メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第364回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2015. 5.29


■新聞販売店従業員による労働組合組織(ユニオン)の結成について Part1


今回のテーマに関してゲンさんに語って貰うには、いろいろと差し障りがあると考え、代わって私(ハカセ)が話をさせて頂くことにしました。

新聞には、「勧誘問題」、「押し紙問題」、「記者クラブ問題」といった三大タブーが存在しますが、それに加えて「販売店労働組合結成問題」もタブー視されているようなところがあります。

もっとも、「勧誘問題」、「押し紙問題」、「記者クラブ問題」などのようなタブーとは少し様相は違いますが。

それには、三大タブーは新聞社に大きく関係、あるいは主導的に行われているものですが、「販売店労働組合結成問題」の場合、新聞社はあまり関係がないということがあるからです。

販売店の労働組合結成に関して、大ぴらに口だしするわけにはいかないという事情があります。少なくとも表向きは、そうなっています。

新聞社には、社員たちで運営する「日本新聞労働組合連合(新聞労連)」(注1.巻末参考ページ参照)という大きな組織が、すでに存在します。

日本新聞労働組合連合(新聞労連)は、今から65年も前の1950年6月30に設立されています。

全国の新聞社と通信社で働く労働者の約8割が加入している組織で、加盟は85組合、加盟人員は約2万7千名いると言われています。

ちなみに、一般の新聞販売店の従業員に比べて新聞社社員の待遇が良いのは、会社組織の規模の違いということもありますが、それ以上に日本新聞労働組合連合(新聞労連)の存在が大きいからだと思います。

実際に労働組合を作るかどうかは、それぞれの販売店で働く労働者の意思次第という側面があります。

新聞社と新聞販売店は一見、同一視されがちですが、多くはそれぞれ独立した企業体、会社なわけです。

そのため、新聞社といえども別企業である新聞販売店の内情には介入できないという事情があります。

ただ、後述しますが、それは表向きのスタンスで、特殊なケースとして新聞社の中には新聞販売店と同じ思考のもと販売店従業員に過酷な労働を強いているケースもあります。

形の上でこそ間接的な関与に止めるような仕組みにしていますが、実際には新聞社の意向が大きく働いている販売会社もあるとのことです。

口にこそ出して言う人はあまりいないようですが、多くの新聞販売店経営者にとって労働組合を結成させるのは好ましくないと考えているのは、ほぼ間違いないものと思われます。

過去、そういった新聞販売店従業員による労働組合が結成される度毎に弾圧が加えられ、葬られてきたと聞き及びます。

しかし、その類の記事が新聞紙面に載ることはありません。そんなことをすれば新聞販売店の反感を買う恐れがあるため、今までそうした事実が報道されていないのだと考えます。

他の業種であれば、労働組合がないことを理由に過酷な労働環境を従業員に課す企業を「ブラック企業」などと称して、新聞各社が紙面で散々叩いているにもかかわらず、

ほぼ同等の劣悪な環境にある新聞販売店従業員の労働実態に触れた新聞記事が皆無だというのは、新聞社が新聞販売店に配慮しているがためのタブーということになります。

また、新聞社自身が販売店従業員の労働組合結成阻止に荷担しているケースがあるため記事にできないという事情もあるようです。

私が三大タブーとは様相が異なっていると言う所以です。

ある読者の方から、


ダイキさんの嘆き(注2.巻末参考ページ参照)を読まさせていただきました。

全国津々浦々、悪条件のなかで奮闘されている専業員の姿が偲ばれます。

労働条件の改善はそれぞれの販売店の店員が勝ち取るものですが、そういった人たちを支援する全国組織があると、とても心強いと思います。

そこで、ゲンさんとはかせさんに質問です。

新聞店員に特化したユニオンとかはあるんでしょうか?

これから労組をつくろうと思っている専業員にとっても、あれば頼りになる組織です。

おそらくかなりの数の専業員は、職場の環境が改善するのを望んでいます。

でも、ほとんどの人は諦めが先に立ち、現状に甘んじているのが実情ではないでしょうか。

これからの業界を変えて行く意味でも、労働環境から良くして行く必要があると思いました。

専業員の地位が向上しないと、この業界は良くならないとも言えます。


というメールが寄せられました。

それについて、


ハカセです。

>新聞店員に特化したユニオンとかはあるんでしょうか?

ということですが、数年前調べた時にはありませんでしたね。

ただ、そうしたいと言われる方々がいましたので、その人たちと連絡を取って、その後どうなっているのか確認したいと思いますので、この件については今しばらくお待ちください。


と返信させて頂きました。

それから約1週間ほど、それらの方々に問い合わせを試みた結果、返ってきた返事は今のところ、すべて「断念した」とのことでした。

その方々は、ゲンさんが折に触れ、メルマガやサイトで「新聞売店で働く者は自らの力でその待遇改善を勝ち取らんとあかん。具体的には労働組合を作ることや」と言っていたことに感化され賛同したと仰っていました。

ちなみに、ゲンさんがそう言っていたのは主に拡張員時代の頃で、現在はある販売店グループの管理職に就いているため、表面だって労働組合の結成について支援できないという事情があります。

できるのは、せいぜいアドバイス程度のことです。もちろん、ゲンさんは過酷な労働環境で働く人たちのことは憂慮していますので、販売店従業員による労働組合結成に関しては大賛成です。

ただ、公には言い辛い面があるということで、今回は私が代わって話させて貰っているわけです。

ともあれ、その方々がいざ労働組合を始めるとなると、いろいろな問題が山積していると気づかれたようです。そのため断念されたと。

『新聞店員に特化したユニオン(労働組合組織)』というのは、数は少ないですが存在します。

公表しているもので、1977年5月25日に結成したという「全国新聞販売労働組合連絡協議会」(注3.巻末参考ページ参照)というのがあります。

ちなみに、数年前に調べた時にも、この組織はネット上にありましたが接触することができず、その実態は掴めていません。それは現在も同じです。

また、2012年7月8日に立ち上げたという「関東新聞販売労働組合」(注4.巻末参考ページ参照)というのもあります。

その時の様子が掲載されたと思われる「新聞販売問題、今だけ委員長の独り言」という2012年7月8日のブログ記事がありますので紹介しておきます。


http://minihanroblog.seesaa.net/category/629198-1.html より引用

新聞を読者へ届ける使命と責任を持った労働者を軽んじてはいけない


「毎日650部を3時間半かけて配達しています。源泉徴収票では会社から1200万円の支払いがあるけれど実収入は月20万にも満たないのです」。

 先日、とある新聞販売会社に勤める労働者たちが労働組合を立ち上げました。今だけ委員長も上部団体からの要請を受けて結成大会へ出席してきました。

 労働組合を組織したといっても体制がまだ整備されていないため社名などの公表は控えますが、従業員としての雇用契約であるにもかかわらず、

「個人請負業」に近い就労実態に置かれている労働者たちが、労働基準法がまったく守られていない(就業規則も明示されていない)ずさんな労務管理に対して労働(雇用)条件の改善を求めています。

 結成大会に集まった組合員に話を聞いてみると、エリアごとに配達、集金をする就労形態でエリア担当社員配置され、200部に満たないエリアもあれば1千部を超すところもあるとのこと。

 大部数を抱えるエリア担当社員は当然一人では配達しきれるはずもなく、労働者が自分の給料から労働者(配達スタッフ)を雇用しているというのです。

 会社はエリア担当社員へ部数に応じた給料を支払っていますが、これは業務委託の形態です。

 また、やむを得ない理由で配達作業を休む時は会社が代配要員を派遣するのですが、その際も給料から代配経費が差し引かれます。

 休みは新聞休刊日のみで法定休日も与えられず、就業規則も「見たことがない」という無法状態です。

 そのほか、配達作業で使用する備品などの経費も給料から差し引かれます。

 配達で使用する車両(個人所有)の維持管理も個人負担であるのはもちろん、雨天時に使用するビニル袋(ラッピングフィルム)、折込丁合機を使用すれば電気代(個人で丁合機を購入している方も多い)まで給料から引かれます。

 一方で、社員として雇用され給料が支給されているため、個人事業主のように必要経費を計上して税金を減らすこともできません。

「まぁこれまで生活できていたから…。疑問に思わなかったし、これが当たり前だと思っていた」という彼らに火を付けたのが、今春に会社が行った社会保険料の会社負担分の打ち切りでした。

 これまで折半だった社会保険料が「全額個人負担にする」と会社が通告してきたのです。

「こんな理不尽なことがまかり通るのか」という疑問と不満を抱いた彼らは、個々に労働基準監督署や労働団体へ駆け込んだそうです。そして出された結論が労働組合を結成してたたかおう―ということでした。

 こうした会社の不当労働行為に追い詰められた彼らですが、すぐこぶしを振り上げることはせずに「社業の民主的な発展を目指す」というスタンスは忘れていません。

 大会で読み上げられた結成宣言は、同じ新聞販売業を生業にしている今だけ委員長の胸を打つものでした。「・・・新聞を、日々読者一人ひとりに届ける使命と責任があります。

 そのために私たちが安心、安全に働ける労働環境と、私たちの働きにふさわしい労働条件を確立していく必要があります」、「・・・地域に愛され、信頼される新聞販売業として、さらなる社業の発展を目指して活動していきます」。

 このような考えを持った従業員を抱えている会社は本来、素晴らしいのであって経営者が旧態依然のままの労働慣行に手を付けてこなかっただけなのかもしれません(それはそれで問題ですが)。

 このような労働者を生かせない会社はもったいないとも思えてくるのです。
 法律に則った当たり前の労働条件の確立に向けて、冷静な労使協議が継続されることを願います。

 ともすれば、新聞産業は搾取の構造が各セクションで横たわっています。これは新聞社と販売店だけではなく、販売店の経営者と従業員・アルバイト(奨学生)でも同じことです。

 自分たちの実入りを守るために立場の弱い労働者の労働条件を切り下げる。それにより労基法すら守られていない環境で働かされている労働者は少なくありません。

「労基法をクリアすればよい…」という解釈をする経営者も散見されますが、労基法は「この基準を下回ったら違法だ」という最低限のルールを定めたものです。

 たまに「労基法と同レベルの労働条件を守る」などという会社もありますが、その会社は日本で最低の労働条件であることを宣言しているようなものです。

 企業のモラルハザードや社会的なルールを守らない、知らない方が経営のかじを取ると、組織の歯車が狂ってしまうのは当然のことです。


というものです。

また関西のA新聞N販売会社で、従業員有志により労働組合を立ち上げたものの不当な弾圧に合い、その委員長が変死を遂げたという事態が起きているといったものもあります。

知り得た情報から、その経緯を説明します。

新聞販売店の中には少数ですが、新聞社の直営店や新聞社が経営陣を送り込んでいる販売店があります。

それらをまとめた販売店をグループとする販売会社化が現在進んでいます。A新聞N販売会社もそんな会社の一つです。

そのN販売会社に、A新聞社は自社社員を取締役役員として3名送り込んだとのことです。会社登記簿にその事実が載っていると聞きました。

会社登記簿は法務局に行って、「閲覧、又は登記事項要約書を請求」すれば登記記録は比較的簡単に誰でも見ることができますので、それが事実であることについて疑いの余地はなさそうです。

加えて「昔から阪神地区の主任担当が、販売会社の役員を兼ねてきたようです」という複数の証言も得ていると聞きます。

A新聞N販売会社の労働組合委員長を仮にK氏とします。最初のうちは組合活動も順調なようでした。

有給休暇を自由に取れるようになり、残業代金の未払いも支払わせたとのことです。

また、慶弔規定があるにもかかわらず、例え身内が死亡したとしても、パート社員の場合、欠勤扱いになってしまうということがあったため、パートの就業規則を作成するための取り組みも進めていました。

その就業規則改訂の作業が大詰めを迎えていた時期に、A新聞N販売会社はK氏を解雇するという強硬手段に出たのです。

解雇そのものは単純で、ありがちな構図でした。無理難題を押し付け、理不尽な業務命令を出しておいて、それに従わなかったことを理由に解雇を宣告するというものです。

「K氏は営業の成績が不振なので、他の仕事もするように提案した。何度も話し合いを重ねてから解雇した」というのが、A新聞N販売会社社長の公式なコメントです。それで表向き通ると考えたのでょう。

それに対してK氏は真っ向から反論し、解雇撤回を求めて訴訟を起こしました。 
その訴訟の最中、K氏が急死したのです。

死因を不審に思った身内の方が警察に司法解剖を要求しても聞き入れて貰えなかったそうです。

状況としては自宅の布団の中で死亡しているのが見つかり、死因は脳出血とのことでした。

死亡推定時刻は発見の5〜7時間前です。ところが、K氏はその3日前の午後4時以降、身内からの電話にも出ず、連絡も取れていない状況でした。

しかも、K氏はその3日間、携帯電話を一切使用していないことが判明したのです。

3日間、一切、携帯電話を使わないということは考えにくいと、ご遺族は考えました。

私もそう思います。その間、何者かによってK氏が自宅で拘束、または軟禁状態にされていたために携帯電話が使えなかったのではないかと考えれば納得できます。

あるいは、他の場所で拘束、または軟禁状態にされていたのが、何かがあって死亡したために自宅に運ばれた可能性も考えられます。

いずれにしてもK氏は、何者かによって布団の中で就寝中に脳出血になったように装われたのではないかという疑問をぬぐい去ることができません。

私は自身が十数年前に心筋梗塞を発症してから循環器系の病理に詳しくなったということもありますが、脳出血などのように血圧の上昇によって引き起こされる症状は、通常生活時に発生するケースが大半で就寝中に起きるのは極めて少ないと知っています。

普通に考えて血圧の上昇は運動した場合か、興奮状態になった時に起こるものです。そのため就寝中に血圧が上昇するという事例は殆ど確認されていません。

それから考えて、少なくともK氏は目覚めていた時に死亡されたのではないかという推測が成り立つわけです。

もちろん、それが他殺なのか病死だったのかまでは分かりませんが、ご遺族が主張されるように不審死であることだけは間違いないものと思われます。

「死因究明推進法」というのがあります。

『明らかな病死以外の遺体の死因究明を警察署長の義務とし、科学的根拠に基づいて死因を判断する為に法医学者の意見が必要なら遺族の承諾がなくても解剖できる』というものです。

内閣府の指導では、基本的にはすべての不審死は司法解剖に回すということになっているはずですが、その某警察署長の判断により遺族の希望を無視して司法解剖をしていなかったわけです。

その後、遺族は異議申し立てをしたとのことですが、係争に時間が経ち過ぎたということもあり、実質的に解剖することができなくなり、結局うやむやになったということのようです。

それについては現時点では伝聞証拠しかありませんので、後日詳しく調べた上で報告したいと考えています。

他にも新聞販売店で労働組合が結成されたケースが幾つかあると聞き及びます。

残念ながら、それら上記のものを加えた労働組合の実態が今ひとつ、よく分かりませんでした。

ただ、聞くところによると、新聞社の中には、そうした厄介な活動をする従業員の組合を潰す目的で、その販売店もろとも強制改廃に持っていくケースもあるとのことです。

それも組合を作る上で断念した理由だと言われる方もいます。

ここまでの話だけだと新聞販売店従業員による労働組合の結成には、非常な困難が伴われると考えられるかも知れませんが、労働組合を作ること自体は、それほど難しくはありません。

また実質的な弾圧を受けるケースがあったとしても表立って労働組合の結成に異を唱える新聞社も新聞販売店もありませんので、そこに活路を見出すことは可能です。

これから「新聞販売店労働組合の結成方法と心構えについて」と題して、お話ししたいと思います。


新聞販売店労働組合の結成方法と心構えについて


1.労働組合は、労働者が二人以上集まればいつでも自由に結成することが可能です。

もちろん、最初から仲間が多いに越したことはありませんが、まず第一歩として形を作ることから始められたら良いでしょう。形があれば人は集まりやすいので。

労働組合は役所などに書類で届け出る必要もありませんし、経営者の承認を得る必要もありません。もちろん、それに対して文句を言われる筋合いもありません。


2.「事は密なるを以て成る」という諺があるように静かに深く潜行して準備してください。

そのためには、最初は心を許せる少人数の人たちだけで始められることです。

本決まりになるまでは、それ以外の人にけっしてその計画を話してはいけません。

今まで失敗したという原因の大半は、結成時により多くの組合員が必要だと考えるあまり、その計画を多くの人に洩らしてしまったことによるものでした。

当たり前ですが、労働組合の結成を快く思わない経営者が、そのことを知れば必ず阻止しようと企てます。

その一番効果的なのが仲間割れを誘発することです。そのやり方はいろいろですが、仲間割れが生じるようでは上手くいくはずなどありません。

そういうことにならないためにも、労働組合を正式に結成して会社に通達するまでは、くれぐれも慎重に行動してください。


3.労働組合は憲法で保障されている「労働者の権利」を実現するための手段です。

我慢していても現状は良くはなりません。何事も要求して初めて現状を変えることができると知ってください。

反対に何も要求しなければ何も変わらないということです。それが、労働者が労働組合を作る最大の意識付けになります。


4.要求はなるべく一本化してください。

要求には、「給料を上げて欲しい」、「長時間の拘束をするのなら、その分の残業代を払って欲しい」、「上司の暴力やパワハラを止めて欲しい」、

「人をもっと増やしてほしい」、「切り取り行為をなくして欲しい」、「背負い紙をしたくない」などいろいろあるとは思いますが、まずは組合員が一致団結できる要求を掲げることです。


5.要求するためには勉強してください。

説得力のある要求をするためには関連の法律を学び、説得方法を学習する必要があります。またそのための調査や分析も重要になってくるでしょう。

その点については、初めのうちは私たちに相談されるのでも良いと思います。私たちも、できる限りの協力は惜しみませんので。

ただ、最終的には働く人たちが、その意識を持って学ぶということが何より大切だということは知っておいてください。


6.仲間を増やしてください。

組合員は専業員に加えて、アルバイト、パート従業員も参加できます。結成後は、一人でも多くの加入者を募ることを考えてください。

また、その販売店での組合員を増やすことは、もちろんですが、できれば同系列の新聞販売店同士で組合を立ち上げ、それを横のつながりにすることも大事です。

『新聞社の中には、そうした厄介な活動をする従業員の組合を潰す目的で、その販売店もろとも強制改廃に持っていくケースもあるとのことです』と言いましたが、それは一つの労働組合だから可能なのです。

そういった組合組織が幾つもあれば、例え新聞社でも、どうにもなりません。

そうなった時、初めて労働組合としての形ができ、交渉のテーブルにつけるものと考えます。

新聞配達は配達員がいなければできません。いくら経営者が弾圧しようと、従業員がそっぽを向けば新聞販売店自体の業務が立ち行かなくなります。

当たり前のことです。その当たり前のことを武器にして、適切な労働環境を確保することができるのが労働組合の存在意義であり、団体交渉の場なのです。


7.労働組合は闘いの歴史だということを認識してください。

過去、あらゆる職種の労働組合がそうであったように、労働者は常に経営者側と闘って、その権利と労働条件を勝ち取ってきたのです。

それは新聞社の社員も例外ではありません。その結果が、現在なのです。

弾圧は、あって当然というくらいに考えて、ちょうど良いでしょう。

闘ってよりよい待遇と生活を得るか、あきらめて現状に甘んじるか、二つに一つの選択しかないのです。


8.すべての記録を残してください。

闘いである以上、相手の良心に期待するという甘い考えは捨ててください。

すべてが闘いのための証拠となり、武器になるという認識が必要になります。

具体的には、経営者やそれに準じる店長などとの交渉事や接触時の問答などは、すべて書類として記録し、場合によれば「秘密録音」で、その会話の記録を残されることも考えておくべきでしょう。

K氏のケースのように解雇を宣告されて訴訟事に発展することも考えられます。その時に役に立つのが物的証拠です。

誰が何を話したのか、どんなことをしたのか、されたのかというのは、とても重要になります。

裁判と聞くと尻込みされる方がおられますが、闘いをするからには、そこまでする覚悟が必要になります。

甘い考えのもとに行動を起こせば必ず失敗します。叩き潰されます。闘いとは、そうしたものです。


現時点で、お話できることは以上です。

今後も『新聞販売店従業員による労働組合組織(ユニオン)の結成について』をシリーズ化し、新しい情報や出来事があれば加筆していくつもりにしています。

そこで読者の方にお願いがあるのですが、この件についての情報、ご意見、ご提案など何でも良いので教えて頂けたらと思います。是非、ご協力ください。



参考ページ

注1.日本新聞労働組合連合
http://www.shinbunroren.or.jp/

注2.第362回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞販売店物語……その16 ある専業の疑問と憂鬱
http://melma.com/backnumber_174785_6207506/

注3.全国新聞販売労働組合連絡協議会
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/khronika/1977/1977_24.html

注4.関東新聞販売労働組合
http://91kyk.web.fc2.com/aikawa.htm


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