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第78回 ゲンさんの新聞業界裏話
発行日 2009.12. 4
■新聞トラブルあれこれ その3 裁判、その長い闘いの果てに
2007年8月のある日、それは始まった。
その頃、頻繁に発生していたゲリラ豪雨の影響もあってか、夏真っ盛りとは言うものの体感的には、それほどの暑さを感じることはあまりなかった。
その代わり、雨の降ってない時でも、曇天続きで雷鳴が時折鳴り響くさかい、それに驚かされるという、うっとうしさはあったがな。
そんなとき、そのうっとうしさをはるかに超えるトラブルが、ゲリラ豪雨よりも唐突にタケシを襲ってきた。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
タケシが玄関ドアを開けると、そこにはいかつい感じの男が二人立っていた。
タケシは直感的に不穏なものを感じた。
「こちらは、タナベ タケシさんのお宅でしょうか」
そのうちの比較的長身の男が、そう聞いてきた。
その外見とは裏腹に、その口調はやけに丁寧やった。
「ええ……、そうですが……。そちらは?」
「申し遅れました。私、○○企画のスミトモという者です。実は、お兄さんのタナベ マモルさんの件で寄せて貰ったのですが」
「兄の?」
「ええ。これをご存知ですよね」
そう言って、そのスミトモと名乗った男は、書類を一枚取り出した。
それは、以前、兄のマモルが、関東方面の新聞の営業会社に就職する際に必要だということで頼まれて書いた「保証人承諾書」やった。
新聞の営業会社というのは、言わずと知れた新聞拡張団のことやが、現在は、その拡張団に入社するのも住民票の提出は当たり前で、保証人を必要とする所も多い。
昔のように誰でも気軽に雇うという雰囲気の職場では、すでになくなってきたわけや。
タケシは身内の気安さもあり、兄のマモルに頼まれるままに、その「保証人承諾書」にサイン捺印していた。
「実は、お兄さん、うちの会社で160万円ほどの借金を作って雲隠れしたんで私らは弱っているんですよ。そこで、この借金を保証人である弟さんに払って頂きたいと思い、ここまでこうして来たというわけでして」
「そんな……、急に、そんなことを言われましても……」
「本来なら、お兄さんは、この金を払わず逃げているので業務上横領罪で警察に訴えてもいいのですが、それではそちらも困られるでしょう?」
「……」
「それに、お兄さんが警察に逮捕されようと、どうされようと、どのみち弟さんが保証人になっている以上、この借金は支払って頂くことになるんですからね」
「分かりました……。兄に確かめてからお支払いしますので、今日のところは……」
タケシには、そう言うしかなかった。
単に兄のマモルが借金しているというだけなら、例え兄弟というても支払う義務はないから「知らん」で済むが、保証人になっとる以上、どうしようもない。
そう考えた。
「そうですか。それではいつ頃までに、支払って頂けます?」
「2日、いや3日ほど待ってください」
「分かりました。3日だけ、お待ちしましょう」
スミトモは、そう言うと、その請求書らしき書き付けと振り込み口座番号を記したメモを置いて引き上げて行った。
タケシは、すぐマモルに電話した。
「兄貴、今、東京の会社のスミトモという人が借金を払えと言うて来たけど、一体どないなってんねん!!」
タケシは、その新聞の営業会社を辞めたというのは聞いていたが、借金を踏み倒したとは聞いてないから、腹立ち紛れにそう問い質した。
「ナンボほどやと言うてるんや?」
「160万円」
「ひ、ひゃ、160万やと? そんなアホな。ナンボ何でもそこまではないはずやで」
「ここに明細書があるから、見て確認してくれよ」
「分かった」
その日の夜、マモルにその請求書を見せた。
それには「不良カード」、「赤字計上」、「販売店謝罪費用」などと記されているだけで、その内訳がはっきり分からんから、それが正しいかどうか判断できんとマモルは言う。
ただ、「そんなにあるはずがない」と言うだけや。
おまけに、その請求書にはなぜかタケシの家まで来た二人分の交通費まで計上されていた。
兄のマモルが借金を踏み倒して逃げたのは確かやろうが、かなりええ加減な請求やという感じは否めんかった。
それが締めて、金160万円也とある。
「どうしたらええんや?」と、タケシ。
「まさか、俺もここまでするとは思うてなかったけど、あいつらはマトモやないから、払うまでしつこく言うてくると思う」
「マトモやないて、どういうことや。ヤクザか?」
「そういうつながりがあると幹部連中が言うてるのを聞いた事がある」と、マモル。
結局、その日は結論が出ず、翌日、タケシはマモルのヤクザと関わり合いがあるかも知れんという言葉を聞いて、知り合いの警察官や弁護士に相談した。
知り合いの警察官は「保証人になっとるのなら1円も払わんというわけにはいかんやろ」と言い、弁護士は「裁判に持って行かれてはどうですか」と言う。
結局、タケシは悩んだ末、そのうちの100万円だけを指定された口座に振り込んだ。
マモルが「それで納得してあきらめるはずや」と言うのを信じて。
しかし、それは甘かった。
その翌日。
スミトモから電話がかかってきた。
「タナベさん、100万円だけというのはどういうことですか?」
相変わらず口調は丁寧やが、その台詞(せりふ)には明らかに怒気が含まれていた。
「私にはあれしか支払えませんので、何とかそれで辛抱して頂けませんか」
タケシは、必死でそう頼んだ。
「何だと!! 手めぇ、ふざけるんじゃねぇぞ!! こっちは子供の使いでわざわざ出向いたんじゃねぇんだ!! 残りを払わねぇとは言わせないぜ」と、ついにその本性を現して恫喝してきた。
「わ、分かりました。何とかしますので……」
タケシは、そう取り繕うのが精一杯やった。
その日を境に、ほぼ毎日のようにスミトモから催促の電話がかかってくるようになった。
「残りを払わねぇんなら、またそっちに行くぞ!!」と、脅し気味に言われることもしばしばやった。
進退窮まったタケシは、必死で何か方法はないものかとイーターネットで検索しているうちに、サイトの『新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A 』を見つけて相談してきた。
それが、2年前の2007年8月30日のことやった。
『NO.449 裁判にすべきでしょうか?』(注1.巻末参考ページ参照)というのが、それや。
ワシの回答も含めて、その全文を紹介する。その方が事情もより分かりやすいと思う。
NO.449 裁判にすべきでしょうか?
投稿者 T.T さん 投稿日時 2007.8.30 AM 0:23
ゲンさん、興味深く読ませていただきました。藁にもすがる思いで、検索していたところこのHPにたどり着くことができました。
唐突で申し訳ありませんが以下の相談にアドバイスいただけたら幸いです。
兄が、東京で某新聞の拡張員をしておりました。
今では逃げるようにして別のところで仕事をしていますが、その拡張団から借金の返済が弟である私のところに請求されてきました。
その際、保証人が必要ということで私も保証人になったのですが、借金の明細を見てみると不良カードとか赤字計上とか販売店謝罪費用など、併せて約160万の請求が来ました。
知り合いの警察や弁護士にも相談したのですが、やむを得ず本人にも相談して、100万を指定口座に振り込みました。
しかしながら、あと60万を支払うようにと執拗に請求してきます。
何のアポも取らずに突然家まで来て、その際の交通費なども計上されておりましたので、すべては払う必要はないだろうと判断したのですが残りの金額も払わなければならないでしょうか?
あるいは、裁判にすべきでしょうか? 弁護士は勧めますが…
難しい相談で申し訳ありませんが、お答えできる範囲内でご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします。
回答者 ゲン
『裁判にすべきでしょうか?』というのは、相手もあることやからどうなるかは分からんが、弁護士を入れて対応した方がええのは確かや。
『何のアポも取らずに突然家まで来て、その際の交通費なども計上されておりました』というのは、まともな会社のやることやない。
ヤクザか、たちの悪い金融屋の発想や。
一口に拡張団とは言うても、たいていは、れっきとした営業会社として法務局へ事業登録しとるはずやから、そんなヤクザまがいのやり方が許されるわけはない。
しかし、理由はともかくとして、お兄さんの保証人になった以上、その範囲内の責任を果たす必要があるやろうとは思う。
ただ、そうやからと言うて、何も一方的に請求されるままに支払う必要はないがな。
どの金を支払うべきか、支払う必要がないかは、やはり弁護士さんに判断して貰うた方がええやろうと思う。
また、そうすれば、相手は直接、あんたに話をすることはできんようになるから、今のような煩わしさも解消されるやろうしな。
その詳しい請求書を見て見んことには何とも言えんが、その請求額の減額は十分考えられるし、うまくいけば、先に支払った100万円のうち、幾らか返金して貰える可能性もあるのやないかと思う。
『不良カードとか赤字計上とか販売店謝罪費用など』というのは、この業界としては自然な請求やが、一般社会通念上、あるいは法律に照らしてとなると、かなり疑問符のつくことやさかいな。
『不良カード』というのは、結果的に客が購読せんかったという理由で無効になった契約のことや。
販売店から買い取ることはできんと突き返されたものを通常そう呼ぶ。
その責任が、確実にお兄さんにあると実証され、それに対して団がすでにお兄さんに支払い済みの拡張料の返還だけを請求しとるというのなら、それなりに筋は通る。
しかし、たいていはそれに対してペナルティが上乗せされとる場合が多い。
そのペナルティが正当なものかどうかという判断が必要になる。
このペナルティというのは、見せしめ的要素の強いものやから、拡張団の中には、かなり高額に設定されとる場合があるということや。
普通、それらは一括請求という形になっていて、その不良カード一枚一枚の請求理由というのは添付されとらんはずや。
弁護士さんなら、それの添付を要請できる。
当たり前やが、それがなかったら、その請求が正しいかどうかの判断すらできんさかいな。
これは、あくまでもワシの憶測やが、中にはええ加減なものも含まれとるのやないかと思うで。
少なくとも、弁護士さんならそれを念頭に対処するはずや。
『赤字計上』についても、同じようなことが言える。これも、一括請求やと思うがその明細の提出も必要や。
たいていは、拡張員個人の借金というのが多いが、その借金については、借用書もしくは、お兄さんがそれと認めた証拠が必要になる。
それが、なければ、でっち上げやと突っぱねることも可能やさかいな。
もっとも、そんなことは弁護士さんなら百も承知されておられるやろうけどな。
『販売店謝罪費用』というのは、いかにも拡張団らしい発想やが、法的には払う必要はないのやないかと思う。
通常、拡張員が入店して営業行為をする場合、その販売店の社員証というのを携帯する決まりになっとる。
つまり、一時的には、そこの社員、従業員扱いとしてその販売店の営業エリア内で仕事をするわけや。
業者は、正当な業務においてその支配下使用人の行為によって引き起こされた不利益についての負担分を、その当人に請求できんことになっとるはずや。
会社が社員に「お前のおかげで契約を取り損なって1億円の損害を受けたからその弁償をしろ」と言うても認められんのと同じ理屈になる。
『販売店謝罪費用』というのは、あくまでも拡張団と販売店間の任意のやりとりで、それを拡張員個人に押しつけるのは筋が通らんことやと思う。
もっとも、実際に『販売店謝罪費用』というのが支払われとるどうかも怪しい限りやがな。
少なくともワシの知る限りでは、そういうのは聞いたことはない。
不祥事を起こしたことについて団として「詫びを入れる」ということはあっても、金銭に換算してというのはなかったと記憶しとる。
ただ、この業界は広いし、いろんな慣習もそれぞれであるようやから、絶対にないとも言い切れんがな。
それを払う払わんは別にして、念のために、それについての領収書の添付は請求しといた方がええやろうな。
当然やが、それがなければ拒否もできるわけやしな。
あんたは、現在、お兄さんとも連絡を取られておられるようやから、弁護士とも交えてそれらの請求を一緒に精査したら、かなり減額ができるのやないかと思う。
その辺の判断も弁護士さんに任せとったら大丈夫なはずや。
その拡張団と、その話し合いがまとまれば示談ということになるし、決裂すれば裁判ということになる。
何にしても、ややこしい相手に、素人さんが独自に対応してもええ結果にはならんと思うよ。
最後に老婆心ながら言うとく。
たいていの弁護士さんはあるゆる業種の専門家と懇意にしとるというが、さすがにこの新聞勧誘、拡張の世界に精通しておられるという方は少ないはずや。
弁護士は法律のプロやからその点では安心やが、交渉となると、また別の要素が必要になる。
その道に長けとる方が何かと有利になると思うので、それに関して質問があれば、いつでも遠慮なく言うてくれたらええ。
答えられる限りは答えるつもりやさかい。
ワシからの回答で、タケシは迷わず弁護士に相談することにした。
その弁護士が入ったことで、スミトモからの催促の電話がピタッと止まったという。
その後、その弁護士と相手方との間で交渉が続けられたが、その相手の拡張団側が納得せず、民事で争われることになった。
結局、その裁判は2年以上続くことになる。
裁判は長くかかるという印象を持たれている方が多いとは思うが、実際には刑事、民事とも判決、決着まで1年以上かかるというケースの方が圧倒的に少ない。
刑事事件の場合でも、その9割以上は、裁判を始めて半年以内に判決が出ているという統計結果があるしな。
簡単な事件なら、その数日後に判決が言い渡されるケースも珍しいことやない。
現在の裁判員制度による短期間の審理、判決が何か異例の事のように思われとるフシがあるが、あながちそうとも言えんわけや。
残りの1割の中に、注目度の大きな裁判があり、検察側、弁護側双方が力を入れるあまり長引くという事がままあるがな。
それが目立つから感覚的に裁判は長引くものという印象を持つ人が多いのやと思う。
そして、本来、その長引く可能性のあった裁判が、裁判員制度により短縮を図られているから、短期間の審理、判決が異例のように映るわけや。
ちなみに、そういった注目度の高い事件の場合、弁護士の中には報酬抜き、手弁当でも参加するケースがあるという。
どう見ても資力のなさそうな被告人に何人もの大弁護団が付いているというのは、そういうことやと思う。
これは、その裁判を担当したという実績を作ることで後々、その弁護士の名前と格を高める効果があるからやということらしい。
もっとも、当の弁護士さんたちは、そんなことは口が裂けても言わんやろうがな。
あくまでも、法の下での被告の権利を守るためにしとることやと。弁護士として当然のことやと。
そんな特殊なケースを別にすれば、ワシやハカセが過去、数件の民事裁判に関わった場合でも、たいていは半年くらいで決着が着いていた場合が多かったさかいな。
民事裁判でのそれは、テレビの法廷ドラマにありがちな白熱した丁々発止のやり取りが行われるケースというのは、ないこともないが極端に少ない。
実際の法廷では、原告、被告双方の代理人の弁護士同士が二言三言、言葉を交わして、次回の公判日の期日を決めてその日は終るというケースが多い。
その間、5、6分、長くて10分というところや。
ちなみに、次回の公判日は、双方の弁護士の空いた日時、担当裁判官の都合によって決まる。
それに決まった期間の定めなどは特にない。その合意が1ヶ月後なら1ヶ月後、3ヶ月後なら3ヶ月後という具合や。
何で、そんなことができるのかと言えば、民事裁判の場合、双方の主張をあらかじめ書面にして裁判所に提出することになっとるからや。
これを「準備書面」という。
はっきり言うが、裁判とは言うても、民事のそれは書類審査みたいなものやさかいな。
如何に、その書面で裁判官を納得させられる証拠を示せるかで勝敗が決すると言うてもええ。
言い方は悪いかも知れんが、作文の上手い方が勝つ可能性が高いと言えるわけや。
実際の状況や現場を見れば一目瞭然に分かるような事でも、その書類審査だけやと「何でそんな判決になるんや」というような事案はいくらでもあるさかいな。
せやから、その作文で優位に立つためには、双方の弁護士は役に立ちそうなものは何でも利用する。
それもあったのか、その裁判の係争中に、タケシから、
今、現在裁判中でかなり長くかかっています。
お願いしている弁護士さんに回答していただいたページをコピーして渡したところ、このページも証拠物件として提出したいとの申し出があり、ご本人に確認してほしいとの連絡が入りましたのでメールをさせていただいた次第です。
私ども素人にはどうなるのかわかりませんが、OKの返事がいただけましたらその旨弁護士さんにも報告したいのですが…。
という申し出を受けた。
すかさずハカセは、
当方は一向に構いません。どのようにお使いになられようと結構ですので。
また、そこに示した以外でも、この業界についてお聞きになりたいことがあれば、何なりと仰って頂ければ、できる限りのご協力は惜しみませんので、そのあたりのことも弁護士さんにお伝えください。
と返信したという。
それで、その部分が裁判所に証拠書面として提出されたとのことや。
その後、その弁護士さんや裁判所からはワシらには何の問い合わせもない。
もっとも、弁護士さんには係争中の裁判に対しての守秘義務があるし、裁判官は提出された書類を判断するだけやから、当たり前と言えば当たり前やけどな。
とにかく、その弁護士さんは専門家のコメントとして、そのページの内容を評価されたのやろうと思う。
もちろん、ワシは最初からそんなことを狙って回答したわけやないが、見る人が見れば、それに書かれていることが、筋の通った主張やというのも法的な説得力があるというのも分かるさかいな。
この回答をしたのはワシやが、それを文章に起こしたのはハカセや。
身内を褒め合うのも変な話やけど、ハカセの文章は誰が読んでも納得するものやと思う。
それが大きかったのやないかと。
この件に関する業界の特殊な事情を説明をするには十分な内容やったということもあったやろうが、それ以上に、その説得力に惹かれて弁護士さんも採用しようという気になったはずやさかいな。
参考までに、弁護士、および弁護士事務所が他者の書いた文章を丸々そのまま証拠書類として裁判所に提出するというのは、よほどのケースやと言うとく。
それが功を奏したのかどうかまでは知らされてないから定かやないが、結果として、160万円の請求が80万円に減額され、先に支払った100万円のうちから20万円の返金があったという。
いみじくも、その回答でワシが『うまくいけば、先に支払った100万円のうち、幾らか返金して貰える可能性もあるのやないかと思う』と言うたとおりになったわけや。
タケシもそれで納得した。というか、やっと終わってほっとしたというのが正直な気持ちやったという。
その拡張団にしても、形の上では負けた格好にはなっとるが、実質的には満足しとるのやないかと思う。
この手の追い込みで、いくらかでも金を回収できたというケースの方が少ないやろうからな。
借金を踏み倒して逃げる人間に金なんかあるわけはないし、保証人にしても支払い能力のある人間ばかりとは限らんさかいな。
いくら裁判に訴えて勝ったとしても、ない袖は振れんと開き直られたらどうしようもない。
表面はヤクザぽい雰囲気を醸し出していたとしても、新聞拡張団というのは新聞社から公認された、れっきとした営業会社や。
その新聞社への対面もあり法を守るしかない立場やから、迂闊なことはできん。
法に触れるような強引な真似をして、それが他紙で報道なんかされて発覚するような事にでもなれば大変な事になる。
悪くすれば新聞社から廃団に追い込まれる危険まであるさかいな。
また、今回のような請求では、ある程度の水増をしとるのが普通やから、例え半額に減額されたとしても実質的な痛手というのはあまりないはずやと思う。
まあ、それでも一旦受け取った金のうちから20万円返せと言われたのは面白くないやろうがな。
ただ、控訴してないというのは、それで納得したからやと考えて間違いないと思う。
その拡張団は、弁護士さんから提出された証拠書類でワシらの存在を知ったはずやが、それについての苦情は今までのところ何も言うて来とらん。
まあ、ヘタにワシら相手に騒いで事を大きくしても、その拡張団に益になることは何もないろうがな。
できれば、このまま人知れず話題にならんといてほしいというのが本音やと思う。
ワシらも、殊更、問題にしようとは思わんし、暴露する気もない。
ワシらのサイトやメルマガでは、そういう事をするつもりはないさかいな。
よほどの場合でもない限り、そのスタンスは守っていきたいと思うとる。
この話をしたことにより、似たようなケースで悩む人のための参考になればそれで十分や。
それ以上、望む事は何もない。
これに類似したような事案は他にもまだあるので、今回と同じくその時が来れば、このメルマガ誌上で話すつもりや。
サイトも長く続けとると、いろんな事がある……今更ながらやが、そう思う。
参考ページ
注1.NO.449 裁判にすべきでしょうか?
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