メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第341回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2014.12.19


■クリスマスの質問……サンタさんは本当に、いるの?


今年もクリスマスに因んだ話をする時期になった。実に11回目になる。

本来なら、そういった感じで、この時期になると夢とファンタジーに包まれた気分になるのやが、12月に入ってからの台風並みか、それ以上の猛威をふるう爆弾低気圧のために、その思いも霞がちになる。

自然の猛威と言ってしまえば、それまでやが、せめてクリスマスの日までには子供たちのためにも爆弾低気圧とやらが静まって欲しいと願うばかりや。

サンタクロースが大雪の中で立ち往生して子供たちにプレゼントを配れないというのでは洒落にならんさかいな。

不幸と最も縁のないのが、そのクリスマスやから、同じ雪になるのなら静かに優しく降り注いで欲しいと思う。ホワイト・クリスマスとして。

このシリーズはメルマガ読者だけではなく、広く一般にも知れ渡っているように感じることが多い。各方面で結構評判になっていると耳にするさかいな。

毎年のようにクリスマスが近くなると、サンタクロースやクリスマスに因んだ話をしているメルマガがあると。

もっとも、それが新聞業界の話をメインにしているワシらのメルマガやと知っている人は少ないようやがな。

よく、業界関係者の方から「なぜゲンさんやハカセは新聞業界とは何の関係のないクリスマスの話を毎年するのですか」と尋ねられることがある。

まあ、普通に考えたら拡張員とクリスマスに関係など殆どなさそうやから、そんな疑問が出てくるのやろうが、このシリーズを始めた10年前は、そうとばかりは言えなんだ。

ワシらが、12月24日前の金曜日にクリスマスの話をしようと考えたキッカケが、旧メルマガ『第17回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■クリスマスの夜は拡張で』(注1.巻末参考ページ参照)にある。

その中で、


クリスマスの夜も当然やけどワシらは仕事や。拡張員にクリスマスはない。

このシーズンになると大抵、販売所や新聞社から渡される拡材にクリスマスグッズが増える。サンタクロースの人形といった類のもんや。

拡張員は普通の日でも嫌われとる。それが、クリスマスイブの夜、一家団欒の家庭や恋人と愛を語り合っている時に、「新聞取って貰えまへんか」と、クリスマス人形を片手に持った拡張員が微笑みながら目の前に現れたら、せっかくのムードがぶち壊しになって最悪の気分になるわな。

以前にも増して、拡張員が嫌いになるやろ。「ちょっと、堪忍してぇーな」と誰でも思いたくなるというのも、よく分かる。

せやけど、ちょっと想像してみて欲しい。

ええ歳をしたおっさんが、クリスマスイブの夜、小雪の舞い落ちる街角をクリスマス人形を片手に、人に嫌がれながらも、幸せそうな家を叩く姿を。

その拡張員も以前は、その幸せの中におった者もいてる。それを失った人間が見る幸せな光景はある意味、残酷や。

その悲哀に思いを向けられるのなら、そんな拡張員のことを……。

それでも、やっぱり許せんわな。当たり前や。

「そんなん知ったこっちゃない、何でもええから、せめてクリスマスの夜くらいは新聞の勧誘をやめろよ」と言う声が聞こえる。ごもっとも……。

このメルマガは毎週金曜に発行している。そして、今年のクリスマスイブがその金曜日に当たる。ワシは、この話をそのクリスマスイブにしようと思うたが止めて今日にした。

話をしていて、ワシ自身がブルーな気分になったからや。話してるワシがそうやのに、その当日、わざわざこんな話を聞かされる読者は堪ったもんやないさかいな。

クリスマスの日は、やはりそれなりの話がええやろうと思う。

ワシのとっておきのファンタジーな話をその時に聞かせるつもりや。これは、このメルマガでは初めての予告や。


と言うたことから始めたものや。

今はクリスマスやからと言うて拡材にクリスマスグッズを持たされて勧誘するケースが激減しとるさかい、仲間であるはずの拡張員さんからも「何でクリスマスの話をするねん。関係ないやないか」とメールしてくるケースがある。

最初は、そんなキッカケで始めたものが、今では勝手に一人歩きするようになった。

ネット上で、いろいろな人たちによって拡散されるうちに、それぞれの話に共鳴する人たちが増えたのである。

そのためやと思うが、時折、小学生くらいの子供からクリスマスについて質問を受けることがある。あるいは、そのくらいの子供を持つ親御さんからメールを頂くことがある。

今日は、今年1年に寄せられた、そういった質問やメールに答えたいと思う。

まず初めは、


サンタさんは本当に、いるの?


という短い質問からや。

これだけの文面やから確定的なことは言えんが、過去の例や雰囲気からして、おそらく小学生の低学年、2、3年生くらいの子から寄せられたメールの可能性が高いとハカセが判断して、そのつもりで返信したという。


『新聞拡張員ゲンさんの嘆き』のサイト管理者、白塚(しらつか)博士(ひろし)と申します。ハンドル・ネームは「ハカセ」です。

あなたからの『サンタさんは本当に、いるの?』という質問について、お答えします。

私は2004年から毎年、12月24日直前の金曜日に当メルマガ『ゲンさんの新聞業界裏話』http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19.html でクリスマスに関係する話をしています。

今年も12月19日(金曜日)発行の『第341回 ゲンさんの新聞業界裏話』で話すつもりにしています。

今年で11回目になります。それらについては、このメールの末尾にまとめて掲載しています(注2.巻末参考ページ参照)ので、よろしければ見てください。

すべて実話をもとにした話です。

おそらく、あなたもネット上の検索で、それらのページの一つを見られて、この質問をされたのだと思います。

『サンタさんは本当に、いるの?』という質問ですが、答はイエスです。本当にいます。

少なくとも私は、そう信じています。

ただ、『サンタさん』への理解は人によって違うと思いますので、私なりの解釈(かいしゃく)ということにはなりますが、それでよければお話しします。

『グリーンランド国際サンタクロース協会』というのがあります。そこが認定する公認のサンタクロースが現在全世界に120人ほどいると言われています。

またフィンランド、ラップランド州ロヴァニエミ市にサンタクロース村というのがあります。

ここに、サンタクロース村というのがあります。その村には代々サンタクロースと呼ばれている老人が実在しています。

これらの人々は公認のサンタクロースとして世界中で様々なイベントに出席して活躍しています。

ただし、おとぎ話や伝説として有名なクリスマス・イブに空を翔(かけ)る8頭のトナカイの引くソリに乗り、煙突から子供のいる家に入って暖炉の横に置かれている靴下にプレゼントを入れるというサンタクロースは、残念ですが、実在しません。

空を翔(かけ)る8頭のトナカイや空飛ぶソリなど実在するわけがありせんし、一人の老人がたった一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配って廻るというのも物理的に不可能です。

ヨーロッパなら人が通れるほど大きな煙突のある家もあるでしょうが、日本には、そんな家は殆どありませんので家の中に侵入することすらできません。

もし、他人の家に無断で侵入している老人がいたら、不審者として警察に捕まるでしょう。

それらの現実を突きつけられると、おとぎ話や伝説に出てくるサンタクロースは存在しないと言うしかありません。

サンタクロースのコスチュームを着たおじさんたちの多くは、お金をもらってアルバイトとしてやっています。

または、何かのイベント関係者かボランティアの普通のおじさんたちです。

子供たちへのプレゼントも、実は親である、お父さんやお母さんが買い与えています。もしくは、その子供を愛している大人です。

子供たちは成長するにしたがい、その現実を知るようになってサンタクロースの存在に疑問を抱くようになり、そのうち信じなくなっていきます。

しかし、それでもあえて断言します。サンタクロースは実在しますと。

空を翔(かけ)る8頭のトナカイや空飛ぶソリが実在する場所があります。

それは、人の心の中です。

親が、なぜクリスマスの日に子供にプレゼントを贈(おく)るのかということを考えてみてください。

親が、寝た子の枕元にそのプレゼントを置く瞬間は、誰でもサンタクロースに変身しているのです。

つまり、真のサンクロースとは、子供を愛する親の数だけ存在しているということです。

もし、世の中にサンクロースがいなかったと仮定したら、どうなっていたでしょうか。

おそらく、クリスマスの夜、子供たちにプレゼントを渡すという風習は根付かなかったでしょう。

親が子供にプレゼントを渡すだけならクリスマスは特に必要ありませんからね。

子供の誕生日や子供の日、入学祝いや卒業祝いの日などの記念日にプレゼントを渡せば良いことです。実際、そうされている家庭は多いでしょう。

しかし、それらの日とは違う意味でクリスマスは特別な日なのです。

それはクリスマスだけが、子供たちに夢とファンタジーを与えることのできる日だからです。

そのために子供を想うすべての親たちや大人の心に1日だけサンクロースが宿るのだと私は思っています。

そのクリスマスの1日だけ親たちがサンクロースに変身するのは、そのためです。

子供を想う親の心が失われない限り、未来永劫、サンタクロースが滅ぶことはないと信じています。永遠に生き続けるでしょう。

つまり、本当のサンクロースとは、あなたのご両親の心の中に宿っているのです。

そして、あなたがいつか大人になって、お子さんができた時は、あなた自身が、そのサンクロースになるのです。

以上がサンクロースが実在するという理由です。わかっていただけたでしょうか。


他にも、届いた日は違うが、


質問内容

クリスマスには、いくつプレゼントもらえるんですか。 

本当にサンタクロースは何歳ですか。 

サンタクロースは、どういう子が好きですか。

サンタクロースは女の子のサンタクロースはいるんですか。 

これで質問は終わります。
   
ではメリークリスマスさようなら。


というのもあった。

これに対してもハカセは回答を送った。


回答者 ハカセ


あなたがどのような方なのかが分かりませんので、どうお答えすれば良いのか迷うところですが、文体から察するに小学生の方のようですので、そのつもりでお答えします。

間違えていたら申しわけありません。

『いくつプレゼントもらえるんですか』というのは、その子供の置かれた環境次第ですね。

よく洋画などではクリスマスに子供が複数のブレゼントをもらう場面がありますが、日本では一つ、ないし二つ程度が最も多いパターンではないでしょうか。

『本当にサンタクロースは何歳ですか』ということですが、昔の言い伝えでは、西暦270年から西暦342年まで生きていたとされるトルコ人のニコラスという、子供好きなえらい人がサンタクロースだったと言われています。

その人の死んだ時が72歳だから、サンタクロースの歳は72歳だと言う人がいます。

それとも、サンタクロースは不老不死の神様になったということですから、今も生きつづけているとすれば、今年で1744歳ということになりますね。

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)がサンタクロースについて行った際に残したとされる追跡資料の分析結果でも1600歳を超えていると報告されていますので、科学的な裏付けが取れていると言う人もいます。

ただ、サンタクロースは12月24日のクリスマス・イブの夜だけ、子供たちの両親や子供たちを愛するすべての方々の心に宿るので、その子供たちの両親や子供たちを愛するすべての方々の年齢がサンタクロースの歳だという見方もできます。

あるいはグリーンランド国際サンタクロース協会が認定する公認サンタクロースは現在世界に120人いると言われていますので、その人たちそれぞれの年齢がサンタクロースの歳だとも言えます。

『サンタクロースは、どういう子が好きですか』というのは、一般的には素直で聞き分けが良く、嘘をつかず、いじめなどしなくて、両親や多くの大人に愛される子供ですね。

『サンタクロースは女の子のサンタクロースはいるんですか』ということですが、フィンランドではサンタクロースの奥さんにヨウルムオリ、通称ムオリおばさんと呼ばれている人がいます。

しかし、その人が子供たちにプレゼントを配っているという話は聞きませんのでサンタクロースとしての働きはしていないようです。

また北米ではミセス・クラウスという女性のサンタクロースもいるようですが、世界的には男性で白くて長い髭を生やしたサンタクロースしかいないと思われています。

あなたからの質問の答えは以上です。納得していただけましたでしょうか。


こういった質問は、ほぼ毎年のように寄せられてくる。

その都度、同じような回答をメールで返信しているが、どこまで分かって貰っているのか疑問に思うところや。

子供はもちろんやが大人も夢やファンタジーを否定するような人間にはなって欲しくないと思う。

子供に「サンタクロースなんかいないよ」と言うのと、「サンタクロースはいるよ」と言えるのと、どちらが素晴らしいか。夢があるか。

ワシらの言いたいことの答が、そこにある。

最後にワシから一言。これからサンタクロースになろうという人は爆弾低気圧などには負けない温かい心で子供たちに夢の詰まったプレゼントを届けて頂きたいと思う。

それでは、少し早いがメリー・クリスマス。良いクリスマスを。



参考ページ

注1.第17回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■クリスマスの夜は拡張で
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-17.html

注2.第20回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■サンタクロースは実在する?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-20.html

第72回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■サンタクロースは何歳ですか?
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-72.html

第124回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■真っ赤なお鼻のトナカイさんの話
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-124.html

第176回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■天国からのクリスマスプレゼント
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage13-176.html

第28回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■クリスマスソングが歌いたい
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-28.html

第80回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■誰にでも訪れるクリスマス・イヴの小さな奇跡の話
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-80.html

第133回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■クリスマスに永遠の命の話を
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-133.html

第185回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■サンタさん、お母さんにあわせて
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-185.html

第237回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■恋人にクリスマス・プレゼントをする意味とは
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-237.html

第289回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■クリスマスの夜、星に願いを
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-289.html


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