日本復興への提言 その7 電力組織を変えない限り真の復興などあり得ない

第214回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その7 脱原発と消費税増税について

第224回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■脱原発は本当に成るのか?

ゲンさんのお役立ち情報 その13 原発に関するアンケート結果情報

第234回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■原発維持に固執する電力会社の懲りない陰謀、再び

第263回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■自民党の危険な原発再稼働政策を阻止するには


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