メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第305回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2014. 4.11


■ゲンさんとハカセの時事放談……その2 STAP細胞騒動について


ある読者から、


いつも楽しく読ませてもらっています。

新聞の話と関係あるのかはわかりませんが、質問させてください。

今新聞やテレビの報道でSTAP細胞について騒がれていますが、私には何が問題なのかよくわかりません。

素人の私の目には理研という大組織が、一個人の科学者、小保方晴子氏にすべての責任を負わせて抹殺しようとしているとしか見えません。

どこかの報道にあったように、トカゲの尻尾切りだと思います。

本当のところ、STAP細胞というのはあるのでしょうか。それともないのでしょうか。

それがはっきりすれば、この問題は終わると思うのですが・・・・・・

この問題についてゲンさんとハカセさんの見解を聞かせてください。


という質問を貰った。

以前『第298回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんとハカセの時事放談……その1 ゴーストライター問題について』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、


以前から、その時々で世間を賑わせている様々な問題について意見や感想を求められるケースが多かった。

中略。

本来なら、それらは新聞業界とはあまり関係がないさかい、このメルマガやサイトでするべきやない話かも知れんが、読者から要望されたとあれば断るわけにもいかん。

ワシらのメルマガやサイトは読者の要望や質問を重視しとるさかいな。

ワシらの考えや意見が読者の方々の参考になるのなら、それなりに意味のあることやとも思う。

それに、読者の中には「新聞記事になったものは広義の意味での新聞話になるので良いのではないですか」と理解を示してくれる方もおられる。

今後も、そういう読者の要望に答えていきたいと考え、新聞記事になった事件、出来事を中心に『ゲンさんとハカセの時事放談』と銘打って話すことにしたわけや。


と言うてたので、その第2弾として話したいと思う。

そうは言うてもワシは専門家やないので、この読者と同じ素人目線でしか分からんがな。

ただ、ハカセは、昔、日本塗装協会の会員やった頃、関連の研究所で塗料の実験や研究開発に携わった経験があるので、ある程度は実験や研究の現場が分かるとのことやから、今回はハカセの意見を中心に話したいと思う。

その前に、STAP細胞と今回の問題の騒動について簡単に説明しとく。

STAP細胞とは、刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)細胞の略称で、万能細胞と言う場合もある。

科学雑誌の世界的な権威とされるNature(2014年1月30日号)に論文が掲載されたことで日本でも大きく報じられ、一躍その名が有名になった。

論文は、小保方晴子氏 (理化学研究所発生・再生科学総合研究センター細胞リプログラミング研究ユニットリーダー)が筆頭著者で他13人の共同著者によって発表されたものということになっている。

内容は、哺乳類(ほにゅうるい)の体細胞に外部から刺激を与えるだけで、未分化で多能性を有するSTAP細胞に変化するというもので、ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)といった多能性細胞と比較しても画期的な発見だともてはやされた。

ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)と比べて作製法が容易で、それらの細胞にはない胎盤への分化能力を有するとのことで、今後、再生医療に役立つ研究だと期待されている。

今回の問題は、その論文の記載に多くの不備があることが指摘され、ユニットリーダーの小保方晴子氏一人に責任を取らせ幕引きをしようという理研側の意図が強く感じられる。

しかし、論文が共同著書となっている限りは、関わったすべての研究者に責任があるのは明白やと思う。

百歩譲って、小保方晴子氏一人が論文の記載に多くの不備をしていたとしても、共同著書として論文を提出している限りは、その論文の内容をよく確認する必要があったはずや。

共同著書で名前を出すという行為は、当事者以外の何ものでもなく、すべての不備や不始末の責任は連帯して負うべきやが、今回の騒動ではなぜか、理研側はその点を曖昧にし、小保方氏以外の共同著者については責任がないと発表している。

新聞やテレビ、雑誌などのマスコミも小保方氏一人に責任を追及している。

また、『理化学研究所』の名前を使って論文を発表しているわけやから、小保方晴子氏の上司、および最高責任者も不備があれば同罪やと思うが、これに関しても理研の誰も責任を取ろうとはしないし、問われもしていない。

「ハカセは、これをどう思う?」

「メールで質問された読者の言われるように、これはどう見てもトカゲの尻尾切り以外の何ものでもないとしか思えませんね」

「ワシも同感やな。ところでハカセは4月9日の小保方氏の会見放送を見たか?」

「ええ、見ました」

4月9日午後1時、小保方氏は理研の決定に対して不服申し立てをしたことについての釈明会見の場で、


http://mainichi.jp/select/news/20140409k0000e040180000c.html より引用


STAP細胞 小保方氏が配布したコメント全文


 この度はSTAP細胞に関する論文の作成に関し、私の不注意、不勉強、未熟さ故に多くの疑念を生み、理化学研究所および共同執筆者の皆様をはじめ、多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまったことを心よりお詫(わ)び申し上げます。

 また、責任を重く受け止め、深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした。今日まで、筆頭著者である私から何も情報の発信が出来なかったことを重ねてお詫び申し上げます。

 国際間をまたぐ2つの研究室で、2報分のNature論文のデータを同時にまとめ執筆していく作業は私の能力を遙(はる)かに越えていたのかも知れませんが、私はその時々に論文発表に向け全力で取り組んで参りました。

 生物系の論文の基本的な執筆法や提示法について不勉強なままでの作業になり、それに加え私の不注意も加わり、結果的に多数の不備が生まれてしまったことを大変情けなく、申し訳なく思っております。

 それでも私はSTAP現象がいつか必ず誰かの役に立つと信じ、研究を続けてきました。

 多くの研究者の方々から見れば、考えられないようなレベルでの間違いだと思いますが、この間違いによって論文の研究結果の結論に影響しない事と、なにより実験は確実に行われておりデータも存在していることから、私は決して悪意をもってこの論文を仕上げた訳ではないことをご理解いただきたく存じます。

 そもそも私が正しく図表を提示していたならば、調査委員会自体も必要なく、お忙しい中、調査に参加してくださった調査委員の先生方にも心からのお詫びと感謝を申し上げます。

 しかし、調査結果では、事実関係をよく理解していただかないまま不正と判定されてしまいました。

 弁明と説明の機会を十分に与えてくださったならば、必ず間違いが起こった経緯を理解していただけるものと思いますので、昨日不服申し立てをさせていただきました。


と言われている。

「なかなか立派な釈明会見やったと思うがな。特に責任を一身に被って他の共同著者や理研に対しても恨み言を言うでもなく真摯に反省されておられる。なかなかできることやない」

「同感ですね。本当のことを話されている方に共通する気概のようなものも感じました」

「医師が控え室にいたということやから、心労も相当なものやったと思うが、実に凛とした受け答えやった思う」

「この会見で小保方氏が『国際間をまたぐ2つの研究室で、2報分のNature論文のデータを同時にまとめ執筆していく作業は私の能力を遙(はる)かに越えていたのかも知れません』と言われておられるところからすると、論文は、ほぼ小保方氏一人で作成されていたようですね」

「そこがワシも腑に落ちんところなんやが、他の13人の共同著者は一体何をしていたんやという話になるわな」

「実際、殆ど何もしていなかったんじゃないですか。今回の不手際は研究者の間では考えられないくらいお粗末なものだったということのようですから、名前を連ねている超一流の学者たちが、その論文を読んでさえいれば、その不備に気がつかなかったということなどあり得ないでしょう」

「せやな。小保方氏がNatureに提出した論文をロクに確かめもせず、名前を連ねたと考えるしかないわな」

「加えて、会見の場では、どのマスコミ関係者も小保方氏一人を責めるような質問を繰り返していましたが、共同著者や理研の責任を追及するような声は上がりませんでした。また、そういった報道も見当たりません」

「おそらく、理研が小保方氏一人の責任と決めつけたことで、マスコミの報道はその方向で一致したのやろうと思う」

ハカセはテレビ放送された会見の内容をメモしとるというので、これからその内容について、ワシらなりの意見を加えながら、この問題の本質を考えていきたいと思う。

ただ、質問の数が多いので、すべてを掲載するのは、とても無理やから、問題の本質に関わると判断したものだけに絞って話すことにする。


質問 なぜその論文を作成される時に元のデータでなくパワーポイントから画像を持ってきたんでしょうか? 例えば急いでいたとか何らかの事情があったんでしょうか?

小保方氏 そうですね、本当に申し訳ございませんとしか言いようがないですけど、何度も何度もパワーポイント内でデータをまとめバージョンアップしていましたので、そこに載っているデータを安心しきって論文のフィギュア(図)に載せて使ってしまった。

本当にその時に元データをたどっていれば絶対このようなことにならなかったので、毎日反省しております。


「これについては普通の感覚では単純なミスだったと思いますが、科学界では、それは許されないことなのでしょうね」

ハカセがそう言うのは次の質問に、


質問 科学の世界で注釈なしに切り張りするのは見栄えを良くしようという意図を持っていればそれだけで批判をまぬがれないと思いますが、どうお考えか?

小保方氏 提示法につきまして私が不勉強なままで自己流でやってしまったことを本当に反省しております。

そして、このたびネイチャーの方に問い合わせましたら、黒い線を両サイドにいれておけばよかったのだというふうなご指示を頂きました。

本当に私の不勉強によるもので、もう申し訳ございませんとしか言いようがございません。本当に申し訳ございません。


と、あるからやと思う。

「確かに見栄えをよくする意図で、違う映像を持ってくるというのはあかんわな」

「でも、『このたびネイチャーの方に問い合わせましたら、黒い線を両サイドにいれておけば良かったのだというふうなご指示を頂きました』ということからすれば、結構ありがちなことだったと受け取れますね」

「そうやな。そのこと一つをとってみれば『本当に私の不勉強によるもので、もう申し訳ございませんとしか言いようがございません』という小保方氏の言い分は謙虚で説得力があると思う」

「ここで、問題になるのが、やはり共同著者と理研の上司の存在で、なぜそのことを論文を出す前に小保方氏に指摘できなかったのかという点です」

「そうやな。理研のトップは会見で、盛んに小保方氏を未熟と断じていたが、その未熟さを見抜いてサポートすることができなかった責任をどう考えとるのかな」

「それについては、この会見での質問の中には登場して来ませんでした」


質問 画像の取り違えについてのミスは自己申告したものであると主張しているが、調査委員会より先にということか。気付かれた日付は? 

外部の指摘より早く気付いたというのは、ご自身の不正疑惑を晴らす重要なポイントであると思うが、外部から指摘されない段階で気付かれたと立証できるようなものも含めて説明を。

それと、そもそも主張では「学位論文からの画像ではない」と言っているが、理研側が「学位論文から切り張りしたから疑わしい」という。この点についての見解は?

小保方氏 まず、(気づいた)日付は2月18日だと記憶しています。もし間違っていたら申し訳ありません。それで、その時に申告したという証拠なんですが、その日の内にネイチャーのエディターの方ににメールを問い合わせという形で送っております。

質問 ご自身で、という証拠は?

小保方氏 証拠……。

質問 それは難しい?

小保方氏 はい。

質問 ご自身が聞き取りを受けているときにそのことを話さなかった理由、そのときの模様も含めて。

小保方氏 まず、取り違えに気がついた段階で、ネイチャーと大学の、まず取り違いに気がついた後に……。すいません、頭を整理してからでいいですか。

質問 落ち着いてどうぞ。

小保方氏 まず、すべてのデータのプロパティーと言いますか、これ以上間違いがないかという点を全てチェックいたしました。

その段階で、テラトーマ作製の生データがなかなか見つからなかったです、実は。写真をそのまま載せていたので。なかなか見つからなくて。

ものすごく古いデータまでさかのぼっていったら、それは学生時代に撮った写真であると気がつきました。

博士論文のデータを調べたら、それにも載っていたので。まず、早稲田大学の先生に、学位論文のデータを投稿論文に載せることは間違ったことではない、という確認をしました。

その段階で、理研の上司にも、「大変な取り違いをしていました」と報告していました。

そしたら、「間違っているのはネイチャーの方なので、すぐにネイチャーの方に修正依頼を出さないといけない」という指示を頂きました。

それでネイチャーにその後すぐ、「写真を取り違えてしまいました、正しい写真は存在していてこれです」と問い合わせしました。

その後、調査委員会にも「間違いを発見しました」とは言ったんですけれども、あの当時、私の認識では、学位論文は個人の作品であって、外部に発表するいわゆる投稿論文ではないので、それについて調査委員会にそこまで報告する必要がないと判断したというわけではなくて、正直もう、気が回らなかったというのが正直なところです。

質問 意図を持って触れなかったということはない?

小保方氏 はいそうです。そのようなことはありません。


「この小保方氏の説明でワシは納得できるが、ハカセはどう思う?」

「そうですね。一部の識者から、この時の説明がちゃんとできていない、証拠を提示していないという批判があるようですが、『その日の内にネイチャーのエディターの方にメールを問い合わせという形で送っております』ということであれば、メールという確かな証拠が残っているわけですから、質問者がそのネイチャーのエディターに確かめれば済む話だと思いますけどね」

「ワシもそう思う。そして、この会見中、ずっと感じたことやが、報道関係者の質問は真偽を確かめるというより、何とか小保方氏の落ち度、矛盾をあぶり出そうと躍起になっているようにしか思えんかったがな」

「私も、それは感じていました。本来であればミスを冒したので済みませんと謝罪しているわけですから、それで済む話だと考えます。小保方氏の説明では、掲載元のネイチャーには申告済みで問題ないとのお墨付きを得ているということのようですから、そもそも問題にすること自体が、おかしなことのように思えます」

「まあ、それで済まされては理研や他の共同著者の立場と面子が立たんということなのやろうがな」


質問 小保方さんご自身しかSTAP細胞の作製に成功していない。STAP細胞、STAP幹細胞はこれまで何回作製できたのか、それと作製のコツはあるのか?

小保方氏 まず私自身、STAP細胞は200回以上作製に成功しています。STAP幹細胞については、実は私は苦手としていて、若山先生がお得意とされていて、現存するSTAP幹細胞は若山先生が作製してくださったものなんですけれども。

あの、実は、今回の論文は、私の中では現象論を記述したもので、最適条件を証明したものではないという認識でした。

そしてまさにこれから、STAP現象の最適条件を示すような論文、メカニズムに迫りつつ、そして最適条件を示していけるような論文をまさに準備していたところだったんですが、このような事態になって研究が止まってしまったことに心を痛めています。


「これについてもテレビの報道で的外れなコメントをしている専門家と称する人間がおったな」

「小保方氏以外はSTAP細胞の作成に成功していないから存在しないという論理ですね」

「ああ、小保方氏が200回も成功しているのだから他の人間が成功しないのはおかしいと。また、それについての詳細な作成方法が示されていないと」

「私の経験から言わせて貰えば、ある特定の技術のノウハウに関するものは文章にできない、し辛い部分があるものなんです」

「ハカセから、そんな言葉が出るとは意外やったな」

「例えば『○%の希塩酸を5CC加える』という記載をしたとしても、その入れ方、スピード、タイミング、また室内の温度、湿度といった実験環境もそれぞれで違います。その論文の文書を見て作成したとしても同じ結果を得られることの方が難しいのではないかと思うのです」

「なるほどな」

「俗に言われるコツというやつですが、コツなんてものは多分に感覚的なものですから、言葉にしてそのとおりに誰かがしたとしても上手くいくとは限りません。コツを取得するためには、できる人間のやり方を何度も見ながら覚えていくものですからね。職人の世界がその典型です」

「そのコツについての詳しい記述が論文にないから他の人間には作れないのやと。誰でも再現可能なものでないと意味がないから、STAP細胞の存在そのものが怪しいという論調になるわけやな」

「それについては小保方氏が研究者としての地位を確立しているとは言えない現状では肝心な部分の記述をボカす、詳しい説明をしたがらないということもあるのではないかと考えます」

「どういうことや?」

「それをすべて公開してしまえば小保方氏の立場はどうなります?」

「あっ、そうか。確か小保方氏はユニットリーダーとは言うても理研では契約社員やったな。理研側が、そのノウハウを知ってしまえば契約を延長されない場合もあり得るということか」

「ええ。もっとも、理研側は絶対にそんなことはないと言うでしょうがね。ですが、小保方氏からすれば不安定な立場ですので、契約を延長して、このまま仕事を続けたいと思えば、肝心な部分は隠したくなるのが人情だと思うんです」

「小保方氏でなければ、この研究は続けられないと思って貰うためにか。ありそうなことやな」

「もちろん、小保方氏は、そんなことはないと否定されるでしょうがね。ですから、ここでは私の推論ということにしておきます」

「そのハカセの推論が正しいと仮定すると、小保方氏としては、まだすべてを公にできる状況ではないということか」

「ええ、それについては『これから、STAP現象の最適条件を示すような論文、メカニズムに迫りつつ、そして最適条件を示していけるような論文をまさに準備していたところだったんです』と言われておられることからして推測できます。小保方氏にとっても、まだまだこれからだと考えておられるわけですからね」

「200回も実験して真正な結果を得られたというのは物理的に考えて多すぎるという声もあるが」

「それは小保方氏が理研で研究されていた期間だけで、そう言われていることではないでしょうか。

氏はすでに大学の卒業論文の段階で同様の研究と実験を繰り返し行われていたわけですから、それが生活の大半を占める状態であれば、特におかしいということもないでしょう。

例えば10年研究と実験をしていたとすれば、年20回のペースですからね。そんなのは、ただの揚げ足取りですよ」

「そうやな。それについては次の質問で、どうするかによって、はっきりするわな」


質問 公開実験は可能か?

小保方氏 どうなんでしょうか。実験というのはいつも一人でこっそりやっているものではないので、研究室では毎日が公開実験のような状態ですので。

ただ、すべて証明するためには日数もかかると思うし、どのような手法で公開実験が可能なのかは分からない。

もし私が実験して幹細胞を見たいと言う方がいれば、ぜひどこにでもいって、この研究を少しでも前に進めてくれる人がいるのであれば、できるだけ協力していきたいと考えています。


「これはテレビ局のどこかが、小保方氏を中心にチームを作って特別報道番組を組んで検証すれば、ええのやないかと思うがな」

「私もそう思います。ただ、現在はその報道機関がSTAP細胞そのものの存在を信じていないようですから、果たしてそこまでするテレビ局があるでしょうか。理研がこれから1年かけて検証する際に必要な費用が1千万円以上かかるとのことですからね」

「それで成功すれば、テレビ史に残る報道になるやろうな。その検証報道については月1回くらいのペースで放送にすれば、結果的に成功しようが失敗しようが、道中の視聴率を稼げそうやから、スポンサーもそこそこつくかも知れんと考えるがな」

「それで成功すれば、それこそ、万人に向けた公開実験ということになりますね。STAP細胞さえ、確実にできると証明されれば、この問題は単なる間違いでしたで収束しそうですからね」

「この他にも、いろいろ質問があり、それぞれで識者と称する人たちから小保方氏への批判が続出しているようやが、それについては、どう思う?」

「私は、小保方氏への妬みがそうさせているのではないかと思います。小保方氏はもまだ30歳という若さでチヤホヤされていたわけですから、それについて快く思われない学者たちも多いだろうというのは容易に想像できます」

「そうやな。誹謗中傷の根底にあるのは、たいていは嫉妬とか嫉みからくる感情が大半を占めるさかいな」

「いずれにしても、この問題を語りきるには時間とスペースがありませんので、今後の動勢次第で、またここで話すことにしませんか」

結局、ワシとハカセとの結論は、今後を見守るということになった。また、新たな展開があれば話し合おうと。

ワシらの気持ちとしては、小保方氏に頑張って汚名をそそいで貰いたいと願っているがな。

それも、実際にSTAP細胞があるという前提での話やが。

それについて、このメルマガをアップする直前になって、実に興味深いニュースが飛び込んできた。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140411-00000012-asahi-soci より引用


小保方氏の指導役「STAPは本物の現象」 来週会見へ
朝日新聞デジタル 4月11日(金)5時43分配信

 STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの指導役の笹井芳樹氏(52)が朝日新聞の取材に「STAPはreal phenomenon(本物の現象)だと考えている」とこたえた。

 小保方氏の現状については「こうした事態を迎えた責任は私の指導不足にあり、大変心を痛めた」と心境を説明した。来週中に会見を開く方針。

 笹井氏は理研発生・再生科学総合研究センターの副センター長で、ES細胞(胚(はい)性幹細胞)から体の組織をつくる研究の第一人者。

 小保方氏とともに主要著者の1人になっている。記者が1月末の論文発表時に直接取材したあと、先月中旬から4月9日まで、メールで複数回、研究の経緯や論文の疑問点などをやり取りした。

 小保方氏は9日の会見で「200回以上STAP細胞の作製に成功した」などと主張した。

 一方で、専門家からの指摘では、STAP細胞が実は別の万能細胞(ES細胞)が混ざったものではないかという疑念が多い。

 これに対し、笹井氏は「他の万能細胞を混ぜても、一つの塊にならない。実験をやったことのない人の机上の考えだ」と反論。

 ES細胞からつくれない組織がSTAP細胞ではつくれたことなどをあげ、「ES細胞では説明のできないことが多すぎる」「STAPが存在しないなら、私たちが再立証に力を入れることはない」と指摘した。

 ただ、小保方氏の会見や笹井氏とのやり取りでは、STAP細胞が存在するかどうか具体的な証拠は示されていない。

 論文撤回に反対する小保方氏と違って、笹井氏は「信頼が失われたのは否めない。撤回は適切な判断だ」として論文の撤回に同意している。

 撤回をめぐる話し合いは、「不服申し立ての結果が出るまで、難しい」とした。その上で、反対している米ハーバード大のバカンティ教授らとも「交渉、協議には時間がかかるだろう」との見通しを示した。

 小保方氏の会見を見た感想について、笹井氏は「彼女の気持ちと考えを率直に語っていた。平素の小保方さんと同じ感じだった」とした。

 その上で「若い研究者の芽を枯らせかねない状況になり、慚愧(ざんき)の念にたえない」と胸の内を明かした。

 笹井氏は来週中に会見を東京都内で開く意向を示しており、「質問の集中砲火は覚悟して、会見に臨みたい」とした。

 小保方氏の論文の画像の捏造(ねつぞう)や改ざんを認定した理研の調査委員会は1日に公表した最終報告書で、笹井氏の不正は認めなかったが、「立場や経験からその責任は重大である」と指摘した。

 2月に論文の疑惑が浮上してから、小保方氏ら国内の主要著者のうち公の場で見解を示していないのは笹井氏だけとなっている。


これで、この問題も大きく前進するやろうと思う。

ワシらは、共同著者の方は責任逃れをしているという風に捉えて記述していたが、事、この笹井芳樹氏については違うと分かったので、ここで謝罪しておきたい。

最後に、読者の方で、ここで話したこと以外にワシらに質問があるという方は遠慮なく、そうして欲しいと思う。

ワシらで答えられる範囲であれば何なりと答えるつもりやさかい。



参考ページ

注1.第298回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんとハカセの時事放談……その1 ゴーストライター問題について


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