メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第315回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2014. 6.20


■ゲンさんとハカセの時事放談……その2 ブラジルW杯について思うこと


「ゲンさん、スペインのグループ・リーグ敗退が決まりましたね」

「ああ、意外な結果やったな。一体、スペインに何が起きたんやろうな」

今の話題は何と言ってもサッカーである。今日は4年に1度のワールドカップについて話したいと思う。

一週間前の6月13日、第20回FIFAワールドカップブラジル大会が開幕した。

いきなり波乱が起きた。

前回大会、南アフリカ大会の優勝国のスペインが初戦、オランダに1対5、2戦目チリに0対2で早々とグループ敗退が決まってしまったのが、それや。

そのショックは、当事国のスペインのみならず全世界に伝播していった。

しかも、スペインは今大会でも優勝候補の呼び声が高かったさかいよけいや。

4年前、メルマガ『第109回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その6 盛り上がりに欠ける選挙』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、決勝戦前の状況に触れたことがあった。

その部分を抜粋する。


周知のように、2010年6月11日から7月11日にかけて、南アフリカ共和国で開催されている第19回FIFAワールドカップにおいて、日本代表は予選リーグ突破という大活躍を見せ日本中を湧かせた。

多くのサッカー関係者、ファンの予想を、ええ意味で裏切ったわけや。

6月29日の決勝トーナメント初戦では、南米の強豪、パラグアイと互角の戦いを展開し、0−0のまま延長に突入した。

そこでも決着が着かずPK(ペナルティ・キック)戦にもつれ込み、結局、3−5と惜敗したわけが、その健闘ぶりの余波が今も続いている。

ここで、PK(ペナルティ・キック)戦についてのウンチクを一つ。

サッカーで言うPK(ペナルティ・キック)とは、本来、相手側の反則によって与えられるものとされとるが、このPK(ペナルティ・キック)戦は、それとは意味合いが違う。

トーナメント戦のように、どちらかを必ず勝者にしなければならない場合のみに行われるものや。

正式なルール名称では、「キックス・フローム・ザ・ペナルティ・キック(kicks from the penalty mark)」となっている。

ペナルティーマークからのキックということで、便宜的にPK(ペナルティ・キック)戦と呼ばれとるわけや。

くしくも、その南アフリカ共和国ワールドカップの決勝戦が行われるのが、今回の参院議員選挙の投票日の7月11日となっている。

日本代表の健闘のせいか、その決勝戦への注目度も高い。

拡張で廻っとると、今は選挙のことより、こっちの方が話題になるさかいな。

当然、ワシも雑談のネタには、その方に力を入れる。

特に、その決勝戦に進出したのは、今大会で日本が惜敗した相手のオランダときているからよけいや。

ちなみに、オランダは今大会、ここまで全勝して圧倒的な力を見せつけとるわけやが、我が日本代表は、そのオランダに僅か1点しか与えておらず、0−1の僅差のスコアやった。

そのオランダが決勝の相手であるスペインに勝って優勝でもすれば、接戦を演じた日本代表の株もさらに上がるのやないかと密かに期待しとるんやけどな。

オランダには、日本からその1点のシュートを放った、MF(ミッド・フィルダー)ウェスレイ・スナイデルや、FW(フォワード)のアリエン・ロッベンといった名選手がいとる。

好感の持てる選手たちや。

言うとくけど、ワシが好感を持てるというのは、何も彼らの頭部が、ワシに似て薄いという理由からやないで。勘違いせんといてな。

もっとも、ワシやなくとも、「同病相憐れむ」の同士たちのええ励みにはなるかも知れんがな。

姿形など関係なく、人はその道に秀でればヒーローになれる可能性があると。

ただ、彼らの年齢が二人とも、ワシの息子、ユウキと同じというのが、多少引っかからんでもないがな。

彼らを息子と同じようには、とてもやないが見ることはできんさかいな。

それにしても、今更ながらに歳を食ったと実感する現実ではある。

それに対して、スペインの選手も、サッカーファンなら誰でも知っているという名選手がズラリと並んでいる。

GK(ゴールキーパー)のイケル・カシーシャス、センターバックDF(ディフェンダー)ジェラール・ピケ、カルレス・プジョル、MF(ミッド・フィルダー)アンドレ・イニエスタ、シャビ・エルナンデス、FW(フォワード)ダビド・ビジャ、フェルナンド・トーレスなど、その名を聞くだけで心躍るサッカーファンも多いはずや。

その彼らは実力どおり、いずれも今大会で活躍しているさかい、今からその対戦が楽しみや。


予想通りの白熱した試合になった。結果はスペインが延長戦の末、オランダを下して優勝した。

今回はオランダが雪辱した形になったわけや。前回の勝負も実力伯仲の紙一重の差やったから、今回、オランダが勝利したといっても不思議ではない。

実力が拮抗していれば勝負は時の運、アヤ次第でどうとでも転ぶさかいな。

しかし、その負け方は、あまりにも予想に反していた。サッカーのスコアで5対1というのは惨敗である。

野球の10対1も絶望的なスコアやが、それでも逆転が不可能な点差やない。野球はたった1球で3点、4点と取れるさかいな。

その点、サッカーは1点ずつしか取れんから、ほぼ絶望的な大差やと言える。

その大差でスペインが負けたというのは、現実を目の当たりにしても尚、信じられん気持ちや。それくらいスペインの負けは衝撃的やった。

意外に思われるかも知れんが、ワシもハカセもサッカーが好きでよく見る。あまり、メルマガ誌上でサッカーの話をすることはないがな。

特に海外のスペインのリーガ・エスパニョーラやイングランドのプレミヤリーグ、イタリアのセリエA、ドイツのブンデスリーグには目がない。

ほぼ毎節のように観ている。幸いというか海外サッカーは深夜から早朝にかけて放送しているというケースが多いさかい、ワシらのような出勤時間の遅い仕事をしている者にとっては比較的、楽に観ることができる。

拡張員や新聞販売店の従業員にはお勧めのスポーツ観戦や。もっとも、BS放送やオンデマンド放送などの専用チャンネルの契約をする必要があるがな。

日本のJリーグは残念ながら上記の海外リーグに比べるとプレイの内容で見劣りするので、あまり見ることはない。

それには、日本のトップクラスのスター選手たちが数多く、海外の有名サッカーチームに移籍しているということもあるがな。

ワシは、海外のチームの中でもリーガ・エスパニョーラのFCバルセロナが好きや。

前回の優勝時もそうやったが、今回もスペイン代表の中にはFCバルセロナの選手が数多くいた。そのためスペイン代表はバルサチームと揶揄されるほどやった。

南アフリカ共和国大会で活躍した最優秀GK、イケル・カシージャスやベストイレブンに選ばれたセルヒオ・ラモス、アンドレス・イニエスタ、シャビ・エルナンデス、ダビド・ビジャなどは今大会にも出場している。

予選、親善試合を通じて圧倒的な勝利、勝率を収めていた。

他国、イギリスのガーディアン紙でさえ「永遠にスペイン代表の黄金時代が到来した。過去、未来において、いかなるチームも比肩できないだろう」と書いていたほどやった。

それにしてもオランダに負けたのは、まだええとして、チリに負けたのは、正直予想外やった。チリのファン、関係者には失礼な話かも知れんが。

前回も初戦に負けていながら最後には優勝しているので、必ず立て直すものとばかり思っていたさかいな。

ただ、選手のコメントに救われる気がした。

オランダ戦とチリ戦合わせて7点取られたキャプテンのGKイケル・カシージャスは「このチームの良いところについて見失わないようにしたい。それが次の世代のチーム作りに役立つはずだ。(敗戦を)今後につなげていかないといけないと」と言い、

DFセルヒオ・ラモスは「言い訳をするのは負け犬の仕事だ。この結果に落胆しているすべてのスペイン人に対して謝りたい。しかし、これで終わりではない」と言っている。

負けた直後に、この言葉はなかなか言えるものやない。たいていは言い訳に走るもんや。

人の真価は絶頂期での振る舞いではなく、最悪な状況に陥った時の態度で決まる。

苦境の時に、めげずにどれだけ前を向くことができるかで、人の真価が問われるのやと思う。

その意味では立派なコメントやったと言える。

我が日本代表も残念ながら、初戦のコートジボワール戦を1対2で負けている。

6月20日午前7時。つまり、今朝の第2戦のギリシャ戦にすべてを賭けなければならない。

勝てばグループリーグ突破の可能性が残されるが、負けると敗退が決まる。

ちなみに、午前1時から行われた同じC組のコロンビア対コートジボワールは2対1でコロンビアが勝利している。

このままでは日本が決勝トーナメントに進むにはギリシャ戦に勝って、コロンビア戦にも勝利せなあかん雰囲気になってきた。

2連敗したギリシャがコートジボワールに勝つ確率は少ないさかいな。

その上で、後は得失点差の勝負に持ち込むしかない。

どこの国でもそうやと思うが、グループリーグを敗退すれば、その国の国民からの風当たりがきつくなる。

日本も、その例に洩れない。

初戦のコートジボワール戦に負けた後の日本代表に対する批判には峻烈なものが多かった。

それは、ある程度仕方のないことやと思う。期待の裏返しやさかいな。

このメルマガが読者に届く頃はギリシャ戦の真っ最中やと思う。

おそらく、多くの読者が、このメルマガを目にする時には結果が分かっているはずや。

ギリシャ戦に勝っていれば大いに盛り上がっているやろうが、負けていると絶望感、脱力感に支配されているやろうと思う。

引き分けやと、数字的には一縷の望みは残るが厳しい状況に追い込まれる。

これだけはお願いしたいが、例え日本代表が負けていようと暖かい目で見て頂きたいと思う。

選手は誰しも負けようと思って戦っているわけやないさかいな。勝負は勝つこともあれば負けることもある。それは分かって貰いたい。

一生懸命、この日のために頑張ってきた選手を責めるのだけは止めて欲しい。

負けても次がある。4年後を目指して、また頑張ればええだけのことやさかいな。常に前進あるのみ。批判しても腐しても状況が好転することはない。

「どんな愚か者でも批判し、非難し、不満を言うことができる。そして多くの愚か者がそのように振る舞」というアメリカの作家デール・カーネギーの言葉もある。

読者の方々には、そんな愚か者にならないで頂きたい。本当のサポーターとは、失意のどん底にある選手を支えることやさかいな。

負けた選手は責められなくても自身でその責を痛感しているはずや。それが明日に生きると信じている。

そして、いつかは日本代表がワールドカップで優勝できる日が来ることを願いたい。例え、それは叶わぬ夢だと言われようと。

夢を見ない者に大功を為すことなどできんさかいな。

できればワシらの生きているうちに優勝して欲しい。このメルマガで、その報告をしたいと思うので。

話は少し変わるが、今回のワールドカップで日本人が世界に誇れる行いをしていることが分かったことを伝えておく。すでに知っておられる方も多いかも知れんが。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140616-00000189-mbrasiln-s_ame より引用

ブラジルで観戦後にごみの後始末をする日本のサポーターが話題に
MEGABRASIL 6月16日(月)14時55分配信

最初はSNSで話題に

6月14日(土)、対コートジボワール戦が行われたペルナンブッコ州ヘシーフィ(レシフェ)近郊のアレーナ・ペルナンブッコで、日本人は観客席でごみを拾い集め袋詰めにした―。

そんな記事がブラジルのメディアで話題になっている。試合終了後、観戦エリアのごみの後始末をする日本人サポーターの姿がSNSでこの話が広まり、追って大手メディア「グローボ・エスポルチ」(6月15日付け、電子版)も取り上げた。

日本時間の16日(月)正午の時点で同記事についてのツイートは1800件ほど。日本人によるツイートも多いが、ブラジル人と思われる人たちもツイートしている。

ホドリゴ・シケイラさんは「Seisou(清掃)」という日本語を、アラン・カルデッキ・バホスさんは「“katzuke”と呼ばれている」事や、学校で教えられることを紹介。日本の文化に対する知識を持つ人々のツイートも見受けられた。


というものや。

日本でこういうことをしていても特段ニュースになるほどのことやないとは思うが、そうは言うてもこのことが海外で評価されるのは、少し誇らしい気になれる。

その観客たちも日本が負けた直後やから、かなりショックを受けていたはずや。

それにもかかわらず日本人の観客の多くは、ゴミを散らかしたまま帰ることができず清掃している。

これはサッカー観戦に限らず、野球観戦でもコンサート観戦、映画鑑賞でも同じで観終わった後、多くの人は自分の出したゴミは最低でもゴミ箱に捨てることが当然と考えて実行している。

これは子供の頃からの習慣やと言うて終えば、それまでやが、それを他国に行ってまでゴミ袋を用意してそうしているのは、同じ日本人として、やはり誇りに思える。

この行為により、他国の人たちも今後サッカー観戦をする際、少なからず影響されるのやないかと思う。

日本は試合に負けはしたが、別の意味で勝利に匹敵する足跡を残したと言えなくもない。

しかも、それは自然発生的に日本の観客たちが考えたことで、そうすることにより、世界のメディアに取り上げられ、評価されたいという計算なんかしてなかったはずやしな。

そろそろ日本対ギリシャ戦がキックオフになるので、この辺で止めて観戦させて頂く。

最後に、どのような結果になろうと、人には明日があり、未来がある。例え負けても悲観することはないと言うとく。

そうは言うものの本音は日本代表に勝って欲しいがな。頑張れ、ニッポン。



参考ページ

注1.第109回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■マイナーワーカー同盟座談会 その6 盛り上がりに欠ける選挙


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