メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第332回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日  2014.10.17


■新聞の不思議 その3 新聞の知られざる事実について


新聞勧誘は商品説明を必要としない希有な営業やと、いろいろな場面で言うてきた。

「○○新聞をお願いします」と言えば、新聞の営業にやって来たと誰にでも分かると。

それには、新聞がどんなものかを知らん人は皆無やからや。

また、どの新聞であろうと、その地域で無名のものなどあり得ないということもある。すべてが有名ブランドやさかいな。

ワシら勧誘員が玄関口やインターホンで「新聞」と言うだけで条件反射のように「いらん」、「間に合ってます」、「新聞なんか読むつもりはありません」と返ってくることが多い。

これなんかは、説明するまでもなく「新聞」が何であるかを知っているからこその反応やと思う。

しかし、本当に「新聞」について多くの人が理解しているのかと改めて問いかけると、その答は途端に怪しくなる。

知っているようで実はあまり知られていない事というのは意外に多いさかいな。

今回は、そういった新聞の知られざる事実について話そうと思う。


新聞の知られざる事実、あれこれ


1.社説について

社説の存在を知っていても読んでいるという人は少ないのやないかと思う。

実は新聞で最も人気がなく読まれていないのが、この社説だと言われている。

その理由として「読んでも面白くない」という意見が圧倒的に多い。

全国紙などの大手新聞社には、政治や外交、軍事、経済、教育といったそれぞれ専門の20人前後の論説委員と呼ばれている役職の記者がいる。

その記者の一人が、その日のテーマに掲げられた内容について執筆するのが社説なわけや。

社説というと、その響きから新聞社を代表する意見のように思われがちやが、それは少し違う。

一応、論説委員会会議というのが開かれていて、そこで話し合って決めるらしいが、執筆される記事はあくまでも論説委員の個人的な意見、見解ということになっている。

それなら自由に書いているのかというと、そうでもないようや。

まあ、大勢で話し合えば、いくら任されているとはいえ無難な解説記事に落ち着きやすくなるわな。極端なことは書けない。

基本的に論説委員は年功序列で選ばれたベテラン記者が多い。

その人たちは現役、もしくは第一線を退いているため、以前のように自分の足で取材して記事を書くというようなことはあまりしない。

論説委員の多くは自室にこもり、本や雑誌を読んで1日を過ごすと言われている。

もちろん自社の記事や他紙の記事に目を通し、テレビの報道番組を見ることもあるやろう。

すべての論説委員が、そうやとは言わんが、そういった人たちが書く社説は、どうしてもありきたりの内容になりやすいわな。

必然的に面白い記事にはなりにくい。もっとも、社説に面白さを求められてはいないようやから、それはそれでええのかも知れんがな。

ただ、人気が出ることはないわな。


2.「ラ・テ欄」について

「ラ・テ欄」と呼ばれている新聞紙面の最終面に載っているテレビやラジオの番組表がある。

番組表に書かれている記事は同じ地域の新聞なら、どの新聞も殆ど一緒や。まったく同じというのも多い。

購読者の多くは、その新聞社毎に番組表を作るもんやと考えている。当然、それぞれの新聞毎で違うもんやと。

ところが、テレビやラジオの番組表に関しては、番組の紹介記事や囲み記事が各紙とも同じフレーズ、キャッチコピーになっているケースが多い。

新聞社が違い、担当する記者もそれぞれ違うはずやのに、なぜそういうことが起きるのか?

普通はあり得ない。新聞各紙は同じ事件、事故であっても他紙とまったく同じ記事、文言になることを極端に嫌うさかいな。

他紙の記事は当然として、本や文献、ネット記事の引用ですらできない、またしない。無断で引用すれば大きな問題になる。

それなら引用先を明示すればええのかというと、それも新聞社、新聞記者の矜持があってできん。

それがテレビやラジオの番組表に限って、なぜ同じものになるのか? また、それが問題視されないのか?

もっとも、複数紙の購読をしている人が少ないためもあり、見比べられることがなく疑問視されること自体あまりなったからかも知れんがな。

ただ、それを不思議に思われる方も中にはおられる。なぜなのだろうかと。

その答は簡単。

それは『東京ニュース通信社』(注1.巻末参考ページ)という会社がテレビやラジオの番組表を作成し、それを多くの新聞社に配信しているからや。

新聞各社は、それをそのまま掲載しているだけにすぎない。

そうすれば、その番組表を作るためのコストや労力を大幅に節約できるということで新聞社にとっては、有り難い存在なわけや。

これについて恩恵を受けているのは新聞社だけやない。当のテレビ局やラジオ局も、そのおかげで助かっているという。

テレビ局やラジオ局では突如、翌日の番組が変更になる場合がある。

そんな場合、新聞社それぞれに対して番組の変更を通知していたんでは大変やが、『東京ニュース通信社』にだけ知らせれば事足りるさかい便利で助かるという寸法や。

ちなみに、月刊や週刊のテレビやラジオの番組専門の雑誌では、そういうことはできない。

少なくともその雑誌が発行される1ヶ月や1週間以上前に決定したものしか載せられんさかいな。

その点、新聞は翌日の締め切り時間前の変更であれば間に合うわけや。

それが、未だに新聞紙面のテレビやラジオの番組表が重宝され、それ故に新聞を購読している人が多いという理由になっている。

新聞の有力な売りの一つやな。

新聞を売っている者としては少し複雑な気分にはなるが、昔から最もよく読まれている箇所は、間違いなくこの「ラ・テ欄」やさかいな。


3.通信社について

新聞記事に通信社の存在は欠かせないと言われている。

通信社というのは独自に取材した記事や写真を新聞社や放送局に提供する会社のことや。日本にはK通信社とG通信社の2社がある。

地方紙の場合、管轄の県内の取材は万全やが、海外派遣や国会、主要官庁などの取材に人員を割けられないという事情がある。

そのため地方紙各紙はK通信社やG通信社から、それらの記事の配信を受けているというわけや。

K通信社やG通信社は、AP通信社(アメリカ)、ロイター通信社(イギリス)、AFP通信社(フランス)、イタル・タス通信社(ロシア)、新華社通信社(中国)などの海外の通信社と提携を結んでいる。

ただ、Y新聞、A新聞、M新聞の全国紙大手3社は、海外のニュースをK通信社から買っているが、国内ニュースに関しては同社の配信は受けていない。

これには全国紙大手3社が、K通信社潰しを狙って脱会したという経緯があるためや。

K通信社は、国内の新聞社が出資して作った会社や。

特に地方紙単独では、全国規模のニュースや海外ニュースの入手が難しいため、地方紙の大半が望んでいたということがある。

当初は、全国紙大手3社も参加していたが、全国展開する中で、このままでは地元に根を張った地方紙には勝てないと判断した。

実際にも、全国紙大手3社に大きく水を開けている地方紙は数多く存在するしな。

例えば、ワシが昔、拡張員として活動していた東海では日本一の部数を誇るY新聞でさえ、そのシェアは5%ほどしかなかったさかいな。

当然、地元の企業でY新聞に依頼する折り込みチラシは極端に少なく、その点で言えば三流新聞の扱いでしかなかった。

そういう地域は他にも多い。

そこで、全国紙大手3社は地方紙の力を弱めるためにK通信社潰しを画策したわけや。

当時、多額の資金を資金を出している3社が揃って脱会すればK通信社の経営が立ち行かんようになって地方紙の記事内容も貧弱になるやろうと考えた。

そうなれば勧誘競争において有利になると。

しかし、これに危機感を募らせた地方紙が、それぞれの負担金を増額することでK通信社を支えた。

これには思わぬ効果も生まれた。それは地方紙同士の結束が強固になったことや。

地方紙同士の協力により全国紙大手3社に負けないニュースの提供が地方紙全体で、できるようになった。

全国紙大手3社の狙いは外れたばかりか、地方紙を結束させたことで、より強力な競争相手にしてしもうたわけや。

完全に読みが外れた。それが今日の地方での地方紙と全国紙との差になって現れていると言っても過言やないと思う。


4.号外について

駅前などでたまに配布される号外を手にされた方もおられるとは思うが、新聞社が号外を発行する基準というのは結構、あやふやな場合が多い。

一般的には、大きな事件、関心事の高い出来事ということになっているが、それは、それぞれの新聞社独自の判断で行われる。

こういった事件、出来事やから必ず号外が出るというものやないということや。

ただ、号外が多く出される時のタイミングというのはある。

最も多いとされているパターンは、2013年9月8日の2020年の東京オリンピック招致が決定した時のように、たまたまその日が新聞休刊日やったために、一般紙面に載せられんかったからというものや。

次に多いのは、新聞を印刷して新聞販売店に配送した後、重大ニュースが飛び込んできたような時や。

その場合、編集局長、または社長が号外を出すか出さんかの判断をする。

号外はタダで配るわけやから、新聞社の出血大サービスになる。そのため、発行する部数にも多い少ないがある。

一般的には5万部程度が多いと言われている。

最も多かったのが2013年9月8日の2020年東京オリンピック招致が決定した時の朝で、この時はY新聞が約842万部もの号外を発行したという。

この時は、新聞休刊日にもかかわらず、全国の新聞販売店に休日を返上させ配達員を総動員して各家庭に号外を配布している。

その他の全国紙でA新聞が約27万部、M新聞約50万部、S新聞約7万部とのことや。同じ内容の号外が全国で約926万部も発行されたことになる。

もちろん新聞史上、最大の号外発行部数や。今後も、そういうケースは殆どないやろうと思われる。


5.お詫び記事、訂正記事について

新聞には「お詫び記事」や「訂正記事」というのが時々掲載される。

その殆どが紙面の下の方に申し訳程度に小さく報じられる程度や。

これは特ダネ競争の副産物やと言える。特ダネ報道を急ぐあまり確認を怠るケースが、その大半を占めるという。

現場の記者や編集者たちは締め切り時間に追われ、いろいろな制約に縛られている。

しかし、他紙に負けたくない。特ダネスクープを打つことで名を上げたい。ただ、誤報は困る。

そんな葛藤とせめぎ合いの中、ぎりぎりの判断を強いられる。

それについての面白い話として『第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前後編』(注2.巻末参考ページ)というのがあるので、それを見て頂ければ、よく分かると思う。

その映画では、結局主人公の編集責任者が「チェック・ダブルチェック」に拘り、念には念を押して調べるという姿勢を貫いて他紙に特ダネをさらわれているが、実際は見切り発車して間違いを冒すケースが多い。

そのミスや誤報を「お詫び記事」や「訂正記事」として掲載しているわけや。

ただ、本当に悪いと考え謝罪してのことかと言えば怪しい。

ワシには謝罪したというアリバイ作りのように思えてならん。その証拠が下段のあまり目立たないところに小さく報じられている点にあると思う。

新聞の、そうした姿勢が批判の対象になる場合が多い。

人は間違いを冒すものやから、ある程度は仕方ない。そう割り切って堂々と大きく報じるべきやと考える。その検証記事を添えて。

そうすれば、そんな間違いも少なくなると思う。もっとも、新聞に対して否定的な者、新聞嫌いの人間にすれば、それでも批判せずにはいられんのやろうがな。

間違いを間違いとして謝罪しても許されないというのは辛いが、それが新聞の宿命だと言えなくもない。

裏を返せば、新聞は絶対に間違いがあってはならないという前提で読まれるものやから、ある意味、それが信用の高さを物語っているとも言えるわけや。


6.死亡広告記事について

死亡広告記事というのは、社会面の下段に「告別式のお知らせ」と黒枠で囲まれているもので、これは有料の広告としては高い。

その価格は全国紙の朝刊に6センチ×2段組のスペースで200万円前後すると言われている。

これは突発的に入り、最優先で掲載しなければならないからやということらしい。

それと、「告別式のお知らせ」広告を打つのは、大手企業の創業者や重役などといった人たちが多いということもあるのやと思う。

企業としても、その広告費を値切るわけにもいかんしな。

その一方で、同じ社会面に掲載される著名人の「死亡記事」については無料になっているというケースもある。

その「死亡記事」を掲載するか、どうかの基準というのもない。その時の編集責任者の一存で決められることが多いという。

「告別式のお知らせ」広告を打つ大手企業の創業者や重役などは、たいてい著名人として分類されとるはずや。

それを考えれば、一方からは高額な金を取るが、他方はタダにして、尚かつ大々的に報じるというのは、どうなんやろな。


7.芸能ネタに強いスポーツ紙の理由について

日本のスポーツ紙は、スポーツ専門紙でありながらなぜか芸能ネタに強い。

テレビのワイドショー番組の大半はスポーツ紙からの情報提供に頼っている、あるいはバクリで成り立っているというさかいな。

現在、大手スポーツ紙では十数人もの記者たちが日々芸能ネタのみを追いかけて取材しているという。

なぜ、そんなことになるのか。それはスポーツネタだけでは新聞が売れなくなっているからだと言われている。

スポーツ紙は宅配もあるが、大半は駅売りやコンビニといった店頭販売に依存している。

日々のネタが売れ行きに直結する。一般紙と違い、売れない記事を掲載しても構わないという姿勢ではやっていけんわけや。

日本では野球が一番の人気スポーツで、それぞれのスポーツ紙が特定の球団の報道を中心にしているが、野球にはやっているシーズンというのがあり、オフシーズンになると一気にネタ不足になる。

他のスポーツはと言えばサッカー人気も今年のワールドカップの惨敗もあり一頃に比べて下火になっているから、ニュースバリューとしては弱い。

その他の相撲やテニス、水泳といったスポーツでは人気の選手が出てきたことで話題性が高まってはいるが、それにしても活躍してニュースになるのは、ごく限られた期間でしかない。

その点、芸能ネタに関しては探せば無尽蔵に見つかる可能性を秘めている。そして、日本人は、その芸能ネタが好きだということが大きい。

一つのスキャンダルを報じれば、しばらくの間、スポーツ紙が売れるというのもある。


8.夕刊について

ここ十年くらいの間に、『第4回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消えゆく夕刊……その知られざる裏事情』(注3.巻末参考ページ)で言うたように、夕刊そのものがなくなりつつある。

また、朝夕刊セット版地域の新聞でも夕刊はいらないという人たちが増えているのが現状や。

実際には夕刊がいらないと言うても大した値引きはないのやが、それでも少しでも無駄を省きたいという人が多い。

どこから夕刊が無駄やという情報や、あるいは読んでも意味がないと思われるようになったのかは分からんが、もし、そう考えて夕刊を止めておられる人がいるとしたら気の毒やとしか言いようがない。

何も分かっておられない人やと。

夕刊をいらないという意見に「帰宅してテレビニュースを見れば夕刊より最新の情報が流れているから読んでも無駄だ」というのがある。

そのニュース次第ということもあり一概には言えんが、朝夕刊セット版地域の新聞の場合、両方で一つの記事構成にしているということがある。

夜に事件や出来事が起きれば第一報を朝刊で報じ、その後の経過状況を夕刊に載せる。反対に昼間に起きた事件や出来事は、夕刊にまず一報を掲載して、その続きを翌朝の朝刊でするといった具合や。

朝夕刊セット版と言う理由が、そこにある。

実は夕刊には夕刊でしか読めない記事というのが多い。

例えば、海外情報の場合、欧米の情報は時差の関係でニュースが日本に入ってくるのは夕刊の締め切り時間ぎりぎりが多い。

つまり夕刊には欧米などの海外の最新情報が載っているということになるわけや。

朝夕刊セット版の場合、朝刊には、よほどのビッグニュースてもない限り続報が掲載されることは、まずない。

加えて夕刊には読み物や文化イベントの紹介といった企画物が、多いという点がある。

またテレビのワイドショーなどで紹介される情報元が、実は夕刊からやったというのも多い。

これなんかは盲点の一つで、あまり読まれていないがために新鮮な情報として受け取られるのやと思う。


大体こんなところやが、分かってしまえば何ということはない話やと思う。

ただ、多くの人は、こういったことをあまり知らない。

つまりコアな情報ということになるわけや。

これを勧誘の場で生かすも良し、友人同士の会話や恋人に話すのでもええと思う。

必ず「へぇー」という感想が返ってくるはずや。それで話す者の値打ちを上げることができるかも知れん。

もっとも、話をするタイミングや話し方もあるから絶対に上手くいくという保証はできんがな。

いずれにしても『新聞の知られざる事実』について知っていて損をしないことだけは確かやと思う。



参考ページ

注1.株式会社東京ニュース通信社
https://www.tokyonews.co.jp/index.html

注2.第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 前編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-31.html

第31回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■映画「クライマーズ・ハイ」に見る新聞報道の現場 後編
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-32.html

注3.第4回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■消えゆく夕刊……その知られざる裏事情
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-4.html


読後の感想、および新聞業界への提案

寄稿者 ミラクルサマンサさん  投稿日時 2014.10.16 PM 5:35


拝啓、ゲンさん、そして博士、抱腹絶倒の『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』からの大ファンです。

(大分後で知ったので、メルマガ購読はこのゲンさんの新聞業界裏話からですが)

この度のヘレンケラーのお話、大変心に沁み入り、ここの処、悩み事を抱えて居りました私の、目を覚まして頂きました。

元気と勇気を頂いたお礼と言っては何ですが、ゲンさんや博士のお仕事に関わる新聞販売店や新聞拡張会社について考えてみました。

今回のA新聞の騒ぎについては一過性のもので、時間が経つに連れ忘れられて行く事と思われますが、

時代の変遷と共に、この業界が厳しい現状になっているのは、紛れもない事実ですね。

そこで、まさに、この度のヘレンケラーのお話の中にあった、「ひとつの幸せのドアが閉じる時、もうひとつのドアが開く。

しかし、よく私たちは閉じたドアばかりに目を奪われ、開いたドアに気付かない。」なんです。

パソコンやスマホの登場により、新聞をとる家庭は激減しているのが現実です。

それは、そうです。だってこの不況の中、無料で見れるものにわざわざお金を出してまで買う人は少ない訳ですから。

ただ、見逃している点があるんです。

現在、核家族化と高齢化社会の問題が大きくクローズアップされています。

孤独死、老老介護、買い物難民など、そこには、たくさんの問題が山積しています。

そこで、新聞販売店の登場です。

新聞販売店は新聞を配るだけでなく、他のサービスも配ればいいんです。

例えば、高齢家庭でしたら、新聞を配る時、ちょっとした挨拶を交わし、安否確認をする。

(この時、一般家庭と高齢家庭と一緒に配っていたのでは、挨拶と安否確認に時間を取られるので高齢家庭専用と分けて配達すれば時間にも影響せず、効率的かと思います。)

買い物を代行する。

要は、お年寄りが困ってお金を払って便利屋さんに頼むような事を、月何回までは無料、それ以上は格安で引き受けますよ、というようなサービスを開始するのです。

もちろんこうしたサービスは高齢家庭だけではありません。

この不況の中、共働き家庭はどんどん増えています。

買い物、家事、育児と、特に主婦には重く負担がのしかかっています。

そこで、新聞屋さんのサービスの出番です。

買い物代行、家事、託児所(これは有資格者が必要ですが)などを安全に格安で請け負うのです。

また近年、子供の誘拐や殺人など恐ろしい事件も相次いでいます。

子供の毎日の迎えも、共働き家庭の多い現状では、かなりの負担です。

クラスごとに父兄たちが持ち回りでやったとしても、これもまた人数ごとに割り振ったとしても、

小学校の6年間、やはり負担を負います。

その集団下校の送り代行を請け負うのです。

(送り代行については男性だと心配する父兄も多いと思うので、女性の方がいいかもしれませんね。)

また、近年下校時で無く、帰宅後、遊びに行った先で事件に巻き込まれた子供もいました。

そこで、新聞販売店による、見廻り隊の登場です。

もちろんお金をもらってやるのです。

子供のいない家庭でも、空き巣や強盗、ひったくりに遭ったりするのですから。

こう考えていくと無数にありますよね。

「困った事があったら、しめたと思え。」

ユダヤの諺(ことわざ)です。

しめたという言い方はちょっと悪いですが、困っている事は無数にあるのですから、人助けになれば皆から感謝されます。

このように、この不況を乗り切るには、新しい試みを試して見るのも一つの方法かと思います。

店をたたむ前に、人事を尽くして天命を待つ、ありとあらゆる事をやってみるのです。

ここまでくると、ゲンさんや博士の「おいまてよ。そんなに便利になっちまったんじゃ、俺達、新聞拡張員の出番がないじゃないか。新聞販売店は復活しても、俺達は廃業か。」

という言葉が聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください。

ここでも、新しい扉が開くのです。

まず、こんなに便利な新聞販売店になるのですから、今までより格段にセールスがやり易くなります。

『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』にあった「蛇蝎のごとく忌み嫌われた稼業」ではなくなり、有り難いと感謝される仕事に変わり、それと共に、セールスするのも新聞購読だけに絞る必要はなくなるんです。

まず本業の新聞購読に伴うサービスで感謝されていますから他のものも勧めやすくなるんです。

例えば、東日本大震災に伴う原発事故以降、放射線による水が危ないという事で、お金を出して水を買う家庭が増えています。

そこで、定期配達の水、宅配の高齢者用お弁当、また野菜やコメ、トイレットペーパー、紙おむつ、生協、置き薬、何でもいいのです。

また、サービスとして、新聞を取ってくれた家庭に、それらのサービスを毎月1ヶ月ずつ、無料でつけるのです。

もちろん、その逆もあり。いい宣伝になるのですから企業にとっても悪くない話です。

人間、魚心あれば水心、何かサービスされれば、「じゃあ、悪いから付き合いで、そっちも半年または1年だけとるよ。」という事に発展するかもしれません。

今より生活が便利になり、その家庭に役立つものならば、決して高い買い物ではありません。

むしろ、知らずに苦労していたところに、新しい情報をサービス付きで知らせてもらえるのですからこんな有り難い事は無いはずです。

また、ネットのお陰で新聞業界は危うくなっていますが、それを逆手に取るのです。

ネットで調べますと、現在、読売新聞の場合、新聞購読料(税込4037円、夕刊の無い統合版地域は、税込3093円)

読売プレミアム(朝日新聞のデジタル版と似たような仕組み)新聞購読料+月額150円(税抜き)

朝日新聞の場合、ダブルコース 新聞購読料(税込4037円、夕刊の無い統合版地域は、税込3093円)+デジタル版(税込1000円)

デジタルコース デジタル版  1ヶ月3800円税込

ということですが分けずに、紙面版、デジタル版合わせて、4037円にして新聞にオプションをつけるのはどうでしょう。それも無料で。

2ちゃんねるや、ツイッター、LINE、フェイスブック、ブログと、みんな自分の意見をどこかで言いたくて言いたくて、うずうずしている人が多いこの昨今、

毎日の新聞記事についての意見、または分かりやすい解説(漫画の解説とかも面白そうですね!)など募集して、新聞購読者だけが見れるようにするのです。

そうすれば、新聞を読まない事には参加できませんので、新聞を購読する事になる訳です。

また、一つの新聞だけに意見を言うのでは飽き足らず、「全新聞をとって、俺は意見を言いまくる。」なんて人も現れるかもしれません。

そしてついでに課金制度にして、いい意見や、分かりやすい、また面白い解説に対して、読者から課金してもらい意見を投稿した人も儲かるという仕組みはどうでしょう。

また、人気のある意見や解説者のブログなどもリンクすれば、お互いの利益になりますし、新聞購読者にとってもいいブログに巡り合えるチャンスですね。

選挙時期や大事件勃発の際など、さぞや意見が飛び交う事でしょう。

また、ネット上にもある人生相談コーナーのようなものを設けて、全国から解答を募集しても喜ばれるのではないでしょうか。

今回のA新聞の事で、

▼第330回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞の実像……その10 新聞販売店の現状についてのアンケート結果
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-330.html

によりますと

『こういった不祥事があると、いつもその煽りを食らって泣きを見るのは現場で営業しているワシら末端の者たちと相場が決まっている。

ワシらには、どうしようもない手の届かんところで、やられていることに対して責任はないとは思うのやが、一般の人は当たるところがないのか、勧誘に行ったワシらに苦情や文句を言い立てる人が多い。

ボロクソに言われて挙げ句、「解約する」とか「おたくの新聞なんか読まない」と追い返される。』

とありましたが、まさにそういった厳しい意見も募ることにより、思いを吐き出しまくった新聞購読者はすっきりし、新聞業界の向上にも一役買うことになるのではないでしょうか。

そう、ここで何より大切なのは、新聞社や新聞販売店、新聞拡張会社、国や企業に対する辛辣な意見などを、シャットアウトしない事です。

それでは、まったく意味がありませんし、それがあるからこそ、世の中の向上に役立ち、喧々諤々(けんけんがくがく)意見が飛び交うからこそ、盛り上がるんですよね!

・・・・と、思いのまま、書き連ねましたが、素人の思いつきですので、お役に立つかどうかは分かりません。

ヘレンケラーの言葉のように「あきらめずにいれば、あなたが望む、どんなことだってできるものです。

ベストを尽くしてみると、あなたの人生にも他人の人生にも思いがけない奇跡が起こるかもしれません。」

という言葉を胸に、私自身も、もうひとつのドアを開けてみます。

どうぞ、ゲンさんや博士の業界の方達もあきらめず、新しいドアを開けて素晴らしい未来に繋がる事を願っています。

                                                              敬具


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