メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第337回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2014.11.21


■大義なき解散総選挙……舐められた有権者


2014年11月18日。安倍首相が今日21日、衆議院を解散して総選挙を行うと宣言した。

その記事や。


http://www.jiji.com/jc/movie?p=mov283-movie03&rel=y より引用

衆院21日解散、安倍首相表明=消費税10%、17年4月を確約


 安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを2017年4月に先送りする意向を表明した。

 再延期はしない方針も示した。その上で、増税延期の判断について国民に信を問うため、衆院を21日に解散すると明言した。選挙は12月2日公示−同14日投開票の日程で行われる。

 首相は衆院選で自民、公明両党が過半数を維持できなければ「私は退陣する」とも述べた。

 衆院選は、経済政策「アベノミクス」継続の是非が最大の争点となり、12年12月に政権に復帰した自民、公明両党の政権運営に対する審判の意味合いも持つ。

 与党側が3分の2超の議席の維持を狙うのに対し、野党側は候補者乱立で共倒れが目立った前回選挙の反省を踏まえ、候補者調整を急ぐ考えだ。

 首相が再増税の可否の判断材料に挙げていた7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で1.6%減と、2四半期連続のマイナスとなった。

 デフレ脱却を最優先する首相は、景気の腰折れを回避するため、消費増税関連法の付則の「景気条項」に基づき再増税を延期することを決断。来年1月召集の通常国会に、増税延期のための同法改正案を提出する。

 首相は会見で、アベノミクス継続の必要性を訴えるとともに、増税延期は国民生活に直結する重要な政策変更に当たるとして、衆院選で審判を仰ぐことへの理解を求めた。野党側は、増税延期はアベノミクスの失敗との批判を強める方針だ。


普通、解散総選挙にはその時々の首相なりの大義というのがあるもんやが、安倍首相の場合、それが感じられない。

表面的には『消費税率10%への引き上げを先送りするために信を問う』ということのようやが、それは自民党に限らず野党の多くも同じや。

即時、消費税率10%への引き上げを強硬に主張しているのは、与党の自民党議員たちや。

安倍首相の衆議院解散は、与党自民党の「即時、消費税率10%への引き上げ論」を封じ込めることが目的やと見られている。

安倍首相が『消費税率10%への引き上げを先送りするために信を問う』と言えば、いくらそれに反対していたとしても建前として賛成と言わざるを得んさかいな。

我が身の心配しかしとらん連中は間違いなく安倍首相の思惑通りになるはずや。

それでも「いや、即時、消費税率10%への引き上げが必要」やと言うて執行部に楯突き非公認されることを覚悟で信念を貫ける議員が、与党自民党にどれだけいとるのやろうかと思う。

そのあたりが、ちょとした見所になるかも知れんな。

ただ、自民党の多くと野党の大半が同じ方向を向いているということになれば、争点などないに等しいわな。

敢えて言えば、自民党が期限付きの先送りに対して、野党がその時々の景気の動向を見て消費税増税をするかどうかの判断をする方が良いと主張する政党との争いということになる。

いずれにしても、その程度の違いでは選挙戦での争点にはなりにくいわな。

もっとも、争点をボカした選挙戦に持ち込むことが目的の解散のようやから、そうでなくてはあかんのかも知れんがな。

現在、女性閣僚の二人同時辞職以来、次々に閣僚たちの不祥事が表沙汰にされつつある状況で安倍内閣の支持率が下降気味になっているさかい、ここで踏ん張るためにも解散総選挙に打って出ようという魂胆なのやろうと思う。

今なら例え負けても傷は少なくて済むという判断で。

この状況で自民党が勝利するための最大の条件は低投票率になることや。

争点がボケれば必然的に選挙も盛り上がりに欠ける。加えて、年末の忙しい、寒い時期ともなれば尚のこと選挙に行く者が減るわな。

今のこの時期なら低投票率が見込める。それが狙いの解散なのは間違いない。

これほど国民をバカにした話はない。どうせお前ら国民は選挙のことなんか眼中にないのやろうというのが見え見えやさかいな。

ふざけるな。国民を舐めるのもええ加減にしろと言いたい。

今回の解散総選挙に対する一般の人の反応は概ね冷ややかで、街の声がテレビで連日のように報道されているが、その大半が安倍首相の解散総選挙に否定的な意見ばかりや。

肯定的な意見を聞くことなど殆どない。

それについての記事は『首相解散表明:唐突な解散、困惑…「大義名分」街で聞く』(注1.巻末参考ページ参照)を見て頂けたら分かると思う。

ただ、争点がないという政府与党の思惑に騙されたらあかん。争点はある。それについて話すので、それぞれの投票行動の参考にして欲しいと思う。


2014年解散総選挙の争点


1.アベノミクスへの評価の是非を問う。

アベノミクスとは、自民党の安倍首相が打ち出した一連の経済政策に対する通称で、デフレ経済を克服するために大胆な金融緩和措置が講じられたというものや。

これについての評価は二分されている。

前民主党政権時より株価が上昇し、円安傾向になったことにより経済が活性化されているといった高評価がある一方で、体感的に景気が良くなったと感じる国民が圧倒的に少ないという現実がある。

アベノミクスで恩恵を受けているのは一部の大企業、富裕層だけで一般庶民の暮らしは苦しくなっていて、格差も拡がっていく一方やと。

今回の解散総選挙の最大の要因である景気動向を示す国内総生産(GDP)の7〜9月期が4〜6月期よりもマイナス1.6%であったことから、アベノミクスが失敗したという批判を躱すための強硬解散やとの見方がある。

その前の4〜6月期がマイナス7.3%やったから、それよりも今回は1.6%低いという結果になっている。

景気が良くなっているという判断で今年の4月から消費税増税を5%から8%に上げることを与党政府が決めたわけやが、この数値を見る限り間違った判断やったと言われても仕方ない。

もっとも、ワシらは当初から消費税増税は税金の減収にしかならんし、必ず消費が冷え込み不景気になるから止めといた方がええと、このメルマガ誌上で言い続けてきたがな。

失敗する確率が高いと。その意味で言えば今回の結果は予想どおりということになる。

輸出に頼っている大企業の一部では業績も良くボーナスも高水準になって恩恵を受ける人もいるとの話やが、スーパーや商店、外食産業、中小企業などは苦しい経営を強いられていると嘆く人も多い。

これは円安傾向によるもので、輸出産業の中心である大手自動車企業では円安が1円進むと数百億円の利益を得るとのことやが、その反面、海外から材料や石油を仕入れている業種や中小企業にとっては大きな損失を受けると言われている。

安倍首相がアベノミクスを唱えて景気が回復傾向にあった最大の要因は、国民に期待感があったからやと思う。

実質的な効果というより期待感が景気を上昇傾向にしていた感が強い。

前民主党政権時に低迷していた不景気から脱却できるのではないかと。

前民主党政権のオウンゴールとも呼べる失態が続いたせいもあって、2年前の総選挙で自民党は、その前回惨敗した時より低得票数でありながら圧勝した。

その意味で言えば、民主党より自民党の方がマシやったと考えられる方がおられても不思議やないが、不景気そのものはその前の自民党政権時から、ずっと続いていたわけで、民主党はその尻ぬぐいに追われていたという見方も成り立つ。

不景気になれば税収も少なくなる。税収が少なくなれば支出を抑えるしかない。当然のことや。

そのため民主党は、行政の無駄を省くべく公開の「事業仕分け」を敢行した。

それにより各省庁の予算を減らすことに若干でも貢献してきたが、現自民党政府は、その「事業仕分け」を撤廃して国民の目の届かないところで予算が決められ無駄な支出が膨れ上がっている。

そのどちらが良かったのかというのも今回の判断材料になるのやないかと思う。


2.特定秘密保護法の是非を問う。

『特定秘密保護法』とは、一言で言えば国民に情報を隠すことが目的で、情報を洩らした者を厳罰に処するための法律ということになる。

その『特定秘密保護法』が1年前の2013年12月6日の深夜、自民、公明両与党により参院本会議で強行採決された。

野党の多くも強行に反対していたようやが、反対する大多数の国民の声が背景にあるにもかかわらず、結果として、為す術もなく敗れ去っている。

圧倒的多数の国会議員を擁する与党の前では、国民の声など無力だということを今更のように痛感させられた。

ワシらに限らず、その無謀さとその法律の酷さに怒りを覚えた方も多かったのやないかと思う。

特定秘密保護法のえげつなさについては『第287回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ついにその正体を見せた『特定秘密保護法』の実態と真の狙いについて』
(注2.巻末参考ページ参照)で詳しく話しているので、ここではそのうちの一つだけ
を紹介する。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131130-00000046-asahi-pol より引用

「絶叫デモ、テロと変わらぬ」 石破幹事長、ブログで


 自民党の石破茂幹事長は11月29日付の自身のブログで、特定秘密保護法案に反対する市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と批判した。

 表現の自由に基づく街頭での市民の主張をテロと同一視したことは問題になりそうだ。

 石破氏はブログで「議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いています」と紹介。

「人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはない」とも批判した。

 石破氏は30日、朝日新聞に「ルールにのっとったデモを介して意見を言うのはかまわないが、大音量という有形の圧力で一般の市民に畏怖(いふ)の念を抱かせるという意味で、本質的にテロ行為と同じだと申し上げた」と話した。

 自民党の石破茂幹事長が、自身のブログで特定秘密保護法案への反対デモを批判した部分は次の通り。

 今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。

 いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。

 主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。


これは衝撃的な発言やった。

デモが『大音量という有形の圧力』と言うが、1万人以上の人たちが集まれば、その声が大きくなるのは当然や。

市民の抗議デモというのは昔からそうしたもんや。今に始まったことやない。

それを『単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない』と断じている。

もちろん、こんな見解など自民党に限らず、日本の政治家すべてが、未だかつてしたことなど一度もなかった。

一般的なデモ行為をテロと断じる、また同列にみなすという発言が出るというのは本当に耳を疑う。

「これからは市民のデモもテロ行為に指定するぞ」と。「デモをテロ行為に指定すれば、いつでも逮捕できるのだぞ」と。

そんなバカなことなどあり得ないと言われる方がおられるかも知れんが、『特定秘密保護法』では、それが可能なわけや。

国民の言論と訴えをすべて奪う可能性のある法律やさかいな。いくら政府が否定しようが運用する連中は必ず、そのように動く。

ワシらが、この法律がえげつないと言う理由が、そこにある。

さすがにまずいと思ったのか、すぐに、当時の石破幹事長はその発言を撤回したが、時すでに遅しや。

ワシらだけやなく、それが本音やったというのは多くの国民が知ってしもうたさかいな。

この『特定秘密保護法』については自民党内部ですら反対する意見が多く、その後、撤回論まで浮上している。

国会で可決された特定秘密保護法に対して、自民党地方議員たちが議会で廃止を唱え出したというのが、それや。

地方議会と言えば、どこでもたいていは政府と同じ与党の自民党と公明党の議員たちで占められている。

その与党の議員たちが反乱を起こしたわけや。もちろん、こんなことは過去にも例のない珍しい現象である。

もっとも、正常な判断のできる人たちなら当然のことやけどな。

その新聞記事を紹介する。


108議会 秘密法廃止訴え 意見書続々 地方に根強い不安

2014年4月6日発行 朝日新聞より引用


 特定秘密保護法の廃止を求める意見書を地方議会が続々と可決し、昨年12月の法成立後で108議会に及ぶことが分かった。

 今年2〜3月だけでも60以上の議会にのぼり、同法への不安や強引に成立させた政権への批判が地方にも根強く広がっている。

 秋田県仙北市議会は廃止を求める意見書を3月12日、全会一致で可決した。法律の内容や審議過程が「非民主的で強権的に進められた」とし、「国民の怒りと不安は広がり続けている」と指摘する。

 提案者の1人、総務文教委員長の高久昭二市議(67)は「うちは保守的な議員が多いが、強行採決に対して批判が強かった。政府や国会は地方の声を謙虚に聞いてほしい」と話す。

 茨城県取手市議会は、廃止運動の広がりについて「民主主義・平和を求める巨大なエネルギーが日本国民の中に深く根付いていることを示している」とし、「国民主権・基本的人権・平和主義という日本国憲法の基本原則をことごとく蹂躙(じゅうりん)する特定秘密保護法」の廃止を求めている。

 長野県の小海町や豊丘村の議会も「国民の知る権利や言論の自由に対する侵害など憲法の精神に反し、民主主義の根幹を破壊する」と批判。三重県亀山市議会は「まさに国民の目と耳、口を塞ぐもの」と断じた。

 第三者機関の設置についても、北海道の奥尻町や美瑛町の議会は「チェック機関としての機能は疑わしい」とし、山形県長井市議会は「法律の危険性は何も変わらない」と批判する。

 意見書の受理状況を公報で公表している参議院事務局の集計に、首相だけに送った分など朝日新聞の取材分を加えると、昨年12月6日の特定秘密法成立後に出された意見書は少なくとも170件。

 うち法律の廃止・撤廃を訴えるものが108件。凍結が10件、見直しや修正が11件、慎重な運用や施行までの適切な措置を求めるものが37件などとなっている。

 法成立前にも慎重審議や廃案を求めた意見書は40件あり、これらを合わせると少なくとも198議会で210件が可決されている。


 更なる協議必要

 弥久保宏・駒沢女子大教授(政治学)の話 

 基本的人権にからむ重要法律は、法案段階で国民に周知徹底し、国会でも議論を尽くす必要があるのに、説明不十分の感が否めぬまま拙速に採決された。

 その反発を受けて、身近な地方議会が国政に対し意思表明するのは当然の成り行きだ。政府や国会は施行までに更なる協議を重ね、施行後も見直していく必要がある。


 地方議会の意見書 

 地方議会の意見を国の政策に反映させるため、政府・国会に提出する文書。地方自治法99条で定められており、議員が提案し、本会議にはかって提出する。政府や国会側への拘束力はない。


というものや。

これを政府与党は無視をし、何もなかったように装っている。この地方議員たちの反乱に対するコメントすらない。

この『特定秘密保護法』は与党自民党、公明党が決めた事で、その他の政党はすべて反対に回っていたわけやから、明確な対立軸になるものと思う。

身内ですら反対するような法律を数の論理で強行裁決するような与党自民党や公明党を、この先も支持するのか、拒否するのか。

その判断を下す、ええ機会やと思う。


3.原発再稼働の是非を問う。

原発の再稼働については大多数の国民が反対している。

2012年7月20日のメルマガ、『第215回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■小沢新党『国民の生活が第一』の支持率と期待度について』(注3.巻末参考ページ参照)の中で『原発および消費税増税に関するアンケート』の募集をした。

その後、2012年9月15日までの約2ヶ月の間に寄せられた意見をサイトの『ゲンさんのお役立ち情報 その13 原発に関するアンケート結果情報』(注4.巻末参考ページ参照)に収録している。

寄せられた意見は221名で実にそのうちの99.1%に当たる219名の方が原発再稼働、および原発の存在そのものに反対しておられる。

ワシらは長らく、原発の再稼働問題については静観してきた。

それには、現状では国民の多くが原発の再稼働など許さないという意思表示をしてきたために、このまま原発は嫌でも自然消滅するしかないと考えてきたからや。

去年の総選挙前、原発推進派の自民党の安倍総裁ですら、「安全神話の中にあったことは深刻に反省している。10年間でエネルギーのベストミックスを考えていきたい」と、原発の依存度を下げるという趣旨の発言までしていた。

当時の選挙戦では表立って原発推進とは言いにくい状況になっていたため、考えてもいないことを口走るしかなかったのやろうが、とにもかくにもその発言で原発の再稼働問題が争点にはならんかった。

それが功を奏して圧倒的な議席を得る結果につながったのは間違いないと思う。

国民の多くも自民党ですらそうなのやから、どこの政党に投票しても最早、原発推進などすることはないと考えた。

それが国政選挙として戦後最低の低投票率になった大きな要因やった。

もし、「いや、これからも原発を使い続けていく」と自民党の安倍総裁が本音を広言していたら、どうなっていたか。

答は明白や。

原発反対派の国民の多くが自民党に任せていたら大変なことになると危機感を抱き選挙に行っていたはずやから、自民党の単独過半数は疎か、政権奪取も怪しかったと考える。

それを選挙の結果で高い支持率を受けたと大いなる勘違いをした自民党政府のアホな連中が、今なら原発の再稼働をごり押しできると踏んだのやろうと思う。

そして現在、その原発の再稼働が現実のものになろうとしている。


http://news.yahoo.co.jp/pickup/6137691 より引用

鹿児島県が同意=川内再稼働、年明け以降に―地元手続き完了


 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は7日午後、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)について「原発再稼働を進める政府の方針を理解する」と述べ、再稼働に同意する考えを表明した。

 県議会も同日の本会議で早期の再稼働を求める陳情を採択。薩摩川内市議会と岩切秀雄市長は既に同意を表明しており、地元の同意手続きは完了した。

 川内原発は再稼働に向け、大きな節目を越えた。 


というのが、それや。

鹿児島県知事が川内原発の再稼働に同意したというのは、原子力規制委員会による新規制基準に合格したからやということらしい。

その原子力規制委員会の新規制基準についての記事もある。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-00000033-mai-bus_all より引用


<原子力規制委>新規制基準を決定 電力各社、再稼働申請へ


 原子力規制委員会は19日の定例会で、東京電力福島第1原発事故を踏まえた原発の新しい規制基準を正式決定した。施行日は7月8日とし、同日から電力会社の再稼働申請を受け付ける。

 国内の17原発50基のうち、電力各社は6原発12基を7月中に申請する見通しだ。同時に、原発の運転期間を原則40年とする改正原子炉等規制法が施行される。

 再稼働を急ぐ電力各社の申請が相次ぐとみられるが、審査に半年程度はかかるとされ、老朽原発を中心に高いハードルが待ち構えている。

【どんな手続きを踏む?いつごろ?…原発再稼働で想定される今後の流れ】

 規制委の田中俊一委員長は定例会で「今後の審査で、魂が入るかどうか真価が問われる」と述べた。

 規制委は、基準への適合状況を審査するため、事務局の原子力規制庁に3チームを設置し、約80人態勢で臨む。政府は、規制委が技術的に安全と確認した原発で、地元自治体からの同意が得られた上で、稼働の可否を判断する。

 規制基準では、すべての原発を対象に、福島事故のような過酷事故への対策を初めて義務化した。また、新たな知見があれば、既設の原発に適合を求める「バックフィット制度」も導入している。

 具体的には、原子炉格納容器の冷却作業を遠隔操作する「特定安全施設」(第2制御室など)の設置を要求。ただし、5年間の猶予期間を設ける。

 事故時に格納容器内の圧力を下げベント(排気)時に放射性物質を浄化する「フィルター付きベント装置」を設置する。格納容器の大きな加圧水型原発(PWR)には5年間の猶予があるが、小さい沸騰水型原発(BWR)に猶予期間はない。

 地震・津波対策も強化する。活断層の調査対象を必要に応じ、これまでの「12万〜13万年前以降」から拡大し、「40万年前以降」までさかのぼるよう求める。

 各原発で最大の高さ「基準津波」を設定し、それに応じた安全対策が必要になる。防潮堤などの津波防護施設には、最高の耐震性を要求。活火山や竜巻も、最大規模に備えた対策を求める。火災対策でも、老朽原発で多く使われている可燃性ケーブルの交換などを迫る。

 原発の運転期間は原則40年とし、1回に限り20年を上限に延長できるが、規制基準に加え、機器の検査対象を拡大した「特別点検」を実施しなければならない。

 ◇原発に義務付けられる安全対策

<規制基準>

・中央制御室の代替となる「特定安全施設」の設置(5年間猶予)

・事故時の前線基地「緊急時対策所」の建設(仮設でも当面可能)

・フィルター付きベント装置の設置(加圧水型原発の大半は5年猶予)

・ケーブル交換など火災対策

・活火山、竜巻対策の強化

・冷却装置、電源設備の多重化・多様化

・想定される最高津波の高さに応じた安全対策

・防潮堤などに最高の耐震性を要求

・必要に応じて「40万年前以降」までさかのぼった活断層調査

・活断層直上の重要施設設置禁止

<40年運転制限制>

・稼働を運転開始から原則40年に制限。最大20年の延長は可能


これのどこが規制と呼べるのかというのやろうか。デタラメにもほどがある。

それが、この記事にある『原発に義務付けられる安全対策の規制基準』とやらを見たワシらの正直な感想や。

もっとも、これは原発を再稼働したい政府与党の思惑、意向が色濃く反映された結果やろうがな。

その骨抜き規制基準とやらを、ここで検証してみる。

まず気になるのが「5年間猶予」、「仮設でも当面可能」、「加圧水型原発の大半は5年猶予」という文言の羅列や。

『中央制御室の代替となる「特定安全施設」の設置(5年間猶予)』

5年間猶予するということは、単に「特定安全施設の設置をする」とさえ宣言すれば5年間は何もせんでもええと解釈できる。

それまでの期間は誰も文句が言えない。猶予というのは、そういうことやさかいな。

こんなものが安全基準と言えるのかと思う。

当たり前やが、安全というのはその対策の実行が確認されて初めて安全と言うんやで。

そんな小学生でも知っとる日本語を、賢い学者たちで構成されとるはずの原子力規制委員会の連中が分からんのかと言いたくなる。

「5年間猶予」というのを言い換えれば、「5年間は危険かも知れんが、そこは多めに見ろ」ということや。

その間、不測の事態が起きても仕方ない、あきらめろと。見切り発車すると。

あまりのアホさかげんに開いた口が塞がらん。

『事故時の前線基地「緊急時対策所」の建設(仮設でも当面可能)』というのも同じや。

『仮設でも』というのは、ここが「緊急時対策所」やと言いさえすれば、どんな場所でも。それと認めると言うてるに等しいことや。

しかも、『当面』とあるだけでその期間さえ示していない。

一般的に『当面』というのは「差し当たり」という意味で、短い期間を差して使う言葉やが、それなら何でその期間が示せんのかと思う。

その答は一つ。そうしておけば自由にできるからや。それ以外にない。現在の電力各社なら5年でも10年でも「当面」と平気で言い張るのは目に見えとるさかいな。

『フィルター付きベント装置の設置(加圧水型原発の大半は5年猶予)』も同じことや。

おそらく『フィルター付きベント装置の設置』には時間がかかるということで、『加圧水型原発の大半は5年猶予』にしとるのやと思う。

これなんかも『フィルター付きベント装置の設置』が終わった段階でないと安全ではないというのは誰にでも分かることやわな。

それやのに何で「猶予」にしたり「当面」にしたりといった但し書きをつけなあかんねんと思う。

これやったら、この「原発に義務付けられる安全対策」を示しておけば、電力各社はそれを守るやろうというのを信用した性善説の上に立っているとしか考えられん。

規制というのは、守ることができんと予想されるからこそ行われるもので、本来は性悪説が基本のはずや。法律のすべてが、そうであるようにな。

言うとくが、東京電力をはじめ関西電力、九州電力といった日本の電力会社は今まで、嘘八百を並べ、ごまかしの限りを尽くしてきとる組織集団やで。

そんなことは、ここ2、3年の間に嫌というほど、ワシら国民は思い知らされてきたはずや。

そんな連中を国民が信用できんと声を上げとるからこそ、原子力規制委員会が電力各社を縛る意味で原発を再稼働する条件として法律に近い「安全基準」を作ろうとしたのやないのか。

これでは、国民を欺くためのポーズにすぎんかったと言われても反論できんやろうと思う。

当然やが、こんなええ加減な基準をクリアしたとして原発再稼働の許可を与えた知事に対する地域住民の反対運動が大きくなっても無理はないわな。

その記事や。


http://www.asahi.com/articles/ASG9X41YBG9XTLTB008.html より引用

川内原発の再稼働反対、7500人が訴え 鹿児島


九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働反対を訴える市民集会が28日、鹿児島市の天文館公園で開かれた。

 原子力規制委員会による新規制基準への適合審査が9月に終了し、再稼働への地元同意が焦点となるなか、県内外から約7500人(主催者発表)が参加。過去最大規模の県内での反対集会となった。

 鹿児島県内の約90の市民団体などでつくる実行委の主催。集会では菅直人元首相が「再稼働に合意するかどうか、30キロ圏内の市町にきちんと言わせるのは当たり前。再稼働ストップを全力で応援したい」と訴えた。

 福島第一原発事故で一時全村避難を強いられた福島県川内(かわうち)村の元村議、西山千嘉子さん(66)も参加。「福島の現実を知ってほしい。川内で前例を作ったら他の原発再稼働の後押しになってしまう。絶対に阻止したい」と取材に話した。

 集会後、参加者は「川内原発再稼働止めよう」「全ての原発、今すぐなくそう」と声を上げながら、市中心部をデモ行進した。


このまま与党に任せたままやと、なし崩し的に原発が再稼働されていくのは、ほぼ間違いない。

それを許すのか、ノーと言うのか、その選択も今回の総選挙にかかっているものと思う。

当然、争点にすべき問題や。

他にも、議員の定数削減問題やTPP問題などを選挙の争点に掲げる人もおられるが、それはそれぞれの判断でええと思う。

ワシが望むのは一つ、年末でどれだけ忙しくても選挙にだけは必ず行って欲しいということや。

高投票率になれば必ず政治も変わる。もちろん、ええ方にや。

今のままの低投票率やと、組織票を持っている政党に有利に働くことにしかならん。そうなればある特定の団体に有利な政策しか生まれることはないわな。

みんなが選挙に行って今の結果になるのなら、それはそれで構わんと思う。

高得票率になり国民の意志が反映された結果であれば仕方ない。

しかし、前回の総選挙のように60%にも満たないという戦後最低の最低投票率に終わった選挙結果に従わなあかんというのだけは堪忍して欲しい。

結果的に前回の総選挙で自民党は圧勝したが、実はその前々回、惨敗して政権を失った時より、小選挙区、比例区とも200万票以上も票が少なかったのである。

本来なら同じように惨敗していてもおかしくはないのやが、60%にも届かないという戦後最低の最低投票率やったために惨敗どころか圧勝してしもうたわけや。

自民党支持者ですら自民党に投票する人が少なかったのに、圧勝するなど、どう考えても納得できん。

それにより国民の信託を得たとして強行採決を連発したわけや。こんなバカげた話はないが、それが現実に起きたことなんや。

選挙に行かんかったら、前回のような結果を招くというええ見本や。

自らの意志を反映されたいのやったら是非、選挙に行って欲しいと思う。どこの誰に投票されるかは、それぞれが判断されたらええ。

とにかく多くの国民が選挙に行きさえすれば世の中は必ず、良い方に向いていく。それだけは間違いがないと信じているさかいな。



参考ページ

注1.首相解散表明:唐突な解散、困惑…「大義名分」街で聞く
http://mainichi.jp/select/news/20141119k0000m040101000c.html

注2.第287回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ついにその正体を見せた『特定秘密保護法
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-287.html

注3.第215回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■小沢新党『国民の生活が第一』の支持率と期待度について
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-215.html

注4.ゲンさんのお役立ち情報 その13 原発に関するアンケート結果情報
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage16-13.html


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