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NO.1354 ゲンさんの営業トークはどういう内容で話してるんですか?


投稿者 Kさん  投稿日時 2015. 8.22 AM 3:57


ゲンさんの営業トークはどういう内容で話してるんですか?

自分は泣き落としですが、成績が悪く困っています。


回答者 ゲン

『ゲンさんの営業トークはどういう内容で話してるんですか?』と言われても困る。

敢えて言えば、その時の状況、情勢、条件、客である相手次第で、ワシ自身がベストと考える営業トークをいろいろ駆使しているというところかな。

ワシには、決まった営業トークというものがない。人はそれぞれ違う。二人と同じ人間など、この世には存在しない。そう考えて、相手の性格、性質を見極めた上で、その相手に合ったトークをするように心がけているつもりや。

ワシは、とにかく相手と雑談できる状況に持っていくようにしとる。相手にあった営業トークを駆使するのは、それからやと考えてな。

裏を返せば、雑談に持ち込めそうもない相手には営業をかけんということや。聞く耳を持たん相手にいくら喋っても時間の無駄やさかいな。あかんと見切れば、さっさと次を当たる。

極端に成功する確率の少ない勧誘営業では、その見切りも重要な要素やと思う。

雑談ができて、お世辞やおだて、よいしょに弱い人だと判断すると、迷わずそれに合わせたトークを使う。営業する上において、相手を持ち上げて気分を良くさせれば、それだけで有利になるさかいな。

歯の浮くような「お世辞」であろうと、取って付けたような「おだて」や見え透いた「ほめ言葉」、また「よいしょ」であろうと、言われた人の殆どは喜ぶ。少なくとも気分を害するケースは少ない。それが人や。

参考までに、ワシがよく使っている『お世辞トーク』の一端を披露しよう。

新築、および比較的新しい一戸建ての住宅に済んでいる人に対しては、「ステキなお住まいですね」と言っておけば嫌がられることはまずない。

比較的古そうな家なら、「味わいのあるお宅ですね」、大きい家なら「立派なお宅ですね」、庭が広ければ「お手入れが行き届いていますね」、玄関を褒めるのなら「落ち着いた玄関です」、「綺麗な玄関ですね」、花や植木があれば、「美しいお花ですね」、「立派な植木ですね」といった具合やな。

主婦や独身の女性なら、「とても魅力的ですね」、「品がおありですね」、「笑顔がとてもステキですね」といった感じで、顔立ちやスタイルなど褒めやすいところは、すかさず褒める。

容姿に自信を持っている独身女性なら、そう言い寄る男も多いから、あまり効果がないかも知れんが、家庭に引きこもった主婦は、そう言われることが少ないさかい結構喜ばれる。

十人並みに見える女性は、ほぼ間違いなく、過去、それなりに自信を持っていたケースが多いから、容姿をさりげなく褒められると弱い。

その訪問先が二度め以上の場合で、その主婦の容姿を褒めるのなら必ず「いつも」というフレーズを付け加えておけば、さらに効果的や。

「いつもとても魅力的な方ですね」、「いつも品がおありですね」、「いつもお若いですね」、「いつも笑顔がとてもステキですね」といった具合やな。

旦那や独身の男性だと、現在話題になっているニュースなどについて、さりげなく意見を聞く。今なら「安全保障関連法案」とか「国立競技場建設問題」などやな。

その意見が、どのようなものであろうと、例え自分と意見が異なっていようと「へえー、そうなんですか。よくご存知ですね」、「なるほど、そうだったんですか。大変勉強になりました」と持ち上げておくことや。

「お世辞トーク」に反論は禁物やさかいな。営業の場では、客の言うことはすべてを是とせなあかん。自分の意見は極力殺す。それが絶対の条件になると心得とくことや。

中には有名人と会った、知り合いやと吹聴する者もいとる。そんなときにも、「へえー、そうなんですか。すごいですね」と大袈裟に驚いて見せ、その話をさせるように仕向ける。

会社の役員や重役などといった肩書きを自慢げに披露する人間も、「お世辞トーク」には極端に弱いから、ただひたすら褒めちぎることや。

つまり、その旦那が自慢したいことは何でも褒めとけば間違いないということやな。

その際、「すごい」の他に、「さすが」、「見事なご意見です」、「素晴らしい」、「参りました」、「頭が下がります」などと、タイミングを見計らって「褒め言葉」や「よいしょ」のかけ声を変えるというのも手や。

但し、「すごい、すごい」の連発だけやと、どこか白々しく小バカにしたようにも聞こえ、逆効果になりかねんさかい、心しとくことやと言うとく。

若い人の場合は、「何をされておられるのですか」と訊いて、どのような答えが返ってきても「頑張っておられるのですね」と言う。学生さんであれ、仕事をしている若い人であれ、こう言うとけば、まず間違いないさかいな。

学生さんで有名大学校に通っていれば、「まさに、あなたは日本の頭脳、宝ですよ」、「将来、さぞかし名の通った立派な人になられるんでしょうね」と、おだて上げる。

それほど有名でもない大学に通っていて褒めるべきことがなさそうでも、「あなたのような聡明な学生さんもおられるのですね」と言うておけばええ。

その上で「そんなあなただからこそ、当社の新聞を読まれるべきです。必ずお役に立てるはずですから」と勧誘するわけや。

有名大学の教授や講師の中には、新聞紙面を使って講義をしているケースが多いと聞くさかい、その事実を調べて、そう説得すれば効果的やと思う。

また、就職活動をしている学生さんなら、一流企業の面接官が、その新聞紙面を参考に面接試験の内容を作成しとると言うてもええ。これは間違いでもウソでもないさかいな。

大学の教授、講師にしても、一流企業の面接官にしても、新聞記事を引用する方が、いろんな面で手っ取り早く自分たちの手間も省けると考えて、そうするケースが多いということやから、それを強調するわけや。新聞がそういった試験の最も有効な参考書、資料になると。

高齢者に対しては、「何でもよくご存知ですね」と言って褒めておけば間違いは少ない。

勧誘する者と歳が離れていればいるほど、それが単なる「お世辞」にはならんようになる。

また、高齢者ほど、「昔は良かった」という話をしたがる傾向があるから、嫌な素振りを見せずに、「すごい経験をされてますね」、「さすが博識でいらっしゃ」、「そんなことはまったく知りませんでした」と感心して見せるのも手や。

高齢者に対しては無理に売り込もうとしなくても、話し相手になるだけで、かなり効果が上がる場合が多い。特に今は独り暮らしの高齢者が多く、新聞の勧誘員というのは、話し相手として身近な存在になっているということもあるしな。

その他にも、いろいろな営業トークがあるが、そのすべてを話すと長くなりすぎるので、このくらいにしとく。

ただ、現在、当メルマガ『第375回 ゲンさんの新聞業界裏話 続ゲンさんの新聞勧誘営業講座』というシリーズを始めたところで、今後、営業トークについても参考になる話をしたいと考えているさかい、それを見て頂ければと思う。

ワシの言う「人はそれぞれ違う。二人と同じ人間など、この世には存在しない。そうであるなら、相手の性格、性質を見極めた上で、それに合ったトークをするべきやというのが、ワシの考えや」という意味が分かって貰えるはずや。

『自分は泣き落としですが、成績が悪く困っています』ということやが、『泣き落とし』自体は悪くはない。

これは勧誘方法の一つ「泣き勧」と呼ばれているもので、唯一、不法行為に分類されていない、あるいはグレーな扱いになっている昔ながらのやり方でもあるさかいな。

もっとも、明らかに嘘、騙しのトークをした場合は不法行為になる場合もあるがな。それを理由に解約になったケースもある。

「契約を取って帰らないと、ご飯が食べられないのです」、「契約が貰えないと、上から酷い目に遭わされます」、「病気の妻(子供、親)がいるんです。助けると思って契約してください」というのが、オーソドックスな「泣き勧」のトークだと言われている。

日本人は全般的に情に脆い民族や。困っている人を見ると放っておけない、助けたいと考える人が多い。「泣き勧」は、その心理につけ込むやり方なわけや。

その是非については、それぞれ意見も異なるが、ワシは不法行為さえなければ、その情にすがるのでも構わないと思う。

ただ、あんたの『泣き落とし』というのが、どういった類のものか分からんので、軽々には言えんが、総体的に成功率はよくないと言われている。

実際、「泣き勧」で成功した勧誘員は殆どおらんさかいな。少なくともワシは知らん。

『泣き落とし』で契約が取れる相手なら、それでもええ。しかし、その『泣き落とし』が通用せん相手もいる。

そういう相手ばかりに遭遇すれば当然のように『成績が悪く困っています』という状態になってしまうわな。

その意味でも、勧誘方法は、できるだけ多く持っていて、いろいろな相手に対応できるようにしておいた方がええということや。


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