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第449回 ゲンさんの新聞業界裏話

発行日 2017. 1.13


■新聞販売店の副業 その3 各種自販機機の設置について


「最早、新聞配達しているだけではメシが食えなくなった」と言われる販売店経営者の方々から寄せられる投稿が日増しに多くなっている。

そういった方々のため『新聞販売店の副業』シリーズを始めたわけや。

今回は、その第3弾として『各種自販機機の設置について』話してみたいと思う。

例によってメリット、デメリットの両方を示すさかい、採否については、それぞれで判断して貰いたい。

それでは始めさせて頂く。


新聞販売店が地の利を活かした畑違いの副業


1.自動販売機の設置。

現在、日本に自動販売機は約500万台ほど設置され稼働しているという。世界最大の自販機大国である。訪日した外国人が最も驚くのが、この自販機の多さやと言うさかいな。

一般的に新聞販売店内、および敷地内に自販機を置くスペースくらいはあるものと思う。もちろん、自販機の種類や数量にもよるがな。

実際、新聞販売店舗内や敷地内には新聞専用の自販機を設置しているケースも多く、缶コーヒーや缶ジュースなどの飲料自販機を設置している新聞販売店も珍しくはない。

今回の『自動販売機の設置』というのは、その規模と種類を拡げ、副業として、そこそこの収益を上げるための提案や。

自販機には、上記に挙げた新聞自販機や飲料自販機の他にも、食品自販機、非飲食自販機、証明用写真自販機、雑誌自販機、性具(コンドーム)自販機、カプセルトイ(ガチャガチャ)自販機など実に様々なものがある。

変わったところでは、お守り自販機、ステッカー自販機、乾電池自販機、電気機器自販機、文房具自販機、粉ミルクや紙おむつ自販機、下着自販機、印章自販機、名刺自販機、合鍵作成自販機まであるという。

飲料自販機にしても、缶やビン、ペットボトル、紙パック容器入りのものとい
ろいろある。もちろんメーカーや種類も無数にある。

食品自販機に至っては、チューインガム、チョコレート、せんべい、スナック菓子などの菓子類、鶏卵、米、パン、納豆、アイスクリーム、野菜、果物など、その種類は多岐に渡るし、豊富に存在する。

中には、おでん、カップめん、ハンバーガー、カレーライス、味噌汁、唐揚げ弁当など調理済みのものや、お湯が注がれ、その場で食べることのできる自販機まである。

また、そのまま持ち帰って電子レンジ、およびトースターを使って暖めたり調理したりすることができる冷凍食品やホットドッグ、おにぎり、寿司、たこ焼き、焼きそば、唐揚、フライドポテト、ピザ、トーストもあるという。

非飲食物系では、煙草やライター、雑誌、文庫本、切手、ハガキ、乾電池、花などがある。

現在、コンビニで売られている商品の大半が自販機でも売られている。それらの自販機を称して別名、コンビニ自販機とも呼ばれている。

そのため、無人の店舗にコンビニ自販機を相当数置いて、コンビニさながらの営業をしているケースもあるくらいやさかいな。

問題は自販機を設置して儲かるのか、どうかという点やが、こればかりは設置場所次第で大きく違うさかい何とも言えん。

自販機の設置には、自販機業者に設置や商品の仕入れ、管理などの一切を任せる方法と、自前で自販機を購入(またはリース)し、設置する方法の2種類がある。

前者は、手間も初期費用もかからないので、手軽に始められる。利益率は売り上げに応じて2割程度のマージンが得られると言われている。

対して後者の自販機を購入する場合は、自己負担があり、商品の仕入れや管理などは自分でせなあかんが、仕入れたい商品を自由に選択でき、売れた時の利益率は当然のことながら大きい。

扱う商品にもよるが、概ね5割から7割の利益があると言われている。副業として利益率を上げたいのなら、この自販機を購入(またはリース)する方がええやろうと思う。

自販機本体の価格は新品や中古、型の新旧、販売種目などで違ってくるが、数十万円〜100万円台と幅広い。リースの場合は業者にもよるが、分割払いになるだけで全体としてのコストは、それほど大差ないようや。

自販機ビジネスを副業として成功させるには、マーケティングをしっかりして、どのような商品が売れるのかをリサーチすることが肝心になる。

その上で、どの程度の規模にするかを考える。つまり、別に店舗を構えるか、どうかということやな。むろん、そのためのスペースが確保できるという前提があってのことやが。

自販機ビジネスでは初期投資は、それなりに必要やが、人件費はあまり、かからない。かけなくてもできる。

従業員を、そのために雇ったり、振り分けたりする必要もない。それこそ、家内事業的な姿勢でも十分できる。もっと言えば、経営者一人でも、やろうと思えば可能や。

その点で言えば、チェーン店などに加盟してコンビニ店を開店するより有利か
も知れんな。

ただ、自販機には、自販機窃盗という危険が伴う。自販機窃盗は、加害者から被害者の顔が見えないため、心理的な障壁が低いという。

そのためか、犯罪に手を染める入り口として「万引き」と同等視されている。

自販機窃盗は機械に誤認させる知能的な窃盗と機械を破壊する暴力的な窃盗に分かれる。

しかし、この問題も新聞販売店内の敷地であれば狙われる可能性は限りなく少なくなる。

なぜなら、新聞販売店には多くの従業員が常に出入りしているというのは常識やさかいな。狙う方としては狙い辛い。

しかも、多くの自販機窃盗が深夜に行われているケースが多いというが、新聞販売店は、まさにその深夜に動き始める業種でもあるしな。

加えて、無人の自販機売り場は、若者の溜まり場になり治安が悪くなる傾向にあるが、その心配も少なくて済みそうや。

希望的観測ではあるが、新聞販売店内の敷地にコンビニ自販機を数多く設置した店舗を構えれば、顧客も比較的安心して買い物ができるのやないかな。

もちろん、メリットだけやなくデメリットもある。

一般的に自販機は消費電力が大きく、電気代が高額になる。一説には、汎用型の飲料用自販機1台で月7千円ほどの電気代がかかると言われている。

まあ、これに関しては太陽光発電を利用するという手もあるが、それにしても初期投資が必要になる。

商品によっては自販機に制限が設けられている場合がある。日本では煙草、アルコール飲料類の自販機での販売に関して、未成年者への販売を禁じているため、時間や設置場所には制限が設けられている。

また煙草やアルコール飲料の販売は国税庁の認可や免許が必要になる。行政指導により午後11時から翌朝午前5時まで自販機での販売は原則禁止されてもいる。

成人識別自販機であれば、その限りではないが、専用の機種を用意するとなると、それなりに高価やさかい費用がかさむ。

食品自販機の場合も扱う食品次第では所轄の保健所の営業許可が必要な場合がある。こうなると食堂や食料品店の開店と大差ない。

それらを総合的に判断した上で、それぞれの新聞販売店で副業としてやれるか、どうかを検討されることや。

個人的には一考の余地はあると思うがな。


2.コインランドリー経営。

これにも、自販機と同じように業者による設置と自前で機械を買い揃えて始める(あるいはリース)という2通りの方法がある。もちろん、自前で機械を揃えた方が利益率が高いのは自販機と同じや。

そして、その利益率は一般的に自販機設置より、はるかに高いと言われている。

ただ、一般的な自販機設置と違って、コインランドリー経営には、それ相当の土地と建物が必要になる。場所によれば駐車場がなければ客を呼びにくいさかい、その分のスペースを確保する必要もある。

その上で、自販機と同等か、それ以上高価な機械の設置が必要になる。

要するに、コインランドリー経営を副業して始めるには、ある程度の場所と資金がなかったらあかんということやな。

ここで、コインランドリー経営により、そこそこの利益を上げているというA氏のケースを紹介する。


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170110-00122822-hbolz-bus_all  
より引用

静かなブーム「コインランドリー投資」って何だ?

店内は清潔が第一。待ち時間を潰すための雑誌も定期的に入れ替えている 

◆成功するか否かは出店場所で9割決まる!

家賃収入:約80万円

保有物件:コインランドリー計1店舗(神奈川に1店舗)

 都心で新築物件を土地から購入して賃貸にする手法で投資を進めてきた、IT企業勤務のあにまる氏。2014年から、新たに取り組んでいるのがコインランドリー投資だ。

「もともと大型コインランドリーは地方で多く出店されていましたが、都心の投資先としては旨みがないと言われていました。地価が高いぶん、地方の1.5倍の料金をとることもできません。

しかしいざ始めてみて2年。月50万円を目標にしていたのですが、雨の多い月には80万円以上の売り上げを記録するまでになりました」

 コインランドリーについて学びながら、自分なりに出店場所の条件を決めていったあにまる氏。神奈川県某所で、ようやく理想の物件に巡り合った。

「まず、コインランドリーは駅から離れていても問題ありません。その代わり、生活道路に面していて視認性が高く、付近にスーパーやドラッグストアといった集客施設があることが重要。

メインターゲットは主婦なので、コインランドリーに寄って、洗濯をしているうちに買い物を済ませて戻ってくるという流れを作りたいわけです。

また、駐車場を設けることが難しい都心において欠かせないポイントは、“心理的に車を停車させやすい場所”であること。停車していい道だということは大前提ですが、例えば路肩が狭く細いわりに交通量の多い道では、その流れを妨げてしまうことが気になって車を停めにくいですから」

 コインランドリー投資で最も頭を悩ませるのがこの場所選びで、成否の大部分がここにかかっているという。初期投資は洗濯機3台と乾燥機4台、施工費を含めて1600万円。全額を日本政策金融金庫からの借入で賄った。

「集客のメインはインターネット。グーグルをはじめとしたポータルサイトやフェイスブックを活用しました。その他にチラシですね。最初の1年はそれなりに広告費をかけましたが、かけたぶんだけお客さんが増えていく手応えがありました。

2年目からは広告を出すのは半年に1回程度に抑えたのですが、それでもお客さんは増える。これがコインランドリー投資の面白いところなんですよ」

 常に空き室の不安と格闘する不動産投資と違って、コインランドリーは利用者を積み上げていくストックビジネスなのだという。

「コインランドリーの利用者はリピーターが非常に多く、一度訪れた人の半分ぐらいは定期的に通ってくれるようになるんです。

一方で、手間のかかる作業は清掃と集金だけで、これはすべてパートさんにお任せしています。僕が現場に行くことは1か月に1回あるかないかという程度ですから、サラリーマンの副業にはぴったりだと思いますよ」

 不動産投資で実績を重ねているあにまる氏から見ても、今始めるならコインランドリーがオススメだそう。

「比較的、投資家のライバルも少ないし、コインランドリーの利用者はまだ全世帯の4%程度と言われています。僕が始めた頃には2%だったので、およそ2年で倍。まだまだ潜在的な顧客がいると考えていいでしょう」

・立地選びは主婦の生活目線で

・集客はネット、チラシで効果的に

・需要は2年で2倍。今後も見込みあり


というものや。

これは典型的な成功例やと思うさかい鵜呑みにするのは危険かも知れんが、かなり魅力的ではある。

新聞販売店は殆どの場合、市街地のほぼ中心にあるさかい、その点で言えば、A氏の言われる条件をクリアしている可能性が高いものと考えられる。

ワシが、これを新聞販売店の副業の候補として挙げている理由や。

もちろん、良い話ばかりやなくデメリットもある。

上記でも言うたが、まず初期投資に莫大な金がかかるというのが、その最たるものやと思う。

もっとも、A氏のように『全額を日本政策金融金庫からの借入』という手もあるし、低金利での銀行融資という方法もあるがな。

絶対に儲かる、利益が上がるとまでは断言できんが、コインランドリー経営で損をしたという話が少ないのは事実や。

そのあたりを、どう捉えるかやな。

コインランドリーには、様々なトラブルが、ついて回る。

最も多いのは、両替機が動かない、ポイントカードが作動しない、お金を入れたのに洗濯機や乾燥機が動かない、といった類のものや。

また、希に洗濯物、特にポケットなどにキーホルダーや刃物、釘などといった金属が入ったままになっているケースがあり、それをそのままの状態で洗濯機や乾燥機を使った場合、機械の故障や損傷を招くことがある。

それだけやなく、その洗濯機、乾燥機を使った人の衣類に深刻なダメージを与えることもある。

通常、防犯カメラが常に作動しているとは言うものの誰の仕業か、不注意によるものなのかについては、なかなか特定し辛いという。

そうなると、客はコインランドリーを設置しているオーナーに苦情を言い立てる。弁償しろと。

また、洗濯機や乾燥機の使用時間が過ぎても、なかなか洗濯物を取り出さない客もいて、次の人が使えないとか、業を煮やした次の客が、前の客の洗濯物を外に出したことにより、客同士で揉めるケースもある。

そうしたトラブルがコインランドリーには結構多い。そのため、こうしたトラブルに対応するための人員を常にスタンバイさせておく必要がある。

その点で言うても、新聞販売店の敷地内に設置している場合は近くに誰かしらいる可能性が高いさかい対処しやすいということがある。

もっとも、営業時間中ならともかく、終業後、就寝中の従業員が、それで起こされることになれば、それはそれで別の問題が生じるがな。

ただ、そのことも新聞販売店の副業としてする場合は考慮しとかなあかんと思う。

日々の掃除も欠かすことができん。コインランドリーは綺麗にしていないと客が敬遠するさかいな。そのための人員を確保する必要がある。

結論として、コインランドリー経営は儲かる可能性は高いが、管理が必要不可欠やということやな。


3.コイン洗車場経営。

これは『2.コインランドリー経営』と似たようなもので無人機でできるが、より広い敷地が必要になるという難点がある。

『2.コインランドリー経営』と同じで機械のレンタルと買い取り(リースを含む)があり、初期投資金も大差ない。

ただ、現在、ガソリンスタンドの多くに設置されているような門型洗車機などを導入すれば1台数百万円程度が必要になるがな。

コイン洗車場は幹線道路の近くであれば看板等の案内のみで、あまり宣伝費を必要としなくても客を呼び込める。

そのため、比較的資金力があり土地がある新聞販売店経営者向きの副業やと思う。

ただ、数年前までは至る所に無人のコイン洗車場があったが、最近では、めっきり少なくなった感がある。

その反対に有人のコイン洗車場は繁盛していると聞く。

無人のコイン洗車場が廃(すた)れた原因は、はっきりしているという。

○水を自由に使えるタイプの洗車場で、洗浄機を使わず、その水だけで洗車する輩が多い。

○無人の場合は掃除や監視が行き届かないためか、やたらゴミを捨てに来る人間がいて、洗車場がゴミ捨て場のように汚らしくなり一般客が敬遠してしまう。

○洗車場でタイヤ交換やパーツ交換する輩が多い。当然のように、その際に出た不要品を捨てる不心得者もいる。

ちなみに、そういったゴミが溜まってしまうと、撤去、処理するためバカにならないくらいの高額な費用がかかる。

○混んでいる時になのに、そのまま居座って拭き取り場所へ移動しない奴がいる。

○数人で長時間居座って占拠する連中もいる。

○高圧ジェット式の機材は故障しやすく、修理費用が高額なためオーナーがいやになって廃業するケースが多い。

といった感じで、最後の故障以外は、人が常駐していれば未然に防げる問題やと思う。

その点、新聞販売店の敷地内、もしくは隣地あたりに設置していれば、常に人の出入りがあるさかい、かなりの高確率で、そういった不心得者を排除できるものと思う。

ワシが、現在、下火になりつつあるコイン洗車場を副業として推す理由が、そこにある。


4.複合型経営。

これは上記の『自動販売機』、『コインランドリー』、『コイン洗車場』を複合的に組み合わせてやるというものや。

それぞれの新聞販売店の実情に合わせて小規模なものから大規模なものまで自由に組み合わせることができる。

無人機自販機設置の最大のネックは見回る人員が少ないという点やが、幸いなことに新聞販売店には比較的多くの従業員がいる。

その中から、担当者を決めるなり、経営者自身が率先してやるなりすればええ。

担当者が例え一人やつたとしても、外部からは、そうは見えない。その新聞販売店が経営しているとなれば全員が、それに当たっているものと普通は考えるしな。

人がいるというだけで、ある程度の監視体勢がすでに出来上がっているわけや。

さらに、新聞販売店で、これらの無人自販機を設置する利点には、別のメリットもある。

それは、新聞販売店の従業員そのものが顧客になるという点や。

店舗で仕事をしている時には飲料自販機で飲み物の一つも買うやろうし、コンビニ自販機で欲しい物を買って食べるかも知れない。

従業員だけやなく出入りの拡張員たちも同じように自販機を利用する可能性が高い。

独身者や家族持ちの従業員たちは、店にコインランドリーがあれば利用したくなるやろうと思う。

車を持っている従業員も店舗にコイン洗車機があれば便利やわな。

つまり、従業員や出入りの拡張員たちの人数が多ければ多いほど、それらの無人機が使われる可能性が高いということや。
 
もちろん、この複合型についても、それぞれの項で言うたようなデメリットがついて回るがな。


以上が、ワシらの勧める無人機を利用した副業や。

この他にも無人の自動レンタルビデオ機というのもあると聞くが、宅配やネットレンタルが普及する以前ならともかく、今では機械そのものの製造が激減しとるとのことやから、ここでの紹介は控えさせて貰った。

また、ここで話した以外にもまだ他にも無人自販機の類があるかも知れんさかい、そうした情報をお持ちの方が、おられれば教えて頂きたいと思う。


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