新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.70  先付け契約予定の購読者の対処法を教えてください


投稿者 アーちゃん 地方紙販売所勤務 投稿日時 2005.2.13 AM 2:13


お久しぶりです。昨年はいろいろアドバイス有難うございました。私にとってとても参考になりました。ゲンさんのサイトのおかげで最近では過去読がなんとかとれるようになりました。

そこで、お聞きしたいのですが1年先など予約で取れるお客さんとどうしても予約がきかないお客さんがでてきています。キァンペンセールを強調して契約をいただくようにしていますが、もらえる場合ともらえない場合があります。

何度か行って話はするんですがいつも何月に来てほしいなどと言ってきます。念のために拡張員の方にも行ってもらいましたがやはり答えは同じでした。こういうお客さんの場合どう対処すればいいのでしようか。どうぞよろしくお願いいたします。


回答者 ゲン


本当に久しぶりやね。去年の9月以来かな。頑張っとるようで、ワシもうれしい。こういう言葉を聞くと、ワシの方でも励みになる。

質問の方やけど、もう一度、サイトの『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第1章 新聞営業の基本的な考え方 人間関係構築編 その4 相手を知れ』を読み直してほしい。

何でもそうやけど、相手の立場に立って考える癖をつけるようにした方がええ。こちら側だけの都合を押しつけようとするから、無理が出てくる。

購読の意志はあるが、契約は購読間近にしてほしいという客は、何でそういうことを言うのかということを考えることや。

そういう客は、大抵の場合、律儀な性格の人間が多い。約束したことは必ず守る。しかし、そういう人間は、その約束が守れんかった時のこともしっかり考えるもんなんや。

人間、先のことなど何も分からん。急に引っ越す場合もあるかも知れんし、生活がリストラか何かで困窮することもある。病気や怪我で入院ということも考えられる。

そんなことを一々考えていたら、と思うかも知れんが、律儀な人間は、そういうことを考えることもあるということを知っとくことや。

そういう人間は、約束したことが守れんかったら、相手に対して引け目を感じるということ以外に、自分自身に対しても嫌悪感を抱くものなんや。それが、たまらん。

そんな思いをするくらいなら、最初から、そんな先の約束なんかせん方がええと考える。そう考える人間がいとるということを認識せんと、こういう問題は解決出来ん。

この場合、上、中、下の三つの策がある。

上策。言われた期日まで勧誘の話は一切せん方がええ。但し、月に一度くらい、近所の集金の時にでも、その家に寄るようにする。ゴミ袋のようなものでも渡して、ご機嫌伺いのつもりで行く。自然を装ってな。

その際にも勧誘のことは一切口に出さんと「ご近所まで集金がありましたので、寄せて頂きました。つまらないものですけど、これでも使ってて下さい」と言うて、それを渡したらなるべく早く立ち去る。

こうすることで、暗に約束の確認をさせるという効果が期待出来る。本当に、客の言う通りの期日までその家に行かんかった場合、客によれば、もう、勧誘をあきらめたと勘違いする人間もおるからな。

それに、そうすることで誠意を感じる客も中にはいとる。例え勧誘せんでも、現れるだけでそういう効果が狙えるということや。その内、意外と早めに客の方から契約に応じる可能性すらある。

この策を用いる時の注意点が一つある。それは、出入りの拡張員にも、この客への訪問を避けるような工夫が必要や。何ぼ、あんたがそうしても、拡張員がちょくちょく行っとたんでは話にならんからな。

その方法として、口約束ででも、客が期日を指定していることなら、先付け契約扱いにしとくことや。そうすれば、あんたの所に出入りする拡張員の訪問は防げる。

そうしとかんと、この策の成功はおぼつかんやろと思う。

中策。あんた所の店の状態にもよるが、どうしてもその客がほしい場合か、もしくは、他新聞の拡張員にその客を取られそうな場合は、その特別なキャンペーンのアピールで本当に、今しかないようなサービスを示す。

つまり、期間限定と称して拡材を奮発するか、特別なイベントを考えるんや。

これを使う時のトークは「今の期間だけ、こういうサービスが出来ます。私共は、お客さんのおっしゃられる時期の契約でもいいのですが、それだとこのサービスが出来なくなっている可能性があります。ですので、一応、お知らせに上がりました」と言う。

言うまでもないが、強要の姿勢は出さん方が無難や。あくまでも、お客様のためという姿勢を見せることがポイントになる。

下策。断る客の中にも、押しに弱い客もおる。しつこい攻勢も場合により、成功することもある。

話は違うが、恋愛でも言えることやけど、どんどん押す人間の方が結果的には成功するということが良うある。

ある意味、営業もその恋愛に似た所がある。相手に気に入られ、認めさせ、納得して貰う。そう、考えれば、少々強引な営業も功を奏することがある。もちろん、相手によりけりという条件付きやがな。

これは、バクチ的要素が強い。多くの拡張員は、この手法を取る。拡張員の場合は一定の場所での長期戦は考え辛いから、どうしてもそうなりやすい。

拡張員は、取捨選択という方法を採る場合が多い。別名「つぶし」とも言う。これは、不確実な見込み客を追いかけるよりも、早めに結果を出して、あかん場合は次に当たるということを考える手法や。

つまり、不確実な人間に余分な時間はかけんということや。その暇があれば、新たな客にアプローチをかける方が効率的やと考える。

どの策を採用するかは、あんた次第や。ワシは、アドバイスはするけど、策の保証はせんし、出来んからな。

無責任のように聞こえるかも知れんが、仕方ない。客のタイプにしても千差万別やし、それらの策に100%当て嵌まるとは限らんからな。

実際の現場を熟知しとるのは、あんたや。あんたの判断で行動するしかない。ただ、ワシから言えるのは、販売所の専業員は、長い目で見て勧誘に取り組む方がええやろということだけや。


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