メールマガジン・ゲンさんの新聞業界裏話・バックナンバー

第404回 ゲンさんの新聞業界裏話


発行日 2016. 3. 4


■元大物プロ野球選手に見る覚醒剤使用問題……新聞業界は大丈夫か?


ある読者から、


プロ野球チームG軍の看板選手だったK氏が違法薬物所持使用の疑いで逮捕されました。

氏がG軍から離れて別球団に移籍し引退してから長い年月が経過したのですが、球界に強い影響力を持つ氏の逮捕はY新聞擁するYグループも晴天の霹靂であることでしょう。

Y新聞から読者離れが進むのではないかと懸念しております。拡張員の方々も被害を被ったのではないでしょうか?

また杞憂かもしれませんが、変則勤務の新聞配達員は睡眠不足に陥りやすく、売人が「元気が出る薬」などと称して接触してくるのではないかと懸念しております。

精神的負担の多い拡張員に対しても同様です。

違法薬物についてゲンさんとハカセの見解を述べてください。


というメールが寄せられた。

K氏が誰のことなのかは多くの人が知っているから、わざわざイニシャル表示に変更する意味などなさそうなもんやが、このメルマガで話したことは、この先、ネット上には半永久的に残るさかい、投稿者の了解を得て、敢えてそうさせて貰った。

もともと当メルマガやサイトでは、悪い意味で批判の対象となる氏名の公表は公人以外ではしないというスタンスもあるさかいな。

2016年2月2日の深夜、


http://www.nikkansports.com/baseball/news/1600216.html より引用

K容疑者覚せい剤所持で逮捕


 東京都港区の自宅マンションで覚せい剤を所持していたとして、警視庁は2日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、元プロ野球選手で西武や巨人などで活躍したK容疑者(48)を現行犯逮捕した。


という報道が飛び込み、日本中を駆け巡った。

その後、現在に至るまで連日のように関連した報道が新聞やテレビ、ネット上に踊っているので知らない方の方が少ないやろうと思う。

正直言うて、このニュースには本当に驚かされた。特にK氏を子供の頃から知っているワシにとっては尚更やった。

もっとも、子供の頃から知っていると言っても具体的に顔見知りというわけではないがな。

今から40年近くということもあり、確かな日時までは覚えていないが、1977年の夏頃、K氏が当時小学校4年生やった時に初めて八尾市立山本球場で彼を見たのを覚えている。

当時、ワシは生まれ育った大阪の八尾市に住んでいて、H工業高校定時制を卒業後、大阪の大手建設会社に営業員として勤めていた。拡張員になる14、5年前のことや。

顧客の息子さんにY君という少年野球チーム「八尾フレンド」に所属していた子供がいてた。

そのY君を応援するために八尾市立山本球場に行った。相手は「岸和田リトルリーグ」で、その中にK氏がいた。ここではK君といった方がええかな。

その頃からK君の実力は飛び抜けていた。エースで4番打者でもあったから当然かも知れんが、後に、その当時、まだK君が小学4年生だったと聞かされた時には本当に驚いた。

体格も、その当時から小学生としては大きく目立っていたさかい、まさか一番年下やったとは思いもせんかった。

少年野球チームの「八尾フレンド」は大阪では名を馳せていた。後にPL学園で同級生になる桑田氏も所属していたしな。もっとも、その試合には桑田氏は出場していなかったが。

その時は凄い子もいるもんやなという程度の認識やったが、その後、甲子園での大活躍もあり、ワシはいつしかK氏のファンになっていた。

そして、プロ野球で活躍し、誰もが認めるスーパースターになった。

そのK氏が、何でこんなことになったんやというのが正直な気持ちや。

K氏は、覚醒剤の所持も使用も認めとるということやから、それについて争うことはなさそうや。

罰は、これから司法が下すことになるが、罪には素直に服するものと思われる。

社会的な制裁は、いろいろな報道で叩かれ、友人知人の多くから見放され、プロ野球界で復帰する望みも現時点では、ほぼ絶たれているさかい、すでに十分受けているものと考える。

『違法薬物についてゲンさんとハカセの見解を述べてください』ということなら違法薬物に手を出した者が悪いとしか言いようがない。そこは多くの人たちと同じ意見や。

ただ、現在、日本の社会にはさまざまな形で違法薬物が蔓延していると言われているさかい、それだけで簡単に済ませるわけにもいかんがな。

対岸の火事ではなく、身近な問題として捉える必要があると思う。

最早、違法薬物は普通のサラリーマンや主婦、若者、学生にまで幅広い層に浸透しているというさかいな。

厚生労働省の調べでは日本における違法薬物の生涯経験率は1.5%だと言われている。それから計算すると日本の全人口の180人に1人の確率で使用していることになる。

これが多いか少ないかは意見の分かれるところやとは思うが、他国、取り分け先進国の中では最も少ないという結果になっている。

違法薬物の生涯経験率だけに限れば、アメリカが41.9%、ドイツ、フランス、イタリア、イギリスといったヨーロッパの主要国で25%〜32%もあるという。

それからすれば日本が極端に少ないというのが、よく分かる。

そのせいか、それらの国々では違法薬物の所持や使用に関しては比較的寛大だという。それなりの罰を受け反省すれば社会復帰する道が用意されていると。

一口に違法薬物と言うても、いろいろあるので、その主なものを列挙する。


危険な違法薬物の種類


1.覚醒剤。

これの所持と使用で今回、K氏が逮捕されたわけや。

覚醒剤にはメタンフェタミンとアンフェタミンがあり、通称「シャブ」「スピード」「エス」「冷たいもの」「クリスタル」「赤ネタ」などと呼ばれている。

日本でもっとも乱用されている違法薬物で、やせ薬、セックスドラッグ、集中力を高める薬と偽って勧められることが多いという。

粉末以外では錠剤やカプセルがあり、吸引、注射、飲むといった形で摂取するのが一般的だとされている。

覚醒剤は、たった一度の使用でも依存性が高く中毒症状に陥ると言われている。

使用すると、その名のとおり覚醒したまま眠れなくなり、一時的に劇的な高揚感が得られるが、一方で毒性も強い。

毒性による中毒症状には、うつ、疲労感、混乱、多弁、幻覚、妄想、発作的な自殺、大量服用死、食欲不振、嘔吐、下痢などがある。

薬物を断った後も、飲酒やストレスをきっかけにフラッシュバック(突然、使用していた時と同じ精神状態になる)が起こり、深刻な後遺症に悩まされることになるという。

そして何より怖いのは、一度中毒症状になった者は例え、覚醒剤を絶ったとしても再犯の確率が約7割もあるという事実や。容易に断ち切ることができない薬物の代表である。


2.大麻

葉の部分は乾燥させると「マリファナ」「クサ」「ガンジャ」になり、大麻樹脂は「ハシシュ」「チョコ」、液体大麻は「ハシッシュオイル」などと呼ばれている。

パイプあるいは煙草に混ぜ「ジョイント」と呼ばれるペーパーで捲いての喫煙摂取が主やが、食べる、飲むというのもある。

身体的な依存性は少ないと言われて軽く見られがちやが、これに疑問を呈する専門家も多く、実際には日本を含め世界の殆どの国で非合法な薬物として規制されている。
 
記憶障害、生殖能力の低下、遺伝子への悪影響、免疫機能の低下などが起こるほか、摂取後24時間は運動能力や判断力に影響が残ると言われ、海外では摂取しての運転による交通事故も大きな社会問題になっている。

一般的には、摂取すると陽気になり、よく喋るようになると言われている。

その一方で、視覚、聴覚、味覚、触覚等の感覚に変調を来し、思考の分裂が起き、感情が不安定になるという。

興奮状態に陥って暴力や挑発的な行為を行うことがあり、幻覚や妄想等に襲われるようになるとも言われている。

乱用により「カンナビス痴呆」といわれる大麻精神病や、毎日ゴロゴロして何もやる気のない状態となる「無動機症候群」に陥る、あるいはフラッシュバックなど後遺症が出ることもある。

他の違法薬物への入り口となるケースが目立つ。


3.LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)

合成麻薬の一種で、強い幻覚作用があり、急性精神毒性は非常に高い。

「アシッド」「マイクロドット」の名で呼ばれることもあり、ミシン目を入れた切り取り式の紙に吸い取らせたものから、錠剤、カプセル、ゼラチンなど形態は様々である。

経口又は飲み物とともに飲むことで摂取する。

乱用すると、幻視、幻聴、時間の感覚の欠如などの強烈な幻覚作用が現れ、長期にわたって神経障害を来すという。

特に幻視作用が強く、ほんの僅かな量で物の形が変形、巨大化して見えたり、色とりどりの光が見えたりする状態が10時間前後続くと言われている。


4.MDMA、MDA

本来は白色粉末やが、様々な着色が施され、文字や絵柄の刻印が入った俗に「エクスタシー」と呼ばれる錠剤として出回っている。

MDAも白色粉末で、俗に「ラブドラッグ」と呼ばれている。

MDMAとMDAの薬理作用は類似していて、視覚、聴覚が変化し、不安や不眠などに悩まされ、使用を続けると錯乱状態に陥り、腎・肝臓機能障害や記憶障害などの症状が現れるという。

1990年代、イギリスで急性中毒死亡者が相次いでいる。


5.あへん

あへんは、けしから採取した液汁を自然に凝固させたもので、黒褐色で特殊な臭気(アンモニア臭)と苦味があるという。

あへんは、調整したあへん煙膏として特殊なキセルに塗って炎にかざし、出てきた煙を吸引する方法や、経口による方法で摂取する。

あへんには神経を抑制する作用があり、乱用すると強い陶酔感を覚え、精神的、身体的依存性が生じやすく、常用するようになると慢性中毒症状を起こし、脱力感、倦怠感を感じるようになり、やがては精神錯乱を伴う衰弱状態に至ると言われている。


6.ヘロイン

鼻からの吸引、注射、あぶりなどで摂取するところから、覚醒剤と混同されやすいが、少し違う。

けしを原料とした薬物で、けしからあへんを採取し、あへんから抽出したモルヒネを精製して作られる。

ヘロインは、モルヒネから合成された薬物で麻酔性、依存性が極めて高い。多幸感をもたらす一方、倦怠感、悪心、嘔吐などが起こる。

離脱症状は、筋肉や関節に激痛が走り、悪寒や下痢に見舞われるなど激しいもので、短期間の使用でも現われる。

日本では1960年代に乱用が増加した典型的な薬物や。

ヘロインには神経を抑制する作用があり、乱用すると強い陶酔感を覚えることから、その快感が忘れられず、乱用を繰り返すようになり、精神的、身体的な依存が強い。

酷い状態になると、2、3時間ごとに摂取しなければ体中の筋肉に激痛が走り、悪寒、嘔吐、失神などの激しい禁断症状に苦しむことになり、あまりの苦しさから精神に異常を来すこともある。

また、大量に摂取すると、呼吸困難、昏睡、死に至るとも言われている。

ヘロインは医学的な使用も一切禁止されている危険な薬物である。


7.コカイン

粉末コカインは、南米産のコカの木の葉を原料とした薬物で、無色の結晶又は白色の結晶性粉末で、無臭で苦みがある。

鼻粘膜からの吸引のほか、経口による摂取が多い。

コカインには、覚醒剤と同様に神経を興奮させる作用があるため、気分が高揚し、眠気や疲労感がなくなり、体が軽く感じられ、腕力、知力がついたという錯覚が起こる。

しかし、覚醒剤に比べて、その効果の持続時間が30分程度と短いため、依存症になりやすく、一日に何度も乱用する者が大半を占めるという。

乱用を続けると、「コーク・バグ」と呼ばれる幻覚により、虫が皮膚内を動き回っているような不快な感覚に襲われて、実在しないその虫を殺そうと自らの皮膚を針で刺すといった事例が数多く報告されている。

コカインを大量に摂取すると、呼吸困難により死亡することがある。


8.向精神薬

向精神薬(トリアゾラム)は、中枢神経系に作用して、精神機能に影響を及ぼす物質で、その薬理作用によって鎮静剤系と興奮剤系に大別される。

向精神薬の殆どは医薬品として流通しているが、医師の指示以外の服用は禁じられている。

乱用すると、感情が不安定になったり、判断力が鈍くなったり、あるいは歩行失調になるなどといった心身への障害が生じるという。


9.マジックマッシュルーム

マジックマッシュルームは、麻薬成分であるサイロシン、サイロシビンを含有するキノコ類の俗称で、これを摂取すると幻覚作用が現れると言われている。

マジックマッシュルームは平成14年6月、「麻薬及び向精神薬取締法」の麻薬原料植物として指定された比較的新しい違法薬物で、その栽培、輸入、譲渡、譲受、所持、使用等が禁止されている。

マジックマッシュルームを食べて幻覚が現れ、攻撃的な行動や自殺を試みる事例が多いという。


10.ケタミン

ケタミン自体は、昭和45年から市販されている医薬品で、現在では動物用医薬品としても用いられている。

ただ、平成19年1月「麻薬及び向精神薬取締法」の麻薬として指定され、輸入、輸出、譲渡、譲受、所持、施用などが規制されている。

薬理作用として、麻酔・鎮痛作用を有し、幻覚作用もあり、血圧降下、頻脈、脳脊髄液圧上昇、脳血流量増加、呼吸抑制等の作用がある。


11.危険ドラッグ

近年、店舗やインターネット上で、「脱法ハーブ」「お香」「アロマ」などと称する商品が販売されおり、こうした商品を使用した人が、意識障害、嘔吐、痙攣、呼吸困難などを引き起こして、死亡したり、重体に陥ったりする事件が多発している。

これらの商品は、法律で規制されないよう覚醒剤、麻薬、大麻など規制薬物の化学構造に似せて作られており、規制薬物と同等の作用を有する成分を含む商品が多い。

ただ合法と称して販売している商品の中には麻薬などの規制薬物が含まれている例も多く、実際には摘発事例が頻繁に発生している。

殆どの危険ドラッグと呼ばれている薬物は「医薬品医療機器法」により、指定薬物として、医療用に供する場合を除いて、その製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されている。

危険ドラッグは、中枢神経系の興奮や抑制、または幻覚作用を有する蓋然性の高い物が多い。


こんなところやな。

共通して言えることは、それらすべての違法薬物には依存性が高く、一度でも手を出せば精神的にも肉体的にも崩壊して破滅するという点や。

K氏のように社会的地位、名声、過去の栄光のある人物の場合は、そのすべてを失うことになる。

一般の人でも、犯罪者として失職は当然のこと、家族や友人、知人を失うことにもなりかねん。そして、その名前はネット上に半永久的に残るさかい消すに消せんようになる。最悪な薬物やと言うてもええ。

今回、投稿された読者の言われる『Y新聞から読者離れが進むのではないかと懸念しております』ということについては、今のところ、そういった話は聞かん。

あくまでも批判の対象はK氏だけに限定されている。

『変則勤務の新聞配達員は睡眠不足に陥りやすく、売人が「元気が出る薬」などと称して接触してくるのではないかと懸念しております』、『精神的負担の多い拡張員に対しても同様です』という点については、あるともないとも言えないというのが正直な気持ちや。

ただ、確率、可能性ということで言えば、新聞業界関係者が違法薬物の売人に狙われるケースは限りなく低いと思うがな。

理由は簡単明瞭。新聞業界関係者、取り分け新聞販売店勤務の従業員、および新聞拡張員と呼ばれる人たちは、総体的に収入が低いからや。

当然やが、覚醒剤の売人は警察に捕まるというリスクが伴うため売る相手は利益率が高く、かつ密告される可能性の少ない比較的安全と思われる人間を狙う。

K氏のように社会的地位と名声があれば、高く売れるし、売人を警察に密告するケースも少ないから絶好の取引相手ということになる。

それに引き替え、新聞業界関係者は総体的に低収入やさかい、売人もターゲットとして考えるケースは少なく、新聞業界関係者自身も高い金を払ってまで『睡眠不足』を解消するために危険を犯してまで覚醒剤を買おうとはせんはずや。

眠気醒ましが目的なら、目薬、ペパーミントガム、メンソレータム、冷たい炭酸飲料、カフェインの多いエナジードリンク、ブラックの缶コーヒーなどいった手軽で安価な物が身近に数多くあるため、多くの新聞配達員は、それらを使い利用する。

『変則勤務の新聞配達員は睡眠不足に陥りやすい』とは言っても、配達員の多くは仕事中に居眠りするケースは一般の人が考えておられるより少ない。

多くの場合、眠気は静止している時に起きやすく、動いている時にはなりにくい。新聞配達は仕事中、静止することなど殆どないさかい、眠気が襲うことなど、まずないと言うてもええ。

特に、マンションやアパートの階段などの上り下りをすることで血液の循環が良くなり眠気など飛んでしまうさかいな。

つまり、新聞配達員の多くは、例え睡眠不足であったとしても仕事中に眠気が襲ってくる心配をしなくても良いということや。

睡眠不足による体調の異変は病気という形で表れる。病気や体調不良になれば病院に行くか、市販の薬を買って飲むのが普通で、覚醒剤に手を出そうと考える者は極端に少ないやろうと思う。

もちろん、せやからと言うて覚醒剤に手を出す業界関係者が皆無とは言わんがな。世の中には、いろんな人間がおるさかい、中には覚醒剤を使うような人間がいたとしても不思議ではないしな。

覚醒剤の一般的な末端取引価格は、万パケと呼ばれる一袋0.1グラムで1万円やと言われている。

K氏が所持していたのが、これや。ちなみに、0.1グラムで約3回分の使用量になるという。K氏は、これを4万円で売りつけられていたと報道にあった。

この報道を見ても分かるように、売人の多くはK氏のような人間を狙うわけや。

ただ、約3回分の使用量で1万円なら使うてもええてなことを考えるアホな業界関係者が現れんとも限らん。入り口としては手頃な値段だからだと。

もっとも、覚醒剤は一度でも手を出せば依存性の高い薬やから、自身の意志程度では止めることなど絶対にできんと言うがな。そこから泥沼に嵌り込む。

止めるには身体を拘束されて専用の施設、病院などで長期間の治療が必要になる。K氏も、おそらく、そうするものと思われる。

しかし、社会復帰ができるかとなると、日本の社会は、まだまだそこまで寛大ではない。

自業自得と言うてしまえば、それまでやけど、覚醒剤に手を出していたという事実は有名人であればあるほど生涯消えることはない。

一生ついて回る。それで世間から白い目で見られる。

その点、欧米などでは違法薬物の生涯経験率が日本の20倍〜30倍以上もあり、人口比率が高いためか、違法薬物に手を出した人たちにも社会復帰する道が用意されている。

更正プログラムと呼ばれているものが、そうや。刑罰として社会奉仕があり、心を入れ替えた人には更正のチャンスを与えるべきやという風潮が社会全体にも根強い。

現在の新聞業界関係者には、昔ほど過去に何らかしらの犯罪歴を持っている人間は極端に少なくなったが、以前は犯罪を犯した者が社会復帰することのできる代表的な職場でもあった。

それが今は真逆になっている。過去に犯罪歴があるとか暴力団と関わっていると発覚すれば簡単に解雇されるさかいな。

もっとも、それは日本の企業全体に言えることではあるがな。一度覚醒剤に手を染めた者の社会復帰は難しいというのが定説や。

加えて薬物依存症からの脱却の困難さから、再犯率が高いということも社会復帰できん大きな要因になっている。

もちろん、違法薬物に手を出した者次第ということもあるが、社会全体で更正させるシステムを欧米並に日本も作るべきやと思う。

それが結果として、日本から違法薬物を駆逐することにつながると信じる。

ただ、現実にはK氏の保釈にする身元引受人すらいないという厳しい状況があった。多くの人から見捨てられた格好になっていた。

しかし、世の中は捨てたもんやなかった。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160229-00000000-sph-soci より引用

清原容疑者に救いの手「球界復帰の力になりたい」日本航空学園・梅沢理事長


 高校野球の甲子園に春夏計6回出場した日本航空高(山梨県甲斐市)や夏1回出場の日本航空石川高(石川県輪島市)を運営する学校法人「日本航空学園」の梅沢重雄理事長(63)が、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された元プロ野球選手でタレントのK容疑者(48)の社会復帰を全面支援する意向を示した。

 梅沢理事長はこのほど都内で取材に応じ、K容疑者が司法による制裁を受けた後という条件付きながら「社会復帰、野球界復帰の力になりたい」と述べた。野球界からの具体的な支援表明は初めて。


昔から、「捨てる神あれば拾う神あり」とは、よく言われることやが、まさにこれが、その典型やと思う。

ただ、それもこれもすべてK氏の今後の振る舞い如何によるがな。

心底反省し、社会のために尽くす気概を持って精進するのなら、こうした人が増え、道も切り拓かれるやろうが、一度でも裏切れば、そこで終わる。

K氏を子供の頃から知っているワシにとっては前者であって欲しいと思うが、こればかりは本人に任せるしかない。

これから数年後、K氏が立派に立ち直って多くの人から認められた時、このメルマガで「よくやった。頑張った」と言える日が来ることを期待して終わらせて頂く。


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