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第68回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2009.9.25
■新聞の勧誘ユーモア&ジョーク集 Part 1
世の中、悪いように考えれば何でも悪く受け取ってしまい悪い方向に流れやすくなるし、ええように捉えれば何でも良く見え、好転するようになる。
ネガティブなマイナス思考では何をやっても上手くいくことは少ない。
常にプラス思考になるように気持ちを持っていく癖を身につけることが肝心や。
ワシは事ある毎にいろんな場面で、そう説いている。
しかし、口で言うのは簡単やが、物事はそんなに甘くはないと、その癖のない人はどうしてもそう考えてしまう。
「よっしゃ、今日からプラス思考でいくで」と考えるだけで良くなるのなら何も苦労はせんと。
もし、そうなら具体的にどうしたらええのかとなる。
ワシの経験から言えることは、自身の気持ちをなるべく楽しい状態に保つ事や。
これに尽きると思う。
楽しくなれば、自然にネガティブな思考は消えていく。
すると、不思議な事が起きる。
多くの場合、その人間と接触する相手も楽しい気持ち、雰囲気になるんや。
それが新聞の勧誘相手やと、かなりの高確率で成約になる場合が多い。
「そんなに上手くはいかへんやろ」と思うかも知れんが、これが結構、真理を突いとることやと確信しとる。
「こうすれば絶対に契約が取れるという便利な方法はない」というのが、ワシの営業においての持論の一つでもあるけど、唯一、その可能性を高めるものがあるとすれば、それは客を楽しませ、気分を良くさせることやと思うとる。
営業する場合、商品売り込むより先に、その売り込む相手を笑わせて楽しませることや。
もちろん、それには勧誘する者自身が笑顔を絶やさんという前提が必要になるがな。
それが営業にとって最上の結果を生む事につながる最善の方法や。
そう信じとる。
その具体的な方法に、その勧誘時、あるいは雑談時にジョークを交えて客と話をするというのがある。
「面白いことを言う人間やな」と客に感じさせることができれば、その確率は確実に上がるし、「この人の話ならもう少し聞きたいな」とまで思わせられたら、まず成約できると言うてもええ。
今回は、その役に立ちそうなユーモアやジョークを少しばかり披露しようと思う。
もっとも、その役に立つかどうか、それが面白いかどうかは、それぞれで判断して貰わなしゃあないがな。
面白くないと言われれば、「ごめんなさい」と謝るしかない。
まあ、ワシとすれば気楽な感じで見て貰えれば、それでええがな。所詮、ただのユーモアでありジョークなんやさかい。
最近、小難しい話や暗い話題が多いと言われる読者の方もおられるので、たまには息抜きに笑えるようなものがあってもええと思うしな。
まずは、読者の方に楽しんで貰いたい。その後の話はそれからや。
それでは始める。
【面白い話】
先輩の拡張員と後輩の拡張員の会話。
「最近、面白い話を聞いたんやけど、お前にその話をしたかな」
「さあ、それって本当に面白い話なんですか」
「ああ、オレが言うんやから間違いなく面白いで」
「それでしたら、まだですね」
【広いバンク】
販売店の経営者同士の会話。
「オレのところのバンク(販売店の営業範囲のこと)は広すぎて困る。何しろバイク(単車)で1日中走り回っても見回れへんのやさかいな」と、自慢する販売店の経営者。
それを聞いた、もう片方の販売店の店主が一言。
「そうか、オレも昔は、それくらい遅くて調子の悪いバイクでバンクを走ってたもんや」
【信じられない話】
ある女子大生同士の会話。
「私ね、この1ヶ月で、5人もの男にノーと言ったのよ。信じられる?」
「もちろん、信じるわよ。あなたのところ、新聞の勧誘員さんが多いらしいから」
【独自の営業法】
ある拡張員同士の会話。
「オレは独自の営業法を編み出して、それで拡張しとるんや」
「そうか、それはなかなかええ心がけや。自分の失敗を他人のせいにしたらあかんさかいな」
【警察に言う】
しつこい勧誘に嫌気が差した主婦の一言。
「いい加減にしてよ。あんまりしつこいと警察に言うわよ」
「それはいいですけど、警察へは別の人間が勧誘に行ってますから、私では対応できませんが」
【一般論には具体論で】
一般論で文句を言う人間。
「新聞の勧誘員には迷惑な人間が多くて困っています。厳しく取り締まって二度とそんなことのないようにしてください」
それに対する新聞社の苦情係の返答。
「分かりました。そうしましょう。ところで、その迷惑な人間というのがどこの誰なのかを教えて頂けませんか。厳しく取締りますので」
【どっちの仕事の知り合い?】
二人の拡張員が、あるスナックにやって来た。
すると、カウンター席に座っていた派手な格好をした美人が、その内の一人を見て軽く会釈をした。
「おい、お前、あんな美人と知り合いなんか?」
「ああ、お客さんや」
「お前の? それともあっちの?」
【外は寒い】
冬の寒い日。ある駅の待合室でのこと。
一人の拡張員が入ってきて、入り口の扉を半開きにしたまま席に座った。
それを見ていた別の拡張員が一言。
「おい、扉はきちんと閉めろ。外は寒いんやから」
それを聞いた、その拡張員は憮然としながら、その扉を閉めて言い返した。
「これでええか。せやけどな、いくら扉をちゃんと閉めても外が寒いのは一緒やで」
【カードの意味】
ポーカーにおいて、手持ちのカードを隠すのは手ではない。顔である。
勧誘において、手持ちのカードを隠すのは手である。
【信じるは運のみ】
拡張員同士の会話。
「すると、あんたは運を信じとるというわけか?」
「当たり前やないか。せやなかったら、お前にカードが上がって、オレに上がらんことの説明がつかへんさかいな」
【決定権者を見抜け】
拡張員は、その夫婦のいずれに決定権があるか見抜いて勧誘する必要がある。
その見分け方。
「奥さん頼みますよ」と迫る、やり手の拡張員。
「でも、主人が嫌と言うと思うし……、申し訳ありませんけど、主人には逆らえませんからお断りします」
「それでしたら大丈夫ですよ。奥さんが、お留守のときにお宅に伺った折、ご主人は奥さんさえ良ければ別に構わないと仰ってましたので」
「何ですって!! うちの主人がそんなバカなことを言ってたの?」
【模範的な拡張員】
喝勧はしない。ヒッカケもしない。てんぷら(架空契約)も揚げない。置き勧もしない。騙しもウソもつかない。
そんな模範的な拡張員になれたらいいなと思う。
【仰せのとおりに】
ある拡張員が一人でいたとき、敵対する拡張団の拡張員数名に取り囲まれ脅された。
「ここらはワシらの縄張りや。お前ところのようなカス団の来るところやない。あっちへ行っとれ」
「ちょうど良かった。今そうしようと思ってましたんで。何せ、この辺りは新型インフルエンザに罹ったお客さんばかりでしたから」
「……」
ここで咳の一つでもすれば、その包囲はすぐ解かれる。
【自慢する秘訣】
駆け出しの拡張員が、ベテラン拡張員の言動を不審に思い、その理由を聞いた。
「前から気になっていたんですが、先輩は人に自慢されるとき、その人により、1日に10本上げたことがあるとか20本上げたことがあるというように、その都度、その数字を変えられていますが、それはどうしてですか?」
「そんなの決まっとるやないか。オレは、その人間が信じる数字しか言わんようにしとるさかいな」
【教育問題】
「ゲンさん、うちの家内、息子の勉強自慢ばかりして困っとるんやけど、どうしたらええやろうか」と、学歴のないその家の主がボヤく。
「簡単なことですよ。無理してでも有名大学を受験させてあげることです。そこに合格すれば解決する問題だと思いますよ」
「そんなことをすれば、家内の息子自慢が益々手に負えんようになるだけと違うやろうか」
「大丈夫ですよ。上には上がいると知れば奥さんもあまり自慢しなくなるはずですから」
「そうか、所詮はオレの子やからな……、て何やねん、それ!!」
【夫婦の危機を救う者】
夫婦は、喜びや楽しみを共にすれば倍になる。悲しみや辛さを共有すれば半減する。
しかし、そのために重ねる我慢が、その限界を超えると爆発をして取り返しがつかんようになる。
その前に夫婦共通の敵として現れる、あこぎな拡張員が、それを救う救世主になる。
【投書箱】
あるデパートに「あなたのご希望やご意見などがございましたら生の声をお聞かせください」と書かれてた投書箱が設置してあった。
それを見た一人の拡張員が、その投書箱に向かって一言。
「新聞、取ったれや」
【最も難しい事】
仕事熱心な新人がベテラン拡張員に根掘り葉掘り聞いていた。
「先輩、拡張の初心者にとって最も難しくて気をつけるべき点は何でしょうか?」
「それは、拡張の話ばかりをせんことやな」
【根性】
ある真面目な拡張員が千円札を拾って警察に届けた。
また別の日、一万円札を拾ってそれも警察に届けた。
しかし、ある日、百万円の札束を拾ったが、それを届けずバレて捕まってしまった。
そのときの理由。
「オレは正直やが、そこまで根性なしやないで」
【腹の立つ事】
ある夫婦の会話。
「今日、新聞の勧誘員が来てね、感じの良さそうな人だったんだけど……ああ、思い出しただけでも腹が立つわ」と、奥さん。
「一体何が、あったんや?」と、心配そうに旦那が聞く。
「何もないと言うから腹が立つのよ」
【えらい違い】
ある旦那のボヤき。
「ゲンさん、聞いてんか。うちの女房も昔は、それはそれは何でも良うオレの言うことを聞く素直な女やったんや。新聞と言えば、どこにいてもすぐに新聞を持ってきたさかいな」
「今は?」
「同じように言うても新聞を持ってくるどころか、『便所で読まないでね』とすぐに言いよる。臭くなるからと」
【残酷な時の流れ】
コンビニ帰りのある新婚夫婦の会話。
「あっ、いけない。スポーツ新聞買うのを忘れた」
「あら、それなら私が買ってきてあげるわ」
「いいよ、僕が行くから」
「それじゃ、一緒に戻りましょ」
コンビニ帰りのある熟年夫婦の会話。
「あっ、しもうた。スポーツ新聞買うの忘れた」
「バカね。またなの? 何でもすぐに忘れるんだから。やだやだ、歳は取りたくないわね」
当然のように、その旦那は一人でコンビニに引き返す。
【契約率の低下】
ある女子大生の会話。
「ケチだけどキムタクのような格好いい勧誘員と、格好は悪いけど気前のいい勧誘員とだったら、どっちと契約する?」
「それは文句なくキムタク似の人と契約するわ」
ある拡張員同士の会話。
「契約する可能性の薄い美人の女子大生と、容姿は悪いけど契約しそうな女子大生とやったら、どっちを狙う?」
「そりゃ、美人の女子大生の方やろ」
かくして、新聞の契約率は下がるのである。
【断れない一言】
勧誘していて、中年の女性が出てきた場合の一言。
「えっ、ここは黒木瞳さんのお宅だったんですか?」と、大袈裟に驚く。
自分に自信のある中年女性は、そう言われると契約する確率が高い。
反対に自信のない中年女性は、ただのお世辞と見抜き契約しない。
その話をする。
すると、見栄っ張りな中年女性は断ることができない。
【いつのことやら】
ある拡張団団長の訓辞。
「ええか、客からのノーは終わりやないで。むしろ始まりや。誠意があればノーはイエスに絶対変わる。そう信じて拡張しろ」
新米拡張員は、その言葉を信じて断れても断れてもアタックした。
「団長、いつになったらノーがイエスに変わるんですか」
「お前の誠意が相手に通じたときやな」
【勧誘の極意】
駆け出しの拡張員がベテラン拡張員に聞く。
「先輩、一言で言って勧誘の極意というのは何です?」
「そうやなあ、好きな彼女を口説くつもりで客を説得することかな」
「それは自信ありませんね。僕はいつも女性にはフラれてばかりですから」
「みんなそうや。せやけど、ヘタな鉄砲も数撃ちゃ、そのうち当たることもあるわな」
「そうですか。結局は、運任せということなんですね」
【上手いお世辞】
ある主婦が訪れた勧誘員に向かって言った。
「あら、あなた、前にも来たことがなかったかしら?」
「いえ、今回が初めてですが」
「そんなことはないわ。確かに前に会ってるわよ。そのときに上手いこと言われて騙された記憶があるもの」
「そんなはずはありません。奥さんのような美人の方なら一目見れば絶対に忘れることなどありませんから」
それを聞いた主婦は、にっこり笑って言った。
「そうね。私の記憶違いだったわ」
【好きなのは貴方だけ】
あるイケメンの若い拡張員に向かって女社長が尋ねた。
「あなた、頭の切れるやり手の女性とスタイルのいい美人とだったら、どちらを選ぶ?」
「どちらも選びません。私なら貴方を選びます」
その一言で、めでたく契約が成立した。
【愛情表現】
ある馴染み客の愚痴。
「ゲンさん、私も昔は今の女房を食べてしまいたいほど愛していたんですよ」
そう言って、深くため息をついた後。
「でも今は、そのとき食べておけば良かったと後悔しているんです」
【効果的な一言】
「ゲンさん、出かけるとき身支度の遅い家内に急がせる効果的な方法はないもんやろか」
「簡単なことですよ」
「どんな方法や?」
「奥さんに、『それ以上、綺麗になってどうするんや』と優しく言うだけでかなり違うと思いますよ」
【真実】
占いが得意やと言うある拡張員がその客を占うことになった。
その客は、「オレのことを言い当てたら契約してもいい」と言った。
「まず、オレの子供は何人いると思う?」
「お二人です」
「残念やったな。オレの子供は三人やで」
「そう思っているのは、ご主人だけですよ」
今回は、これくらいにしとくが、どうやったかな。楽しんで貰えたやろうか。
もし、この中から面白いと思うものがあったら、使うてくれたらええ。
ワシも、どこかで聞きかじったような話を自分なりのジョークに変えて言うてる場合もあるさかいな。
もちろん、オリジナルなものの方が多いが、バクリやと言われるようなものもあるかも知れんということや。
しかし、所詮、相手から笑いを誘う手段として話すのが最終目的なんやから、ユーモアやジョーク程度のものはそれでもええと思うとる。
極端な話、テレビのお笑い芸人や有名タレントのギャグでも効果があると思うものは、どんどん使えばええということや。
それと同じで、ワシの話も大いにパクって使えるものは使うて貰うたらええ。
それに、ユーモアやジョークは話すうちに自然とこなれてきて、その人間特有のオリジナルな笑いになるもんやさかいな。
またプロやないねんから、例えそれがスベったとしても愛嬌で済む……はずや。
ついでやから、以前話したことのあるジョーク集(注1.巻末参考ページ参照)
も見て貰えたらと思う。
いつも笑顔でユーモアとジョークを交えて客と接し会話を交わす。
それが完璧にできたら、あんたは間違いなく一流の営業マンになれる……可能性はある。
ほな、頑張って。
参考ページ
注1.第167回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの拡張ジョーク集 Part1
第175回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ゲンさんの拡張ジョーク集 Part2
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