メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー
第325回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2014. 8.29
■メルマガ10年の足跡 その2 ゲンさんの新聞業界裏話編 前編
メルマガを発行し続けて10年。10年一昔とよく言われるが、一つのことをやり続ける期間としては長い。
今まで、過去に掲載したものについて読み返すようなことはあまりしてこなかったから、今回改めて読み直すといろいろな発見があった。
ワシは、こんなことを本当に言うたのかというのがあるし、ハカセはハカセでこんなことを本当に書いたのかと思うものもあるという。
書きっぱなしと言えば何か無責任な印象を与えるが、正直言うと、それに近い。
一つ書いたら次を書くことしか考えてなかったと。後ろを振り返る余裕がなかったと。
その結果、これだけしっかりとした記録が残った。
その内容の善し悪しは、読者の判断に委ねるとして、10年間続けられたというだけで自らを褒めてやりたいと考えている。
「継続は力なり」という言葉があるが、その意味を今噛みしめて今後も続けていくつもりや。
それでは、そろそろ始めたいと思う。
2008年。
6月13日。『第1回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞拡張員と売れない物書きの話』(注1.巻末参考ページ参照)で、発行するメルマガスタンドが変わったということもあり、新にワシとハカセの紹介をしている。
6月20日。『第2回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■店長の想い出 その1 配達人ロッキーの事情』(注2.巻末参考ページ参照)は、旧メルマガ『新聞拡張員ゲンさんの裏話』の中に収録した『店長はつらいよ』シリーズの続編として始めた新たなシリーズや。
現在、その1〜その5までを収録しているが、これも読者から寄せられた経験談を元に話している。今後も、そういった経験談が寄せらてくれば続けたいと思う。
7月25日。『第7回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の怪談 その1 隧道(ずいどう)の老婆』(注3.巻末参考ページ参照)から、怪談シリーズというのを始めた。
この新聞業界にも数多くの怪談話が存在する。その元ネタが、ある読者の読者の方から届けられたことが、このシリーズを始めるキッカケやった。
幽霊が出ると言われている「草木も眠る丑三つ刻」は午前2時〜3時の間で、その時間帯に新聞を配達している配達員がいるということもあるのかも知れんがな。
毎年、夏場になった頃に掲載していて、今年で6回になる。それなりに人気も高く、今後も続けて行きたいシリーズの一つでもある。
もちろん、これも読者からの投稿があればの話やがな。
8月1日。『第8回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■MDN醜聞の波紋』(注4.巻末参考ページ参照)は、新聞社の失態、醜聞について話したものやが、当時ネット上で大問題になっていたということもあり、大きな反響があった。
8月8日。『第9回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■営業の雑談に使えるUSJの話』(注5.巻末参考ページ参照)というのは、ワシとハカセの家族でユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行った時のことを話したものや。
プライベートな遊びをメルマガに持ち込んだのは初めてやった。
ワシはどこにいても営業のことが頭から離れられないという因果な性分がある。そのため、常に営業を念頭において話す癖が染みついている。
遊びの中にも役立つ情報やウンチクが満載しているということもあり、そこそこ受けた話やった。
10月3日。『第17回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■それでも正しいと言える勇気とは』(注6.巻末参考ページ参照)を改めて読み直してみると考えさせられることが多いということに気がついた。
人は事の善悪、正邪を判断する場合、往々にして大勢の意見に左右されることが多い。
みんなが言っている、やっていることだから正しい、間違いないと。
ただ、その大勢の意見が間違っているケースは世の中には多々ある。それを大勢の意見に逆らって正しいと言えるのかといったことを問うた話やった。
コペルニクスの地動説が正しいのは今では誰もが知っているが、コペルニクスの生きた時代は天動説が正しいと多くの人に信じられていた。
そんな時に、どれだけの人が地動説が正しいと言えるのかと言えば、殆どいなかっただろうと答えるしかない。
正しいことを正しいと言うことの難しさを改めて痛感した話やったと思う。
それでもワシらは正しいと信じることを正しいと言い続けたいがな。
10月31日。『第21回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞業界用語 その1 契約関連編』(注7.巻末参考ページ参照)は、新聞業界用語を集めたもので、その1〜その4まで収録している。
これですべてとは言い切れんが、ネット上にある新聞業界の業界用語を集めたものとしては最高位にあるものと自負している。
もっとも、それには大勢の業界関係者からの情報や協力があってのことやがな。
2009年。
1月9日。『第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前編』(注8.巻末参考ページ参照)というのは、なかなか好評やった。
この回を読まれてレンタル・ビデオショップでDVDを借りて観られたという方が結構おられた。
また感想を送って頂いた読者には、
読者感想 いろいろ考えさせられてばかりです
投稿者 Hさん 現役某新聞記者 投稿日時 2009.2. 4 PM 7:49
ハカセ様。
メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話を毎週楽しみに愛読しております。
同じ業界に記者として働いておりますが、いろいろ考えさせられてばかりです。
映画「クライマーズ・ハイ」の批評や、特ダネをめぐる現場記者の複雑な心境など、非常に核心を突いていると改めて感心しました。
という現役の新聞記者さんからのものもあった。
今更ながらやが、ワシらのメルマガはいろいろな人に影響を与えているんやなということを知った。
1月23日。『第33回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■拡張の群像 その1 自虐の果てにあるもの』(注9.巻末参考ページ参照)は、『新聞拡張員ゲンさんの裏話』でシリーズ化していた『拡張員列伝』の続編のようなものや。
現在、その1〜その14まで掲載している。これは拡張に携わる様々な人生、生き方について話したものや。これからも続けていきたいシリーズの一つでもある。
2月20日。『第37回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■もしも、新聞拡張員が裁判員になったとしたら』(注10.巻末参考ページ参照)というのがある。
この年の5月21日から裁判員制度が施行されることになった。この話は、それに因んで「もし」という仮定の上で話したものや。
本当に拡張員が裁判員裁判の裁判員に選ばれんとも限らんしな。施行されて5年も経つから実際にそういう方がおられるかも知れん。
その話の中で、
ネット上では、拡張員を嫌う人間は多い。毛嫌いしとる者、人間のクズとこき下ろす者、平気で死ねと掲示板などに書き込む者すらおるという。
言うとくが、そういう人は、裁判員制度に該当するような死刑又は無期の懲役や禁錮に当たる罪に関する事件、 例えば、殺人罪、強盗致死傷罪、傷害致死罪、現住建造物等放火罪、強姦致死罪、危険運転致死罪、保護責任者遺棄致死などの犯罪は絶対に犯さんことや。
その罪を犯して被告人になって、裁判員になった新聞拡張員に裁かれた日には目も当てられんやろうからな。
それで死刑でも言い渡された日には、それこそ死んでも死に切れんやろうと思うで。
ここから得られる教訓としては、「人をこき下ろすのなら、犯罪は一切犯さんというくらいの心構えを持て」ということやな。
と言うたが、これは現実に起き得ることやと思う。
裁判員裁判で裁かれる事件になるかどうかは別にして、ネット上で不用意な書き込みをしたために犯罪に問われているというケースが後を絶たんのは事実やさかいな。
掲示板などに書き込みをする人のすべてが、そうやとは言わんが、あまりにも不用意、安易に人を貶(けな)す人が多いように思う。
そんな書き込みをした人が何かの犯罪を犯して、貶(けな)した相手に裁判員裁判で裁かれる時が来たら、どんな気持ちになるのやろうか。
そんな思いで話した回やった。
人を呪わば穴二つ。人に対して害を為せば、その報いが必ず返ってくるという戒めのことわざやが、ワシの長い人生経験から言うても、まんざら的外れなことやないとは思うがな。
3月6日。『第39回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ある拡張員が語る刑務所残酷物語』(注11.巻末参考ページ参照)については、よほどインパクトがあるのか未だに多くの人から感想や質問が届く。
あの話に書かれている内容は真実なのかと。
そう問われれば、メルマガに書かれた内容はすべて真実やと答えとる。
ただ、各エピソードに関しては読者の方から送られてきた情報やワシらが個人的に情報提供者から聞いた話が多く、ワシらは真実やと信じて掲載しとるが、確かめられないものについては絶対とまでは言い切れん。
そのため最終的には各自で判断して頂きたいと、問い合わせた人には、そう答えさせて貰うとるがな。
4月3日。『第43回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞報道とネット社会の今 その1 消せない過去の記録』(注12.巻末参考ページ参照)というのは、このメルマガを続けていく限りは永遠のテーマやと思う。
今はまだその1とその2だけやが、これからも事ある毎に話していきたいと考えとる。
4月24日。『第46回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞販売店物語 その1 集金持ち逃げ男の末路』(注13.巻末参考ページ参照)は、『新聞拡張員ゲンさんの裏話』の『店長はつらいよ』シリーズの続編として始めたものや。
現在、その1〜その12まで掲載している。これも続けていきたいシリーズの一つや。
5月22日。『第50回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新型インフルエンザ来襲……そのとき新聞販売の現場では?』(注14.巻末参考ページ参照)というのも、ワシら拡張員にとっては深刻な問題やった。
当時、世界中に新型インフルエンザが発生していた。その新型インフルエンザが日本にも入り込んできて大騒ぎになった。
騒ぎが決定的になったのは5月16日、兵庫県神戸市内で8人の感染が確認されてからやった。
その後、患者が増え続け、すぐ大阪にも飛び火し、5月20日には滋賀県でも確認された。
さらに、翌、5月21日には、東京、神奈川、京都でも感染者が見つかったという報道があった。
まさに、止まるところを知らんという勢いやった。
神戸や大阪では、多くのイベントが中止され、ほぼすべての小・中・高校で臨時休校の措置が取られた。
ただ、こういったものは、いつかは収束するもんや。過度に騒いでパニックにならんようにした方がええ。
人はパニックになると、とんでもない行動をする場合がある。その方が、よほど怖いさかいな。
6月5日。『第52回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消えた新聞販売店……兵(つわもの)どもの夢の跡』(注15.巻末参考ページ参照)では、ハカセが住む地域の新聞販売店が廃業して閉店した話をした。
業界では、この少し前あたりから廃業していく新聞販売店が目に見えて増えていた。
この話は、その象徴的なものとして、いろいろなところで取り上げられているようや。
6月19日。『第54回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの深イイ話 Q&A編 Part 1』(注16.巻末参考ページ参照)は、『新聞拡張員ゲンさんの裏話』での『ゲンさんの名言集』の続編や。
タイトルは人気テレビ番組『人生が変わる1分間の深イイ話』をバクったものやけどな。
ある読者から寄せられた、
それとみなさん。このサイトでのゲンさんの数々のお言葉や名言、とっても「深い〜」ですよ。色々なページに良いことが沢山書かれています。
「1分間のいい話し」が沢山つまっています。私もゲンさんの名言パクッて番組に投稿しちゃおうかな。全員「深い〜」で5万円ゲットー!
という言葉に悪のりした部分があった。
今は若干後悔しているが、始めたものは仕方ない。これを楽しみにして頂いている読者も多いので、これからも続けていくつもりや。
8月21日。『第63回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞トラブルあれこれ その1 それは契約不履行になる?』(注17.巻末参考ページ参照)というのもシリーズ化している。
現在、その1〜その6まで掲載している。これは読者からの投稿を主としているので、そういった情報があれば是非、教えて頂きたいと思う。
9月4日。『第65回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ある新聞販売店の取り組み その1 哀しき孤独死をなくせ』(注18.巻末参考ページ参照)という話をしたことの影響か、どうかは分からんが、この話と似たような取り組みをする新聞販売店が全国各地で増えたのは事実や。
先日、2014年8月19日に、こんな報道があった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140819-00000035-at_s-l22 より引用
新聞手付かず「異変」察知 配達員が高齢者救助に貢献 富士宮
SHC富士宮南部新聞販売センター(富士宮市神田川町)の配達員、佐野幸子さん(58)=同市野中=がこのほど、市内の配達先民家で新聞がたまった状態に異変を察知し、家の中で倒れていた1人暮らしの80代男性の発見・救助に貢献した。
市消防本部よると、男性は脱水症状とみられ、命に別条はないという。
佐野さんは14日夕、男性宅を新聞配達に訪れ、ポストに3日分の新聞が手付かずで残っているのを不安に思った。
窓を開けて声かけしたところ、男性が床に横たわっていた。近隣住民の協力で119番し、駆け付けた救急隊に引き継いだ。
同センターと市は、独居老人の安否確認などで協力する「地域見守りあんしん事業協力に関する協定」を結んでいる。
佐野さんは男性とあいさつや世間話を交わす関係を構築していた。「今後もできる範囲で地域の安全安心を見守り続けたい」と言葉に力を込める。
佐野さんは勤続20年のベテランで、300世帯を担当している。渡辺秀和店長(42)は「明るくて優しい人柄と、熱心な仕事ぶりのおかげ」と佐野さんの功労をたたえた。
この業界に携わる者として、こういった報道を目にするのは嬉しい。これからも、こういった事例が増えることを切に願う。
9月25日。『第68回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の勧誘ユーモア&ジョーク集 Part 1』(注19.巻末参考ページ参照)というのは、『新聞拡張員ゲンさんの裏話』の中の『ゲンさんの拡張ジョーク集』の続編や。
勧誘時にジョークを飛ばせるか、どうかというのは結構大きい。
「面白いことを言う人やな」、「この人の話ならもう少し聞きたいな」と客に思わせることができたら成約できる確率は格段に上がるさかいな。
ここには、その具体的なユーモアやジョークがあるので知っていて損はないと思う。
もちろん、一般の人にとっても面白いと思って頂ける自信を持って言えるさかい、是非読んで頂きたい。
10月2日。『第69回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■そこにある危険で身近なトラブル その1 万引き犯との格闘の末に』(注20.巻末参考ページ参照)
は、勧誘時に限らず、誰もが遭遇する可能性のあるトラブルについて話した。
これについてもシリーズ化していて、読者からの情報がある限り、続けていくつもりにしとる。
10月16日。『第71回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■悪天候時の新聞配達の見直しについて』(注21.巻末参考ページ参照)では、台風などの悪天候下で新聞配達をすることについて話した。
大きな台風や災害時に新聞を配達して事故に巻き込まれて死亡された、怪我をされたという新聞配達人の方の報道がほぼ毎年のようにある。
新聞販売店、および新聞配達人は、どんな悪天候、悪条件下であろうと、新聞の配達を中止するという発想がない。
見方によれば、これは崇高な使命感のなせる業と捉えられんこともないが、よく考えたら、やはりおかしな事で、世間一般の感覚からしたら異常なことのように映るようや。
果たして、命の危険を冒してまで新聞を配達する必要性や値打ちがあるのかと。
そう思われる一般の人の気持ちはよく分かるが、その答を現場の者に求めるのは酷やろうと思う。
新聞販売店には、新聞を遅滞なく配達することが顧客との契約の第一義となっている。絶対に破れない約束、義務なわけや。
また、そうすることが新聞販売店の存在意義であり、誇りであるとも考えられている。
新聞販売店にとっては、何があっても新聞を配達することが最も重要なことやと。
そのため、ワシは配達員に無理をさせないように配慮して欲しいと新聞社に提言している。
悪天候、悪条件下での無謀な配達から配達員を救えるのは新聞社しかないさかいな。
新聞社が、「今回の台風や大雨は危険やから配達を自粛するように」と該当する地域の各販売店に通達し、テレビやラジオで「本日は悪天候で配達員に危険が伴うため○○地域の新聞の配達は遅れます」といった報道をすれば殆どの読者の理解が得られるはずやと思う。
しかし、知ってか知らずか、新聞各社にその動きはない。
日本のすべての業種が安全第一を謳っているのに、新聞だけがそうはなっていないわけや。
安全よりも義務感、責任感の方が重要視されていると。配達人の心配をするより新聞を配達することの方を優先しろと。
このまま新聞社が何もしないままだったら、そう受け取られても仕方ないのやないかと思う。
それでええのかとこのメルマガ誌上で何度も訴えてきたが、ワシらの声はどこの新聞社にも届いていない。黙殺に近い状態が続いている。
ワシらの力が及ばんからなのか、新聞社に聞く耳と配達員へ配慮するという思考が抜け落ちているためなのかは分からんがな。
12月11日。『第79回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『特定商取引に関する法律』改正法は業界にとってのチャンスになる?』(注22.巻末参考ページ参照)では、以前から言われていた『特定商取引に関する法律』改正法が施行されたことについて言及した。
多くの業界関係者は、このことについて悲観的やったが、必ずしもそうではないと。チャンスにすることもできると。
2010年。
1月8日。『第83回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2010年からの新聞営業講座……その1 拡張の心得について』(注23.巻末参考ページ参照)というシリーズを始めた。
その1〜その10まである。それを読んで頂ければ新聞勧誘について、大凡のことが分かるはずや。
実際、それを読まれて勉強になった、勧誘の成績が上がったと言われる方が数多くおられた。
2月5日。『第87回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞世論調査の仕組みとその信頼度について』(注24.巻末参考ページ参照)では、ハカセにかかってきた電話の内容を中心に新聞の世論調査について話した。
ハカセはそれが初めてやったというが、実際、誰に訊いても「世論調査の電話なんか、かかってきたことはない」と言うケースが多い。
まあ、新聞の世論調査で個人に電話のかかってくる確率的は1.7パーセント程度しかないと言われとるから無理もないがな。
しかも、たいていの場合、世論調査の電話は日中にかかってくることが多いから独身者で仕事をしていれば、その確率はさらに下がる。
大半の人が世論調査の対象になっていない。
それ故、世論調査の実態というのはあまり知られる事もなく、その信憑性に疑いを挟む人もおられるのやと思う。そういった声をよく聞く。
そのため、新聞、テレビなどのマスメディアは世論調査の結果をごまかし、世論操作をしているのやないかという疑いの目を向けられることも多い。
3月5日。『第91回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その1 新聞が斜陽化している本当の理由とは』(注25.巻末参考ページ参照)というのも新しく始めたシリーズや。
現在、その1〜その9まで掲載しており、今後も気長に続けていくつもりや。
新聞と一口に言うても一般に知られていないことが数多くあり、簡単に語り尽くせるものでもないさかいな。
5月14日。『第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について』(注26.巻末参考ページ参照)という話をした。
これは当時の民主党幹事長、小沢一郎氏への検察審査会による「起訴相当」決定について言及したものやった。
ワシらは小沢一郎氏の支援者でも個人的に好きなわけでも何でもないが、これはどう考えてもおかしなことやと言わざるを得ない事件、出来事やった。
「検察審査会」というのは、その名のとおり、検察の決定を審査する会ということになっている。
言えば、外部の目による検察のお目付役やな。
これは、裁判員制度と同じく、有権者の中から、ランダムにくじ引きで選ばれる。
それで選ばれた者は裁判員制度同様、正当な理由なく辞退できないとされている。断れば罰則もある。
審査員に選ばれるのは11人。任期は6ヶ月。日当8千円+交通費が支給される。平均で月に1、2回程度招集されるという。
この仕組み自体は問題ない。検察の判断がすべて正しいとは限らんさかい、それに異論があれば調べ直すのもアリやと思う。
問題は、その後や。
その審査会に出席すると、検察の調書や警察から、平均で千ページを超すという分厚い資料が渡される。
しかも、それらに書かれている内容は、お世辞にも分かりやすいと言えるものやない。もちろん、読んで面白いものでもない。
難解な言葉と法律用語でぎっしりと書かれている。正直、殆どの人は読む気すら起きんやろうと思う。
実際、そういった声を上げる参加経験者も多い。人によっては、ある種の拷問に近いと感じているようや。
ここで、補助員弁護士がアドバイザーとして登場し、その説明をして、その苦痛を和らげる。
漏れ聞こえてくる参加者の話やと、そのアドバイザーの意見に引っ張られ気味になるという。
まあ、それも無理もない話で、裁判員と同じで、殆どは法律に関する知識など何もない素人やさかい、どうしてもそうなる。
それで、その膨大な資料の読み込みをしなくても済むとなれば、よけいやわな。
問題は、このアドバイザーの弁護士の資質と姿勢にあると思う。
つまり、そういった状況であれば、そのアドバイザーの弁護士次第では、その審査員たちをどうとでもコントロールできるということになるわけや。
問題になっている小沢一郎氏のように報道で周知になっとるような事案やと、マスコミの論調に左右されるということも十分考えられる。
「小沢一郎という人物は悪い奴や。裏で絶対に何か悪さしとるはずや」というマスコミの論調しか知らん素人はどうしても、それを信じてしまう。
それにアドバイザー弁護士の意見が同調すれば、それが審議結果になる可能性が高いということや。
後に、この問題では審査員の選定にも疑わしい点がいくつも発覚している。
ワシらは、この問題は、罪になるはずがない、えん罪やと、その当初から言い続けてきたが、あらゆる証拠を無視して小沢一郎氏は強引な審査を受け、法定に立つことになった。
結果は案の定、小沢一郎氏の無罪放免で終わった。しかし、その結果が得られるまで2年6ヶ月もの時間を費やした。
その間、小沢一郎氏は民主党を追われ、独自に党を立ち上げたが、その力は大きく削がれてしもうた。
これもワシらが初めから言うてたことやが、検察審査会の真の目的は小沢一郎氏の糾弾にあるのやなく、氏の力を削ぐためだけに行われたのは明白やったさかい、無実になっても目的は達せられたことになる。
無実の者が、こんな仕打ちを受け世の中から抹殺されるような社会が果たして健全と言えるのやろうか。
言えるわけがないわな。ワシらは小沢一郎氏がどうというより、その一点において憤慨して話続けたわけや。
正義は正義として守られなければいけないとの思いで。
政治とそれに結託したマスコミに対して、これほど嫌悪感を抱いた出来事は他になかった。
7月16日。『第110回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読へのススメ その1 新聞を読むことで向上する学力について』(注27.巻末参考ページ参照)というのがある。
これも今後続けていきたいシリーズの一つや。新聞を読むことで得をするケースは人生において多い。それを多くの人に分かって貰いたいと思う。
7月23日。『第111回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの知っておきたい故事古典格言集 サイト編 Part 1』(注28.巻末参考ページ参照)というシリーズも気に入っている。
これには中国の故事や古典の格言、ことわざを紹介するケースが多い。
中国というと、現代の日本人には、あまり良いイメージを抱く人は少ないようやが、古い時代の中国の人の考え方は、今の中国の人とは違うように思う。
というか、ワシは今の中国と昔の中国は、国自体が違うと考えている。別世界の人間やと。
今の中国に学ぶべきところは少ないが、昔の中国の考え方は現代の日本人にとって大いに参考になると確信している。
もともと、日本は昔の中国から言葉と考え方を学んできたわけやさかいな。良きお手本であり先生やった。
今の中国からは、それは感じられない。もっとも、日本を敵視している国を日本人として理解しろ、よく思えというのは無理な話やがな。
今の中国が日本を敵視している背景には、日本に対する嫉妬と妬み、劣等感があるのやないかと思う。
まあ、こんなことを言うと中国の人から反発を食らうかも知れんがな。
いずれにしても今の中国と昔の中国は違うという観点で、故事古典格言集を読み進めて頂きたい。
なぜ、こんなことを言うのかというと、このシリーズを始めた頃から、時折、「なぜ中国の格言などを有り難がるのか」といった類のメールが届くからや。
その度に『中国は、その時代毎に国名も変わってきている。つまり、それぞれが違う国やという見方に立てば、そんな考えにはならんはずや』と言うてきとるのやが、ここでも敢えて同じことを言うとく。
8月27日。『第116回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■公営住宅でのペット飼育の是非について』(注29.巻末参考ページ参照)というのは、新聞とはまったく関係のない話やった。
これもシリーズ化していて、Part 1〜Part 4まである。
これを見られて勘違いされる方がおられるようやが、ワシらはペット愛好家とは違う。ワシもハカセもベットは一切飼っとらんしな。
ベットを飼うことに関しては是も非もない。個人の自由やと考えとる。ただ、ペットを飼うことで人に迷惑をかけるのはあかんがな。
ワシらは困っておられる弱い立場の人の役に立ちたい、守りたいと考えているにすぎんわけや。その思いが、すべての根底にある。
11月5日。『第126回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■電子書籍化時代の本格的な到来について』(注30.巻末参考ページ参照)という話をした。
当時は電子書籍の時代になるともてはやされたが、どうも期待どおりの伸びはないようや。
これについては、いずれ話すこともあるやろうと思う。
12月17日。『第132回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■古き良き時代の新聞拡張員物語……その1 多羅尾伴内ここにあり』(注31.巻末参考ページ参照)というのも人気のあった話やった。
まるで小説を読んでいるかのようで面白いという意見が多かった。
そう言って頂けるのは有り難いが、それは、その元ネタを送って頂いた読者の方の話が面白いからや。それに尽きる。
ハカセは、それに少し色づけをしたにすぎない。
その回の最後に、その読者のことを書いた『■多羅尾伴内氏とアンダー(地下)・メルマガについて』というのがある。
その部分を抜粋する。
■多羅尾伴内氏とアンダー(地下)・メルマガについて
読者の中で、『アンダー(地下)・メルマガ』というのをご存知の方がおられるやろうか。
これについてはネットでいくら検索しても、その実態に近づける内容のものがヒットすることはないと思う。
分かりやすく言えば、通常のメルマガ・スタンドを使わず、個人的なつながりの限られた人だけに向けて発行しているメルマガのことや。
個人から個人のメールボックスに送付されるだけやから、そこで書かれたもの、発表されたものがネット上に載ることはほとんどない。
氏がなぜそうされるようになったのか、その確かな理由はワシらにも分からん。
一つ言えるのは、ワシらのようなメルマガはネット上で残るさかい、迂闊なことを書くと具合の悪い事も多いが、『アンダー(地下)・メルマガ』やと少々何を書いても、どこからも突っ込まれにくいということがあるからやないかと思う。
難点は、その当事者同士の間でしか知られることはないから、通常のメルマガのように世に知られる可能性が極端に少ないということがある。
プラス面は、ネット上で、公開されるものについては、その記述次第では法に触れたり、大勢からひんしゃくを買って責められたりすることがあるが、『アンダー(地下)・メルマガ』にはその心配はないということや。
あくまでも個人的なメールということで通る。
それもあり、好き放題の内容が書かれている。名指しの批判や風刺、ブラック・ジョークなどいろいろや。
個人的に読む分には面白い。腹を抱えて笑えるものも多い。
但し、残念ながら、その内容をここで紹介するのは、いささか憚(はばか)られるから、それはできんがな。
それさえなければ、内容の濃い情報が溢れとるから申し分ないんやけどな。
もっとも、そうなると面白味も半減するかも知れんから、そのあたりの兼ね合いが難しいところやとは思う。
いずれにしても、ワシらは、他を誹謗中傷しない、許可なく名指はしない、ということをモットーとして、それに徹しとるさかい、そのままの引用はできんわけや。
せやから、ワシらだけで密かに楽しむしかない。
今回、登場して頂いた、多羅尾伴内氏も、そういった『アンダー(地下)・メルマガ』を発信されておられる方の一人や。
と。
こういったメルマガを発信される方も世の中には、おられるということや。
それについてどう考えられるかは、それぞれにお任せする。
今回は、ここで終わらせて頂く。そして次回で一区切りつけようと思う。
参考ページ
注1.第1回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞拡張員と売れない物書きの話
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-1.html
注2.第2回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■店長の想い出 その1 配達人ロッキーの事情
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-2.html
注3.第7回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の怪談 その1 隧道(ずいどう)の老婆
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-7.html
注4.第8回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■MDN醜聞の波紋
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-8.html
注5.第9回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■営業の雑談に使えるUSJの話
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-9.html
注6.第17回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■それでも正しいと言える勇気とは
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-17.html
注7.第21回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞業界用語 その1 契約関連編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-21.html
注8.第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-31.html
注9.第33回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■拡張の群像 その1 自虐の果てにあるもの
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-33.html
注10.第37回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■もしも、新聞拡張員が裁判員になったとしたら
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-37.html
注11.第39回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ある拡張員が語る刑務所残酷物語
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-39.html
注12.第43回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞報道とネット社会の今 その1 消せない過去の記録
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-43.html
注13.第46回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞販売店物語 その1 集金持ち逃げ男の末路
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-46.html
注14.第50回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新型インフルエンザ来襲……そのとき新聞販売の現場では?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-50.html
注15.第52回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消えた新聞販売店……兵(つわもの)どもの夢の跡
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-52.html
注16.第54回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの深イイ話 Q&A編 Part 1
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-54.html
注17.第63回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞トラブルあれこれ その1 それは契約不履行になる?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-63.html
注18.第65回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ある新聞販売店の取り組み その1 哀しき孤独死をなくせ
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-65.html
注19.第68回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の勧誘ユーモア&ジョーク集 Part 1
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-68.html
注20.第69回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■そこにある危険で身近なトラブル その1 万引き犯との格闘の末に
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-69.html
注21.第71回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■悪天候時の新聞配達の見直しについて
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-71.html
注22.第79回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『特定商取引に関する法律』改正法は業界にとってのチャンスになる?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-79.html
注23.第83回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■2010年からの新聞営業講座……その1 拡張の心得について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-83.html
注24.第87回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞世論調査の仕組みとその信頼度について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-87.html
注25.第91回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像 その1 新聞が斜陽化している本当の理由とは
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-91.html
注26.第101回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■報道のあり方……検察審査会の「起訴相当」決定の是非について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-101.html
注27.第110回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読へのススメ その1 新聞を読むことで向上する学力について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-110.html
注28.第111回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんの知っておきたい故事古典格言集 サイト編 Part 1
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-111.html
注29.第116回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■公営住宅でのペット飼育の是非について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-116.html
注30.第126回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■電子書籍化時代の本格的な到来について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-126.html
注31.第132回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■古き良き時代の新聞拡張員物語……その1 多羅尾伴内ここにあり
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-132.html
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