メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第345回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2015. 1.16


■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part15


ここ数年、受け取ったメールの返信ができないケースが増えて困っている。ブロバイダーにより送信エラーメッセージが届くことが多い。

その大半は携帯アドレスからのものや。

すべての携帯電話のメールアドレスが送信不可ということではなく、ちゃんと返信できているケースの方が圧倒的に多いのやが、一部でそういうことが起きているわけや。

ハカセは、どのようなメールであろうと2日以内には必ず返信している。

なので返信メールが届かないという方は、当メールアドレスを受信許可に設定し直して頂きたいと思う。

もしくは、PCアドレスで再度連絡して欲しい。

そうすれば返信メールが届くはずやから。

せやないと、せっかくサイトやメルマガ宛てに相談メールを送って来られても回答を受け取ることができんということになるさかいな。

今回、ここで取り上げる相談もそのケースの一つやった。

『第341回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■クリスマスの質問……サンタさんは本当に、いるの?』(注1.巻末参考ページ参照)の中で、


■返信できないメールについて


以前にも告知しましたが、Q&Aやメルマガに相談された方で、こちらからの回答メールが返信できないケースが発生しています。

その大半は携帯メールアドレスの方で、考えられる原因としては相談者サイドのメール設定にあるのではないかと思われます。

尚、今回12月15日午後11時16分、ドコモの携帯メールから寄せられた相談に、「市営住宅で飼っているワンちゃんへの苦情で困っています」といった内容のものがあり、その回答を返信しましたが、返信不可のエラーメッセージがブロバイダーより届きました。

心当たりの方はご面倒ですが、携帯メールの設定を変更されるか、他のPCメールから再度、連絡をお願いします。回答を送り直しますので。

尚、その回答については本日より1ヶ月以内を目処に『ゲンさんの新聞業界裏話 ゲンさんのよろず相談あれこれPart15』で掲載を予定しています。

例によって相談者が特定されないように配慮しているつもりですが、間違いがあってはいけませんので、これを見られたら、念のためご連絡頂ければと思います。

 メルマガ発行者 ハカセ


と告知したが、残念ながら、その後の問い合わせは未だにない。

このメールの送信者の方は、おそらく携帯キャリアの購入時、あるいは新機種に変更された時、携帯キャリア側が迷惑メール対策として自動的にワシらのようなサイトのアドレスに対して受信拒否設定になっているのやないかと思う。

そのことを、ご存知ないのやないかと。

それに気がついておられないままやと、相談したが何の返事も返って来ない不誠実なサイトやと思われるはずや。

それも辛いが、何より必要とされている回答が届かないことの方が、もっと辛い。

何か良い方法はないものかと、このメルマガやサイトで繰り返し告知はしているのやが、ご本人に、そのことが伝わっていない以上、どうしようもないのが実情や。

ただ、いつまでも待ち続けるわけにもいかないので、どこかでその相談者の方が、この回答を目にされる機会があることを期待して、約束どおり、1ヶ月以内を目処に『ゲンさんの新聞業界裏話 ゲンさんのよろず相談あれこれ Part15』で掲載させて頂くと予告したので、そのとおりにさせて貰う。


事例その1 市営住宅で飼っているワンちゃんへの苦情で困っています

相談内容


突然すみません。私は市営住宅に住んでワンちゃんを飼ってます。

二階の住人から、ワンちゃんの泣き声がうるさく、そのためにパニック障害になったと精神科の診断書まで見せられ、警察、管理事務所、保健所と至るところに通報をして、挙げ句のはてに自殺すると言われました。

出張のしつけ教室の先生にもきてもらい、むやみに鳴くこともなくなり大人しくなったのですが、それでも1カ月に一度くらいの間隔で苦情を言ってきます。
娘と二人暮らしで結婚する時にこのワンちゃんを連れて行くので、もう少し待ってほしいと伝えましたら、一応了解してもらったのですが昨日もまた苦情があり、私が留守にしている時間に2時間吠えてる。それもずっと。

いつも私がいない時間を言ってきます。私が在宅しているときは、ほとんど吠えないのに納得がいかないです。

あと泣き声を録音していて裁判の時の証拠としてるようです。

もちろん 飼ってはいけないこともわかってますが20年以上、ワンちゃんを飼ってます。

裁判所に訴えると言われました。こちらが負けることは明確です。ただ悔しいです。

その方は上の階の住人を騒がしいからと最後には法的手段をとると脅しその方は泣く泣く出てていったのです。原因はお孫さん達が遊びにきたりして足音が下に響いてうるさいかららしいです。

今度は私が攻撃されてます。

管理事務所も当事者同士で解決をとのこと 、どうしたらいいのでしょう。


回答者 ハカセ


公営住宅のペット飼育問題については『第125回 ゲンさんの新聞業界裏話
 ■公営住宅でのペット飼育の是非について』および『第327回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part13』(注2.巻末参考ページ参照)の中の

『事例2.町長名義の「町営住宅における大・猫の対応について」の通知書がきて困っています』を見て頂ければ分かって貰えると思いますが、

現時点では公団集合住宅でペットを飼っているという理由だけで、すでに飼っているペット、および住人を退去させることは実質的に難しくなっています。

実際、その相談者の方から、後日、


今日19時からペット問題の寄り合いがあり、今までどおり飼ってもいいと役場が言いました。

博士の言っていたとおりになりました。まだ、飼ってはいけないとは言っていますが、今飼っているのはいいと言うことです。

ありがとうございました。


という返礼メールを頂いていることでも分かって頂けるものと思います。

ですので、あなたの場合も『20年以上、ワンちゃんを飼ってます』ということであれば、ペットを飼うこと自体は容認される可能性が高いものと思われます。

市営住宅の管理事務所が当事者同士で解決をして欲しいと言っているのは、そのためです。

ただ、ペットを飼っていない人には、市営住宅でペットを飼うことを禁止されているのになぜ飼っているんだという思いが強いため、なかなか理解して貰えないのが現実です。

しかも、あなたの場合は飼っておられる犬が鳴くことによって2階の住人の方が迷惑をかけられていると思われているので、事はより深刻です。

『二階の住人から、ワンちゃんの泣き声がうるさく、そのためにパニック障害になったと精神科の診断書まで見せられ警察、管理事務所、保健所と至るところに通報』というのは、犬の鳴き声による迷惑に耐えられなくて、2階の住人の方がそうしたのは、ある意味、やむを得ないことのように思えます。

人には受任限度というものがあり、我慢できない範囲を超えると、その次からはどのような些細な物音であっても気になり精神的に参ってしまうケースがあります。

実際、それでパニック障害になるか、どうかは別にしても広義の意味で「不安神経症」になる人は珍しくありません。ちなみにパニック障害も「不安神経症」の一種です。

もっとも、その因果関係が犬の鳴き声にあるということを実証するのは精神科の医師の診断書だけでは難しいとは思いますがね。

医師はパニック障害と診断することはあっても、その原因にまで言及することは、まずありません。というより、医師にはその判断は困難だと思われます。

パニック障害の原因として複数の要因が存在すると考えられていますが、近年の研究によってその多くは心理的な面によるものだけではなく、脳機能障害が原因との見方が強くなってきています。

つまり、パニック障害は何かの要因によって発症するというより、その人が本来持っている脳機能障害の影響の方が大きいと考えられるようになっているということです。

その人が、もともとの病気だったか、もしくはそうなる因子を持っていたということになります。

普通に考えて、うるさく吠える犬に対して迷惑だと怒る人がいても、だからといって、そういう人たちすべてがパニック障害になるわけではありませんからね。

ただ、裁判の場では医学的な判断とは違う裁定を下す場合もあります。法律では原因があって、その結果に結びついたと認定することが、ままあるからです。

そのため、裁判になった場合、どういった判決になるかは、それぞれの裁判官の判断次第ということになりそうです。

『出張のしつけ教室の先生にもきてもらい、むやみに鳴くこともなくなり大人しくなった』というのは評価されるでしょう。少なくとも、それなりに手を尽くしていたことになりますので。

ただ、『それでも1カ月に一度くらいの間隔で苦情を言ってきます』というのは、まだ飼っている犬が、たまに鳴くこともあるということなのだと思います。

生き物だから、そういうこともあるというのは私にはよく分かります。仕方ないとも思います。

しかし、先ほど、『人には受任限度というのがあり、一度我慢できないと感じると、どのような些細な物音であっても気になり精神的に参ってしまうケースもあります』と申しましたように、

あなたにとっては月に一度くらいは大したことのないように思われるかも知れませんが、被害を受けたと感じる人にとっては、とても大きく捉えるものなのです。

我慢できない、許せないと考える人もいます。

客観的に見て、そういったことになる要因の多くは、お互いの意思の疎通ができていない、普段から近所付き合いが上手くいっていないからだと考えられます。

近所付き合いが上手くいっていれば少々のことは、お互い我慢できるものですからね。とはいえ、ペットを飼う是非のところから食い違っているわけですから、お互いが歩み寄るということもできないでしょう。

さらに言えば、『その方は上の階の住人を騒がしいからと最後には法的手段をとると脅しその方は泣く泣く出てていったのです。原因はお孫さん達が遊びにきたりして足音が下に響いてうるさいかららしいです』と言われておられ、

『今度は私が攻撃されてます』と考えておられるうちは、その方との関係は修復できないでしょう。

あなた自身、その2階の方に不信感を持っておられるというのが、それでよく分かりますからね。

敢えて苦言を申しあげれば、あなたのメール文からは、2階の方に対する心遣いというか、迷惑をかけているという気持ちがあまり伝わってきません。

むしろ、あなたの方が被害者だと考えておられるフシが感じられます。変な言いがかりをつけられて困っていると。

しかし、第三者の私から見れば、事の発端は、そちらで飼われている犬の鳴き声によるものですから、それを考慮に入れ、2階の方の行き過ぎた行動を差し引いたとしても、良くてお互いに非があると申し上げるしかありません。

行き着くところは、お互いに問題があるということです。双方は、そのことに気づいておられないか、気づこうとされていないようです。

そのため両者に被害者意識が生じ、双方共に相手を思い遣る気持ちがないと考えられる状態に陥っていることが最大の不幸です。

こういった場合は、その方が『裁判所に訴える』と言うのであれば、それを受けて立つしかないでしょう。

このケースでの裁判といっても民事ですから、あなたが思われているほど大袈裟なものではありません。

双方で話し合いによる解決ができない問題を裁判所が仲裁、もしくは判断してくれるという程度に考えられたらよろしいでしょう。

相手が弁護士を雇って訴訟してくるというのであれば、あなたの方でも弁護士を雇うという選択肢もありますが、民事の場合は必ずしも弁護士を雇う必要ははありません。

弁護士さえ雇わなければ、訴えられた方は裁判所に出向くまでの交通費以外、他に費用はかかりません。

もっとも、相手が慰謝料の請求をして、それが認められたら、その額を支払わなければいけませんが。

このケースだと確実なことは言えませんが、過去の判例から推量すれば、最悪の場合でも数万円程度の慰謝料の支払いになるのではないかと思われます。

もちろん、相手の言い分が認められないケースも考えられますので、ゼロということもあり得ます。

『こちらが負けることは明確です』と言われておられのは、必ずしもそうとばかりは言えません。

あなたの方は公団でペットを飼っておられるという引け目があるのかも知れませんが、法律上は、それによって不利になることはありませんので。

法律上は、公団でペットを飼うこと自体は禁止されていませんし、それによるペナルティを受ける筋合いもないのですから。

問題はあくまでも、あなたの飼っておられる犬が、2階の人に対してどの程度の迷惑をかけているのかという一点に絞られます。

日本の法律は、訴えた側に立証責任があります。それから言えば『あと泣き声を録音していて裁判の時の証拠としてるようです』というのは一つの方法ですが、それだけでこの件を立証するのは、どうでしょうか。疑問を感じます。

犬が鳴き声の大きさは録音では測りにくいですし、鳴いている時間帯というのも録音だけでは分かりません。単に犬の鳴き声が録音されているだけです。

もっとも、それが長時間におよび、その住人だけではなく他の近隣の住人からも同様の苦情があった場合は、その録音が証拠として採用されるかも知れませんが。

ただ、例えそうであったとしても、そのことが原因でパニック障害になったと立証するのは相当な難しさがあるのではないかと思われます。

先にも言いましたように、すべての方が、その事によってパニック障害になるわけではありませんからね。むしろパニック障害になるケースの方が稀だと考えられます。

だからといって静観するのも、どうかと思いますので、あなたの方で可能と思われる対策について裁判所に訴える準備をしておくことも必要でしょう。

『娘と二人暮らしで結婚する時にこのワンちゃんを連れて行くので、もう少し待ってほしいと伝えました』ということですが、娘さんが結婚されて、その犬を連れて行くという具体的な日時が分かっておられるのでしょうか。

もし、それが分かっておられるのなら、裁判所には大きなアピールになります。それであれば、裁判所もその方に、それまで待ってくださいといった和解案を提示するはずですから。

もっとも、『そのうち結婚するので、その時に犬を連れて行く』というのでは難しいとは思いますがね。

『私が留守にしている時間に2時間吠えてる。それもずっと』と、その2階の方に言われたとのことですが、あなたはなぜ、そんな状態の時に2時間も犬だけを置いて留守にされたのでしょうか。

犬の種類や性格にもよるでしょうが、犬というのは飼い主がいなくなると寂しくて吠える場合が多いと聞きます。延々と鳴き続けているということも想像に難くありません。それを迷惑と受け取られても仕方がないと思います。

そうとは知らなかったというのは犬の飼い主としては、きついようですが、その資格がないと言わざるを得ません。

犬を連れて行けない場所もあるかも知れませんが、なるべくなら一緒に外出されることをお勧めます。

犬を連れて行けない場所であっても、何か方法はあるはずです。この状況下で犬を残して出かけるべきではありませんでした。

裁判の場でも、「外出時には常に犬を連れ出しています」と言えれば、それも大きなアピールになります。

『いつも私がいない時間を言ってきます。私が在宅しているときは、ほとんど吠えない』というのであれば尚更です。

それを言い訳にして犬を部屋に残して外出していたというのは頂けません。それを言えば、あなたの方に非があると思われますよ。

いずれにしても、裁判を起こすというのであれば、あなたの置かれた状況下ではそうして貰った方がよろしいかと思います。

裁判を提起すれば、それから以降は当事者同士が直接交渉することは禁じられますので、少なくとも裁判中に、その方から文句を言われることもなくなるはずですから。

本当は、当事者同士で話し合って解決されるのが一番でしょうが、ここまで双方の関係が拗(こじ)れてしまっていては、とても無理でしょうからね。

もっとも、その2階の方が本当に裁判をされるか、どうかは分かりませんけどね。よくあるケースですが「裁判するぞ」と脅すだけの人もいますので。

そう言えば、相手が恐れを抱いて意のままになると勘違いされるのでしょうね。

何度も言いますが、民事裁判については提訴されても一般の方にとっては、それほど大きな意味はありません。負けても前科がつくわけでもありませんし。

隣近所のトラブルで民事裁判に至るケースはよくあることです。そう考えられれば、少しは気持ちも楽になられるのではないかと思います。

あなたにとっては、あまり良いアドバイスではなかったかも知れませんが、第三者の私としては、このような助言しかできませんので、その点は悪しからずと申しあげておきます。


紙面の都合で今回は、これ1件だけにしとく。

本人に届いていない回答をアップするのは辛いが、同様の問題で困っておられる方には某かの参考になるのやないかと思う。

それにしてもどちらかが一方的に悪いと言えるトラブルというのはないのやなと、こういった問題が寄せられる度に痛感する。

しかも、双方とも相手の方が悪いと決めつけた考え方をするものやと。

どちらか一方だけが悪いというケースもなくはないが、たいていは双方に問題のある場合が多い。

トラブルの多くは、相手の立場を考える、思いやることで少なくすることができると考えるのやが、人はどうしても自分本位になるのやろうな。

ともあれ、相談があれば、ワシらのできる範囲で回答はするが、そのあたりのことも相談者の方に分かって頂きたいというのが、ワシらの思いや。



参考ページ

注1.第341回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■クリスマスの質問……サンタさんは本当に、いるの?
http://melma.com/backnumber_174785_6140791/

注2.『第125回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■公営住宅でのペット飼育の是非について Part 3』
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-125.html

『第327回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■ゲンさんのよろず相談あれこれ Part13』
http://www3.ocn.ne.jp/~siratuka/newpage19-327.html


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