新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.1352 新聞販売店主の社会的地位はどの辺に位置するのでしょうか?
投稿者 こうちゃんさん 投稿日時 2015. 8.10 PM 2:43
げんさん・ハカセさま
残暑厳しい時期ですが、心休まる間もない近況を報告いたします。
ここ数年「発行部数が減った原因は、販売店が努力していなかったからだ」と責められ、「全戸訪問しながら読者情報を収集し、シニア世帯・子供世帯別におすすめ記事を配りなさい」と言われ続けて来ました。
半年に一度新聞屋がやって来て、家族構成や子供の靴を見つけ学年を聞いて訪問するわけですから、回を重ねるごとに読者との不信感は増していきます。実際にそれに倣ったお店は、長期読者がどんどん減っているようです。
げんさんの読み通りでした。
ここで質問です。新聞販売店主というのは、世間から見るとその社会的地位はどの辺に位置するのでしょうか?
と言いますのも、今度の販売局の担当さんが「小中世帯の読者獲得の為に、近所の小学生を集めて新聞教室を開くように」と言い出しました。
子供に新聞を見せ、好きな写真に丸を付けさせる。知っている文字に丸を付けさせたり白地図に知っている市町村を色塗りさせたりしながら、親子・家庭内での新聞の価値を周知させる作戦だそうです。
教員免許など持たない販売店の店主が配達や営業の合間にやって効果はあるのでしょうか?
上手にしゃべれる人間もそんなにいませんし・・・ちょっと荷が重いような気がします。
回答者 ゲン
『ここ数年「発行部数が減った原因は、販売店が努力していなかったからだ」と責められ』と販売局の担当員とやらが言うとるということやが、それは違う。
今や、新聞業界全体で発行部数が減っているのは業界の人間ならずとも一般の人でさえ知っている人が多い。公然の事実や。
原因は、長引く不景気感により家計を切りつめるための解約の増大、少子高齢化による人口の減少、その中でも新聞の最大の愛好者である高齢者の方々が大勢、毎年確実に亡くなられていることが大きい。
加えて、ここ10年ほどの間に、ネットで新聞記事がタダで読めるという理由で新聞離れが急速に加速しているというのもある。
これに関しては、明らかに新聞社側の責任や。新聞販売店に責任はない。
また、あんたの過去の話から、その新聞社においては、新聞社の上層部および担当員の度重なる愚策、愚行も大きな部数減少の要因になっているものと考える。
『半年に一度新聞屋がやって来て、家族構成や子供の靴を見つけ学年を聞いて訪問するわけですから、回を重ねるごとに読者との不信感は増していきます。実際にそれに倣ったお店は、長期読者がどんどん減っているようです』というのが、如実にそれを物語っている。
部数減に陥っている状況を何とかしたいと考える新聞社、および担当員の思いは分からんではないが、上から命令するだけでは絶対に効果は上がらん。
また、あんたの話からは、その新聞社、および担当員の努力というものが、まったく伝わって来ない。無理矢理押しつけているという風にしか思えん。
何かの試みをする場合、まず上に立つ人間が率先して、その事に取り組む姿勢と努力をして見せる必要があるが、それが何かあるのやろうかと疑問に思う。
馬車馬の馬のように鞭で尻を叩くだけでは、叩かれた方は痛いから仕方なく進まなしゃないとしか考えんもんや。
それで結果が出ているのなら、まだしもマイナスになっているとあってはバカらしくて、やる気も失せるし、言うことを聞く気にもなれんわな。
そちらの方では、バカらしいと考える販売店が相当数、いやほぼ全店と言うてもええくらいやないかと思う。
それでは「笛ふけど踊らず」どころの話やない。公然と反旗を翻して問題になっていても不思議やない。
しかも、あんたの話を聞く限り、その担当員は何の成功例も実績も示していないようやが、それでは尚更やわな。
成功例や実績の出ていない方策を頭ごなしに命令しているだけでは上手くいくはずなど絶対にない。命令を受ける側は、「ただの思いつきで言っている」としか考えんさかいな。
実際に、そうやないかと思えるくらい発想力が貧弱すぎる。また、想像力が足らなさすぎる。
はっきり言うとくが、このまま、その新聞社、およびその担当員とやらが、同じ愚策を今後も繰り返すとしたら、かなり深刻な事態になると言うとく。
特に『全戸訪問しながら読者情報を収集し、シニア世帯・子供世帯別におすすめ記事を配りなさい』てなことを真に受けて続けたら、『実際にそれに倣ったお店は、長期読者がどんどん減っている』という事になって当然やさかいな。
悪い事は言わん。そんな愚策に従うべきやない。本当は、その地域全体の新聞販売店で、その新聞社に抗議した方がええのやが、それやとリスクが大きいと懸念する人も多いやろうから、そうするのは難しいかも知れんがな。
そうであるなら、せめて「命令を聞いた素振り」だけして、実際に行動は起こさんことや。
命令通りにした結果と命令を無視した結果を秤にかけた場合、明らかに後者の方がマシみたいやさかいな。もちろん、新聞社やその担当員にそれと気づかれんようにせなあかんで。
まあ、それはそれほど難しいことやない。『全戸訪問』せんでも、住宅詳細地図を見れば、その家の世帯主の名前くらい分かるから、それを書いて適当に作文しておくのも手や。
もっとも、そんなごまかしなどしたくないと言われるのなら単に「分かりませんでした」でもええと思うがな。
どうせ、その新聞社や担当員が、その追跡調査などするわけもないしな。例え、追跡調査をしたとして「報告と実態が違うやないか」と言われても、「当方が聞き取り調査をした時には、そのように答えられました」と、答えておけばええことやしな。
明らかに、やったらあかんと思うことは勇気を持って「やらない」という選択も必要や。
その新聞社が、そうしたことによるマイナスを補填するというのなら別やが、そんなことは絶対にないやろうしな。
それどころか、その新聞社、および担当員のやり方を見ていれば、命令どおりやって結果が悪ければ、その責任を負わされるのが関の山という気がするさかいな。ロクなことがない。
ただ、『近所の小学生を集めて新聞教室を開くように』というのは、将来の新聞読者を養成するという観点から言えば、あながち悪い発想でもない。
もっとも、『小中世帯の読者獲得の為に』という趣旨を考えると、購読者以外の家に訪問して、その希望者を募らなあかんのやろうが、それは限りなく難しいと言う外はないがな。
絶対に無理とまでは言わんが、普通に新聞勧誘をする以上に困難なことだけは確かや。やれと言うのは簡単やけどな。
それには、相当の知識と説得力が必要になる。せめて、当メルマガで話した『第110回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■新聞購読へのススメ その1 新聞を読むことで向上する学力について』 程度の内容を熟知していて客に説得して納得させるくらいのレベルでないとあかんのやないかと思う。
そうでなければ、そもそも『子供に新聞を見せ、好きな写真に丸を付けさせる。知っている文字に丸を付けさせたり白地図に知っている市町村を色塗りさせたりしながら、親子・家庭内での新聞の価値を周知させる』ことなど、できるわけがない。
しかし、訪問した先で、いきなりそんな話を始めたところで、それを最後まで聞く家庭がどれだけいるかという問題がある。どんなに営業力に長けた優秀な人間がやっても、それに応じる人など皆無に近いやろうと思う。
『教員免許など持たない』人間が『近所の小学生を集めて新聞教室を開く』のは法律的には問題ない。日本の教員免許は公認された正規の教育機関で教えるために必要な資格で、それ以外のところで教える場合、教員資格などなくても構わない。
学習塾や予備校などの講師で教員免許状を持っている者の割合は33パーセント程度が普通だという。学習塾の場合は講師に学生アルバイトを雇うケースも多く、学生がすでに教員免許を持っていることなど殆どないしな。家庭教師にも同じようなことが言える。
『販売店の店主が配達や営業の合間にやって効果はあるのでしょうか?』というのは、そのやり方次第とは思うが、普通に考えて難しいわな。
まじめな販売店の店主は仕事量も半端やないくらい多いため、時間に余裕のある人は少ない。
さらに言えば、それをする費用の問題もある。集めた人間から某かの講習料を取るというのなら、おそらく動くだけ無駄や。集まる人間など皆無に近いやろうと思う。
タダでも、どれだけ集まるか分からんが、それでもタダなら、ひょっとしてということも考えられんでもない。となれば、会場の手配やら、教材の制作、案内チラシ、営業経費といったものについて金がかかる。
新聞社が、その費用を全額負担してくれるのなら、まだマシやが、そうではなく自腹でなると、よほどの意欲でもないとできん。
あんたのように懐疑的な人では、肝心の意欲どころか、やる気も起きんやろうから、検討するだけ無駄やわな。
『新聞販売店主というのは、世間から見るとその社会的地位はどの辺に位置するのでしょうか?』という質問なら、それほど良くもないが、悪くもないといったところやと思う。
まあ、人により新聞販売店を毛嫌いしている人は悪く言うやろうし、そうでもない人にとっては世間一般の店の店主と、さほど違いがないと考えるのが普通や。
ランクで言えば一国一城の主でもあるし、中の上と考えてええと思う。自慢するほどではないが、卑下するほどでもないといったところかな。
あんたは販売店経営者の社会的地位が高ければ人を集めて学習会を催しても変に思われないが、地位が低いとバカにされるのやないかと考えておられるのかも知れんが、それは気にする必要はないと言うとく。
最も重要なことは、やる気があるか、ないかや。それで判断したらええ。
結論として、『上手にしゃべれる人間もそんなにいませんし・・・ちょっと荷が重いような気がします』と気乗りしないのなら、適当にごまかして、止めといた方がええし、将来の読者を開拓するんやという意欲があるのなら、チャレンジしてみるのも手やと思う。
物事すべてに共通することやが、意欲の湧かんことには手を出さん方がええし、やりたいと思うことは挑戦するべきやと思う。
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